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Vol.64・マジックアワー
しおりを挟む私は魔法が使える。
例えばテレビやインターネットで、素敵な洋服を見てときめいたら、大体翌日には同じもの、或いは似たものを手に入れることが出来るし、美味しそうな食事やスイーツを見て、これまたときめいたりすれば、数日のうちに誰かに誘われて食べることが出来たりする。その場合も御馳走してもらえたり、定価より安く手に入ったりする。
欲しいとか今必要だなと思ったものは、殆ど手に入れられるので、ああ、私は魔法が使えるのだなと思うようになった。
物質的なものだけではない。
素敵な旅館やホテル、旅先そのものを目にして行きたいと思ったり、何かしら体験してみたいと思ったことは、これまで殆ど経験できた。
殆ど、というのは叶っていないこともあるのかもしれないが、忘れていることが多く、叶った時点で思い出したりするからだ。
そして何故かお金も入ってくるようになり、しがない会社員は辞め、ほぼほぼ不労所得で暮らしている。
どうして魔法が使えるようになったのかは定かではないが、思い当たることがないわけではない。
私は子どもの頃から、欲しいものを手に入れることが得意だった。それはお菓子だったり玩具だったりと大変子どもらしいものだったので、特別だと感じたことはなかったのだが、友達にやたら驚かれ羨ましがられることが多くなって、手に入れたものの話はしなくなった。子ども心にも嫉妬と羨望のエネルギーを不快に感じたのだろうと思う。
私は、素敵、とか、あれいいなぁとか、欲しいなと思った物の、色というか光というか、ざっくりしたイメージなので上手く伝えられないのだが、エネルギーのようなものが昔から見えた。そして、いいなと思った瞬間、自分も同じような色や光のエネルギーを発するのだ。
それが自然に出来て、続く場合、百%の確率で入手することが出来る。
でもたまに、いやちょっと無理かなとか、そういった否定の感情が沸くと大体は叶わない。
それに気づいてからは、できるだけ素直にエネルギーを合わせるようになった。その時間を、私はマジックアワーと呼んでいる。
そんなわけで、理想通りのパートナーにも出逢い、幸せを満喫している。
人生は思い通り。
ただ、何か手に入ったから幸せなのではない。幸せを感じているから、幸せを享受しているだけなのだ。
私は、これからも幸せな私で生き続ける。
でも本当は、誰にでもこの魔法は使える筈なのだ。
例えエネルギーが見えなくても、きっと感じることは出来る。
それが世の中の仕組みなのだと気づいたから。
fin
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