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白
しおりを挟む少女が自殺した後、この出来事はマスコミによって取り上げられた。
父親の性的虐待。
学校に登校していない、本人と連絡が取れない、などたくさんの異変があったにもかかわらず、それを半年間も周りの大人が気付くことができなかったこと。
心を病んだ少女を1人にしたことなど、様々なことが問題視され、大きなニュースになった。
白い部屋、窓もドアも何もない場所に存在する白い服の少年と少女。
2人とも整った顔をしているが、少年の方の表情は険しい。
壁が色を変え少女が自殺したことによるニュースや記事を映し出す。
ため息をつきながら少年が少女に言う。
「ふぅん。それでこの有様ってわけ?」
「申し訳ありません。」
感情のこもってない謝罪だった。
「いつも言っているよね、希望と絶望は人生に均等に散りばめろと。」
少年はニッコリ微笑んだ。
「これで3回目だね。未成年の自殺は私のペナルティになるんだ。君はもう廃棄だよ。役立たずめ。」
少女はビクッと体を震わせ恐怖に染まった。
少しの失敗なら許してもらえるとでも思っていたのだろうか。
「ヒッ、申し訳ありません、申し訳ありません、次からはもうこんな失敗はしませんのでお許しください!!!」
少女の言葉など少年にはもう聞こえていないようだった。部屋がじわじわと黒く染まる。
部屋が完全に黒くなった時、少女の体は部屋に吸収され始めた。
ずぶずぶと沈んでいく様子を、少年は無表情で眺めた。
少女を吸収した部屋はだんだん白く戻ってゆく。
「次からじゃ遅いってなんでわかんないのかなぁ。はぁ、また後任を探さなくちゃ。」
心底めんどくさそうに少年は呟いた。
「父さんに叱られちゃうよ。この娘の処置をどうするかは上から三番目の姉さんに相談してみよう。」
ニヤリと笑って少年はゆらめく壁の中に歩いて行った。
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