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第1章 ~転生しました。~
キョトン。(9/6修正)
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朝起きて川の水で顔を洗うとあまりの冷たさに体が軽く震えてしまう。
今さらながらに思うけどおれの思い描いていた異世界生活と違う。
おれの知ってる異世界ってのは急に訳分からないところに飛ばされたと思ったら目の前に女神とか神様がいて能力をもらったりするんだ。
そんでもって転生先できれいな姫様とかに、この世界を救ってくださいとか言われて恐ろしくも笑い楽しく旅するイメージなんだ!
でも実際はこう!
見渡す限りの木、木、木!
森だよ!
森の中だよ!
これ一度は行ってみたい世界の絶景とかで出てくるタイプの森だよ!
絶景だよ!
はーはー。
よし。落ち着いてきた。
訓練でもすっかな。
おもむろにポケットから相棒の小石を取り出す。
こいつとも長い付き合いになってきたな。
そして手のひらに乗せるとすぐに小石を浮かせた。
最近小石を浮かせることにも大分慣れて浮かせる訓練から浮いている状態を保つ訓練へと変わってきた。
最初の頃のように石を浮かすことだけに目一杯力を使うとすぐに参ってしまう。
だからどれだけ最小限の力で小石を浮かせられるかが重要になってくる。
効率とか燃費の問題だね。
最初は苦労したけど今では小石を浮かせながら考え事が出来るようになってきた。
さっきはあんなこと言ったけどここでの生活も決して苦ではない。
空気はいいし過ごしやすいし食糧に関してはアシナが集めてきてくれるし。
最近はうさぎなんかの捌き方もマスターしてしまった。
ただあえて言うならそろそろアシナさん以外とも会話がしたいなと思ってしまうこともある。
アシナとだけじゃ寂しいとかじゃないんだ。
だけどここで暮らすと言った手前、人里に行ってみたいなんてアシナを裏切ってるようで言い出しにくいんだ。
すると急に強い風が吹いた。
集中力が切れて手のひらの上に小石を落としてしまった。
もう一度集中し直して小石を浮かす。
でも、見渡してもこんな木ばっかりのところに人が向こうからやってきてくれる訳ないしな。
と、見渡してから何か違和感のあるものが目に入ったような気がした。
今度は動揺して地面に小石を落としてしまった。
大丈夫か小石。
違和感の正体を確かめるべく、違和感を感じた方向に目を向ける。
そこには人間の女性が立っていた。
あまりに人に会いたくて幻想を見ているのだろうか。
なんか着ているものも和装っぽいしな。
しかもすげー美人。
どうすればよいかわからずただそちらを見ていると女性の方から話しかけてきた。
「妙な気配がすると思いながら来てみたが何と人の子か。少年よ。ここで何をしておるのじゃ。」
独特の話し方でおれに問いかけてきた。
何をしてるって?
「えーと。魔法の練習を少々?」
「そうではない。何故ここにおるのかと問うておるのじゃ。」
「何故?何故と言われましてもここで暮らしています。」
「それはおかしいであろう。ここには狼がおったはずじゃ。とても恐ろしく大きな狼がの。そんな場所で子供が生きていける訳がなかろう。バカも休み休み言うがよい。」
「はぁ。そう言われましても。」
駄目だ。
このお姉さんこちらの話を聞く気がないみたいだ。
「何をしに来たのだ?」
いつの間にか帰ってきていたアシナに後ろから声を掛けられた。
「おお!賢狼よ、よいところに戻ってきた。まぁ聞くがよい。この人の子がのう。ここでお前と生活を共にしておると言うのじゃ。笑えるであろう?人間嫌いのお主とじゃぞ?」
「しているぞ?」
「ん?」
「共に生活をしている。」
やばい。
お姉さんがすごいキョトンとしている。
「お、お主が、人間と、共に、生活をしている?」
「うむ。」
うむってアシナもアシナですげー適当だな。
それからお姉さんがキョトンの世界から戻ってくるのに相当な時間が掛かったのは言うまでもない。
今さらながらに思うけどおれの思い描いていた異世界生活と違う。
おれの知ってる異世界ってのは急に訳分からないところに飛ばされたと思ったら目の前に女神とか神様がいて能力をもらったりするんだ。
そんでもって転生先できれいな姫様とかに、この世界を救ってくださいとか言われて恐ろしくも笑い楽しく旅するイメージなんだ!
でも実際はこう!
見渡す限りの木、木、木!
森だよ!
森の中だよ!
これ一度は行ってみたい世界の絶景とかで出てくるタイプの森だよ!
絶景だよ!
はーはー。
よし。落ち着いてきた。
訓練でもすっかな。
おもむろにポケットから相棒の小石を取り出す。
こいつとも長い付き合いになってきたな。
そして手のひらに乗せるとすぐに小石を浮かせた。
最近小石を浮かせることにも大分慣れて浮かせる訓練から浮いている状態を保つ訓練へと変わってきた。
最初の頃のように石を浮かすことだけに目一杯力を使うとすぐに参ってしまう。
だからどれだけ最小限の力で小石を浮かせられるかが重要になってくる。
効率とか燃費の問題だね。
最初は苦労したけど今では小石を浮かせながら考え事が出来るようになってきた。
さっきはあんなこと言ったけどここでの生活も決して苦ではない。
空気はいいし過ごしやすいし食糧に関してはアシナが集めてきてくれるし。
最近はうさぎなんかの捌き方もマスターしてしまった。
ただあえて言うならそろそろアシナさん以外とも会話がしたいなと思ってしまうこともある。
アシナとだけじゃ寂しいとかじゃないんだ。
だけどここで暮らすと言った手前、人里に行ってみたいなんてアシナを裏切ってるようで言い出しにくいんだ。
すると急に強い風が吹いた。
集中力が切れて手のひらの上に小石を落としてしまった。
もう一度集中し直して小石を浮かす。
でも、見渡してもこんな木ばっかりのところに人が向こうからやってきてくれる訳ないしな。
と、見渡してから何か違和感のあるものが目に入ったような気がした。
今度は動揺して地面に小石を落としてしまった。
大丈夫か小石。
違和感の正体を確かめるべく、違和感を感じた方向に目を向ける。
そこには人間の女性が立っていた。
あまりに人に会いたくて幻想を見ているのだろうか。
なんか着ているものも和装っぽいしな。
しかもすげー美人。
どうすればよいかわからずただそちらを見ていると女性の方から話しかけてきた。
「妙な気配がすると思いながら来てみたが何と人の子か。少年よ。ここで何をしておるのじゃ。」
独特の話し方でおれに問いかけてきた。
何をしてるって?
「えーと。魔法の練習を少々?」
「そうではない。何故ここにおるのかと問うておるのじゃ。」
「何故?何故と言われましてもここで暮らしています。」
「それはおかしいであろう。ここには狼がおったはずじゃ。とても恐ろしく大きな狼がの。そんな場所で子供が生きていける訳がなかろう。バカも休み休み言うがよい。」
「はぁ。そう言われましても。」
駄目だ。
このお姉さんこちらの話を聞く気がないみたいだ。
「何をしに来たのだ?」
いつの間にか帰ってきていたアシナに後ろから声を掛けられた。
「おお!賢狼よ、よいところに戻ってきた。まぁ聞くがよい。この人の子がのう。ここでお前と生活を共にしておると言うのじゃ。笑えるであろう?人間嫌いのお主とじゃぞ?」
「しているぞ?」
「ん?」
「共に生活をしている。」
やばい。
お姉さんがすごいキョトンとしている。
「お、お主が、人間と、共に、生活をしている?」
「うむ。」
うむってアシナもアシナですげー適当だな。
それからお姉さんがキョトンの世界から戻ってくるのに相当な時間が掛かったのは言うまでもない。
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