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第一章:最強店長育成計画
死んで冥界に来ました
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目の前は真っ白、右を見ても左を見ても真っ白だ。 記憶が確かなら球体に潰された……のか? 記憶が曖昧であまり良く覚えていないが、これだけは言える。
俺は間違いなく――死んだ。
言葉を発しようとしても口が接着剤でも付けられたみたいに動かないし、手足も動かない。ふわふわと漂っているだけでひじょーに退屈。何だよこれどうすればいいんだ? それに上下に揺れ過ぎてちょっと酔ってきてるんですけど……。
「そこの君、聴こえるかい?」
突然、頭に響く少年の様な声。
「あぁ聴こえてるはいるけど口が開かねんだが?」
「それは僕がある方法で塞いでいるからさ、この世界の空気は人間に合うように出来ていないからね。吸ったら体調悪くなるよー」
なるほどな。今気づいたけど鼻も詰まった感じで匂いも分からない。口と鼻が使い物にならなくて呼吸出来てないのに生きている、なんとも不思議な感覚だな。元いた世界でこんな事が知られたら博士、教授に散々セクハラされて一生研究の材料にされそう。
「それで、ここは何処? お前は誰? これから俺はどうなる?」
「質問大好きだね。君、元いた世界で女の子に好かれないタイプでしょ」
鋭く尖った言葉のナイフがデリケートなハートをズタズタに切り裂く。
「悪かったな! 確かに女友達はいなかったよ。悲し事に」
「だろうね。まぁそんな事はどうでもいいんだ」
俺にとっては全くどうでも良くない、なるべく話しかける努力はしていたんだけど中々上手くいかないもんなんだよな。世の中は残酷でイケメンばかり相手にされる傾向にあるから間違いなく俺は戦力外通者な訳で、はぁ死ぬ前に一人でも女友達を作りたかったぜ……。
「そういえば名前を聞いてなかったね。教えてくれるかい?」
「九条愁也だ」
「九条愁也……名前はそこそこかっこいいのに見た目がはは! って感じの典型だね!」
次から次へとナイフを投げつけられ、口から魂が抜け出るのでは? と言った具合に、クラゲの如く脱力状態になる。
「お、お前は俺を二度目の死へ追いやるために……話しかけてきたのか?」
「それもあるけど、本題はもちろん違うよー」
それもあんのかよ。仲間を見捨てて逃げたリリアナ、シェリィといい、どいつもこいつも性格の悪い奴ばっかで涙が出そうだぜ。
「つーか質問に答えてないよな。ここは何処でお前は誰? 俺はこれからどうしたらいいんだ?」
「はいはい。ここは死者の魂が集う冥界で、僕は冥界の偉い人……とでも答えておこうかな。そして、最後の質問は後で答えるよ。ボッチな愁也くん」
「うっせー! 男友達はいるわ!」
もう嫌! こいつ。良くここまで遠慮なく人のメンタルを八つ裂きに出来るよな。ここで白い何かが視界に入ったので、おもむろに腹部を見てみるとフーセン見たいに膨れ上がっている。
「は? はぁぁぁあ!? おいおい! やばくね? 男なのに妊娠したみたいになってますけどぉぉお!?」
「奥さん 妊娠十ヶ月ですねぇ」
「あなた、私やったわ! じゃねぇよ!なぁいい加減にしろよな、どうすんのこれ!?」
「あははは! そんなに怒んないでよ。今、抑え込むからさ」
膨れ上がった腹部が電球みたいに光り出すと徐々に小さくなっていく。
「はぁ……なんかもの凄く疲れた」
「疲れるのはまだ早いよ? 愁也にはやる事があるんだから。あと、そのお腹が元に戻ったら最後の質問に答えるね」
手足が動かないのに一体なにをするだか、それに見た感じ俺以外に人どころか生物すら見当たらないし。そして、すっかり膨らみも収まり元の腹部に戻った。
「よぉーし元に戻ったね。そしたら始めようか」
「何を?」
「そりゃあ決まってるじゃないか……最強店長育成計画さ」
俺は間違いなく――死んだ。
言葉を発しようとしても口が接着剤でも付けられたみたいに動かないし、手足も動かない。ふわふわと漂っているだけでひじょーに退屈。何だよこれどうすればいいんだ? それに上下に揺れ過ぎてちょっと酔ってきてるんですけど……。
「そこの君、聴こえるかい?」
突然、頭に響く少年の様な声。
「あぁ聴こえてるはいるけど口が開かねんだが?」
「それは僕がある方法で塞いでいるからさ、この世界の空気は人間に合うように出来ていないからね。吸ったら体調悪くなるよー」
なるほどな。今気づいたけど鼻も詰まった感じで匂いも分からない。口と鼻が使い物にならなくて呼吸出来てないのに生きている、なんとも不思議な感覚だな。元いた世界でこんな事が知られたら博士、教授に散々セクハラされて一生研究の材料にされそう。
「それで、ここは何処? お前は誰? これから俺はどうなる?」
「質問大好きだね。君、元いた世界で女の子に好かれないタイプでしょ」
鋭く尖った言葉のナイフがデリケートなハートをズタズタに切り裂く。
「悪かったな! 確かに女友達はいなかったよ。悲し事に」
「だろうね。まぁそんな事はどうでもいいんだ」
俺にとっては全くどうでも良くない、なるべく話しかける努力はしていたんだけど中々上手くいかないもんなんだよな。世の中は残酷でイケメンばかり相手にされる傾向にあるから間違いなく俺は戦力外通者な訳で、はぁ死ぬ前に一人でも女友達を作りたかったぜ……。
「そういえば名前を聞いてなかったね。教えてくれるかい?」
「九条愁也だ」
「九条愁也……名前はそこそこかっこいいのに見た目がはは! って感じの典型だね!」
次から次へとナイフを投げつけられ、口から魂が抜け出るのでは? と言った具合に、クラゲの如く脱力状態になる。
「お、お前は俺を二度目の死へ追いやるために……話しかけてきたのか?」
「それもあるけど、本題はもちろん違うよー」
それもあんのかよ。仲間を見捨てて逃げたリリアナ、シェリィといい、どいつもこいつも性格の悪い奴ばっかで涙が出そうだぜ。
「つーか質問に答えてないよな。ここは何処でお前は誰? 俺はこれからどうしたらいいんだ?」
「はいはい。ここは死者の魂が集う冥界で、僕は冥界の偉い人……とでも答えておこうかな。そして、最後の質問は後で答えるよ。ボッチな愁也くん」
「うっせー! 男友達はいるわ!」
もう嫌! こいつ。良くここまで遠慮なく人のメンタルを八つ裂きに出来るよな。ここで白い何かが視界に入ったので、おもむろに腹部を見てみるとフーセン見たいに膨れ上がっている。
「は? はぁぁぁあ!? おいおい! やばくね? 男なのに妊娠したみたいになってますけどぉぉお!?」
「奥さん 妊娠十ヶ月ですねぇ」
「あなた、私やったわ! じゃねぇよ!なぁいい加減にしろよな、どうすんのこれ!?」
「あははは! そんなに怒んないでよ。今、抑え込むからさ」
膨れ上がった腹部が電球みたいに光り出すと徐々に小さくなっていく。
「はぁ……なんかもの凄く疲れた」
「疲れるのはまだ早いよ? 愁也にはやる事があるんだから。あと、そのお腹が元に戻ったら最後の質問に答えるね」
手足が動かないのに一体なにをするだか、それに見た感じ俺以外に人どころか生物すら見当たらないし。そして、すっかり膨らみも収まり元の腹部に戻った。
「よぉーし元に戻ったね。そしたら始めようか」
「何を?」
「そりゃあ決まってるじゃないか……最強店長育成計画さ」
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