ケチと言われた家康の代わりに豪遊してやろうと転生した結果。ただ単に貧乏なだけだった。

俣彦

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プロローグ

転生へと至った動機

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私:「転生案内所……!?」

 8月12日。世間では帰省ラッシュや出国ラッシュなどお盆の長期の休みを使い、思い思いの休日を楽しんでいる中。大手量販店内のテナントに出店している会社に勤めている私と来ましたら……。必ずしも喜ばれるとは思われない品物を詰め合わせた『帰省土産』を売りつけるべく今日も客寄せの声を張り上げる毎日……。昨今はスマートな売り方が好まれるらしく。通路に出ることはおろか。声を張り上げることも宜しくないらしく。キーテナントとのせめぎ合いの日々。
(黙っていて売れる代物では無いんですよ。うちは……。)
 こう言うサービス業は、世間が休みの日である程書き入れ時でありますので、盆とかゴールデンウイークが仕事であるのは仕方のないことなのであります。もっとも大きなところですと、繁忙期の合間合間を使いまして休暇を取得することになるのでありますが。私が勤めていますところは、そこまでの人員の余裕はございません。かつての大型スーパーでありましたら近隣の商店への配慮のため、週に一度。必ず『定休日』が設定されていたのでありましたが。あるスーパーが表向きは定休日でありますが、そのスーパーが発行するクレジットカードを持っているかたのみを対象としました特別招待会なるものを定休日に開催。それがヒットした結果。
(昨年対比で見られる世界でありますので……。)
それが当たり前となり。法律の変更などありまして『定休日が消滅』。当初は10時から19時でありました営業時間も20時まで。更には21時へと延長。開店時間も10時から9時に早まったりしていく内に『24時間営業』の量販店も出現する始末。キーテナントが開いている以上。
(……専門店が店を閉めるわけには行かないんですよね……。)
(……21時以降なんか誰も買わないのに……。)
似たような形で元日からの営業が普通となり、大晦日の営業が終わると同時に新年の営業が幕を開ける……。
(……人間。そんな簡単に切り替えなんか出来ませんよ……。)
(……福袋しか売れないのに……。元日からか……。)
(……このまま私の人生は終わってしまうのか……。)
そんな私に追い打ちを掛けるように告げられたのが『キーテナントの撤退』。量販店の寿命は概ね30年。建物がくたびれて来ることもありますし、開店当時は人口増加著しい新興の住宅地でありましても、30年も経過しますと当時の子供さんがたは、新興の住宅地でありますので、そこで生計を立てることは難しい。で。仕事の都合などもありまして別の場所で所帯を設けることになる。結果、残されたのは定年を迎えられました老夫婦。その老夫婦もやがて寿命を迎えることになり、30年前の新興住宅地は主の失った家々が軒を連ねるゴーストタウンと化すことになります。あとは更地にし、ソーラーパネルを敷き詰めるのみの旧ニュータウンに店を構えるメリットは、もはや量販店には存在しない。勿論そのことは私も理解しているのでありますが……。大手さんは新たな店を設けまして、従業員もその新たな店に。や系列のコンビニエンストアなどに配置転換を図れば従業員にとっては必ずしも望んで。と言うわけでは勿論無いのでありますが、やりようは幾らでもあるじゃないですか。
でもうちはそこまで手広くやっているわけでなし。かと言いまして独立した店舗を構えてやっていけるだけの集客力があるわけでもない。これからもキーテナントの思惑1つに振り回されることになる……。
(……なにか違う事をやってみようか……。)

そんな私の目に飛び込んで来たのが『転生案内所』の看板でありました。
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