44 / 48
44話
しおりを挟む「え~~い!王族の関係者でも何でも構わん!!この女は、ジルヴィスの手下だ!!」
神官長が、とうとう叫んだ。
そして、もう1人の神官も言う。
「あのジルヴィスが、こんな使い物にもならなさそうな手下を、送ってくるでしょうか?」
「フン!正体が解らんが、そんなことは、後からじっくり聞き出せばいい。」
ロドリスは、そう言うなり、ミレイの肩をガシッと掴んだ。
「さぁ。じっくり体に聞いてみようか?」
「そうですな。夜は長い。可愛がってやれば、素直になるやも知れませんな。」
ドサッとベッドの上に、突き飛ばされる。はだけた服から、こぼれ出るミレイの美体に、男達は唾を飲み込む。
男達が迫ってきた。
絶体絶命のピンチである。しなし、なす術なし。
「あ、あなた達、全員この国の偉い人たちでしょう?それなのに、こんな事、して良いと思ってるわけ?!」
ぐわっはははは!と、ロドリスが笑い出す。
「国王様こそ正義だ。皇太子様が正義だ。ここにいる侯爵は、皇太子様の側近だぞ!我々の全てが正義なのだよ。刃向かうお前達が、反逆者だ!!」
絶対王政。
つまり、逆らっても無駄。だからこその、反組織が存在するってことか。
「そんなものは、長くは続かないわ。」
「何?」
「力で押さえつければ、力で押さえつけられる!優しさを与えれば、優しさで返される!与えれば与えられる!何でもそう!いま、反逆者を捉えても、次から次へと、第2第3の反逆者が生まれる!あなた達は、必ず滅びるのよ!」
神官達は、青くなって黙った。
しかし、ロドリスがミレイの顎を掴んで引き寄せる。
「この状況で、そんな戯言が言えるとはな。気に入ったぞ。おまえを、従わせたくなった!」
ロドリスは、自らの服を脱ぐ。
そして、ミレイを押し倒した。
「さぁ、このまま輪姦されて性処理道具になるか?私たちの仲間になり、高官になるか?どちらがいい?選ばせてやる。」
高官?仲間?
「私を、貴族か神官にするってこと?その代わり、ジルを裏切れって?」
「そうだ。良い話だろう?」
「そんなこと…!あなた達みたいな、悪者の仲間になんてならない!」
「ほほう?悪者?お前の言う悪者とは何だ?正義とは何だ?」
「え…?」
「ジルヴィスは、親友の妻を孕ませるような、裏切り者だぞ!?あの男の父、バルフォア伯爵は、かつて敵国の武将だったにも関わらず、戦になった途端、自国を裏切り、我が国に情報を売って滅ぼした張本人だ!我が国王から褒美に爵位をもらった男だ!」
え?ジルが、アニエスさんを孕ませ…?
えぇ?!おなかの子がジルの子??
ミレイは、大混乱した。しかも……あぁ、そうか、だから、ジルは裏切り者の子供…。
一気に情報が入ってきて、情報処理に時間がかかる。
「裏切り者の子は、やはり裏切り者だった!周囲からも疎まれ、1人で暮らしていると言うでは無いか!おまえは、ジルヴィスの何を知っている?!」
彼の何を…私は…彼の何も、聞かなかった。
…私は、ジルを、何も…知らない。
「裏切り者で、悪者は、あの男だ!」
スルッと、私の顎から首、そして胸元に男の手が移動していく。
「おまえは騙されているんだ。良いように弄ばれたのでは無いか?あいつは、裏切り者だ。誰もが知っている!下手に同情すると、ルシオの様に裏切られるぞ?真面目そうな顔をして、その裏は何をしているのか解らんやつだ。」
ジルが…?
「今頃、あの美しい未亡人と、よろしくやっているんじゃないのか?」
……!
ジルは、今頃…アニエス様と…確かに、そうだけど…。
「ほら、泣くな。可愛いやつだな。」
そう言われて、ハッとする。
やだ、あたし…勝手に涙が…!
「そうか、おまえも騙されていたのだな。優しく慰めてやろう。そうだ。大人しく私の言うことを聞けばいい。悪いようにはしない。」
そう言って、ロドリスは私の両足の間に鎮座し、ショーツに手をかけた。
瞬間。
ドガッッ!!
鈍い音がして、私の膝蹴りが、ロドリスの顔面にめり込む。
「ぐはっ!」
ロドリスは、たまらずに頬を抑えて、縮こまった。
「私はっ!私は、それでもジルを信じてる!」
私は、彼の事情を何も知らない。何も知らないけれど、あの人の涙も、あの人の笑顔も、差し伸べてくれた手も、私は知ってる。
今頃、ジルは、アニエス様と2人でいる。私は、彼に愛されない。
だけど…だけど、それでもいい!それでも私は。
「私は、私が見たものしか信じない!誰が何と言おうと、私は、私しか信じない!」
その時だった。
バンッと、扉が大きな音を立てて、吹き飛んだ。
ドカドカドカッと、男たちが乱入してきた。
1
あなたにおすすめの小説
落ちこぼれ村娘、拾った王子に溺愛される。
いっぺいちゃん
恋愛
辺境の村で育った元気娘 ミレイ。
ある日、森で倒れていた金髪の青年を助けるが、
実は彼は国一の人気者 完璧王子レオン だった。
だがレオンは外に出ると人格がゆるみ、
王宮で見せる完璧さは作ったキャラだった。
ミレイにだけ本音を見せるようになり、
彼は彼女に依存気味に溺愛してくる。
しかしレオンの完璧さには、
王宫の闇に関わる秘密があって——
ミレイはレオンの仮面を剥がしながら、
彼を救う本当の王子に導いていく。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
※この作品は「小説家になろう」でも同時投稿しています。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
閉じ込められた未亡人は、当主となった義息と契約する。
黒蜜きな粉
恋愛
借金の肩代わりとして後妻に入った私は、
妻と呼ばれながら屋敷の離れで「いないもの」として暮らしていた。
ある雪の日、夫が事故死したと告げられる。
だが、葬儀に出ることすら許されず、私は部屋に閉じ込められた。
新たに当主となった継子は言う。
外へ出れば君は利用され奪われる、と。
それが保護であり、同時に支配なのだと理解したとき、
私はその庇護を条件付きの契約に変えることを選ぶ。
短いお話です。
恋い焦がれて
さとう涼
恋愛
小学校時代の担任教諭・佐野に七年ぶりに再会し、話の流れで佐野の恋人へのエンゲージリングを選ぶために一緒にジュエリーショップに行くことになってしまった二十歳の女子大学生・輝。
最初はそんなつもりはなかったのに、次第に佐野を意識してしまうようになり、自分でも困惑してしまう。
必死に自分の想いを打ち消そうとする輝。
だけど佐野も恋人との関係に悩んでいるようで、複雑な想いを抱え続けることになる。
そんな輝を見守る(ちょっかいをかける?)バイト先の店長。
さらに佐野の恋人は意外な人物で、輝は大混乱。
※ドロドロではなく純愛系を目指していますが、ビターテイストなお話です
※理想的で格好いいヒーローではありません(…すみません)
※調べながら執筆をしているのですが、無知なところも多々あるので、間違っているところがありましたら教えてください。ツイッターでも受け付けています。
https://twitter.com/SATORYO_HOME
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
黒騎士団の娼婦
星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる