WhiteResistdoctor

カフェオレ

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闇沼に浸る

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「そんな事、言わずとも知れています。僕は本当は、お姉さんに裏切られた自分が哀しいから、武田先生にその怒りをぶつけました。それに入院したら、もう芸能人の勧誘も来ないからです」
 彼はそう話して、私の目をみていた。透き通る様な、彼のコバルトの目が哀しい。逃げたかったから?私が彼の過去愛した女性に似て居るから。その両方かも知れない。
「マスコミのターゲットになってらっしゃるのは解ります。貴方が好きな人に似て居る事も。でも」
 と、橘先生は私をグイ、と引き近付いて甘い声で言い放った。
「入院する、しない。どちらも結果的にはマスコミやメディアは君から目を離さない。君がしている行為は飽く迄計画でしか無いよ」
 橘先生の甘く、誘惑されッそうな香水が!私は恥ずかしくなった。上品で、だが何処か、甘い香り。
「お姉さんは、母親の代わりに僕に礼節を教えてくれて。逢う度に綺麗になって。小説の描き方も、人との話し方についても教えてくれて。先生、誠に申し訳御座いませんでした」
 亘君の柔らかな口調。騙された気になって、もっと医師として努力しよう。
「構いませんよ。夜は、きちんと眠れていますか」
 亘君は思わず感心して、頰を真っ赤なトマトの様に染めた。
「あの!す。す、す!」
 橘先生が、そう言い掛けた亘君を横目で観ていた。
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