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関東軍事変
事件
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「機関長が……関東軍の軍人に連れて行かれました」
その報告が流れた瞬間、戦艦大和の艦内に重い空気が落ちた。
すぐに作戦室で緊急会議が開かれる。机を囲む同級生たちは互いに顔を見合わせるだけで、誰も口を開こうとしない。やがて、副長の田代が静かに言った。
「……学校からの指示を待つべきです」
慎重な意見に、場の空気はわずかに揺れただけで沈黙が続く。誰もが同じことを考えながら、言い出せずにいた。
田代が私に視線を向ける。
「艦長代理……あなたは、どうお考えですか」
胸の奥から何かを絞り出そうとしても、声は出なかった。会議そのものも田代が主導してくれたものだ。私はただ俯くしかない。
田代は小さく息を吐き、短くつぶやいた。
「……そうですか」
その表情は厳しさと失望を帯び、胸に突き刺さる。私は返せず、場の空気だけが重くなっていった。
会議は結局、誰も意見を出せないまま終わった。田代が立ち上がると、他の同級生たちも自然にそれに続く。結論のないまま、ただ不安だけが残った。
私の足は震えていた。航海長の碧衣が隣に来て肩を支えてくれる。二人で艦長室へ向かう道のりが、やけに長く感じた。
「私は……本当は……」
口を開こうとしても、言葉が出ない。
「大丈夫だよ。いっちゃんのことだけは、私が必ず守るから」
碧衣の言葉に救われる気がした。けれど、本当は私が守らなければならない――その感覚が胸を締めつける。
心の奥からせり上がってくるのは、ただひとつ。どうしようもない絶望感だった。それは、私だけでなく、大和に乗るすべての者を包み始めていた。
その報告が流れた瞬間、戦艦大和の艦内に重い空気が落ちた。
すぐに作戦室で緊急会議が開かれる。机を囲む同級生たちは互いに顔を見合わせるだけで、誰も口を開こうとしない。やがて、副長の田代が静かに言った。
「……学校からの指示を待つべきです」
慎重な意見に、場の空気はわずかに揺れただけで沈黙が続く。誰もが同じことを考えながら、言い出せずにいた。
田代が私に視線を向ける。
「艦長代理……あなたは、どうお考えですか」
胸の奥から何かを絞り出そうとしても、声は出なかった。会議そのものも田代が主導してくれたものだ。私はただ俯くしかない。
田代は小さく息を吐き、短くつぶやいた。
「……そうですか」
その表情は厳しさと失望を帯び、胸に突き刺さる。私は返せず、場の空気だけが重くなっていった。
会議は結局、誰も意見を出せないまま終わった。田代が立ち上がると、他の同級生たちも自然にそれに続く。結論のないまま、ただ不安だけが残った。
私の足は震えていた。航海長の碧衣が隣に来て肩を支えてくれる。二人で艦長室へ向かう道のりが、やけに長く感じた。
「私は……本当は……」
口を開こうとしても、言葉が出ない。
「大丈夫だよ。いっちゃんのことだけは、私が必ず守るから」
碧衣の言葉に救われる気がした。けれど、本当は私が守らなければならない――その感覚が胸を締めつける。
心の奥からせり上がってくるのは、ただひとつ。どうしようもない絶望感だった。それは、私だけでなく、大和に乗るすべての者を包み始めていた。
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