旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?

俣彦

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野辺神社

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 馬場信春、山県昌景の両隊向かった先。そこは織田信雄が居た新御堂山のすぐ東に位置する野辺神社。そこで待ち構えていたのは……。



山県昌景「やはり居ましたか。」

馬場信春「時間が無い。すぐに取り掛かるぞ。」

山県昌景「わかりました。」



 織田信長嫡男織田信忠。織田信長にもしもの事があった時、当主となるべき立場にあるのが織田信忠。彼にとって最もやらなければならない大事な事は自らの命を守る事。危機に接した際、信忠が採るべき行動はただ1つ。一目散に安全地帯へ退避する事。逆に絶対にしてはいけない事は危険を冒して戦う事。その事は信忠もわかっているハズなのでありましたが、彼の足を鈍らせるのに効果を発揮したのが……。



山県昌景「佐久間信盛って、俺たちが思っている以上に織田家中で影響力があるんだな。」

馬場信春「三方ヶ原だけで判断してはいけないな……。」

山県昌景「大岡の話だと援軍として浜松にやって来た佐久間を見て、家康が落胆した。と聞いているが。」

馬場信春「今ここに居る織田軍の数。3万以上の兵を動員出来る信長だぞ。家康もそれを期待していたのであろう。しかしあの時佐久間が連れて来たのは……。」

山県昌景「3千だったとか。」

馬場信春「3千でも大きいけどな。」

山県昌景「確かに。」



 野辺神社にて、最後の抵抗を試みる織田信忠。しかし衆寡敵せず。



 野辺神社に入る馬場信春と山県昌景。



馬場信春「信忠は見つかったか?」

山県昌景「いえ。」

馬場信春「徹底してるな。あの親子。」

山県昌景「えぇ。まだ我らの勝利を確定させる事は出来ません。」

馬場信春「生きて何処かの部隊と合流していたら厄介だ。」

山県昌景「はい。」

馬場信春「ここは危ない。真田と合流するぞ。」

山県昌景「わかりました。」



 真田信綱昌輝兄弟は既に退却に移っていた織田信雄の背後を衝き、馬場信春の指示通り茶臼山方面に追いやる事に成功。その狙いは……。



山県昌景「連吾川に陣取る織田勢を混乱させるためでありますね?」

馬場信春「奴らの退路は2つ。1つは連吾川を渡って長篠城の奥平と合流する事。そしてもう1つが茶臼山を登る事。その茶臼山を安全地帯に居るハズの織田信雄の隊が逃げ惑っていたら……。」

山県昌景「下で陣取っている者共は大混乱に陥る事になります。」



 戦況を見つめる馬場信春。



馬場信春「そろそろだな。」

山県昌景「我らも加勢を?」

馬場信春「いや違う。」

山県昌景「と言われますと?」

馬場信春「頃合いは良し!真田両隊に退却を知らせる狼煙を上げよ!!」

山県昌景「えっ!何故でありますか!?」
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