おばあちゃんのおかず。

kitahara

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おばあちゃんのご飯の友。

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おばあちゃんのご飯の友はどこか変っている…



畑で採れたとても甘い西瓜を丸ごと一個、井戸で冷やしてお昼にみんなでおいしく食べた。


そして次の日、緑の皮を取り除いた西瓜の浅漬けが食卓に上る…


みそ汁と出汁巻き卵に味付け海苔の朝ごはん。


その食卓の中央にドーンと置かれた大きな鉢。


 大鉢の中に入った、いろいろな形に切られたひと口大の西瓜の皮…


わたしの家では、普通に捨てられている少し実のついた西瓜の皮…


歯形はついていないけれど、明らかに昨日食べた西瓜だと判る。


なんで?


 驚いているわたしにおばあちゃんは、



食べれるところは、捨てずに 食べるんだよ…



 食糧難の時代を生きたおばあちゃん。


 本当に食べるの?


おいしいから食べてみな。



アツアツの白いご飯の上におばあちゃんが載せた西瓜の漬物。


 箸でつかみあげると緑の皮の付いていない白い部分がふにゃっとまがる。


おばあちゃんが見ているから。


そのまま、口の中に入れてみる。

こりっ。
もぎゅっ。

 独特の食感。

 塩が効いた漬物部分と少し厚めについてる赤い実の部分が甘くて。


 意外とおいしい…

かなり好きかも…


だろう。

と笑うおばあちゃん。



みんなの箸がのびて、ご飯そっちのけであっという間になくなった西瓜の漬物。

 醤油をかけたり、かつお節をかけたりと普通に食べた。


おやつに食べてご飯のお友になって二度、おいしい西瓜って。

 西瓜…の浅漬け。


 西瓜の好きなわたし


おばあちゃんのご飯の友、侮りがたし…






夏が来ると食べた西瓜の浅漬け。


季節を問わず現れ、店頭に並べられた西瓜。


ポンポンと叩いて音を聞く。


いまは、買ってきた西瓜を半分に切って冷蔵庫の大半を占めて冷やしてから出す。


 最後まで食べないでと口うるさく注意してから、みんなで食べる。


 少し厚めに実を残してもらった?西瓜の緑の皮を切りとって塩をかけて冷蔵庫で冷やす。



おばあちゃん。


おばあちゃんの西瓜の浅漬け。


今は家の食卓に乗ってる。

おばあちゃん


おばあちゃんのご飯のお友


みんなでおいしく食べているよ。















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