旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?

俣彦

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模索

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私(武田勝頼)「謙信の面子を保つためには関東における彼の地位が盤石で無ければならない。しかし現状はそれとは程遠い位置。越後からの入口を確保するのに手一杯。」

内藤昌豊「因みにでありますが、上野における上杉自らの勢力圏は養父憲政が越後に逃亡した時とほぼ同じであります。

 謙信はこれまで。大々的に関東管領の就任を宣言したにも関わらず、北条の本拠地である相模に入る事が出来たのはその一度のみ。関東公方に推した関白を関東の諸将に拒絶され。その関白も去ってしまいました。その後、謙信は関東の反北条勢力の要望に応えるだけの不毛ないくさを余儀なくされる事になりました。15年の月日を経た現在、最初の位置に戻される羽目に遭っています。」

私(武田勝頼)「上杉謙信が北条と妥協出来るだけの勢力となると……。」

内藤昌豊「答えたくはありませんが、上野一国になります。」

私(武田勝頼)「上杉と北条のために、うちが領土を手放すのは忌々しい。」

内藤昌豊「特に自力で切り開いた真田が許さないでしょう。」



 静かに頷く真田信綱と武藤喜兵衛。



私(武田勝頼)「一向宗と謙信が和睦した場合、西で謙信を遮るものはあるか?」

馬場信春「能登の畠山であります。あそこは重臣衆の力が強く、当主の交代も激しい家であります。」

私(武田勝頼)「そこにこれまで同盟を結んでいた織田と上杉の関係が壊れると……。」

馬場信春「混迷の度合いを更に深める事になります。」

私(武田勝頼)「そこを無視して上洛する事は?」

馬場信春「謙信と一向宗が和睦する以上、一向宗の拠点を使う事は出来ません。越中富山から織田の越前最前線である敦賀までは相当の距離があり、途中。腰を落ち着ける場所が必要となります。その打ってつけとなる場所が畠山の本拠地である七尾城であります。」

私(武田勝頼)「となると謙信がすぐ信長と相対す事は難しい?」

馬場信春「七尾城攻略に傾注する事が出来るよう体制を整える必要があります。」

私(武田勝頼)「関東との両立など。」

馬場信春「これまで同様、虻蜂取らずになってしまいます。」

私(武田勝頼)「氏政は同意しているんだよな?」

跡部勝資「はい。『関東で邪魔する者が居なくなるのでしたら。』と。」

長坂釣閑斎「少し良いか?」

私(武田勝頼)「勿論であります。」

長坂釣閑斎「謙信は領土を求めているわけでは必ずしも無い?」

跡部勝資「うちの権益に触れる事はありませんでした。」

長坂釣閑斎「氏政は気に入らないが、北条を滅亡させようとは思っていない?」

跡部勝資「謙信が引っ掛かっているのは、氏政のこれまでの対応であります。」

長坂釣閑斎「つまり謙信は自身の関東における地位が傷付かなければ問題無い?」

跡部勝資「話を聞いている限りでありますが。」

長坂釣閑斎「ならば糸口があります。」



 その糸口とは?
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