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60代男性からの相談
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60代男性:「……無料転生案内所……。……歴史分室……?」
農家の三男に生まれた私は、中学を卒業すると同時に所謂『金の卵』と称され夜行列車に乗って東京へ。そんな私に待っていたのが、昼夜を問わず働きづめの毎日。高度成長期の名残残る時期であったこともあり忙しい日々を過ごして来たのでありましたが……。そんな私に好意を抱くもの現れ。縁あって結婚。子供も出来、小さいながらもマイホームなどと言うモノを手に入れた矢先のオイルショック。高度成長期も終わりを告げ。これまでのような昇給など夢のまた夢となった私の家族に対し、銀行は容赦なく返済を迫る毎日。それでも生来の健康な身体が幸いし、60と言う定年を迎えた私に対し勤め先は。
『契約社員と言う形で仕事を続けることが出来ますよ。』
の有難いお誘い。
(暇を持て余すのも家人に迷惑を掛けるだけだから。)
と快諾し、働き始めたのでありましたが……。
仕事の内容は変わらないにも関わらず給料は半分以下。働けば働くほど本来受け取ることの出来る年金は減らされるばかり……。これでは割に合わないと思っていた私の目に飛び込んできましたのが、この無料転生案内所『歴史分室』でありました。
案内人:「いらっしゃいませ。」
60代男性:「ここは転職を案内するところでは無いのですか?」
案内人:「それに近いと言えば近いのでありますが、ここで扱っていますのは『これまでの経験を活かしたい』もしくは『人生を変えてみたい』と考えられているかたが希望します歴史上の人物並びに希望されますシチュエーションを紹介。実際に体験して頂くことを目的に設立された団体であります。」
60代男性:「タイムスリップする。と言う事でありますか?」
案内人:「その通りです。」
60代男性:「どのような方法で?」
案内人:「これにつきましては企業秘密でありますので、ここで述べることは出来ません。どうしても……。とお考えでありましたら実際に体験して頂く形になるのでありますが……。ところでお客様は今。どのような仕事をされているのでありますか?」
60代男性:「定年退職と共に契約社員として同じ仕事に従事しているのでありますが、如何せん。責任と内容は同じなのにもかかわらず給料は半減。働けば働くほど年金が目減りする状況では……。と思っておりまして。それなら年金をフルに貰えながら家人に迷惑を掛けない=家に引きこもらずに済むことの出来るモノは無いものか?そんなことを考えていましたら目に飛び込んで来まして……。」
案内人:「収入よりもやり甲斐?」
60代男性:「そうですね。出来ることでありましたら。これまでは使われる身でありましたので、ヒトの上に立ち。大望を成し遂げる。何ていうのも面白いかもしれませんね……。贅沢を言いますと、私の年齢も年齢でありますので目的を達成する直前に転生することが出来れば……ベストかな?と……。」
案内人:「大望達成直前の歴史上の人物になりたいと……。そうなりますとこちらなんか如何でしょうか?『魏に援軍を要請するも旗が1つ送り付けられただけだった邪馬台国の女王・卑弥呼』と言うのがございますが。」
60代男性:「その旗を見た相手がひれ伏すわけではないですよね。」
案内人:「スタンドにデカデカと『常勝』の横断幕が掲げられた地方大会で敗退する高校球児と同じ気分を味わうことが出来ますが。」
60代男性:「『わざわざ中国まで使いを出したのに……。』の絶望感が上回りますね……。それがもとで卑弥呼は倒れてしまったのかもしれませんよ……。」
案内人:「やり甲斐はありますよ。」
60代男性:「心を病んでしまった人に対するカウンセリング何かは当時……。」
案内人:「その仕事を担っているのが卑弥呼でありますので。」
60代男性:「ちょっと厳しいですかね……。」
案内人:「特に障害となる外敵が居ない人物で探していきますと、『伊吹山を彷徨う日本武尊』と言うのは如何でしょうか?」
60代男性:「転勤に次ぐ転勤にもめげず功績を挙げるも、最後『過労』と言う形で終わるのはちょっと……。そういう人向けに医療団を派遣したほうが……。」
案内人:「それは面白いですね。因みにお客様は医師免許をお持ちでありますか?」
60代男性:「……15歳で集団就職……。」
案内人:「……ほかには、これは実質天下を取っているのではありますが。『弟と仲違いする足利尊氏』と言うのは?」
60代男性:「遺産の分割方法で揉める親戚みたいな出来事に。……60過ぎてから巻き込まれるのは勘弁願いたいモノであります。」
案内人:「そうなりますとこれですかね?『前田利家逝去直後の徳川家康』。お客様の年齢にも近いこともありますし、家康自身の余命も十分残されておりますので。」
60代男性:「これは良いですね。成功した人物の。しかも成功間近の場所に転生することが出来るのは。是非お願いします。」
案内人:「そうですか。それでしたらこちらの書類にサインを頂けますでしょうか?」
サインする60代男性
案内人:「ありがとうございます。早速1599年の徳川家康に転生して頂こうと思います。その方法はこちらの乗り物に乗って頂くだけであります。」
60代男性:「ロケットでありますか?」
案内人:「転生装置……ロケットと言ったほうがわかりやすいですね。こちらのロケットでありますが、まず真上に打ち上げられます。打ち上げられましたロケットは、お客様が転生して頂く年代に応じ高度が変わります。高ければ高いほど古い年代に移動することが出来ます。お客様の場合ですと1599年。その高さに達しましたところでロケットの噴射が止まります。」
60代男性:「止まるのですか?」
案内人:「はい。」
60代男性:「『はい。』って、そのあとどうなるのですか?」
案内人:「ご安心ください。垂直に上がった状態は保たれますので。」
60代男性:「垂直の体制が保たれたところで。」
案内人:「ロケットはそのままの姿勢で地面に向かって着陸態勢に入ります。」
60代男性:「当然逆噴射するのですよね?」
案内人:「私共の転生装置は着陸した時の衝撃波を利用しましてお客様の臨まれますシチュエーションへ誘うことになっておりますので、逆噴射などと言うモノはございません。」
60代男性:「それって大丈夫なのですか?」
案内人:「お客様には既に同意して頂いておりますので。」
60代男性:「ちょっと待ってください。今日日胃カメラの検査する時にもきちんと説明してくれるのに、何ですか?グラビアと聞いて現地行ったらの仕打ちは?」
案内人:「キャンセル費用は1000万円になりますが……。」
60代男性:「……わかりましたよ。関ヶ原直前の徳川家康になれば良いのですよね。……本当になれるのですよね。」
案内人:「世間的には大惨事にしか映らないかもしれませんが。」
60代男性:「本当に大丈夫なんですよね。」
(左斜め上に視線を送る案内人)
60代男性:「乗りますよ。乗れば良いのですよね……。」
転生装置に乗り込む60代男性。ここで本当の大惨事になってしまいますと話が終わってしまいますので。
60代男性(徳川家康):「散々不安を煽られたけれども、ついてしまえば何てことは無い……。徳川家康なのか私は……。前田利家逝去直後の家康になった。と言うことは……史実通りに動けば良い。ってことだよな……。今頃7人の武将が石田三成を……。ってことだよな。」
池田輝政:「父上!」
60代男性(徳川家康):「どうした輝政。首尾よく三成を伏見に追い込むことは出来たのか?」
池田輝政:「それが父上。肝心の三成が見当たりませぬ。」
60代男性(徳川家康):「何!!三成は今。利家の通夜に参列しているハズでは無いのか?」
池田輝政:「その三成が居ないのであります。」
その頃石田三成は
石田三成:「俺がここで伏見に追いやらなければ家康の天下は無いんだよな……。ならば徹底的に逃げ回ってやるまでのこと……。」
案内人:「転生した人物の持つ特性の1つに『史実を知っていること』を挙げることが出来ます。成功した人物に転生したものは史実の通りに。そうで無いものは史実で失敗したことをやらないようにしていけば、自ずと良い結果に結びつくのでありますが、それはあくまで転生した人物が1人であった場合であります。今回60代男性が転生した1599年の日本には徳川家康以外にも複数の人物が現代から送り込まれております。石田三成もその1人。ただそんな彼らに対し、複数の人物が同じ場所に転生していることは伝えておりません。果たして彼らはどのような手を打ち、どのような結末を迎えることになるのでありましょうか?」
農家の三男に生まれた私は、中学を卒業すると同時に所謂『金の卵』と称され夜行列車に乗って東京へ。そんな私に待っていたのが、昼夜を問わず働きづめの毎日。高度成長期の名残残る時期であったこともあり忙しい日々を過ごして来たのでありましたが……。そんな私に好意を抱くもの現れ。縁あって結婚。子供も出来、小さいながらもマイホームなどと言うモノを手に入れた矢先のオイルショック。高度成長期も終わりを告げ。これまでのような昇給など夢のまた夢となった私の家族に対し、銀行は容赦なく返済を迫る毎日。それでも生来の健康な身体が幸いし、60と言う定年を迎えた私に対し勤め先は。
『契約社員と言う形で仕事を続けることが出来ますよ。』
の有難いお誘い。
(暇を持て余すのも家人に迷惑を掛けるだけだから。)
と快諾し、働き始めたのでありましたが……。
仕事の内容は変わらないにも関わらず給料は半分以下。働けば働くほど本来受け取ることの出来る年金は減らされるばかり……。これでは割に合わないと思っていた私の目に飛び込んできましたのが、この無料転生案内所『歴史分室』でありました。
案内人:「いらっしゃいませ。」
60代男性:「ここは転職を案内するところでは無いのですか?」
案内人:「それに近いと言えば近いのでありますが、ここで扱っていますのは『これまでの経験を活かしたい』もしくは『人生を変えてみたい』と考えられているかたが希望します歴史上の人物並びに希望されますシチュエーションを紹介。実際に体験して頂くことを目的に設立された団体であります。」
60代男性:「タイムスリップする。と言う事でありますか?」
案内人:「その通りです。」
60代男性:「どのような方法で?」
案内人:「これにつきましては企業秘密でありますので、ここで述べることは出来ません。どうしても……。とお考えでありましたら実際に体験して頂く形になるのでありますが……。ところでお客様は今。どのような仕事をされているのでありますか?」
60代男性:「定年退職と共に契約社員として同じ仕事に従事しているのでありますが、如何せん。責任と内容は同じなのにもかかわらず給料は半減。働けば働くほど年金が目減りする状況では……。と思っておりまして。それなら年金をフルに貰えながら家人に迷惑を掛けない=家に引きこもらずに済むことの出来るモノは無いものか?そんなことを考えていましたら目に飛び込んで来まして……。」
案内人:「収入よりもやり甲斐?」
60代男性:「そうですね。出来ることでありましたら。これまでは使われる身でありましたので、ヒトの上に立ち。大望を成し遂げる。何ていうのも面白いかもしれませんね……。贅沢を言いますと、私の年齢も年齢でありますので目的を達成する直前に転生することが出来れば……ベストかな?と……。」
案内人:「大望達成直前の歴史上の人物になりたいと……。そうなりますとこちらなんか如何でしょうか?『魏に援軍を要請するも旗が1つ送り付けられただけだった邪馬台国の女王・卑弥呼』と言うのがございますが。」
60代男性:「その旗を見た相手がひれ伏すわけではないですよね。」
案内人:「スタンドにデカデカと『常勝』の横断幕が掲げられた地方大会で敗退する高校球児と同じ気分を味わうことが出来ますが。」
60代男性:「『わざわざ中国まで使いを出したのに……。』の絶望感が上回りますね……。それがもとで卑弥呼は倒れてしまったのかもしれませんよ……。」
案内人:「やり甲斐はありますよ。」
60代男性:「心を病んでしまった人に対するカウンセリング何かは当時……。」
案内人:「その仕事を担っているのが卑弥呼でありますので。」
60代男性:「ちょっと厳しいですかね……。」
案内人:「特に障害となる外敵が居ない人物で探していきますと、『伊吹山を彷徨う日本武尊』と言うのは如何でしょうか?」
60代男性:「転勤に次ぐ転勤にもめげず功績を挙げるも、最後『過労』と言う形で終わるのはちょっと……。そういう人向けに医療団を派遣したほうが……。」
案内人:「それは面白いですね。因みにお客様は医師免許をお持ちでありますか?」
60代男性:「……15歳で集団就職……。」
案内人:「……ほかには、これは実質天下を取っているのではありますが。『弟と仲違いする足利尊氏』と言うのは?」
60代男性:「遺産の分割方法で揉める親戚みたいな出来事に。……60過ぎてから巻き込まれるのは勘弁願いたいモノであります。」
案内人:「そうなりますとこれですかね?『前田利家逝去直後の徳川家康』。お客様の年齢にも近いこともありますし、家康自身の余命も十分残されておりますので。」
60代男性:「これは良いですね。成功した人物の。しかも成功間近の場所に転生することが出来るのは。是非お願いします。」
案内人:「そうですか。それでしたらこちらの書類にサインを頂けますでしょうか?」
サインする60代男性
案内人:「ありがとうございます。早速1599年の徳川家康に転生して頂こうと思います。その方法はこちらの乗り物に乗って頂くだけであります。」
60代男性:「ロケットでありますか?」
案内人:「転生装置……ロケットと言ったほうがわかりやすいですね。こちらのロケットでありますが、まず真上に打ち上げられます。打ち上げられましたロケットは、お客様が転生して頂く年代に応じ高度が変わります。高ければ高いほど古い年代に移動することが出来ます。お客様の場合ですと1599年。その高さに達しましたところでロケットの噴射が止まります。」
60代男性:「止まるのですか?」
案内人:「はい。」
60代男性:「『はい。』って、そのあとどうなるのですか?」
案内人:「ご安心ください。垂直に上がった状態は保たれますので。」
60代男性:「垂直の体制が保たれたところで。」
案内人:「ロケットはそのままの姿勢で地面に向かって着陸態勢に入ります。」
60代男性:「当然逆噴射するのですよね?」
案内人:「私共の転生装置は着陸した時の衝撃波を利用しましてお客様の臨まれますシチュエーションへ誘うことになっておりますので、逆噴射などと言うモノはございません。」
60代男性:「それって大丈夫なのですか?」
案内人:「お客様には既に同意して頂いておりますので。」
60代男性:「ちょっと待ってください。今日日胃カメラの検査する時にもきちんと説明してくれるのに、何ですか?グラビアと聞いて現地行ったらの仕打ちは?」
案内人:「キャンセル費用は1000万円になりますが……。」
60代男性:「……わかりましたよ。関ヶ原直前の徳川家康になれば良いのですよね。……本当になれるのですよね。」
案内人:「世間的には大惨事にしか映らないかもしれませんが。」
60代男性:「本当に大丈夫なんですよね。」
(左斜め上に視線を送る案内人)
60代男性:「乗りますよ。乗れば良いのですよね……。」
転生装置に乗り込む60代男性。ここで本当の大惨事になってしまいますと話が終わってしまいますので。
60代男性(徳川家康):「散々不安を煽られたけれども、ついてしまえば何てことは無い……。徳川家康なのか私は……。前田利家逝去直後の家康になった。と言うことは……史実通りに動けば良い。ってことだよな……。今頃7人の武将が石田三成を……。ってことだよな。」
池田輝政:「父上!」
60代男性(徳川家康):「どうした輝政。首尾よく三成を伏見に追い込むことは出来たのか?」
池田輝政:「それが父上。肝心の三成が見当たりませぬ。」
60代男性(徳川家康):「何!!三成は今。利家の通夜に参列しているハズでは無いのか?」
池田輝政:「その三成が居ないのであります。」
その頃石田三成は
石田三成:「俺がここで伏見に追いやらなければ家康の天下は無いんだよな……。ならば徹底的に逃げ回ってやるまでのこと……。」
案内人:「転生した人物の持つ特性の1つに『史実を知っていること』を挙げることが出来ます。成功した人物に転生したものは史実の通りに。そうで無いものは史実で失敗したことをやらないようにしていけば、自ずと良い結果に結びつくのでありますが、それはあくまで転生した人物が1人であった場合であります。今回60代男性が転生した1599年の日本には徳川家康以外にも複数の人物が現代から送り込まれております。石田三成もその1人。ただそんな彼らに対し、複数の人物が同じ場所に転生していることは伝えておりません。果たして彼らはどのような手を打ち、どのような結末を迎えることになるのでありましょうか?」
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