吸血鬼と愛の鍵

月野さと

文字の大きさ
17 / 24

第17話

しおりを挟む
「やめて・・!」
「セックスがしたいんだろう?どうされたい?言う通りにしてやる!」
 ルナルドは、私をベッドに押し付けて、自らの首筋を私の唇にくっつける。
「ほら!血も欲しいんだろう?早く飲め!」
 彼の形のいい耳が目の前にあって、鼻先にある首筋から、ふわりと香る、ルナルドの香りに力が抜ける。
 あぁ、ルナルドの匂いだ。
 そう、思った瞬間だった。何故か意識が遠のいて、酔ったような感覚に襲われた。

 ----噛みつきたい。
 心の奥底から、それは衝動。

 リリアナは、ルナルドの背中に手を回して、しっかりと抱きつく。
 耳の裏側に指を這わせて、血管が少し見えた瞬間、ドクンッドクンッと、熱い胸の高鳴り。

 ベロリと耳の裏を舐めて、下に降りて行くと、感じる。
 血の流れに沿って、首筋まで唇を這わせて、たまらない気持ちになる。

 -----欲しい。

 大きく口を開け、自分の牙がルナルドの肌に当たった瞬間だったと思う。

「リリアナ。愛してる。」

 ルナルドは、呟いた。
「人間じゃなくなってしまっても。どんな姿に変わってしまっても。」
 ぎゅうっと、リリアナを抱きしめた。
「おまえが俺を嫌いでも、どんな時も、何があっても、愛してるんだ。」
 
 見開いた視界には、天井があって、景色が徐々にゆらめいて、見えなくなっていく。
 涙が、勝手に頬を伝う。
 
 ルナルドは、愛おしそうに、私の額にキスをして、唇を這わせて言う。
「もう少し、俺に時間をくれないか?今、調べているんだ。人間に戻す方法を。ダメだとしても、一緒に生きていく方法を、探そう?」
 彼は・・・何を言っているんだと思った。
 一緒に生きていく方法?吸血鬼が?人間と?
「そんなの・・・あるわけないわ。」
「わからないだろう!?人間を吸血鬼に出来るなら、逆だってあってもおかしくない!」
「馬鹿ね・・・」
「馬鹿でもいい!だけど、諦めたくない!」
 
 そこで、ルナルドは体を起こして、リリアナを見た。
 ボロボロと涙を流すリリアナを見て、眉間に皺を寄せた。
「馬鹿は、おまえだ。」
 ルナルドは、リリアナの涙を指で拭いながら言う。
「嘘なんだろ?気持ちが冷めたってのも、全部・・・・。」
 そう言うと、優しいキスをくれた。
 それから、少し驚いたような顔をして、ルナルドは私の口に指を入れる。
「?」
「リリアナ・・・牙がある。」
 チョイチョイと、触ってから彼は微笑んで言う。
「可愛い牙だな。」
 そう言うと、またキスをして、首筋を舐め、乳房を揉み、体を密着してくる。

「あ・・・ルナルドっ。ダメ!」
「愛してる。」 
 抵抗しようとして、その手に力が入らない。
「やめてっ!」
 せっかく、覚悟を決めたのに。こんなのダメなのに。
「愛してるよ。」
 あなたの囁きが、その声が・・・。私の覚悟を揺るがせてしまう。
「ルナルド・・・!!」
「リリアナ。愛してる。」
 ズンッと、私の中に彼の熱く固いものが、入り込んでくる。
「だ・・・めっ!!」

 体は正直で、待ち望んだその感覚に、快感を得る。
 何度も奥を突かれて、気持ち良くなっていく。
 体をゆさぶられながら、ルナルドの腕を掴み、首を振る。 
「ダメよ。こんなのダメ。離れられなくなっちゃう・・・!」
「離れなければいい!」
 ルナルドは、そう言い返して、キスをする。

「んっ、うむ・・・!ダメ!あっ・・・」
「気持ち良い?ここ?」
「あっ、はぁぁあん!」
 ウソみたいに声が出てしまう。
 力強い挿抜で、体中が揺さぶられて、体中で感じてる。理性も虚勢も、なにもかもが簡単に崩れていく。
「リリアナっ。」 

 あぁ・・・ムリ。
 愛してる。

 死ぬなら、このまま死にたい。
 あなたに抱かれて、愛していると、その声を聞きながら死にたい。
 
「愛してるよ。リリアナ。」
 ルナルド・・・・!
「んっ!・・はぁあっ!!もっと。もっと言って!」
 
 グッグッと、貫くように固い自身を私に押し込みながら、ルナルドは真剣な顔で言った。
「愛してる。忘れないでくれ、リリアナ。今までも、これからも、ずっと!生涯おまえだけだ。」
 そう言うと、息をする間もない程に激しく挿抜されて、何も考えられなくなる。肌と肌がぶつかる音と、私の喘ぎ声が、部屋中に響き渡る。
 この上ない程に上り詰めて、ビクンッ!ビクンッ!と私の体が強く痙攣する。ルナルドも声を上げて達した。
 
 暫く2人で抱き合ったまま、余韻に浸る。
 ルナルドの体温が、とても落ち着いた。

 
「リリアナ・・・」
 ルナルドは、リリアナの頭を撫でながら言う。
「俺は、まだ諦めない。世の中に、存在する生き物は、全て共存できるはずだ。吸血鬼だって共存できる方法があっても、いいはずだろう?答えを出すのは、もう少し先にしてくれないか?」
 生き物の、共存?
 子供の頃から勉強ばかりだった、ルナルドらしい考え方だ。

「ルナルド。私ね。人間に戻ろうと思っているの。」

 私は、ルナルドにダンピールの話をした。
 抱かれることで、人間に戻れること。
 そしてそれは、永遠の別れであること。

「ダンピール・・・本当に存在しているだなんて。」
 ルナルドは、驚いていた。
「私は、その人の所に行きたいの。潔く。今の自分のまま。恐ろしい吸血鬼になりたくない。」
 そう言いきると、ルナルドは首を振る。
「ダメだ。1人では行かせない。俺も行く。そのダンピールと、話をさせてくれないか?」
 



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

〖完結〗終着駅のパッセージ

苺迷音
恋愛
分厚い眼鏡と、ひっつめた髪を毛糸帽で覆う女性・カレン。 彼女はとある想いを胸に北へ向かう蒸気機関車に乗っていた。 王都から離れてゆく車窓を眺めながら、カレンは振り返る。 夫と婚姻してから三年という長い時間。 その間に夫が帰宅したのは数えるほどだった。 ※ご覧いただけましたらとても嬉しいです。よろしくお願いいたします。

氷狼魔術師長様と私の、甘い契約結婚~実は溺愛されていたなんて聞いていません!~

雨宮羽那
恋愛
 魔術国家アステリエで事務官として働くセレフィアは、義理の家族に給料を奪われ、婚期を逃した厄介者として扱われていた。  そんなある日、上司である魔術師長・シリウスが事務室へやってきて、「私と結婚してください」と言い放った!  詳しく話を聞けば、どうやらシリウスにも事情があるようで、契約結婚の話を持ちかけられる。  家から抜け出るきっかけだと、シリウスとの結婚を決意するセレフィア。  同居生活が始まるが、シリウスはなぜかしれっとセレフィアを甘やかしてくる!? 「これは契約結婚のはずですよね!?」  ……一方セレフィアがいなくなった義理の家族は、徐々に狂い始めて……? ◇◇◇◇  恋愛小説大賞に応募予定作品です。  お気に入り登録、♡、感想などいただければ、作者が大変喜びます( . .)"  モチベになるので良ければ応援していただけると嬉しいです! ※この作品は「小説家になろう」様にも掲載しております。

番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

閉じ込められた未亡人は、当主となった義息と契約する。

黒蜜きな粉
恋愛
借金の肩代わりとして後妻に入った私は、 妻と呼ばれながら屋敷の離れで「いないもの」として暮らしていた。 ある雪の日、夫が事故死したと告げられる。 だが、葬儀に出ることすら許されず、私は部屋に閉じ込められた。 新たに当主となった継子は言う。 外へ出れば君は利用され奪われる、と。 それが保護であり、同時に支配なのだと理解したとき、 私はその庇護を条件付きの契約に変えることを選ぶ。 短いお話です。

処理中です...