旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?

俣彦

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安宅船

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 暫し時が流れ、前芝湊。

「ん!?あれは何だ!?」

 異変に気付いたのは湊で宿直業務にあたっていた面々。

 朝靄が晴れた三河湾に突如として現れたもの。それは……1艘の大型戦艦安宅船。

 その安宅船の周りを関船が守り。更にその外側を数え切れない小早が湊を覆い尽くしていたのでありました。



 戻って一宮。



跡部勝資「『小浜景隆を回して欲しい。』

と仰るのでありますか?」

高坂昌信「頼む!局面を打開するためには、これまでの経験ではどうする事も出来ない状況に陥ってしまっています。このまま持久戦に持ち込まれた場合、先に干上がるのはこちら側。今はそれでもまだ良い。相手が徳川だけでありますから。問題は織田の動きであります。もし織田信雄が徳川信康と共に攻め込んで来たら、戦線が分散している我らは持ちません。一刻も早く伊奈吉田両城を押さえなければなりません。」

跡部勝資「そのために何故小浜を必要とするのだ?」

高坂昌信「目的は伊奈吉田の補給路を断つ事であります。現状、伊奈と吉田から徳川の本拠地である岡崎並びにかつて家康が居た浜松との連絡路を遮断する事が出来ています。ただそれは陸だけの話であります。海、川の通航を止める事は出来ていません。」

山県昌景「そのため城番の交代が通常通り行われています。」

跡部勝資「『心身ともに健康な兵が城を守り続けている。』

と言う事でありますか?」

高坂昌信「はい。」

跡部勝資「これを妨げるためには小浜の力が不可欠と考えている?」

山県昌景「はい。」

跡部勝資「殿。宜しいでしょうか?」

私(武田勝頼)「穴山に聞いた方が良いかもしれない。」

跡部勝資「穴山様。如何でしょうか?」

穴山信君「徳川が水軍を持っていない。そのため海から高天神が脅かされる心配は無い。もし何かあっても北条との関係が良好である故、駿河の者を回せば良い。」

跡部勝資「そうなりますと問題となるのが、そこまでの移動手段であります。徳川に水軍が無いとは言え、途中の陸地は全て徳川の権益であります。安全に停泊する事が出来る場所。特に後戻りが出来なくなります今切以西で確保する必要があると考えますが如何でしょうか?」

山県昌景「……一時的なもので良いか?」

跡部勝資「可能でありますか?」

山県昌景「海岸沿いの要所に話を付ける。勿論、手荒な真似はせぬ。必要なのは……。」

跡部勝資「資金でありますね?」

高坂昌信「申し訳ない。」

跡部勝資「構いません。いくさに関して私は門外漢でありますので。ただしここまでした以上、成果を上げていただかなければなりません。」
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