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4 諦念への怒り
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広い屋敷の中、スタスタと歩くオーランドに遅れを取らないよう付いていく。結構な速さで歩いていたが、途中でサブリナ達の存在を思い出したかのように、はっと立ち止まって振り返った。
「すまない、速すぎた。自分はいつもさっさと歩く癖があって・・・」
顔を気持ち赤くして、正直に詫びる公爵家の子息に好感が持てて、サブリナは笑った。
「大丈夫です。私どもは、このくらいの速さで歩くのは慣れています」
そう言うと、相手は今度は驚いたように目を見開いたが、すぐに前を向くと「なら、良かった」と呟いて歩き出す。
脚の長さが違うし、この国の花形、近衛騎士団に勤めていると言っていたから身体能力は高いのだろう。
結構な速さで歩いているが、サブリナは気にならない。自分はそこらへんの貴族令嬢とは違うのだ。
看護は時間勝負のことも多い。自分も領内では早歩きどころか、分刻みで走り回っているから、普段からせかせかした足取りになる。それはシャルもそうだ。
優雅な所作でゆったり歩くことは6年前に捨てている。
屋敷の一番奥、大きな扉の前でオーランドは止まった。一歩後ろで控えるサブリナを振り返ると「この部屋だ」と言う。
サブリナがそれに頷いたのを見て、彼は扉を静かにノックした。
「母上、オーリーです。看護人をお連れしました」
「・・・どうぞ・・・」
弱々しい声、これは・・・とサブリナは眉間に皺を寄せた。
入った部屋は、とても広いが昼間だと言うのに全てのカーテンが引かれて薄暗い。ひどく寒々しい部屋なのに、似つかわしくないくどい匂いの強い香が焚かれている。
部屋の中央にポツンと大きな寝台。
そこに病人・・・この国の宰相夫人が目を閉じて、横たわっていた。
青白さのなかに、くすんだ黄みがかった肌の色。
かつてはしっとりと潤い艶があったろうが、今は乾燥して、肌の表面は白く粉がふいている。唇はかさかさで皮がところどころ、めくれあがっており、眼は落ち窪んでいた。
サブリナは一度だけデビュタントの時に宰相夫人を見たことがあった。
その時は遠目でもその美しさが分かった、きららかなプラチナブランドの髪は、パサついたただの白髪と化し、洗っていないために脂汚れでペタリと頭に張り付いていて、見る影もない。
「・・・オーリー、来て・・・くださった・・・のね・・・」
「はい、母上」
生気のない声。
子息は母親を辛そうに見おろしながら答えると、振り返り顎をしゃくって促した。
サブリナは寝台の脇に両膝をつくと、穏やかな声で囁いた。
「奥様、はじめまして。ラファエル・ナーシング・ホームから参りましたサブリナと申します」
声をかけると宰相夫人はどうにか目を開けて、顔をサブリナに向けると、微かに頷いた。
「あ・・・り・・・がと・・・、わた・・・くし・・・は・・・し、ぬ・・・から・・・よ、ろ・・・」
掠れた声でそこまで言うと、激しく咳き込んだ。恐らく「死ぬまでよろしくお願いする」と言いたかったのだろう。
サブリナは夫人の背中に手を差し入れ、優しく摩る。咳が治ったところで、脇机に置かれていた濡れた布巾で口元を拭うと夫人に尋ねた。
「奥様、手を握らせて頂いてよろしいですか」
その手も骨張って血管が浮き出てしまっている。綺麗に手入れされていただろう爪はどす黒い。
夫人が了承するかのように瞬きすると、サブリナはその手をそっと握り込んだ。
「奥様、いつ死ぬかは神様しかご存じではありません。ですから、今は奥様らしく過ごせるようになりましょう」
背後で、子息がはっと息を飲むのが聞こえた。
夫人は弱々しい目でサブリナを見た。
「・・・・・・わ・・・た・・・ら、く?」
自分の手の中で僅かに動いた、落ち葉のような儚い手を柔らかく握るとサブリナは頷いた。
「そうです、私たちは死に至るまでのお世話をしに来たわけではございません。奥様らしい時間を過ごすためのお手伝いに来たのです。精一杯お手伝いさせていただきますから、頑張りましょう」
その言葉にそれまでうつろだった夫人の瞳の焦点があったように感じた。
サブリナはニッコリと微笑んで続けた。
「奥様がなさりたいことを、たくさん致しましょう。ですから、私がやることを嫌とだけは仰らないでください。それだけお約束頂けますか?」
そう問うと夫人が微かに頷いた。それを見てサブリナは手を上掛けの中に戻すと立ち上がった。
「また後ほど参ります。ゆっくりお休みください」
頭を下げて部屋を辞す。
これから宰相夫人を診ている医術師から、夫人の発症から現在までの容体などの説明を受ける予定だ。
シャルと一緒に部屋を出て扉が閉まった瞬間、乱暴に肩を掴まれると、グイッと引き戻される。
「お前は何を言ってんだ!!!!!」
「お嬢様になにをっ!?」
怒号が頭上から降ってきてビックリする。
シャルは顔を真っ赤にして、サブリナの前に出ようとしていた。
「シャル、大丈夫よ」
今にも令息に飛びかかりそうなシャルを制して、サブリナは自分の肩を掴んでいる彼を見上げた。
オーランドは顔を真っ赤にし、ぎらぎらと怒りを孕んだ瞳でサブリナを睨みつける。
「何をって、何をですか?」
静かに問い返したサブリナにギリッと歯噛みすると、彼は続けた。
「もう死ぬしかない母に、なにが自分らしくだ!!あの様を見たろう!!何ができると言うんだ!!屍のように痩せ細り、寝たっきりで動くことも出来ないのに!!お前の目は節穴か?!期待を持たせるようなことをいうなっ!!!!!」
令息の言い草に、サブリナも応戦するかのように、ぷちっと切れた。
いつだって同じようなことを言う奴はいる。
だがそんな考えは許せないのだ、それが家族であれば尚更だ。
「おだまりなさい!あなたの方が何を仰っているんですか?」
まさか女にぴしゃりと言い返されるとは思わなかったのだろう。宰相公爵家の令息はガクンと顎が外れたかのように口をぽかんと開けて、押し黙った。驚いたようにサブリナを見つめている。
「誰が奥様の死ぬ日を決めているのですか?宰相様ですか?国王陛下ですか?それとも、息子のあなた様ですか?」
サブリナはカンカンでヒートアップしてくる。
「いつ死ぬかなんて、誰にもわからない。それまでどうして、自分らしく生きてはいけないのですか?その権利を取り上げることは、たとえ神でもできません!」
サブリナの剣幕に騒ぎを聞きつけた執事や従僕、侍女や女中達がオロオロしながら遠巻きに見ているが、止まらない。
「私達は死への恐れと諦めの中で、世話をするのではありません、天に召されるその瞬間まで、自分らしさを全うできるよう、献身を持ってお手伝いさせていただく」
そこまで言ってサブリナはぐるりと自分を見つめるこの屋敷の使用人達を見て、そして最後に茫然としている子息を、もう一度まっすぐに見つめた。
「それがラファエル・ナーシング・ホームの看護です。一番諦めてはいけない息子である貴方が、母親の生きる力を奪う資格はありません、恥を知りなさい!!」
そう言い捨て、サブリナはシャルを促すと、子息を置いて、その場を後にした。
「すまない、速すぎた。自分はいつもさっさと歩く癖があって・・・」
顔を気持ち赤くして、正直に詫びる公爵家の子息に好感が持てて、サブリナは笑った。
「大丈夫です。私どもは、このくらいの速さで歩くのは慣れています」
そう言うと、相手は今度は驚いたように目を見開いたが、すぐに前を向くと「なら、良かった」と呟いて歩き出す。
脚の長さが違うし、この国の花形、近衛騎士団に勤めていると言っていたから身体能力は高いのだろう。
結構な速さで歩いているが、サブリナは気にならない。自分はそこらへんの貴族令嬢とは違うのだ。
看護は時間勝負のことも多い。自分も領内では早歩きどころか、分刻みで走り回っているから、普段からせかせかした足取りになる。それはシャルもそうだ。
優雅な所作でゆったり歩くことは6年前に捨てている。
屋敷の一番奥、大きな扉の前でオーランドは止まった。一歩後ろで控えるサブリナを振り返ると「この部屋だ」と言う。
サブリナがそれに頷いたのを見て、彼は扉を静かにノックした。
「母上、オーリーです。看護人をお連れしました」
「・・・どうぞ・・・」
弱々しい声、これは・・・とサブリナは眉間に皺を寄せた。
入った部屋は、とても広いが昼間だと言うのに全てのカーテンが引かれて薄暗い。ひどく寒々しい部屋なのに、似つかわしくないくどい匂いの強い香が焚かれている。
部屋の中央にポツンと大きな寝台。
そこに病人・・・この国の宰相夫人が目を閉じて、横たわっていた。
青白さのなかに、くすんだ黄みがかった肌の色。
かつてはしっとりと潤い艶があったろうが、今は乾燥して、肌の表面は白く粉がふいている。唇はかさかさで皮がところどころ、めくれあがっており、眼は落ち窪んでいた。
サブリナは一度だけデビュタントの時に宰相夫人を見たことがあった。
その時は遠目でもその美しさが分かった、きららかなプラチナブランドの髪は、パサついたただの白髪と化し、洗っていないために脂汚れでペタリと頭に張り付いていて、見る影もない。
「・・・オーリー、来て・・・くださった・・・のね・・・」
「はい、母上」
生気のない声。
子息は母親を辛そうに見おろしながら答えると、振り返り顎をしゃくって促した。
サブリナは寝台の脇に両膝をつくと、穏やかな声で囁いた。
「奥様、はじめまして。ラファエル・ナーシング・ホームから参りましたサブリナと申します」
声をかけると宰相夫人はどうにか目を開けて、顔をサブリナに向けると、微かに頷いた。
「あ・・・り・・・がと・・・、わた・・・くし・・・は・・・し、ぬ・・・から・・・よ、ろ・・・」
掠れた声でそこまで言うと、激しく咳き込んだ。恐らく「死ぬまでよろしくお願いする」と言いたかったのだろう。
サブリナは夫人の背中に手を差し入れ、優しく摩る。咳が治ったところで、脇机に置かれていた濡れた布巾で口元を拭うと夫人に尋ねた。
「奥様、手を握らせて頂いてよろしいですか」
その手も骨張って血管が浮き出てしまっている。綺麗に手入れされていただろう爪はどす黒い。
夫人が了承するかのように瞬きすると、サブリナはその手をそっと握り込んだ。
「奥様、いつ死ぬかは神様しかご存じではありません。ですから、今は奥様らしく過ごせるようになりましょう」
背後で、子息がはっと息を飲むのが聞こえた。
夫人は弱々しい目でサブリナを見た。
「・・・・・・わ・・・た・・・ら、く?」
自分の手の中で僅かに動いた、落ち葉のような儚い手を柔らかく握るとサブリナは頷いた。
「そうです、私たちは死に至るまでのお世話をしに来たわけではございません。奥様らしい時間を過ごすためのお手伝いに来たのです。精一杯お手伝いさせていただきますから、頑張りましょう」
その言葉にそれまでうつろだった夫人の瞳の焦点があったように感じた。
サブリナはニッコリと微笑んで続けた。
「奥様がなさりたいことを、たくさん致しましょう。ですから、私がやることを嫌とだけは仰らないでください。それだけお約束頂けますか?」
そう問うと夫人が微かに頷いた。それを見てサブリナは手を上掛けの中に戻すと立ち上がった。
「また後ほど参ります。ゆっくりお休みください」
頭を下げて部屋を辞す。
これから宰相夫人を診ている医術師から、夫人の発症から現在までの容体などの説明を受ける予定だ。
シャルと一緒に部屋を出て扉が閉まった瞬間、乱暴に肩を掴まれると、グイッと引き戻される。
「お前は何を言ってんだ!!!!!」
「お嬢様になにをっ!?」
怒号が頭上から降ってきてビックリする。
シャルは顔を真っ赤にして、サブリナの前に出ようとしていた。
「シャル、大丈夫よ」
今にも令息に飛びかかりそうなシャルを制して、サブリナは自分の肩を掴んでいる彼を見上げた。
オーランドは顔を真っ赤にし、ぎらぎらと怒りを孕んだ瞳でサブリナを睨みつける。
「何をって、何をですか?」
静かに問い返したサブリナにギリッと歯噛みすると、彼は続けた。
「もう死ぬしかない母に、なにが自分らしくだ!!あの様を見たろう!!何ができると言うんだ!!屍のように痩せ細り、寝たっきりで動くことも出来ないのに!!お前の目は節穴か?!期待を持たせるようなことをいうなっ!!!!!」
令息の言い草に、サブリナも応戦するかのように、ぷちっと切れた。
いつだって同じようなことを言う奴はいる。
だがそんな考えは許せないのだ、それが家族であれば尚更だ。
「おだまりなさい!あなたの方が何を仰っているんですか?」
まさか女にぴしゃりと言い返されるとは思わなかったのだろう。宰相公爵家の令息はガクンと顎が外れたかのように口をぽかんと開けて、押し黙った。驚いたようにサブリナを見つめている。
「誰が奥様の死ぬ日を決めているのですか?宰相様ですか?国王陛下ですか?それとも、息子のあなた様ですか?」
サブリナはカンカンでヒートアップしてくる。
「いつ死ぬかなんて、誰にもわからない。それまでどうして、自分らしく生きてはいけないのですか?その権利を取り上げることは、たとえ神でもできません!」
サブリナの剣幕に騒ぎを聞きつけた執事や従僕、侍女や女中達がオロオロしながら遠巻きに見ているが、止まらない。
「私達は死への恐れと諦めの中で、世話をするのではありません、天に召されるその瞬間まで、自分らしさを全うできるよう、献身を持ってお手伝いさせていただく」
そこまで言ってサブリナはぐるりと自分を見つめるこの屋敷の使用人達を見て、そして最後に茫然としている子息を、もう一度まっすぐに見つめた。
「それがラファエル・ナーシング・ホームの看護です。一番諦めてはいけない息子である貴方が、母親の生きる力を奪う資格はありません、恥を知りなさい!!」
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