R18 硝子少女は夢を見る

りさ

気がつくと、私は白い世界にいました。

「なんだここ」

「ってあれ？私確か飛び降りたはず、あの高さから落ちて無傷はなずが、」

バッと自分の体を確認しても傷跡ひとつありません。

「現実っぽくはないよなぁ。でもなんでまだ生きてるの私。最悪。」

はぁ、とため息をついてうずくまりました。
目を閉じると周りの世界がすーっと遠くなっていくのがわかりました。

「ある意味いいかも。ずっとここにいればもうこれ以上苦しまなくていいし。」

そのとき、透き通った声が遠くから聞こえてきました。

『こんにちは。あなたを迎えに来ました。わたしの名前はリティア。あなたの名前を教えて？』

優しく話しかけられたとき、りさは母を思い出してその声に応えたくなりました。

しかし、

（よく知っていたはずの父さんでさえ、一つのきっかけで豹変してわたしをズタズタにした。この知らない女の人が私を傷つけないと言う保証はどこにもない。）

目を開ければ見えてしまう、耳をすませば聞こえてします、なら聞かなければいい。

りさは自分の手で耳を塞ぎました。

（聞こえない聞こえない、何も聞こえてない）