異世界に幼なじみと召喚されました。勇者と聖女?らしいです。

数算

文字の大きさ
2 / 5

勇者?聖女?

しおりを挟む
頭痛を起こしてるところに、激マブ攻撃を受けた美香は強烈な頭痛に耐えかねその場に蹲った。
突然の発光と美香がしゃがみ込んだことに慌てた聖は美香を守るべく美香に覆いかぶさった。

2人を包んでいた光が消えた途端

ザワザワッ
オオォーーーーーー!!
成功だ!成功したぞ!

大きな歓声が2人の鼓膜を揺すった。

聖はハッと顔を上げる。
2人の周囲をぐるりと大勢の大人が取り囲んでいた。
ローブ姿、キラキラした結婚式の衣装みたいな姿、中世ヨーロッパの騎士みたいな姿・・・
なんでコスプレ集団に囲まれてるの?と聖は首を傾げる。
ちなみに、美香は頭痛に猛攻を受けており顔を上げることすらできない。

「あ、頭に響く。」

大音響が美香の頭痛をますます悪化させる。
しかし大人達のはしゃいだ声は収まる気配がない。



「ああ、大変失礼いたしました。1度に勇者様と聖女様をお呼びすることが叶うと思わず、年甲斐もなく興奮してしまいました。」

ローブ姿のサンタみたいな白髭のおじいちゃんがようやく2人に語りかけてきた。

「ようこそいらっしゃいました、勇者様、聖女様。どうぞこの世界をお救いくださいませ。」

深々ーと2人に頭を下げた。それに倣ったように周囲の大人も頭を下げる。

聖は呆気にとられ、声も出ない。何がどうなっているのだろう?疑問ばかりが浮かんでは消える。
そんな聖を正気に戻したのは美香だった。

「くぅ!イッタタタ!」

ゴロゴロのたうち回りたい程の痛みが美香を襲ったのだ。

「美香ちゃん!!大丈夫!?しっかりして。」

聖は慌てて美香の頭に優しく触れる。
もちろん、触れたところで頭痛が治るとは思っていない。
しかし幼なじみのこんな姿を初めて目にし聖は何とかしてあげたいと思った。


ポワ________

「えっ!?」

美香の頭に触れた聖の手から光が溢れた。
突然のことで聖はパッと美香の頭から手を離した。
すると、手から光はパッと消えてしまった。

なんだったんだろう?

不思議そうに自分の手を見つめる聖だったが、

「あれ?痛くない・・・」

美香がそう呟いたことで、美香に意識を戻した。

「美香ちゃん!!大丈夫?すごく痛そうだったよ?本当にもうなんともないの?」

「聖・・・うん。いきなり頭痛がなくなったの。頭痛ってそんなもんなの?私、初めてだからよくわかんないけど。」

不思議そうに美香は聖を見上げる。
そして、ふと周囲に目をやって、愕然とした。

なんなんだ?オヤジのみのコスプレ集団?
何?オヤジのコスプレ会場にでも気づかないうちに入っちゃったわけ?
斬新な企画だな。いや、人の趣味をとやかくいうつもりはないが、むさ苦しい。
しかし、衣装、めっちゃ凝ってるな。
まぁ男の方が凝り性っていうもんね。


美香はそう結論づけ、迷い込んでしまったものはしょうがないと、立ち上がり聖に声をかけた。

「聖、ごめんね。私がフラフラしてたらコスプレ会場に来ちゃったんだね。早く帰らないと。」

早くこの異様な空間から脱出すべく聖を促す。

「えっと・・・美香ちゃん、あのね。その人たち、僕たちに用が・・・」

聖は先ほど目の前のおじいさんが言ったことを美香に伝えようとするも

「あー、どうもお邪魔しました。頭痛で周りが見えてなくてコスプレ会場にお邪魔しちゃったみたいで。すぐ出て行きますから、どうぞ続きを。ほら、聖行こう?」

美香は周りを囲んだオヤジどもにそう挨拶し、聖を引っ張って行こうとする。

「お待ちくだされ!!」

聖が手から光を出した時から、なぜか硬直していたコスプレオヤジ集団が美香の「すぐ出ていく」発言を受け始動した。

先ほど(美香は聞いていなかったが)2人に声をかけたサンタみたいな白髭おじいちゃんが、2人の前に立ちはだかった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

追放先で気づいた。この世界の精霊使いは全員、聞き方を間違えている~最安もふもふ白狐と始めた、問いかけの冒険~

Lihito
ファンタジー
精霊と暮らす世界で、ノエルはギルドを追い出された。処理ミスは誰より少ない。でも「やりづらい」の一言で、理由には足りた。 手元に残ったのは、最安で契約した手のひらサイズの白い子狐だけ。言葉はたどたどしいし、力もない。誰が見ても「使えない」と笑う精霊だ。 たどり着いた町では疫病が広がっていた。高額な精霊が三度探して見つからない薬草。ノエルは最弱の白狐と半日で見つけ出す。 力で勝ったんじゃない。聞く範囲を絞り、段階を分け、小さな鼻に合った問いを重ねただけ。 ——なぜこの世界では、誰も精霊への「聞き方」を知らないのか。 その違和感が、ノエルの旅を動かしていく。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

処理中です...