388 / 625
殿中掟
しおりを挟む
私(村上義清)「では何が問題になるのだ?」
春日虎綱「将軍様が単独で裁定した事。その物であります。」
私(村上義清)「ん?ん!?ん!!」
春日虎綱「織田信長は将軍様を軍事面経済面において無くてはならない存在であります。彼無くして将軍様は自らの地位を維持する事は出来ません。それは紛れもない事実であり、将軍様もそれを自覚しています。
しかし将軍様は将軍様であります。信長は信長でしかありません。たとえ信長が軍事的経済的に力を持っていたとしましても、信長ではどうする事も出来ない物があります。それは権威であります。
現在、駿河の今川氏真は賊将の汚名を被せられ、我々や家康並びに義信や氏康から追討される立場にあります。ただそれを決める権限は信長にはありません。あくまで将軍様の力を借りなければ成立しなかった事であります。もし家康が将軍様の了承無しに氏真を攻めた場合、今苦境に立たされていたのは氏真では無く家康であります。たとえ信長の後ろ盾があったとしましても。
幸いにしまして将軍様と信長の関係が瓦解しているわけではありません。依然京の秩序は保たれています。ただそれは将軍様に軍事的経済的に力が無いからであります。もし将軍様を支援する。信長と対抗する事が出来る。信長を脅かす事が出来る勢力が現れた場合、将軍様はどのような動きを見せるようになるのか?それを信長は危惧しています。そのためにも信長は、将軍様が将軍様の仕事を。将軍様自らの手で行われる事を善しとは考えていません。そこで将軍様と信長の間で取り決められたのが『殿中掟』であります。
『全ての事柄について、信長を通してください。』
と言う物であります。」
私(村上義清)「それを将軍が無視していた事がバレてしまった?」
春日虎綱「そうなります。信長の家臣も京には居ますが、如何せん相手は将軍様でありますので、止めることなど出来ません。半年の間。積もりに積もった物が信長の上洛と共に、一気に噴出してしまったのでありましょう。
しかし将軍様は将軍様であります。信長は信長でしかありません。通常でありましたら分をわきまえて我慢をするか、排除に乗り出すかの二者択一を迫られる事になりまして、結果。正しい正しくないは別にしまして、将軍様で無い側が没落していく事が繰り返されて来ました。それを防ぐため、信長が将軍様との間で定めたのが『殿中掟』であります。」
真田幸隆「取り決めに違反している事であれば、信長が将軍様を叱責しても問題は無い。考えましたね。」
私(村上義清)「……そうだな……。」
春日虎綱「将軍様が単独で裁定した事。その物であります。」
私(村上義清)「ん?ん!?ん!!」
春日虎綱「織田信長は将軍様を軍事面経済面において無くてはならない存在であります。彼無くして将軍様は自らの地位を維持する事は出来ません。それは紛れもない事実であり、将軍様もそれを自覚しています。
しかし将軍様は将軍様であります。信長は信長でしかありません。たとえ信長が軍事的経済的に力を持っていたとしましても、信長ではどうする事も出来ない物があります。それは権威であります。
現在、駿河の今川氏真は賊将の汚名を被せられ、我々や家康並びに義信や氏康から追討される立場にあります。ただそれを決める権限は信長にはありません。あくまで将軍様の力を借りなければ成立しなかった事であります。もし家康が将軍様の了承無しに氏真を攻めた場合、今苦境に立たされていたのは氏真では無く家康であります。たとえ信長の後ろ盾があったとしましても。
幸いにしまして将軍様と信長の関係が瓦解しているわけではありません。依然京の秩序は保たれています。ただそれは将軍様に軍事的経済的に力が無いからであります。もし将軍様を支援する。信長と対抗する事が出来る。信長を脅かす事が出来る勢力が現れた場合、将軍様はどのような動きを見せるようになるのか?それを信長は危惧しています。そのためにも信長は、将軍様が将軍様の仕事を。将軍様自らの手で行われる事を善しとは考えていません。そこで将軍様と信長の間で取り決められたのが『殿中掟』であります。
『全ての事柄について、信長を通してください。』
と言う物であります。」
私(村上義清)「それを将軍が無視していた事がバレてしまった?」
春日虎綱「そうなります。信長の家臣も京には居ますが、如何せん相手は将軍様でありますので、止めることなど出来ません。半年の間。積もりに積もった物が信長の上洛と共に、一気に噴出してしまったのでありましょう。
しかし将軍様は将軍様であります。信長は信長でしかありません。通常でありましたら分をわきまえて我慢をするか、排除に乗り出すかの二者択一を迫られる事になりまして、結果。正しい正しくないは別にしまして、将軍様で無い側が没落していく事が繰り返されて来ました。それを防ぐため、信長が将軍様との間で定めたのが『殿中掟』であります。」
真田幸隆「取り決めに違反している事であれば、信長が将軍様を叱責しても問題は無い。考えましたね。」
私(村上義清)「……そうだな……。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
転生 上杉謙信の弟 兄に殺されたくないので全力を尽くします!
克全
ファンタジー
上杉謙信の弟に転生したウェブ仮想戦記作家は、四兄の上杉謙信や長兄の長尾晴景に殺されないように動く。特に黒滝城主の黒田秀忠の叛乱によって次兄や三兄と一緒に殺されないように知恵を絞る。一切の自重をせすに前世の知識を使って農業改革に産業改革、軍事改革を行って日本を統一にまい進する。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる