王子さまの守り人 後日談・番外編

遊森謡子

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後日談・番外編

拍手小話まとめ ぷらすあるふぁ

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【昔とは違う乳母様】

 そっと、肌に指を滑らせる。もう何年も、してない。
「ん……」
 自分で……してみる? でもどんな風にしたらいいの?
 触れた場所に、刺激が走る。
 私の身体……昔とは変わってきてる。あのころとは全然違う……。
 ……こんな私、男の人には見せられない……。

「まーたんっ」
「やだ、王子見てたの。でも王子ならいっか。見てよこの二の腕! 汚れた水を捨てるためにツリーハウスとトイレを鍋もって往復したら、こんなに太くなっちゃって。他の部分もバランス良く運動すれば、こうはならないのかなぁ。何年も前にジム通いしてた時のトレーニング、やってみようかしら。あ、あいたたた、触ると筋肉痛が……しかも二日後に来るとかありえないし!」



【経験の浅い乳母さま】

ファ「経験、あるんでしょう?」
小梅「あ、ありますけど……こんなの久しぶりで……」
ファ「大丈夫、ほら」
小梅「無理です、こんな大きいの初めてで……あっ」
ファ「せまい……もう一回……」
小梅「ん……こすれる……あっ、ダメっ!」

ガリッ。

小梅「縁石にこすっちゃったー! ごめんなさいいいぃ」
ファ「はっはっは、いいですよこれくらい」
小梅「もう、だから無理だって言ったじゃないですか、キャンピングカーなんて大きいのを車庫入れなんてっ! 私ほとんど、小型車しか運転したことないんですって!」
ファ「いやいや、すごく興奮しました」
小梅「なんですかそれ!?」
ファ「いいからいいから。さあ、バックが辛いなら前からシテみましょうね」
小梅「鬼か!」



【久しぶりの乳母さま・ぷらすあるふぁ】

ドアの向こうから、コーメとラズト先生の声が聞こえる。いけないと思いつつ、つい立ち聞いてしまった。
「ね、して下さい」
「……いいのか?」
「久しぶりだから、ちょっと痛いかも……緊張……」
「わかった。優しくするから」
「ラズトさんなら……大丈夫です」
ゴンゴンゴン! 気づいたらドアをノックしていた。
「どうぞー。あ、カザムさん」
「コーメっ……え? そ、それは?」
「あ、これピアス……えっと、耳に刺すタイプの耳飾りです。片方なくしちゃったんで、もう片方だけでもなくさないようにつけておこうと思ったんだけど、ピアスホールふさがっちゃって……自分でやって化膿するといけないので、お医者さんにやってもらおうと思って。ラズトさんがいて良かったわ」
「……先生……」
「何かな?(ニヤニヤ)」

◇ ◇ ◇

「あっ……こら、そんなに揉まないで……こわれちゃう……」
ゴンゴンゴン! ガチャッ!
「今回早っ!」
「ラズト先生、コーメっ……こ、今度は何ですか?」
「あ、カザムさん見て見て! 王子、お料理の手伝いができるようになったんですよ。野菜の塩揉み。袋に入れて揉むだけなんですけどね……なんか崩れちゃったけど、うまいうまい」
「おーじ、おてつだいー」
「……ラズト先生は何でここにいるんですか。さあ行きましょう」
「キレてる、カザムが静かにキレてる(ニヤニヤ)」



【ちょっと待ってよ! イディンさん】

離宮に入る前に王宮に滞在していた時、廊下でばったりイディンさんに会いました。
「……こ、こんにちは」
「あ……コーメ。この間はごめん……救ってあげられなくて」
「?」
「あの男の子、元気? コーメとファシード殿の子どもなんでしょ?」
「……いえ?」
「いいんだ、僕には隠さなくて……。でも、その子を第二夫人の養子にすると、血縁を送り込もうとしてるとか勘ぐられて政治的にまずいもんな。それでラズトの子どもってことにしたんだね」
「……ちょっと待って下さい?」
「そこをラズトのやつに付け込まれたの? 秘密を守りたいならオレの女になれって」
「どこまで想像の翼をひろげちゃったんですかー!?」
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