私と騎士様の危い愛

月野さと

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20話 ※

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「セフレ?…なんだそれは?」
 ジルが不思議そうに問う。
「え~と。セックスする友達です。お互いに同意した時だけ、エッチな事して、気分が乗らない時は断って良い。結婚もしないし婚約関係でもない、友達。お互いに対等で、体の関係以外は何も求めない。好きな人が出来たら、終わりの関係です。」

 ジルヴィスは、眉間に皺を寄せた。
「…なんて不埒な関係だ。それでは、娼婦と変わりないではないか。」
「ん~、そんなこと無いですよ?お互いに対価を求めず、誰でも良いわけじゃないもの。」
 ん?
 ミレイは自分で言ってて、疑問に思った。
 家を提供してもらったりして、これってセフレじゃないかも??うーん。
「ダメ、ですか?都合がいいかもしれないけど、そうゆう気楽な関係の方が、私にも、ジルにも良いかなって。」
 人を避けて暮らしている。そんな雰囲気のある家に暮らす人。
 たぶんだけど、本当は優しい人なんだと思うんだ。だって、仕方なく私を置いてくれてるし、仕方なくだけど、生活できるように必要な物を揃えてくれている。
 本当は心の優しい人。
 だけど…何か辛い事があって、何かを抱えている人。
 一気に踏み込む勇気なんて無いし、きっと、心の中に踏み込まれたくも無い筈。私だって、まだ会ったばかりのジルが、良い人とはわかっていても「関係を持った責任をとって結婚します」とか言われても困る。
 結婚とか、恋人とか、そうゆうのは、後悔しないように、失敗しないように、色々と理解してから、ちゃんと納得して、好きになった人が良いもの。相手からも愛されたいし。

 …愛して、愛されたいなんて、夢を見てるから、恋人すらできないのかもしれないけれど。

「ダメですか?」
「ダメだと言ったら、他の男の所に行くのか?」
「え?あ~。いいえ。行かないです。諦めて部屋に戻ります。ジルとしたいって思っただけだから…。」
 素直に言うと、ジルは頬を少し染めたままで、私の手の上に手を置いた。
 ジルヴィスは、誰でも良いわけじゃないと言うミレイの言葉に、心を掴まれていた。
「可愛い事を言う。ミレイは、魔性だな。」
 そう言うと、ジルの顔が近づいて来て、私にキスしようとしているのがわかった。
 その瞬間、私は、彼の口を手で押さえて、拒否してしまう。
「キスはダメ!」
「?」
「私、まだ誰ともキスしたこと無くて…。ファーストキスは、好きな人とがいいから。」
 そういえば、体の関係をもったにも関わらず、口にキスはしていなかった。不思議と言えば不思議なのだけれども、お互いにすることに夢中になっていたとも言える。

 ミレイに、好きな人の為に、キスだけはとっておくと言われて、ジルヴィスは、なんだか可愛いらしいと思いつつも、少し寂しいような気もしていた。ただ、とても理解できたので、受け入れた。
「わかった。キスだけはしないでおこう。」
 それに、キスはしないという線引きが、自分を戒めるのに役に立ちそうだと思ったのだった。

 ミレイは、嬉しそうに笑う。
「じゃぁ、交渉成立ね?」
 するりと、滑りこませるようにしてジルヴィスのベッドの中に入り込むと、彼の上に乗っかった。
 自分で服を脱ぎ始めると、ジルも服を脱ぎはじめる。お互いに、求めあうようにして抱き合い、お互いの体を撫でてさすった。
 肌と肌を密着さると、お互いの感触と体温が伝わって来る。
 お風呂に入ったばかりなので、お互いの体からは石鹸の香りがした。
「良かった。思い切って誘ってみて、断られたらどうしようって思ってたの。」
「……気持ち良かったのは、お前だけじゃないということだ。」
「えへへ。嬉しい。」

 ジルヴィスは、ミレイを押し倒した。 
 魅惑的過ぎる大きな胸を揉みしだいて、先端をなぶるように舐める。すると、ミレイがウズウズと腰を揺らすので、我慢できないのだと解り、求められていることに興奮をおぼえる。
 そうっと、自分の下半身をミレイの秘部に近づけて、硬くなったものを押し当てる。すると、ミレイは体中をふるわせて、ビクビクさせた。
「あっ…」
 可愛い声を出したので、陰核を男性器で擦りつける。
「はぁ!あっあっあっ!もっとぉ。」
 あっという間に気持ち良くなって、ミレイも腰を浮かせて、刺激を求めた。

 ジルヴィスは、乱れたミレイが、美しいと感じていた。
 彼女の匂いも、仕草も話し方も、立ち居振る舞いから、その雰囲気まで、どこか安心感すら感じるような。 

 自分の生い立ちのせいなのか?女性を美しいとか、性的な興奮を、あまり感じた事が無かった。それなのに、ミレイと出会って、自分は、1人のただの男だったのだと思い知った。






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