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48話
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このまま埋もれて眠りたい…。
『ちょっと!何寝ようとしてるの!』
『だって、フェンリルさんの毛並み気持ちよくて…』
『人は相変わらず我の毛が好きだな。確か前の愛し子も似たような事をしていたぞ』
モフモフは癒されるもの、やっぱり埋もれたいわよね。
『兎に角助かった。何かあればまた来ると良い』
『はい。フェンリルさんも無理しないで下さいね』
洞窟からそのまま部屋に転移する。
『フェンリルさんと何を話していたの?』
『フェンリル程のやつが当てられるなんて珍しいからね。通常の乱れか確認してた』
『どうだった?』
『フェンリルは異常だと判断して、精霊王に報告したって言ってたから大丈夫だと思うよ』
『異常な乱れって時々あるの?』
『元々壊れかけた世界だからね、突然大きく乱れたりもするよ』
フェーリはなんて事ないという感じだけれど、それって本当に大丈夫なのかしら?
『そういえば、少しは気分転換になった?』
『ええ。ありがとう、フェーリ』
『明日のお茶会、どうなるか楽しみだなぁ』
お茶会の日が近づくにつれ、落ち着かなくなってきたけれど、本当に良い気分転換になったわ。
でも…明日はフェーリに面白がられそうね…。
*****
翌日は部屋で朝食を食べてゆっくり過ごす。
やっぱり少し緊張するわ。
いつもお茶会に行く時みたいに準備が始まる。けれど…どう見てもミア達の気合いの入り方が凄い…。
「ねぇ…お兄様とだから、そんなに気合いを入れなくても…」
「いいえ!フェリクス様が見惚れるくらい綺麗にしますよ!」
「そうですよ!何のための顔合わせのお茶会だと思っているんですか!」
「あっ…はい…」
ミアとアンの勢いが凄いわ…こういう時はされるがままよ。というか、今更お兄様が私に見惚れたりするのかしら?
支度が終わり、しばらく休んでいると執事のテランスが迎えに来た。
庭のガゼボでは、すでにお兄様が待っていた。
「お招き頂き、ありがとうございます」
「いつもより綺麗だね。とても似合っているよ、ミュリー」
お兄様にエスコートされ席に着く。
普段とは違い使用人達もキリッとして控えているから、余計緊張してしまうわ。
「フェル兄様も、とても素敵です」
「お茶会の間はフェルと呼んで」
「…フェル様…」
蕩けるような笑顔で見つめられると、名前を呼んだだけなのに何だか恥ずかしいわ…。
「兄様と呼ばないだけで、少しは意識してもらえたかな?」
「そんなに見つめられたら、誰だって恥ずかしくなりますわ…」
「僕はミュリーの可愛い顔が見られて嬉しいよ。しかし、何を話そうね。顔合わせのお茶会は、お互いを知るのが目的だからね」
本来は「お見合い」目的のお茶会なのね。
でも…そうなると私達にはあまり話す事が無いわ。私は愛し子の事以外、お兄様には何でも話しているもの。
お兄様も会わなかった間に起こった事等、色々と話して下さるものね…。
今更「ご趣味は~」とか聞いても仕方ないわ。
「では…フェル様が王宮で、どんなお仕事をされているのか聞きたいです」
「あまり話した事は無かったね」
今はどうい仕事をしていて、私が卒業する前にはお父様の補佐になれそう等、今まで知らなかった事を話してくれたわ。
「ミュリーには面白い話ではなかったね」
「そんな事ありません。お父様のお仕事もよく分かっていませんでしたから。フェル様から聞けて良かったです」
「ミュリーも母様から色々習い始めたんだよね?」
そう。デビュタントして、お母様から貴族の夫人がする内向きの仕事というのを習い始めたわ。
「はい。お母様のお仕事は色々あって驚きました。来年は夜会とお茶会もお手伝いするんです」
ハイシーズンに我が家主催の大規模な夜会とお茶会を各1回開催する。
「母様の手伝いは楽しい?」
「はい。でも、ご招待する方を覚えるのは大変そうで…」
見せてもらった各家の情報が凄かったのよ。
どうやって調べてるのか愛人や借金の事まで書いてあるのよ。恐ろしかったわ…。
「ふふ、あれを見たのかな?」
「はい…」
「どんな情報が役に立つか分からないからね」
「それはそうですが…」
その後も他愛ない話をして過ごした。
お兄様にエスコートされ部屋に戻る。
「ミュリー、また誘っても良いかな?」
「はい。もちろんです」
「ふふ、僕のためにミュリーが着飾ってくれるのは、思った以上に嬉しかったよ」
蕩けるような笑顔と共に、私の髪を一房手に取るとお兄様に口付けられる。
「なっ……」
「ふふ、ミュリー真っ赤だね。今日から兄様は禁止だからね」
固まった私を部屋に残し、お兄様はとても楽しそうに手を振り去って行ったわ。
使用人や護衛は「やり過ぎです!」と心の中で思い、この日からお兄様と使用人の戦いは激しくなったとか…。
*****
『フェリクス、いつもと変わらないと思ったら最後でやったね!』
『フェーリ!思い出させないで…』
『髪にされるのって、そんなに恥ずかしいの?』
『恥ずかしかったわ…髪に口付けられるって思った以上に破壊力があったわ。しかも…お兄様のあの笑顔でされるのよ…』
落ち着いたのに思い出したせいで、再び枕を抱えてベッドの上で悶える。
『そういえば、フェリクスって君に口付けた事無いよね?』
思い返してみるけれど、お兄様には撫でられたりハグされたり膝に乗せられても…何処にも口付けられた事は無いわ。
『無いと思うわ…スキンシップはあるけれど、フリでもされた事は無いわ』
『へぇ~』
『ニヤニヤしないでよ!』
『それで?』
『何よ…』
『フェリクスの事、異性として見れそう?』
『まだ分からないわ…』
何となくだけれど「顔合わせのお茶会」をしたのは…早まったかもしれないわ…。
『ちょっと!何寝ようとしてるの!』
『だって、フェンリルさんの毛並み気持ちよくて…』
『人は相変わらず我の毛が好きだな。確か前の愛し子も似たような事をしていたぞ』
モフモフは癒されるもの、やっぱり埋もれたいわよね。
『兎に角助かった。何かあればまた来ると良い』
『はい。フェンリルさんも無理しないで下さいね』
洞窟からそのまま部屋に転移する。
『フェンリルさんと何を話していたの?』
『フェンリル程のやつが当てられるなんて珍しいからね。通常の乱れか確認してた』
『どうだった?』
『フェンリルは異常だと判断して、精霊王に報告したって言ってたから大丈夫だと思うよ』
『異常な乱れって時々あるの?』
『元々壊れかけた世界だからね、突然大きく乱れたりもするよ』
フェーリはなんて事ないという感じだけれど、それって本当に大丈夫なのかしら?
『そういえば、少しは気分転換になった?』
『ええ。ありがとう、フェーリ』
『明日のお茶会、どうなるか楽しみだなぁ』
お茶会の日が近づくにつれ、落ち着かなくなってきたけれど、本当に良い気分転換になったわ。
でも…明日はフェーリに面白がられそうね…。
*****
翌日は部屋で朝食を食べてゆっくり過ごす。
やっぱり少し緊張するわ。
いつもお茶会に行く時みたいに準備が始まる。けれど…どう見てもミア達の気合いの入り方が凄い…。
「ねぇ…お兄様とだから、そんなに気合いを入れなくても…」
「いいえ!フェリクス様が見惚れるくらい綺麗にしますよ!」
「そうですよ!何のための顔合わせのお茶会だと思っているんですか!」
「あっ…はい…」
ミアとアンの勢いが凄いわ…こういう時はされるがままよ。というか、今更お兄様が私に見惚れたりするのかしら?
支度が終わり、しばらく休んでいると執事のテランスが迎えに来た。
庭のガゼボでは、すでにお兄様が待っていた。
「お招き頂き、ありがとうございます」
「いつもより綺麗だね。とても似合っているよ、ミュリー」
お兄様にエスコートされ席に着く。
普段とは違い使用人達もキリッとして控えているから、余計緊張してしまうわ。
「フェル兄様も、とても素敵です」
「お茶会の間はフェルと呼んで」
「…フェル様…」
蕩けるような笑顔で見つめられると、名前を呼んだだけなのに何だか恥ずかしいわ…。
「兄様と呼ばないだけで、少しは意識してもらえたかな?」
「そんなに見つめられたら、誰だって恥ずかしくなりますわ…」
「僕はミュリーの可愛い顔が見られて嬉しいよ。しかし、何を話そうね。顔合わせのお茶会は、お互いを知るのが目的だからね」
本来は「お見合い」目的のお茶会なのね。
でも…そうなると私達にはあまり話す事が無いわ。私は愛し子の事以外、お兄様には何でも話しているもの。
お兄様も会わなかった間に起こった事等、色々と話して下さるものね…。
今更「ご趣味は~」とか聞いても仕方ないわ。
「では…フェル様が王宮で、どんなお仕事をされているのか聞きたいです」
「あまり話した事は無かったね」
今はどうい仕事をしていて、私が卒業する前にはお父様の補佐になれそう等、今まで知らなかった事を話してくれたわ。
「ミュリーには面白い話ではなかったね」
「そんな事ありません。お父様のお仕事もよく分かっていませんでしたから。フェル様から聞けて良かったです」
「ミュリーも母様から色々習い始めたんだよね?」
そう。デビュタントして、お母様から貴族の夫人がする内向きの仕事というのを習い始めたわ。
「はい。お母様のお仕事は色々あって驚きました。来年は夜会とお茶会もお手伝いするんです」
ハイシーズンに我が家主催の大規模な夜会とお茶会を各1回開催する。
「母様の手伝いは楽しい?」
「はい。でも、ご招待する方を覚えるのは大変そうで…」
見せてもらった各家の情報が凄かったのよ。
どうやって調べてるのか愛人や借金の事まで書いてあるのよ。恐ろしかったわ…。
「ふふ、あれを見たのかな?」
「はい…」
「どんな情報が役に立つか分からないからね」
「それはそうですが…」
その後も他愛ない話をして過ごした。
お兄様にエスコートされ部屋に戻る。
「ミュリー、また誘っても良いかな?」
「はい。もちろんです」
「ふふ、僕のためにミュリーが着飾ってくれるのは、思った以上に嬉しかったよ」
蕩けるような笑顔と共に、私の髪を一房手に取るとお兄様に口付けられる。
「なっ……」
「ふふ、ミュリー真っ赤だね。今日から兄様は禁止だからね」
固まった私を部屋に残し、お兄様はとても楽しそうに手を振り去って行ったわ。
使用人や護衛は「やり過ぎです!」と心の中で思い、この日からお兄様と使用人の戦いは激しくなったとか…。
*****
『フェリクス、いつもと変わらないと思ったら最後でやったね!』
『フェーリ!思い出させないで…』
『髪にされるのって、そんなに恥ずかしいの?』
『恥ずかしかったわ…髪に口付けられるって思った以上に破壊力があったわ。しかも…お兄様のあの笑顔でされるのよ…』
落ち着いたのに思い出したせいで、再び枕を抱えてベッドの上で悶える。
『そういえば、フェリクスって君に口付けた事無いよね?』
思い返してみるけれど、お兄様には撫でられたりハグされたり膝に乗せられても…何処にも口付けられた事は無いわ。
『無いと思うわ…スキンシップはあるけれど、フリでもされた事は無いわ』
『へぇ~』
『ニヤニヤしないでよ!』
『それで?』
『何よ…』
『フェリクスの事、異性として見れそう?』
『まだ分からないわ…』
何となくだけれど「顔合わせのお茶会」をしたのは…早まったかもしれないわ…。
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