旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

一時帰国

　小幡衆当主への復帰を果たした小幡憲重に武田義信領する佐久からの侵入口。余地峠までの領有化を命じた真田幸隆は信濃へ帰国。彼の本貫地である尼ヶ淵で次なるいくさに備えている所に村上義清が高遠勝頼を連れ合流。



私（村上義清）「俺ら必要か？」

真田幸隆「ここからが本番であります。それに独り勝ちは無用な嫉妬を招きます故。」



　真田幸隆の頭にあるのは太田道灌の最期。



私（村上義清）「それこそ当方滅亡だよ。」

真田幸隆「ですよね。」

真田昌幸「その気になれば輝虎を唆して殿を追い落とす事も可能でありますからね。」

真田幸隆「そうならないよう輝虎との窓口は殿に一任している。」

私（村上義清）「無理難題を押し付けているだけのような気もするのだが。」

高遠勝頼「……上野攻略のため。と聞いてここに来たのでありますが……。」

真田幸隆「ここからは簡単にいかぬ故そなたの助けを借りたいと希望を出した次第である。」

高遠勝頼「いくさをする相手は上野であって、殿では無いですよね？」

真田昌幸「時と場合によります。」

私（村上義清）「（鎖帷子着込んだ方がいいかもしれないな……。）」

真田幸隆「次なる攻略目標は安中氏が領する松井田城と安中城であります。安中氏は小幡憲重や長野業盛同様元々は山内上杉の家臣でありました。ありましたが河越後、憲政と行動を共にし越後に落ち延びた者も居れば北条に従った者も居ます。混乱はこれに留まらず輝虎の関東入りの際、輝虎に降る者も居れば北条領に退去する者も現れるなど一族内で分裂を繰り返しながら現在に至っています。目的は１つ。全員まとめて滅びる事が無いようにするためであります。」

私（村上義清）「そこに更なる難題。」

真田幸隆「輝虎より委任された私に従うか従わないかを提示しただけの事であります。」

高遠勝頼「普通でしたら特に問題にはなりませんね。」

真田昌幸「えぇ。話をややこしくしているのは殿の存在であります。」

私（村上義清）「世間からすれば幸隆は俺の家臣になるからな……。」

高遠勝頼「それで上野の前に殿を血祭りに上げなければならなくなった。と……。」

私（村上義清）「（そういやこいつら玉薬の使い手だったよな……。鎖帷子では助からないか……。）」

真田幸隆「待ちなさい。殿にはまだ利用価値と言う物がある故。今は耐えてくれ。」

真田昌幸「時と場合によります。今はその時で無い事は重々承知しています。」

私（村上義清）「（上野のいくさ頑張らないと……。本当に俺。こいつらに排除される事になるな……。）」