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16話 お買い物
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ジルさんと、お買い物に町に出た。
最初に向かったのは、仕立て屋さんだった。
「とてもお似合いですよ!」
採寸されたり、次から次へと色々な服を着させられて、少し困惑する。
「ジルさん。私の服は既製品の安いものでいいんですけど?」
「女物の服屋とか、俺には、どこにあるのかすら分からん。いつも、ここでしか服を買ったことがないんだ。いいから、作ってもらえ。」
なるほど、でも高そうだなぁ、と気になってしまう。
すると、採寸していたマダムが言った。
「あなたのようにスタイルが良いと、ぴったりサイズは見つけるのが大変よ。」
まぁ、確かにそうかもしれない。元居た世界でも、胸に合わせると、腰回りがだぼついたり難しかった。
マダムが色々とアドバイスもくれて、私は、普段着2着と、お出かけ用の服を1着を選ぶ。それを着て、衣装室を出ると、ジルさんが驚いたような顔で、私を見た。
マダムはニコニコとジルさんに言う。
「いかがですか?バルフォア卿。素敵なレディに仕上がったでしょう?」
そう言われて、少し照れるが、鏡の中の私は、まったく別人レベルで綺麗になった。自分で照れながら言う。
「髪も結ってもらって、お化粧までして頂いちゃいました。どうですか?」
少しだけ、くるっくるっと体を動かして左右を確認する。そして、ジルさんを見ると、彼はハッとしたようにして言った。
「あ、あぁ、綺麗だ。その服はそのまま着て帰ろう。」
マダムたちは、ふふふっと笑った。
「かしこまりました。では他の服は夕方に家まで運ばせましょう。」
「頼む。」
そう言って、ジルさんはそっぽを向いてしまった。
私は、いそいそと彼の傍まで行く。
「ジルさん、ありがとうございました。」
「…さんは要らない。ジルでいい。」
そっけなく、そう言って、ジルさんはマダムの所に行くと、少し話をして支払いを終え、店を出た。
さん付けは、日本人特有のものだ。きっと意味わからないだろうし、今後は遠慮なく呼び捨てにしよう。アメリカ方式だな。と心の中で思う。
そして、お昼までには時間があるからと、靴屋と鞄屋さんも見た。
「ミレイは決断が速いな?」
昼食をとろうとレストランに入り、席に座るとジルさん…いや、ジルが言った。
「普通、女性の買い物は、もっと時間がかかるだろう?」
「うーん。物って用途に合っていれば良いので、迷わないですねぇ。服のデザインは有る物の中から直感で選びますし。」
正直言って、服にこだわりのない私は、洗濯のしやすさや肌触りは気にしても、デザインは気にならない所がある。
「そうか。おまえは、時々、男に見える所があるな。」
「え?それ、褒めてます?けなしてます?」
「褒めているだろう?」
ジルヴィスは、思った。
分かりやすく、潔いと言うか、サッパリしている。そんな所が、一緒にいて心地良い。女の買い物など、付き合うことすら億劫に思えていたが、ミレイの買い物なら付き合えるなと思った。
それにしても……綺麗に化粧をして髪を結い、上質な服を身にまとった彼女は、とても綺麗だ。さっきから、周囲の視線が気になる。胸が大きくて目立つから、ショールを買った方が良いとマダムに言われて購入したが、これはミレイにとっては必需品だな。と思った。
そんなことを考えていると、メニューを見ていたミレイが、難しい顔をした。
眉間に皺を寄せて、しまいには、頭を抱えだした。
「どうした?」
「‥‥どうしましょう。私には選べません。」
「‥‥‥え?」
「だって、この、バジ牛のヒレステーキ香草ポテト添え?テビ鶏の野菜煮込みシチュー?エピ魚とルキ貝のオイル焼き?何だか解らないけど、美味しそうじゃないですか?!ジルさん…ジルは、どれにするんですか?」
目を輝かせて、鼻息荒く、顔を乗り出して聞いてくるミレイの姿に、ジルヴィスは、また笑った。
「ふふ、おまえは、食べ物のこととなると、目の色が変わるな。」
「むぅ~、食べることが、楽しみで生きてますからね!ジルの楽しみはなんですか?趣味とかありますか?」
「趣味か‥そうだなぁ‥」
その時、ふいに、テーブルの横に立った人が居た。
「よぉ!お2人さん、楽しそうだなぁ?」
声をかけられて、顔を上げると、そこには見覚えのある顔があった。
「ダン。おまえ、今日は仕事だろう?」
ジルヴィスと同じ、騎士のダンが居た。
最初に向かったのは、仕立て屋さんだった。
「とてもお似合いですよ!」
採寸されたり、次から次へと色々な服を着させられて、少し困惑する。
「ジルさん。私の服は既製品の安いものでいいんですけど?」
「女物の服屋とか、俺には、どこにあるのかすら分からん。いつも、ここでしか服を買ったことがないんだ。いいから、作ってもらえ。」
なるほど、でも高そうだなぁ、と気になってしまう。
すると、採寸していたマダムが言った。
「あなたのようにスタイルが良いと、ぴったりサイズは見つけるのが大変よ。」
まぁ、確かにそうかもしれない。元居た世界でも、胸に合わせると、腰回りがだぼついたり難しかった。
マダムが色々とアドバイスもくれて、私は、普段着2着と、お出かけ用の服を1着を選ぶ。それを着て、衣装室を出ると、ジルさんが驚いたような顔で、私を見た。
マダムはニコニコとジルさんに言う。
「いかがですか?バルフォア卿。素敵なレディに仕上がったでしょう?」
そう言われて、少し照れるが、鏡の中の私は、まったく別人レベルで綺麗になった。自分で照れながら言う。
「髪も結ってもらって、お化粧までして頂いちゃいました。どうですか?」
少しだけ、くるっくるっと体を動かして左右を確認する。そして、ジルさんを見ると、彼はハッとしたようにして言った。
「あ、あぁ、綺麗だ。その服はそのまま着て帰ろう。」
マダムたちは、ふふふっと笑った。
「かしこまりました。では他の服は夕方に家まで運ばせましょう。」
「頼む。」
そう言って、ジルさんはそっぽを向いてしまった。
私は、いそいそと彼の傍まで行く。
「ジルさん、ありがとうございました。」
「…さんは要らない。ジルでいい。」
そっけなく、そう言って、ジルさんはマダムの所に行くと、少し話をして支払いを終え、店を出た。
さん付けは、日本人特有のものだ。きっと意味わからないだろうし、今後は遠慮なく呼び捨てにしよう。アメリカ方式だな。と心の中で思う。
そして、お昼までには時間があるからと、靴屋と鞄屋さんも見た。
「ミレイは決断が速いな?」
昼食をとろうとレストランに入り、席に座るとジルさん…いや、ジルが言った。
「普通、女性の買い物は、もっと時間がかかるだろう?」
「うーん。物って用途に合っていれば良いので、迷わないですねぇ。服のデザインは有る物の中から直感で選びますし。」
正直言って、服にこだわりのない私は、洗濯のしやすさや肌触りは気にしても、デザインは気にならない所がある。
「そうか。おまえは、時々、男に見える所があるな。」
「え?それ、褒めてます?けなしてます?」
「褒めているだろう?」
ジルヴィスは、思った。
分かりやすく、潔いと言うか、サッパリしている。そんな所が、一緒にいて心地良い。女の買い物など、付き合うことすら億劫に思えていたが、ミレイの買い物なら付き合えるなと思った。
それにしても……綺麗に化粧をして髪を結い、上質な服を身にまとった彼女は、とても綺麗だ。さっきから、周囲の視線が気になる。胸が大きくて目立つから、ショールを買った方が良いとマダムに言われて購入したが、これはミレイにとっては必需品だな。と思った。
そんなことを考えていると、メニューを見ていたミレイが、難しい顔をした。
眉間に皺を寄せて、しまいには、頭を抱えだした。
「どうした?」
「‥‥どうしましょう。私には選べません。」
「‥‥‥え?」
「だって、この、バジ牛のヒレステーキ香草ポテト添え?テビ鶏の野菜煮込みシチュー?エピ魚とルキ貝のオイル焼き?何だか解らないけど、美味しそうじゃないですか?!ジルさん…ジルは、どれにするんですか?」
目を輝かせて、鼻息荒く、顔を乗り出して聞いてくるミレイの姿に、ジルヴィスは、また笑った。
「ふふ、おまえは、食べ物のこととなると、目の色が変わるな。」
「むぅ~、食べることが、楽しみで生きてますからね!ジルの楽しみはなんですか?趣味とかありますか?」
「趣味か‥そうだなぁ‥」
その時、ふいに、テーブルの横に立った人が居た。
「よぉ!お2人さん、楽しそうだなぁ?」
声をかけられて、顔を上げると、そこには見覚えのある顔があった。
「ダン。おまえ、今日は仕事だろう?」
ジルヴィスと同じ、騎士のダンが居た。
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