女神なんかじゃない

月野さと

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24話 平和な日

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 ずっと傍にいる。
 そう約束してから、サラはアーサーの部屋で眠るようになった。
 毎日、晩餐後にアーサーの部屋で寛いでいる。


「アーサー!お帰りなさい♪」
 部屋の扉を開けると、満面の笑みで迎えられる。
 サラは、読んでいた本を閉じて、広げていた本を少し片づける。そんなサラの隣に腰掛けて背中に腕を回し、腰に手を回して引き寄せた。

「今日は、何の本を読んでいたんだ?」
「あ~今日はね、50年前に書かれた隣国の本でね・・・」
 毎日、大量の本を部屋に持ち込んでは、様々な本を読んでいる様子だったが、歴史や法律や経済は好んで読んでいるが、魔法の本は好きではない様子だった。自分が使えないので、実感が湧かずに文章だけだと、頭に入って来ないとボヤいていた。
 役人たちからは、サラは勉強熱心で素直で可愛らしいと、すぐに評判になった。

 サラは、質問すると何でも、率直な意見で素直に話してくれる。考え方が突拍子も無いことが多いが、話す内容は興味深く、話し方は穏やかで、他人の事を話すときは、思いやりを感じられる。そんな所がまた、好きだ。

「それでね、レオンさんが言ってたんだけど・・・・?」
 レオンという言葉に、アーサーが体を硬くする。サラはそれに気が付いた様子で、話を止めた。
「どうしたの?」
 腕の中にいたサラが、こちらを向く。息づかいすら感じる距離で、彼女の髪から石鹸の香りがする。

「愛してるよ。サラ。」
「え?あ、うん。私も・・・好きだよ。」
 耳まで真っ赤にする様子が、可愛くて、ついイジメたくなる。黒い髪に指を絡めて、顔を近づける。
「そこは、愛していると返すのではないのか?」
「えぇ!そ・・・それは、えーと、あの・・・」
 恥ずかしがるサラに、キスをする。
 キスをするたびに、魔力が自分に流れ込んでくる。そのせいで、体中に力が湧いてきてしまい、つい激しく抱いてしまう。体力差を考えて、抑えるようにしているものの、いつも抱きつぶしてしまいそうになる。
 彼女の何もかも、全てが欲しくなる。

「サラ、気になっている事がある。」
「なに?」
「・・・どうやって、レオンを助けたんだ?」
「そ、・・・それは!魔法省から聞いてるんじゃないの?」

 もちろん、魔法省から聞いてはいる。
 ただ、サラが話したがらないのが気になっていた。

「そうだな。おまえに解呪の力があるとは聞いた。」
「うん。そうみたいなの!半信半疑だったけどね、本当にできて良かった♪」

 話が終わったとばかりに、安心した表情をするサラ。

 しかし、説明がつかないことがある。レオンも私が気が付いていることを感じ取っている。しかし、2人とも言わないのだ。

 レオンから、以前よりも、魔力量が上回っているのを感じる。

 それだけの呪い魔法を受けて解呪したからといって、短時間で膨大な魔力を取り戻せるはずがない。

「だからね、薔薇の花に魔力を送れれば、栄養剤みたいのが出来て、みんなを助けることができるって考えたの!レオンさんの実験、どうなったかなぁ~?」

 いつも、誰かのことを思いやれる優しいサラのことだ、負傷したレオンの為に・・・。

「サラ。もう、女神の力を使うな。」
「え?どうして?」
「・・・その力が周知されれば、お前の身が危険になる。」
 彼女の目が、恐怖に変わる。アドルフのことを思い出したのだろう。
「すまない。嫌なことを思い出させたな。しかし、忘れるな。おまえを危険にさらしたくない。」

 もちろん、国としても女神の力を奪われるのは、国防に関わる。
 ただそれよりも、誰にも渡したくない。誰にも、奪われたくない。
 ギュッと抱きしめると、サラが抱きしめ返してくる。その弱い力のせいなのか、もっと強く抱きしめられたい、という欲求にかられる。

「私の女神の力って、ずっと消えないのかな?」
 私の胸に、頬を押し付けたまま、サラは言った。
「この女神の力が無くなったら、アーサーの傍に居られなくなる?」

 そんなことを、思っていたのかと驚く。
「最初に言っただろう?女神など私に必要ないと。」
 でも、と、少しふくれた顔をしながらサラは言う。
「でも、みんなは女神の力が有るから、私を特別に扱ってくれるんだよ!」

 ・・・確かにその通りだ。
「しかし、それだけではない。お前自身を認めている人間もいる。」
 サラが、ウソだと疑いの視線を送って来る。
「ふっ。そんな顔をするな。そうだな、では、今すぐに私の子を産むのはどうだ?すぐに妃と認められるぞ?」
 ニコニコと笑って、胸元から服の中に手を入れて、優しく揉む。
「ちょっ!なっ!何言ってんの?!えっち!!!人が真面目な話をしてるのに!!」 
 サラは顔を真っ赤にして、慌ててアーサーの手を引き抜く。
 からかったわけでは無く、半分は本気だったのだが・・・と思いつつも、可愛いいサラを眺めながら、テーブルのワインを手に取る。

 ただ、サラの不安は、理解できる。
 
「私が、その力を、誰も欲しがらないようにしてやる。」
「え?」
「この大地が平和になって、争い事を無くし、誰もが満ち足りた豊かな世界にするのだ。誰もが満たされて、幸せであれば、女神の力など必要なくなる。」

 私を見上げたサラの目は、キラキラと輝いていた。「ありがとう。大好き。」とサラはアーサーの胸に擦り寄る。


 しかし、解っている。

 人の心は貪欲だ。
 どのような社会になろうとも、サラの力を欲しがる者は出てくるだろう。歴史を勉強しているサラなら、私のウソにも気が付いているかもしれない。その能力がある以上、永遠に狙われ続けるのだ。
 それでも、平和で誰もが幸せになれる世界を信じたい。より良い世界を作り上げたい。そして、サラを誰にも奪われずに傍におきたい。サラが、安心して平和に暮らせる場所をつくりたい。

 ・・・・。

 今、サラの女神の能力を、消し去る方法があれば・・・
  
  
 私もまた、欲深い人間なのだ。

 

 サラを引き寄せて、抱きしめて、キスをする。
 舌を入れて歯列をなぞってから、舌を味わうように舐めて絡めてやる。そうすると、サラはトロンとした目になる。
「アーサー・・・今日もするの?」
 チュッっと首筋にキスマークをつけてから、顔を上げる。
「?愛する女が傍に居たら、抱くのは当然だろう?・・・嫌か?」
 早く愛し合いたくて、サラを抱き上げて、ベッドに移動する。
「そんなっ、嫌じゃないよ!でも、でも普通は毎日しないでしょ?」

 アーサーは、不思議に思う。
「前々から不思議なのだが、サラの国では、恋人同士は何をしているんだ?」
 サラをベッドに下ろすと、キスをして、服を脱がせながら、太腿を撫でる。
「愛しい女が居たら、愛を伝え合うのでは無いのか?それに、国王であれば、毎日妃を抱くのは、義務の国もあるのだ。驚く事でも無いだろう?」
 止めることが出来なくて、太腿にキスをする。すると、サラは慌てる。
「え?あっ、んん!そんな、毎日なんて、だ・・・ダメになっちゃう!!」

 サラの言葉に、ムラっとくる。
「・・・ダメになればいい。」
 子供のようなサラの反応に、いちいちドキリとさせられる。
 可愛い胸の先端を、口に含んで舐める。同時に下の口も、指で愛撫する。
「あぁっ!だ・・・ダメになっちゃうのっ、そこダメ!おかしくなっちゃう!」
 体をビクビクさせながら善がり、声を上げて、可愛いことを口走る。
 素直で無防備で、可愛くて、質が悪い。
「おかしく、なってしまえばいいだろう?」

 毎日激しくしてしまうのは、私のせいではない。
 私を煽る、サラが悪い。 



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