紳士は若女将がお好き

LUKA

文字の大きさ
5 / 31

しおりを挟む
 貰った名刺に印字された、夕貴の携帯番号へかける勇気が出る、また実際にかけるまで、香は時間を大分要した。

何故ならば、万が一かけたとしても、出てもらえなかったり、拒否されてしまったならば、揶揄からかわれていただけ、或いはただ遊ばれていたと、失望するのが怖かったからだ。

その上、家の商売のことがあり、商売敵と親しくなって良いのだろうかと、彼女は悶々と悩み、逡巡していたため、なかなか決断へ踏み切れなかった。

だが、いつまでもぐずぐずと躊躇っているようでは、いずれ忘れ去られてしまうかもしれなく、そちらの恐怖の方が勝っていた香は、女将の母親が出払っているうちに、勇気を振り絞って、携帯からくだんの番号へかけてみた。

緊張のため、ドキドキと弾む胸を携え、コール音を聴きつつ彼女は応答を待った。

「―――はい」

数回のコールの後、夕貴が電話へ出た。

「あ・・・。か、香です!志筑旅館の」

すると、姿は見えないが、実際に微笑んでいるのだろう、喜々とした声が返ってきた。

「香さん・・・!」

それだけで、決心して電話した甲斐があった。

「先日はどうもありがとうございました。皆さんお変わりないですか?」

「はい。それはもう」

「そうですか。それは良かったです。香さんもお変わりありませんか?」

「はい。元気です。明日葉さんはお元気ですか?」

「絶好調です。ちょうどあなたの声が聴きたいと思っていたところでした」

喜びから、頬がポッと点灯した。

「あ、ありがとうございます(?)。えっと・・・、わたしも・・・です」

「ふふ。ありがとうございます。ですが、もう少ししたら、俺から電話するつもりだったんです」

「どうしてですか?」

「実はようやく、うちのホテルがオープンへこぎつけまして。さきがけ来週にオープニングパーティーを開くので、是非香さんにも出席していただきたく、招待状を送らせてもらいました」

「えっ」(パーティー)

「い、いえ。わたしには、そんな立派な会に呼ばれる理由なんてありませんから」

豪華なパーティーなど、これまでの彼女の人生には無縁だったのだ。

「大丈夫ですよ。パーティーはそこまで畏まったものではありませんから、気軽にいらしてください」

「はあ・・・」


 数日が経ち、招待状が届くと、門構えの外で折よく出くわした香は、他の郵便物と共に、配達員から直接受け取った。

それから、彼女は辺りを見回し、見知った人間がいないか確認すると、他の郵便物を帯の間へ挟み、封筒を開け、中身へ目を通した。

中には、四次元コードが付いた招待状と共に、日時と場所が記載された紙が入っており、軽装で来ても構わない等、但し書きも書かれていた。

また、紙の最後の方に、恐らく夕貴の直筆だろう、綺麗な字で、待っていますと一言が添えられており、これでは行かざる負えないではないかと、胸が期待に膨らんだ。


 オープニングパーティー当日がやって来て、タクシーから降りた香は、正装でめかした招待客たちが、続々とホテルへ入っていくのを見て、一瞬圧倒された。

何しろパーティーなど、彼女にとっては初めての体験なのだ。

しかし、自分を奮い起こした香は、慣れない回転扉に戸惑いながらも、光溢れるロビーへ足を踏み入れ、受付を目指した。

受付で、彼女は招待状の提示を求められたので差し出すと、職員は機器でバーコードを読み取り、パソコンに映し出された情報をもとに身元を確認した。

「志筑香様でお間違いないでしょうか?」

「はい」

「それでは、あちらにございますエレベーターで最上階までお上がりください」

そして、最上階まで上がると、開け放たれた扉の向こうに、飲み物や食べ物を片手に持った招待客たちが広間に銘々立ち、思い思いの時を過ごしていた。

会場は、そこかしこに白いテーブルクロスのかけられた円卓が立ち並び、色とりどりの和洋中の総菜や軽食、デザート、フルーツ、グラスに入ったシャンパン、またはワインなどを、真っ白な皿やフォーク、ナイフ、スプーン、割りばしといったカトラリーと共に、上へ載せていた。

場慣れの無さから、香はおずおずと中へ入り、シャンパンが満たされたグラスを一つ取ると、隅の方へ移動して、彼女以外の客人たちをぼうっと眺めた。

案内状には、カジュアルな恰好でも良いと書いてあったが、さすがにジーンズやスニーカーを着用している人間はおらず、彼女は、友人の結婚式で着たフォーマルなワンピースとカーディガンにしてよかったと、胸をホッと撫で下ろした。

事実、先ほども旅館を後にする際、娘の華美な服装に目ざとく気が付いた母親が、どこへ行くのかと行先をただしてきたのだが、口が裂けても、ホテルへオープニングパーティーに行くとは言えなかった若女将は、知人の結婚式へ出席すると嘘をつき、彼女を出し抜いてきたのだった。

それから、そうこうしているうちに、どこからともなく(恐らく前方から)拍手が鳴り響き、広間の前方、照明が当てられ、敷居が一段高くなった壇上へ香は目を向けた。

そこには、タキシードに身を包んだ中年の紳士が立ち、彼はマイクを手に、歓迎と感謝のスピーチを始めた。

「えー皆さま、本日はお忙しい中、わが明日葉ホテルグループ、リゾート○○館のオープニングセレモニーへご出席いただき、誠にありがとうございます。

皆様のご好評の甲斐ありまして、弊社グループ系列のホテルは、全国、そして海外にも、多数店舗を置かせていただいております。

私の父が創業しました明日葉ホテルグループは、温泉街とスキー場、海、また全国的に著名な寺社仏閣、ただいま絶賛世界遺産申請中でございますが、を四方に囲まれたリゾートタイプのホテルが、主に海外から滞在しに来る外国人旅行者を始め、全国各地のお客様に愛されることを期待しております。

お終いに、いずれ未来の明日葉ホテルグループを継ぐであろう、不肖ではございますが、私の息子が、オーナーとして、ホテルの運営に携わることと相成ります」

(明日葉って・・・。まさか・・・)

「挨拶をせがれに代わります」

その時、疑惑は確信へ変わった。

マイクを譲り受け、下りる父親に代わって壇上へ上がると、招待客たちに向かって、夕貴はマイク越しに口を開いた。

「ただいま紹介に預かりました、当ホテルオーナーの明日葉夕貴と申します」

父親と同じ黒のシックなタキシードを着込んだ彼は、粋な蝶ネクタイを首に回し、整髪料で髪を撫でつけ額を颯爽と出していたが、間違いなく夕貴本人だった。

香は驚きのあまり、しばらく開いた口が塞がらなかった。

しかし、衝撃と仰天のために混乱する頭を必死に鎮め、一つの結論もとい事実へ彼女は辿り着いた。

それでは夕貴は、世界にも名を跨ぐ高級ホテルチェーン、明日葉ホテルグループの御曹司で、ホテルは文字通り彼のホテルだったのか!

香は、夕貴がホテルの重要な役職に就いていることは知っていたが、まさか経営者一族だった現実は思いもよらなかった。

てっきり、彼は明日葉ホテルに勤めている・・・・・ものだと考えていたが、それは半分誤りで半分正解だった。

続いて彼女は、一応自分も老舗温泉旅館の跡取りである点を思い出したが、彼と彼女では、立場の次元がまるきり違うという点も、即刻理解した。

香は商売敵ゆえ、夕貴がホテルの人間であることを苦々しく思っていたが、これではまるで、彼そのものが商売敵ではないか!

故に、香の困惑は極限に達した。

一体彼女はどうすれば良いのだろうか?

今では、彼を目に入れるだけで心臓が不思議と高鳴り、あまつさえキュンなんておかしな音が出るのに、このようなことがあっても良いものだろうか?

今更ながら、明らかになった真実に動揺したまま、香は壇上に立つ夕貴を見上げた。

すると奇遇にも、両者の視線がはたとぶつかり合い、夕貴は眼差しを香へ注ぎつつ柔らかく微笑み、彼女の心臓を射抜いた。

(!!)

もしかして、彼はスピーチのさながら、彼女を探していた?

間近にいるならまだしも、結構な距離が離れた香と、目線が偶然合うのは少々考えにくいのでは。

とすれば、夕貴は彼女に好意を抱いていることになる!?

香は動揺も上の空に、期待と興奮にドキドキと乱れる胸で、好ましい可能性を想像した。

そして、あれこれと出口の見えない思索に耽っていると、スピーチは遂に終了し、壇上から下りた夕貴が彼女目がけ歩いてきた。

「!!」

しかしながら、途中別の招待客らに声をかけられると、彼は立ち止まり、挨拶も含め、一言二言お喋りしてから、ようやく香のもとへ到着したのだった。

「香さん。お越しいただきありがとうございます」

間近で見る夕貴のタキシード姿は眩しかった。

「あ、あの――」

「今日は着物ではないんですね。もちろん洋服を着た香さんも素敵ですが」

男女問わず、服装を褒められて嬉しくない人間はいないもので、香も然り、世辞に恥じ入りながらも、礼を言った。

「あ、ありがとうございます」

むろん、パーティー仕様の夕貴も、普段に増して非常に洗練され、麗しく、彼の匂い立つ色気を直視できるほど、彼女の器は大きくなかったが、香は何とか目線を合わせ、口を開いた。

「あ、あの――!」

「夕貴。そこにいたのか」

「父さん」

割り込んできた紳士は、夕貴の前に壇上でスピーチをしていた男だった。

「向こうで商工会の方たちと、県議会議員の方たちがお前をお待ちだぞ」

言葉尻に、夕貴の父は横目で香をちらと見ると、気取った息子が紹介した。

「紹介するよ。彼女は温泉郷の旅館で若女将をしている志筑香さん」

「ほう」

反応のために、紳士の凛々しい眉がピクリと上がった。

「香さん。俺の父です」

「は、初めまして。志筑香と申します」

香は頭を下げ、名前を明かした。

「どうも息子が世話になっています。夕貴。融資元の役員連中もいらしているんだ。あまりお待たせするなよ」

「すぐ行く」

それから、用事が済んだ夕貴の父親は回れ右をし、人の波間へ消えていった。

以降、確認はもう十分不必要な気がした香が沈黙に佇んでいると、夕貴は尋ね、彼女をびっくりさせた。

「今夜は泊まっていっていただけるんですよね?」

「えっ。い、いえ!わたしはもうこれで帰りますので」

「遠慮なさらず是非泊まっていってください。香さんには一度、うちの客室を見ていただきたいんですよ」

次いで、すぐ戻りますと言い残し、夕貴は立ち去って行くと、一寸離れた先に集まる男女グループへ身を乗り出していったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

元カノと復縁する方法

なとみ
恋愛
「別れよっか」 同棲して1年ちょっとの榛名旭(はるな あさひ)に、ある日別れを告げられた無自覚男の瀬戸口颯(せとぐち そう)。 会社の同僚でもある二人の付き合いは、突然終わりを迎える。 自分の気持ちを振り返りながら、復縁に向けて頑張るお話。 表紙はまるぶち銀河様からの頂き物です。素敵です!

結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。 絶対に離婚届に判なんて押さないからな」 既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。 まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。 紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転! 純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。 離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。 それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。 このままでは紘希の弱点になる。 わかっているけれど……。 瑞木純華 みずきすみか 28 イベントデザイン部係長 姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点 おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち 後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない 恋に関しては夢見がち × 矢崎紘希 やざきひろき 28 営業部課長 一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長 サバサバした爽やかくん 実体は押しが強くて粘着質 秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?

一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~

椿蛍
恋愛
念願のデザイナーとして働き始めた私に、『家のためにお見合いしろ』と言い出した父と継母。 断りたかったけれど、病弱な妹を守るため、好きでもない相手と結婚することになってしまった……。 夢だったデザイナーの仕事を諦められない私――そんな私の前に現れたのは、有名な美女モデル、【リセ】だった。 パリで出会ったその美人モデル。 女性だと思っていたら――まさかの男!? 酔った勢いで一夜を共にしてしまう……。 けれど、彼の本当の姿はモデルではなく―― (モデル)御曹司×駆け出しデザイナー 【サクセスシンデレラストーリー!】 清中琉永(きよなかるな)新人デザイナー 麻王理世(あさおりせ)麻王グループ御曹司(モデル) 初出2021.11.26 改稿2023.10

氷の上司に、好きがバレたら終わりや

naomikoryo
恋愛
──地方から本社に異動してきた29歳独身OL・舞子。 お調子者で明るく、ちょっとおせっかいな彼女の前に現れたのは、 “氷のように冷たい”と社内で噂される40歳のイケメン上司・本庄誠。 最初は「怖い」としか思えなかったはずのその人が、 実は誰よりもまっすぐで、優しくて、不器用な人だと知ったとき―― 舞子の中で、恋が芽生えはじめる。 でも、彼には誰も知らない過去があった。 そして舞子は、自分の恋心を隠しながら、ゆっくりとその心の氷を溶かしていく。 ◆恋って、“バレたら終わり”なんやろか? ◆それとも、“言わな、始まらへん”んやろか? そんな揺れる想いを抱えながら、仕事も恋も全力投球。 笑って、泣いて、つまずいて――それでも、前を向く彼女の姿に、きっとあなたも自分を重ねたくなる。 関西出身のヒロイン×無口な年上上司の、20話で完結するライト文芸ラブストーリー。 仕事に恋に揺れるすべてのOLさんたちへ。 「この恋、うちのことかも」と思わず呟きたくなる、等身大の恋を、ぜひ読んでみてください。

苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 当たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏  24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 恋愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』 ***** 表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

俺様外科医の溺愛、俺の独占欲に火がついた、お前は俺が守る

ラヴ KAZU
恋愛
ある日、まゆは父親からお見合いを進められる。 義兄を慕ってきたまゆはお見合いを阻止すべく、車に引かれそうになったところを助けてくれた、祐志に恋人の振りを頼む。 そこではじめてを経験する。 まゆは三十六年間、男性経験がなかった。 実は祐志は父親から許嫁の存在を伝えられていた。 深海まゆ、一夜を共にした女性だった。 それからまゆの身が危険にさらされる。 「まゆ、お前は俺が守る」 偽りの恋人のはずが、まゆは祐志に惹かれていく。 祐志はまゆを守り切れるのか。 そして、まゆの目の前に現れた工藤飛鳥。 借金の取り立てをする工藤組若頭。 「俺の女になれ」 工藤の言葉に首を縦に振るも、過去のトラウマから身体を重ねることが出来ない。 そんなまゆに一目惚れをした工藤飛鳥。 そして、まゆも徐々に工藤の優しさに惹かれ始める。 果たして、この恋のトライアングルはどうなるのか。

処理中です...