婚約保留!?私が貴方に劣るとでも?!!いざ尋常に勝負ですわ!

りっか

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レーバンと皇太子の出会い(番外編)

その後

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それから2週間後、エミリアは馬車に乗って南の大聖堂のある修道院に向かった。
レーバンと両親もエミリアの家族と一緒に見送った。
エミリアが母親の顔をして、娘の安否を気づかい抱き締めている姿が印象的だった。


レーバンと両親、そしてエミリアの両親との話し合いは終わった。
レーバンの意向で破棄から婚約解消に変更してもらい、慰謝料もなく業務提携に今後も尽力してもらうことで手打ちとした。
エミリアにこれ以上苦しんでほしくないと彼女の両親にレーバンが懇願したのだ。
裏切られた本人が既に許していて、その当人が相手の両親に頭を下げたのでは断りようがなく、エミリアの縁も切らず貴族籍も残すこととなった。

そしてエミリアの娘も無事兄の娘として養子縁組をし、一つ上の実の息子と共に変わらず愛情を注いで子育てしていた。

それからまだ先の話ではあるが、エミリアの母が何度かエミリアのいる修道院に訪れ、エミリアの娘の話、ドミニク夫妻の話などをしたりした。




婚約者のいなくなったレーバンは、お見合いの釣書がたくさんきて疲弊していたところにイスペラント帝国の皇太子であるアルジオから手紙が届く。
二年ほど修行に帝国で働いてみないかと言うことだった。
もともと帝都学園で気になる女性がいたので、もう一度イスペラント帝国には行きたいと思っていたから渡りに船だった。

既に気になる女性の話は父にしてあり、正式に婚約者解消したら迎えにいきたいと話してあった。
相手の女性にも婚約者がいたが、その婚約者がかなりの屑で、たくさんの女性と関係しながら彼女のことを召し使いかなにかと勘違いしているような扱いをしていて、最初は同じような境遇に共感と同情し、それでも建機に頑張る彼女にしだいに心惹かれていった。
今はその彼女も婚約を解消して新たな道を進んでいる。
イスペラント帝国の皇宮で皇太子の婚約者になる親友の為に侍女として働くことを目指すらしい。
だから、イスペラント帝国で働くことは願ったりでもある。

ただし、ずっと待っていることも出来ないので、皇太子が結婚する二年後には連れて帰って嫁にする気ではいる。
彼女はまだこちらの気持ちを知らないので、レーバンは一年以内にじわじわ追い詰めるつもりだ。
逃がす気はない。

そして、父の了承のもと、再びイスペラント帝国に戻ることになった。




「で、どうなったの?」


早々戻って聞いてきたのは皇太子であるアルジオだ。
アルジオの提案を了承して皇宮に訪れて日、そのまま皇太子の執務室に案内され、質問攻めに合うことになった。


「……と、話したとおり和解しました。彼女とも友人として修道院に行くのを見送りました」

「そうなんだ。ちょっと意外かも。彼女、改心したんだねぇ。まぁ、もともとちゃんとした両親のもとで育ったんだから、きちんと向き合うことが出来れば反省するか。なら、一応円満解決出来たってことで、良かったね!」

「そうですね。私としても良かったと思います。これで気兼ねなく捕まえることが出来ますから」


にこり、と怪しく微笑むレーバンに、アルジオは苦笑する。


「レーバンもけっこう腹黒だよねぇ」

「アルに言われたくありませんね。なんやかんや丸め込んで、敵視されていた公爵令嬢を自分の婚約者に返り咲きさせたのは、誰なんだか」

「僕だってねらった獲物は逃がさない主義だからね♪次はレーバンの番だね」

「当然協力してくれますよね?帝都学園時代、散々私を利用したんですから」

「あはは、も、もちろんだよ」


どこか冷や汗をかくアルジオである。
利用した分の見返りは大きそうだ。





それから2年後、アルジオは無事に狙った公爵令嬢と結婚し、同時にレーバンも意中の女性を見事射止めてドルテア王国に連れ帰ることに成功する。
そしてアルジオの結婚式から三ヶ月後、こちらも結婚式を挙げ、ゴールインした。

その後、レーバンにはリリティアという娘が産まれ、ドルテア王国の第一王子と婚約してひと騒動あるが、それはまた別の物語である。





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