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遡ることお嬢がいなくなった日
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遡ること、お嬢がいなくなった日。
お嬢が誘拐されたとテレビで見たあの日。
「あの子、誘拐されてたって出てるけど、あんたまさか」
猫ババは、オレを見た。
「オレは・・・」
「はーあんた、どこで働いてもだめだったけど、とうとう子供を誘拐までしたってのかい」
猫ババは、呆れたように眉毛を吊り上げた。
「・・・・・・・・・」
お嬢が、誘拐されたってどうしていまになってこんな・・・。しかも電話では、いや、前に物乞いに行かせた時だって、両親ともにお嬢に対して興味がない様子だったじゃないか。
「っていうか、待てよ・・・お嬢は?」
「いないよ、このニュースをみたのかみていないのか、あたしの部屋の鍵をくすねてでていっちまったのかもね」
「・・・・・・・・・」
嘘だろ?
前にオレが肩を撃たれて寝ていたときでさえ、家に帰ってきたお嬢が?
そんな馬鹿な、このニュース。
間違いない、お嬢は誘拐されたんだ。
このニュースを見た人間が、あの時物乞いをさせにいった時、見ていたヤツがオレたちの後をつけてきていたとしたら。
フォーデンハイド家は、ボンボンだ。
お嬢を今の状況で連れて行けば、お金がたんまりもらえるだろう。
最初は、お嬢も帰りたがっていた。だが、あれからはどうだっただろうか。
【ぐすっ・・・ぐす・・・】
【うるっさいなあ・・・なんだ?人が気持ちよく寝ているっていうのに】
【ぐすっ・・・っ・・・しい】
【寝ながら泣いてんのか】
【さび・・・っしい・・・さびしい・・・やしきでいつもひとり・・・さびしい・・・だれか・・・あたしのて・・にぎってよ・・あたま・・なでてよ・・・】
【・・・・・・・・・】
「ちょっと、どこ行くんだい?」
オレは、自然に体が動いていた。
アイツは、お嬢は屋敷でもきっと辛い思いをしていたんだろう、性格が悪かったのは、家で何かあったからかもしれないもしくは本当に性格が悪いか、だが・・・。
だが、オレはどうしても、
【ただいま】
あの時、帰ってきたアイツが根から腐っているとは思えない。
こんなこと絶対言えねえけどな。
「お嬢を再び誘拐する」
外へ飛び出してみたはいいが、これからどうすればいいんだ。
お嬢の屋敷に行って誘拐が成功したのは、協力者・・まあ、一応協力者がいたからだ。脅されたけど、お金はちゃんと欲しかったからな。
「あっ・・・」
考え事をしていたからか、人とぶつかった。
「ごめんなさい」
「すみません」
「あれ・・・」
オレは、よくぶつかった人の顔を見ていなかった。だが再び「すみません」の一言で振り返ると、どこかで見たことがあるような青年が立っていた。
「あなたは・・・あの時、僕たちを助けてくれた人じゃないですか?」
その一言で、オレは思い出した。
ルークの手紙通りに孤児院の子供たちをバスで誘拐してきたあの日あの時、オレのクレジットカードを渡した子供だった。
「・・・・・・・・・・・」
「あの、あの・・・うれしいです、まさかこんなところで会えるなんて」
青年は、泣きそうな顔でオレの手を掴んだ。
「ずっと何かお礼がしたくて、よかったらお茶しませんか」
オレは、人違いですと言おうとしたが、喉がからからに渇いていたのでついていくことにした。
話をしてみると、彼はキルトというらしい。あの孤児院から出て、孤児院にいた子供たちとルークの買ったあの家で仲良く今も暮らしているそうだ。
「僕、ずっと空が飛ぶのが夢だったんです、ずっと闇の中だったあの孤児院の窓をいつも眺めてました。空を飛びたいって、ここから逃げれたらどれだけいいかって」
紅茶なんていつぶりだろう、味のついたお湯は非常に味があって甘くておいしい。
「僕は、ハーネスさんのおかげで夢をかなえることができました。最近、ヘリに乗る資格をとることができたんです。もう少し操縦が上手くなったら、家族を乗せて空を飛びたいと思っています」
「そうか、よかったな」
彼は、オレと違ってまっとうな人生を送っているのか、本当によかった。
オレがそういうと、キルトはオレに紙を差し出した。
「これ、僕の連絡先です。ハーネスさんのおかげで僕たち、夢を叶えることができています。何かあったら連絡してください。それと、いただいたクレジットカード、お返しします」
「え・・・?」
オレは、唐突に渡されたクレジットカードに目を丸くした。
「まだお金、沢山残っています。僕たちは、自分でお金を稼げるようになりましたので。家族で支えあって生きていこうと思います。皆、手紙のルークさんと、ハーネスさんに感謝しています、あなた方がいなかったら僕たちは今いなかったでしょうから」
オレは、何もしていないが・・・全部ルークがやってくれたんだ。
でも、オレはいま凄く困っている。
「ありがとう、また何かあったら連絡させてもらうよ」
オレは、大人ぶって笑顔で答えた。
協力はしてほしいが、オレがこれからしようとしているのは誘拐であり犯罪だ。
彼らをこんなことに巻き込むわけにはいかない。
未来明るい若者たちを、オレの人生に巻き込むわけにはいかない。
それはそれとしてカードと連絡先はいただいた。
カードのお金は割と残っていた。
お嬢誘拐するのに少し使って、残りは猫の餌代だな。
お嬢が誘拐されたとテレビで見たあの日。
「あの子、誘拐されてたって出てるけど、あんたまさか」
猫ババは、オレを見た。
「オレは・・・」
「はーあんた、どこで働いてもだめだったけど、とうとう子供を誘拐までしたってのかい」
猫ババは、呆れたように眉毛を吊り上げた。
「・・・・・・・・・」
お嬢が、誘拐されたってどうしていまになってこんな・・・。しかも電話では、いや、前に物乞いに行かせた時だって、両親ともにお嬢に対して興味がない様子だったじゃないか。
「っていうか、待てよ・・・お嬢は?」
「いないよ、このニュースをみたのかみていないのか、あたしの部屋の鍵をくすねてでていっちまったのかもね」
「・・・・・・・・・」
嘘だろ?
前にオレが肩を撃たれて寝ていたときでさえ、家に帰ってきたお嬢が?
そんな馬鹿な、このニュース。
間違いない、お嬢は誘拐されたんだ。
このニュースを見た人間が、あの時物乞いをさせにいった時、見ていたヤツがオレたちの後をつけてきていたとしたら。
フォーデンハイド家は、ボンボンだ。
お嬢を今の状況で連れて行けば、お金がたんまりもらえるだろう。
最初は、お嬢も帰りたがっていた。だが、あれからはどうだっただろうか。
【ぐすっ・・・ぐす・・・】
【うるっさいなあ・・・なんだ?人が気持ちよく寝ているっていうのに】
【ぐすっ・・・っ・・・しい】
【寝ながら泣いてんのか】
【さび・・・っしい・・・さびしい・・・やしきでいつもひとり・・・さびしい・・・だれか・・・あたしのて・・にぎってよ・・あたま・・なでてよ・・・】
【・・・・・・・・・】
「ちょっと、どこ行くんだい?」
オレは、自然に体が動いていた。
アイツは、お嬢は屋敷でもきっと辛い思いをしていたんだろう、性格が悪かったのは、家で何かあったからかもしれないもしくは本当に性格が悪いか、だが・・・。
だが、オレはどうしても、
【ただいま】
あの時、帰ってきたアイツが根から腐っているとは思えない。
こんなこと絶対言えねえけどな。
「お嬢を再び誘拐する」
外へ飛び出してみたはいいが、これからどうすればいいんだ。
お嬢の屋敷に行って誘拐が成功したのは、協力者・・まあ、一応協力者がいたからだ。脅されたけど、お金はちゃんと欲しかったからな。
「あっ・・・」
考え事をしていたからか、人とぶつかった。
「ごめんなさい」
「すみません」
「あれ・・・」
オレは、よくぶつかった人の顔を見ていなかった。だが再び「すみません」の一言で振り返ると、どこかで見たことがあるような青年が立っていた。
「あなたは・・・あの時、僕たちを助けてくれた人じゃないですか?」
その一言で、オレは思い出した。
ルークの手紙通りに孤児院の子供たちをバスで誘拐してきたあの日あの時、オレのクレジットカードを渡した子供だった。
「・・・・・・・・・・・」
「あの、あの・・・うれしいです、まさかこんなところで会えるなんて」
青年は、泣きそうな顔でオレの手を掴んだ。
「ずっと何かお礼がしたくて、よかったらお茶しませんか」
オレは、人違いですと言おうとしたが、喉がからからに渇いていたのでついていくことにした。
話をしてみると、彼はキルトというらしい。あの孤児院から出て、孤児院にいた子供たちとルークの買ったあの家で仲良く今も暮らしているそうだ。
「僕、ずっと空が飛ぶのが夢だったんです、ずっと闇の中だったあの孤児院の窓をいつも眺めてました。空を飛びたいって、ここから逃げれたらどれだけいいかって」
紅茶なんていつぶりだろう、味のついたお湯は非常に味があって甘くておいしい。
「僕は、ハーネスさんのおかげで夢をかなえることができました。最近、ヘリに乗る資格をとることができたんです。もう少し操縦が上手くなったら、家族を乗せて空を飛びたいと思っています」
「そうか、よかったな」
彼は、オレと違ってまっとうな人生を送っているのか、本当によかった。
オレがそういうと、キルトはオレに紙を差し出した。
「これ、僕の連絡先です。ハーネスさんのおかげで僕たち、夢を叶えることができています。何かあったら連絡してください。それと、いただいたクレジットカード、お返しします」
「え・・・?」
オレは、唐突に渡されたクレジットカードに目を丸くした。
「まだお金、沢山残っています。僕たちは、自分でお金を稼げるようになりましたので。家族で支えあって生きていこうと思います。皆、手紙のルークさんと、ハーネスさんに感謝しています、あなた方がいなかったら僕たちは今いなかったでしょうから」
オレは、何もしていないが・・・全部ルークがやってくれたんだ。
でも、オレはいま凄く困っている。
「ありがとう、また何かあったら連絡させてもらうよ」
オレは、大人ぶって笑顔で答えた。
協力はしてほしいが、オレがこれからしようとしているのは誘拐であり犯罪だ。
彼らをこんなことに巻き込むわけにはいかない。
未来明るい若者たちを、オレの人生に巻き込むわけにはいかない。
それはそれとしてカードと連絡先はいただいた。
カードのお金は割と残っていた。
お嬢誘拐するのに少し使って、残りは猫の餌代だな。
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