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深夜のコンビニバイト二十五日目 天邪鬼来店
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深夜のコンビニバイト二十五日。
ピロリロピロリロ。
「いらっしゃいませ」
金髪に、ツインテールの高校生くらいのピンクのスウェット女の子がキョロキョロしながら来店して来た。
一見普通の女の子で、もう人外のお客様に慣れて来た俺は、俺はいつものように挨拶する。頭にニョキッと生えた緑の二つのツノを除いて、彼女は普通のお客様と変わらない。そう、変わらない。
鬼夫婦の子供?もしかして子供できたの?
警戒するように辺りを見回しながら来店してきた高校生くらいの女の子は、スイーツのコーナーにまっすぐ歩いていった。
黙っていくつかカゴに放り込むと、俺の所に持ってきた。
「いらっしゃいませ、ありがとうございます」
ピッピッと打っていく。
「ありがとうございます。780円になります」
女の子は、こくりと頷いて千円を俺に渡してくれた。
ちゃんとお金を払えるお客様だ、俺は何故かその当たり前のことに毎日安心してしまっている、どこかおかしい。ここはコンビニだぞ?お金を払って当然のはずだぞ。
「ありがとうございました!またお越しくださいませ」
挨拶をすませると、女の子の携帯にピロリロリンと着信が入った。
「あっ、はいもしもし?え?お父さんとお母さんに夜遅くに出歩いた事がバレて、2人が"すっごく喜んでる?"えっ...そっか。ありがとう。"ずっとここにいるね"」
何何何なんて!?なんて両親なんだ!!こんな、高校生くらいの女の子が、こんなに夜遅くに深夜のコンビニに出歩いて、普通は心配するはずなのに、それを喜んでるなんて、しかも女の子、ずっとここにいるねっていっちゃってるよ!
めちゃくちゃ家庭の事情抱えてる会話聞いちゃったよ。
女の子は、いそいそと財布にお釣りをしまい、走り出そうとしている。
「待って」
俺は、女の子を呼び止めた。
女の子は、上目遣いで何ですか?というように俺を見た。
俺は優しい笑顔で、女の子に声をかけた。
「そんな家に急いで帰る必要ないよ」
「貴方は私の家族の事"なんでも知ってるじゃない"」
女の子は、眉を潜めて俺を見た。きっと、家族に酷い扱いを受けて心まで荒んでしまったのだろう。
「何でもは知らないよ、でも今の話を聞いて君がとても心配になったんだ。何なら買ったスイーツをここで食べてから帰るのもいいんじゃないかな」
「...でも、いや、まぁ、いっか。"帰らなかった"ら、お父さんとお母さんに"喜ばれてる"わけだし、今食べた方が気分的に良さそう」
しゅんとして呟く女の子に、俺はくしゃくしゃにした顔を両手で顔を覆った。
神様...この子が何をしたって言うんですか!!
そりゃそうだよ!家族に帰ってこないからすごい喜ばれてるなんて、家に帰ったら酷い扱いを受けているに違いない!
帰らなかったら親に喜ばれてるから、帰ったら家で酷い扱いを受けるから今のうちにここでスイーツを食べたい、なんて...。
彼女の心を癒すのはコンビニの甘いスイーツだ。
休憩スペースに座ってつけてあげたスプーンでプリンの蓋を開けた女の子。
キラキラした顔で一口。
「"まっっっず!!!"」
えぇ...!?そんなに叫ぶ!?何かごめん、物凄く俺謝らなくちゃって気持ちにになったよ今。
「"まっず"、とろとろプリンの"固い食感"と、カラメルのほろ苦さ、卵の絶妙なバランスが"見事に完全崩壊"していて、こんな"不味い"プリン食べた事ないかも。高いのを買ったのが"間違い"だった」
いやそこまで言う!?二回もいう!?そんなこと言う!?しかもコンビニの休憩スペースでそんなこと言う!?
見事に完全崩壊してるって言われた!!
「次はこのシュークリーム」
プリンは何だかんだいいながらもペロリと平らげ、生クリームとカスタードクリームの入ったシュークリームも封を開け
た女の子。
ニコニコしながら一口頬張った女の子の口には、カスタードクリームがついていた。
女の子は、満遍の笑みで叫んだ。
「"不味すぎる"!コンビニスイーツってこんなに"不味い"んだ!カスタードクリームと生クリームが"最低な不協和音"を奏でていてどちらの甘さも"くどくて二度と口に入れたくない"わ」
なんて言いながらもパクパク頬張る女の子。いやいやいやいや!いやいやいや!二度と口に入れたくないとかいいながら二つ目の封も開けちゃってるよ!!
食レポかうまいのか下手なのかわからないよ、まずい食レポをそんなに上手に出来る人俺初めて見たよ。
最後は少し高めなイチゴのクレープだった。
女の子は、一番楽しみというようにワクワクと袋を破いた。
「私、イチゴって"この世で一番嫌いなのよね"」
いやその君の手に持ってるやつ!思いっきり苺乗ってるから!
商品名苺のクレープだから!!
ニコニコと頬張る女の子は、一口食べてうっとりとした表情で、
「ん~♡"最低な気分よ"!やっぱり苺は甘酸っぱくて"不味いわ"これぞ"漢のスイーツ"って感じよね!」
漢のスイーツ?待てよ。
今までの言葉、何だか全てよく考えたら違和感がある。
不味いのに美味しそう。
楽しそうに開封してるのに二度と食べたくない。
苺クレープが、漢スイーツ。
いや、店長もスイーツ好きだから一概に間違ってるとは言えないけどさ。
もしかして、この子...。
俺は、女の子のいる休憩スペースまで歩いて行って、
「ねぇ、もしかしてだけど。君って言ってる事と思ってる事が全部逆だったりしない?」
「ふがっ!?」
女の子は、目を大きく見開いて一生懸命口に頬張ったままのクレープを飲み込むと、
「"違うよ!"」
丸!と手で大きく丸を作ってジェスチャーしていた。
成る程、あの不味い事がよくわかる上手な食レポはそういう事か。
「私は、天邪鬼。思った事と言ったことが"全く同じ"なの。昔からそう。だから、人と関わるのが"楽しくて"買い物とかも"よく行く"でも、雑誌でコンビニスイーツっていうの食べて見たくて深夜に来たの」
しゅんと俯く天邪鬼ちゃんは、またクレープを一口運んだ。
「学校とかも、こんなのだから嫌われるのが怖くて"通ってる"弟は最近中学に"通わなくなった"けど、すごく心配」
学校も、通えないんだ。正反対のこと言っちゃうから。弟さんは最近中学に通い出したけどこの体質は弟さんもそうだから心配なんだな。
「学校は、絶対コミュニケーション"とらない"から、"大好き"私みたいなのは、"受け入れてもらえるに決まってる!"女子高生なんて、私は"現実的"」
学校は絶対コミュニケーションとらないといけないもんな...わかるよ。グループディスカッションとかね。受け入れてもらえないって、そう思っちゃうよな...。
「でもさ、弟さん通い始めたんだろう。きっと、君みたいな葛藤があったと思うよ。でも、それでも君の弟さんは一歩踏み出したんだ。君も学校に行きたいと思っていて、でもコミュニケーションがって悩んでるんだったら、学校に通える年の今しかない時期に、勇気を出して踏み出してみたらどうかな。いや、まぁそんなこと簡単に出来る事じゃない事はわかってるけどさ」
もはや俺はコンビニ店員ではなく、若手教師みたいな口ぶりで天邪鬼ちゃんと会話していた。
彼女の人生に関わることだから、安易にこうしろとは言ってはいけないが、高校生になれるのは今しかない、21歳になった俺は、それをどうしても伝えたかった。
「今しか...。私、本当は学校に"通いたい!"友達が欲しいの。弟は最近女の子の友達ができたって言ってたし、私にもできるかな?」
天邪鬼ちゃんは、目を大きく見開いて俺を見た。
「できるよ。きっと、現に弟さんは友達ができてる。そうだよ、今しかないんだ。高校生になれるのは!勇気を出して一歩踏み出してみるのもいいんじゃないかな
もう俺は若手教師だった。
「言ってることと思ってること違うのを気にしてるみたいだけど表情がわかりやすいからきっと君を分かってくれる人ができると思うよ、それに今は君みたいな『ツンデレ』が流行っているんだ」
「つんでれ?」
「そう、時代は思った事と反対の事を言う女の子が可愛いのさ!」
イミワカンナイという顔でぽかんと首を傾げる天邪鬼ちゃんに、
「大好きな男の子に素直になれなくて全然あんたなんて好きじゃないんだからね!っていうのが可愛いんだよ!それがツンデレ」
「好きじゃないって言われて嬉しいなんて"頭がいいのね"」
引き気味に改めて言われると確かにそうだ。この子、一部の層の男子から絶大な支持を得そうだよな。
ピロリロピロリロ
「.......ここにいたのか。姉ちゃん"ゆっくりここにいよう"」
大人しそうな黒く長い髪が片目を隠し、帽子を被った中学生くらいの男の子が来店してきた。
「そら...」
「お母さんとお父さんお姉ちゃんの事"全く探してない"よ」
男の子は、ふいに俺の方を見た。
そして俺の事をじーっと注目する。穴が開く程に、じっと。
「ど、どうしたのかな?お兄さんの顔に何かついてる?」
「.....ムラマツ、いや、でも確かに"全然似てない気がする"もしかしてお兄さん、小雨ちゃんのお兄さん?」
「え!?小雨を知ってるのか?」
俺の妹。中学一年生の村松小雨を天邪鬼ちゃんの弟くんは知っていた。
「隣の席」
「あっそうなの。小雨は学校ではどうだ?迷惑かけてないか?」
ちょっとぼーっとしているところがあるから心配しているんだ。
「いや、正直"めちゃくちゃ不細工"」
ボソッとぶっきらぼうに呟いて、天邪鬼君はくるりと俺に背を向けた。
なんだと!?何てこと言うんだって...あれ。待てよ。え!?それってつまり...?え?え?
「さぁ、お姉ちゃん」
天邪鬼君が強めの口調でいうと、天邪鬼ちゃんは、黙って頷いた。
「子供2人で危なくないか?」
「"大丈夫じゃないよ"割と家"遠いから"ありがとうお兄さん。高校の事"考えないようにする"」
天邪鬼ちゃんは微笑んだ。
その様子に俺も安心して、2人を外まで手を振って見送った。
普通の人じゃない事で生きづらい人もいるんだ。
.....このコンビニ、いつか人生相談所みたいになりそうだな。
ピロリロピロリロ。
「いらっしゃいませ」
金髪に、ツインテールの高校生くらいのピンクのスウェット女の子がキョロキョロしながら来店して来た。
一見普通の女の子で、もう人外のお客様に慣れて来た俺は、俺はいつものように挨拶する。頭にニョキッと生えた緑の二つのツノを除いて、彼女は普通のお客様と変わらない。そう、変わらない。
鬼夫婦の子供?もしかして子供できたの?
警戒するように辺りを見回しながら来店してきた高校生くらいの女の子は、スイーツのコーナーにまっすぐ歩いていった。
黙っていくつかカゴに放り込むと、俺の所に持ってきた。
「いらっしゃいませ、ありがとうございます」
ピッピッと打っていく。
「ありがとうございます。780円になります」
女の子は、こくりと頷いて千円を俺に渡してくれた。
ちゃんとお金を払えるお客様だ、俺は何故かその当たり前のことに毎日安心してしまっている、どこかおかしい。ここはコンビニだぞ?お金を払って当然のはずだぞ。
「ありがとうございました!またお越しくださいませ」
挨拶をすませると、女の子の携帯にピロリロリンと着信が入った。
「あっ、はいもしもし?え?お父さんとお母さんに夜遅くに出歩いた事がバレて、2人が"すっごく喜んでる?"えっ...そっか。ありがとう。"ずっとここにいるね"」
何何何なんて!?なんて両親なんだ!!こんな、高校生くらいの女の子が、こんなに夜遅くに深夜のコンビニに出歩いて、普通は心配するはずなのに、それを喜んでるなんて、しかも女の子、ずっとここにいるねっていっちゃってるよ!
めちゃくちゃ家庭の事情抱えてる会話聞いちゃったよ。
女の子は、いそいそと財布にお釣りをしまい、走り出そうとしている。
「待って」
俺は、女の子を呼び止めた。
女の子は、上目遣いで何ですか?というように俺を見た。
俺は優しい笑顔で、女の子に声をかけた。
「そんな家に急いで帰る必要ないよ」
「貴方は私の家族の事"なんでも知ってるじゃない"」
女の子は、眉を潜めて俺を見た。きっと、家族に酷い扱いを受けて心まで荒んでしまったのだろう。
「何でもは知らないよ、でも今の話を聞いて君がとても心配になったんだ。何なら買ったスイーツをここで食べてから帰るのもいいんじゃないかな」
「...でも、いや、まぁ、いっか。"帰らなかった"ら、お父さんとお母さんに"喜ばれてる"わけだし、今食べた方が気分的に良さそう」
しゅんとして呟く女の子に、俺はくしゃくしゃにした顔を両手で顔を覆った。
神様...この子が何をしたって言うんですか!!
そりゃそうだよ!家族に帰ってこないからすごい喜ばれてるなんて、家に帰ったら酷い扱いを受けているに違いない!
帰らなかったら親に喜ばれてるから、帰ったら家で酷い扱いを受けるから今のうちにここでスイーツを食べたい、なんて...。
彼女の心を癒すのはコンビニの甘いスイーツだ。
休憩スペースに座ってつけてあげたスプーンでプリンの蓋を開けた女の子。
キラキラした顔で一口。
「"まっっっず!!!"」
えぇ...!?そんなに叫ぶ!?何かごめん、物凄く俺謝らなくちゃって気持ちにになったよ今。
「"まっず"、とろとろプリンの"固い食感"と、カラメルのほろ苦さ、卵の絶妙なバランスが"見事に完全崩壊"していて、こんな"不味い"プリン食べた事ないかも。高いのを買ったのが"間違い"だった」
いやそこまで言う!?二回もいう!?そんなこと言う!?しかもコンビニの休憩スペースでそんなこと言う!?
見事に完全崩壊してるって言われた!!
「次はこのシュークリーム」
プリンは何だかんだいいながらもペロリと平らげ、生クリームとカスタードクリームの入ったシュークリームも封を開け
た女の子。
ニコニコしながら一口頬張った女の子の口には、カスタードクリームがついていた。
女の子は、満遍の笑みで叫んだ。
「"不味すぎる"!コンビニスイーツってこんなに"不味い"んだ!カスタードクリームと生クリームが"最低な不協和音"を奏でていてどちらの甘さも"くどくて二度と口に入れたくない"わ」
なんて言いながらもパクパク頬張る女の子。いやいやいやいや!いやいやいや!二度と口に入れたくないとかいいながら二つ目の封も開けちゃってるよ!!
食レポかうまいのか下手なのかわからないよ、まずい食レポをそんなに上手に出来る人俺初めて見たよ。
最後は少し高めなイチゴのクレープだった。
女の子は、一番楽しみというようにワクワクと袋を破いた。
「私、イチゴって"この世で一番嫌いなのよね"」
いやその君の手に持ってるやつ!思いっきり苺乗ってるから!
商品名苺のクレープだから!!
ニコニコと頬張る女の子は、一口食べてうっとりとした表情で、
「ん~♡"最低な気分よ"!やっぱり苺は甘酸っぱくて"不味いわ"これぞ"漢のスイーツ"って感じよね!」
漢のスイーツ?待てよ。
今までの言葉、何だか全てよく考えたら違和感がある。
不味いのに美味しそう。
楽しそうに開封してるのに二度と食べたくない。
苺クレープが、漢スイーツ。
いや、店長もスイーツ好きだから一概に間違ってるとは言えないけどさ。
もしかして、この子...。
俺は、女の子のいる休憩スペースまで歩いて行って、
「ねぇ、もしかしてだけど。君って言ってる事と思ってる事が全部逆だったりしない?」
「ふがっ!?」
女の子は、目を大きく見開いて一生懸命口に頬張ったままのクレープを飲み込むと、
「"違うよ!"」
丸!と手で大きく丸を作ってジェスチャーしていた。
成る程、あの不味い事がよくわかる上手な食レポはそういう事か。
「私は、天邪鬼。思った事と言ったことが"全く同じ"なの。昔からそう。だから、人と関わるのが"楽しくて"買い物とかも"よく行く"でも、雑誌でコンビニスイーツっていうの食べて見たくて深夜に来たの」
しゅんと俯く天邪鬼ちゃんは、またクレープを一口運んだ。
「学校とかも、こんなのだから嫌われるのが怖くて"通ってる"弟は最近中学に"通わなくなった"けど、すごく心配」
学校も、通えないんだ。正反対のこと言っちゃうから。弟さんは最近中学に通い出したけどこの体質は弟さんもそうだから心配なんだな。
「学校は、絶対コミュニケーション"とらない"から、"大好き"私みたいなのは、"受け入れてもらえるに決まってる!"女子高生なんて、私は"現実的"」
学校は絶対コミュニケーションとらないといけないもんな...わかるよ。グループディスカッションとかね。受け入れてもらえないって、そう思っちゃうよな...。
「でもさ、弟さん通い始めたんだろう。きっと、君みたいな葛藤があったと思うよ。でも、それでも君の弟さんは一歩踏み出したんだ。君も学校に行きたいと思っていて、でもコミュニケーションがって悩んでるんだったら、学校に通える年の今しかない時期に、勇気を出して踏み出してみたらどうかな。いや、まぁそんなこと簡単に出来る事じゃない事はわかってるけどさ」
もはや俺はコンビニ店員ではなく、若手教師みたいな口ぶりで天邪鬼ちゃんと会話していた。
彼女の人生に関わることだから、安易にこうしろとは言ってはいけないが、高校生になれるのは今しかない、21歳になった俺は、それをどうしても伝えたかった。
「今しか...。私、本当は学校に"通いたい!"友達が欲しいの。弟は最近女の子の友達ができたって言ってたし、私にもできるかな?」
天邪鬼ちゃんは、目を大きく見開いて俺を見た。
「できるよ。きっと、現に弟さんは友達ができてる。そうだよ、今しかないんだ。高校生になれるのは!勇気を出して一歩踏み出してみるのもいいんじゃないかな
もう俺は若手教師だった。
「言ってることと思ってること違うのを気にしてるみたいだけど表情がわかりやすいからきっと君を分かってくれる人ができると思うよ、それに今は君みたいな『ツンデレ』が流行っているんだ」
「つんでれ?」
「そう、時代は思った事と反対の事を言う女の子が可愛いのさ!」
イミワカンナイという顔でぽかんと首を傾げる天邪鬼ちゃんに、
「大好きな男の子に素直になれなくて全然あんたなんて好きじゃないんだからね!っていうのが可愛いんだよ!それがツンデレ」
「好きじゃないって言われて嬉しいなんて"頭がいいのね"」
引き気味に改めて言われると確かにそうだ。この子、一部の層の男子から絶大な支持を得そうだよな。
ピロリロピロリロ
「.......ここにいたのか。姉ちゃん"ゆっくりここにいよう"」
大人しそうな黒く長い髪が片目を隠し、帽子を被った中学生くらいの男の子が来店してきた。
「そら...」
「お母さんとお父さんお姉ちゃんの事"全く探してない"よ」
男の子は、ふいに俺の方を見た。
そして俺の事をじーっと注目する。穴が開く程に、じっと。
「ど、どうしたのかな?お兄さんの顔に何かついてる?」
「.....ムラマツ、いや、でも確かに"全然似てない気がする"もしかしてお兄さん、小雨ちゃんのお兄さん?」
「え!?小雨を知ってるのか?」
俺の妹。中学一年生の村松小雨を天邪鬼ちゃんの弟くんは知っていた。
「隣の席」
「あっそうなの。小雨は学校ではどうだ?迷惑かけてないか?」
ちょっとぼーっとしているところがあるから心配しているんだ。
「いや、正直"めちゃくちゃ不細工"」
ボソッとぶっきらぼうに呟いて、天邪鬼君はくるりと俺に背を向けた。
なんだと!?何てこと言うんだって...あれ。待てよ。え!?それってつまり...?え?え?
「さぁ、お姉ちゃん」
天邪鬼君が強めの口調でいうと、天邪鬼ちゃんは、黙って頷いた。
「子供2人で危なくないか?」
「"大丈夫じゃないよ"割と家"遠いから"ありがとうお兄さん。高校の事"考えないようにする"」
天邪鬼ちゃんは微笑んだ。
その様子に俺も安心して、2人を外まで手を振って見送った。
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