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第2章

第07話 アンティゴネ奴隷第2号、1号に敗退す。

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 SEXは頭で感じるモノとは言うが、「そういう世界」に行くには、やっぱり身体が必要なのだ、、、。

 全身は完全に身動きが出来ないように革拘束された上に、金属製の拘束台に完全にネジ止めされている。
 お尻には排便用のプラグが固定され、尿道にはカテーテルが差し込まれて、透明な容器に勝手に排出される仕組みになっていた。
 口にはもちろん咽の奥までガッチリと差し込まれたペニス型のギャグが禍々しく固定されている。

 ペニス型のギャグは、外国のポルノに出てくるような肉色の巨大なディルドウに似ていた。
 長大なペニスの根元には、御丁寧にふぐりの形をした部分が垂れ下がっている。
 その根元には透明で細いテグスが左右に2本出ている。

 まさかそんな巨大な物が口におさまるわけが無い・・・ペニスギャグの先を唇に押し付けられながら、僕は唯一拘束されていない首から上を振り、必死にそれを拒んだ。
 しかし鼻を摘まれて、わずかに開いた口の中にスプレー状の得体の知れない薬品を入れられて、しばらくすると舌のろれつが回らなくなり、歯も食いしばれずに、ヨダレが口元から垂れてくるようになった。
 そして数分後、口腔内はもちろん、咽の奥まで感覚が消失してしまった。


 それを見計らったように、さっきの巨大なペニスギャグが、口に滑り込んできた。
 僕はまったく抵抗出来ずに、それを咽の奥までハメ込まれてしまう。
 僕の唇が、ふぐりのところまで到達すると、テグスを後頭部にまわされて、きつく縛られてしまった。
 これで自力では絶対にペニスギャグを吐き出せなくなった。

 でも人間の気道は上手くできていて、鼻で呼吸はできる。
 まあ、それは普段から、ディープスロートの訓練をやってるから判っているが、これ程、大きいペニスギャグだと、、。

 拘束台の上に、鏡が置かれていて、そこに自分の顔を写された。
 間抜けなフェラ顔で、ペニスを根元までくわえこみ、ヨダレを垂れ流す自分を見て、死にたくなった。
 僕の顔の形が、これ以上もないほど歪んでいる。
 装着される前に、アンティゴネに乱暴に塗られた真っ赤な口紅が、ふぐりの部分にすこしついて異常な程に、いやらしい状態・・・これが自分だとは信じられない。

 少し涙が溢れてきたけど、のどが完全に塞がっているので、声はおろか、ん~ん~!といううめき声も発する事ができず、ただただ、フッフンッと鼻息を荒げる事しか出来ない。


 ギャグが外された。
 久しぶりに自分の口腔の感覚を取り戻した。
 アゴが固まってしまっていて、暫くは舌もまともに動かず、ヨダレの垂れ流し状態だったけど、徐々に感覚も戻ってきた。
 舌で口の中を探ると、歯並びがおかしくなってしまっているような錯覚に陥る。
 上手く噛み合わない様になっている感じ。

 アンティゴネが部屋に戻ってくると、後ろ手の手錠を残して拘束服を脱がされた。
 そしてホースで家畜を洗うように身体を洗われ、伸びた髪を頭頂部で一本にまとめられて、天井からのフックに固定され、爪先立ちの状態で干されるように固定された。
 正面には大きな鏡があって、そこに映った自分の姿を見て絶句した・・・僕の身体は自分の想像をぜっするほど惨めで、いやらしい体になっていた。
 拘束服に仕込んであるワイヤーのコルセット効果がすごくて、腰のくびれが蜂の腹部みたいだ。
 それとなんと、僕のペニスが勝手に勃起してる!


 しばらくして部屋から出て行ったアンティゴネが又、入ってきた。
 口がだいぶ自由になってきたので、拘束を解いてくれるように懇願したけど、まるで聞こえて無いように無視されて、今度は普通のボールギャグを噛ませられた。
 アンティゴネは、新しく用意した全身拘束用の革スーツを、全裸で吊るされたままの僕に、装着していく。
 今の僕にとって革スーツなんて珍しいものじゃない筈なんだが、その拘束用革スーツはとても変わっていて、乳房の部分が、固いラバーの肉色をした特大偽乳房になっていた。
 で乳首が、ちいさな亀頭になっていた。
 しかもその内側は、みっしりシリコンが詰まっていて、僕の乳房を押しつぶして来る。
 こんなモノを、わざわざ作るなんて、ほんとにこんな時のアンティゴネは正に変態だった。


 僕は、初めこの拘束に抵抗を試みてたのだが、やがて諦めの気持ちに負けて、されるがままに拘束されていった。
 ・・・念入りに編み上げられた股下まで完全に覆われるブーツ・・・ヒールは10cm以上で、完全に爪先立ちを強要される・・・胸を下から押し上げるような形になっている腰全体を締め付けるコルセットを時間をかけて締め付けられ、ブーツとガーターベルトのような革バンドで繋げられ、至錠された。


 そのあと、腕を念入りに拘束された・・・・腕はまず肩の下まで入ってしまうような長く分厚い革の手袋をつけられる(もちろん指先は只の袋になってる)。
 手首と肘のすぐ上と下にベルトがあり、締め付けられるようになっている。
 右腕の方には先からベルトが伸びていて、左腕にはそれを止める金具・・・それをハメられたあと、腕を背中側でクロスさせられ、右腕の先のベルトを首の前をまわして、左手の金具に接続されてしまう。

 肩がひねリあげられ、物凄く苦しい体勢で、思わず背中が弓なりになってしまった。
 そして肘の部分についたリングを、コルセットの背中に付いたリングと接続されると、まったく腕は動かなくなる・・・しかも、装着前には、その腕拘束具は水に浸されて伸びた状態になっているので、しばらくすると乾いて縮んで、腕はまるでギプスをはめられたようにガチガチに固まってしまうのだ。

 顔と下半身と例の偽胸が露出させられたままで、他が拘束されているぶん、その部分だけ強調されて見えてた・・鏡に映った自分が手際よく拘束されていく様子を見ながら、心の中で絶望感が膨らんでいく。
 亀頭乳首の特大乳房を持ったチンポ付き女の無惨絵を眺めてる感じ、それは自分自身の姿なのだが。


 あらかた拘束が終わると、最後に、頭の上で僕を釣り上げていたフックを外された。
 そしてアンティゴネは、僕に幅の広い首輪に引き綱を付けて、僕をその場所からひっぱり出した。

 重い胸と拘束された腕、ハイヒールでバランスをとるため、体勢は思いきり胸を張った形になり、巨大な変態胸が一層強調されている筈・・・でも引っ張られて、新しい場所に行けるかと思ったら、結局、そこも似たりよったりだ。
 僕が引っ張られていった先は、たくさんの工作機とも医療機器ともいうような見た事も無い異様な機械が並んでいた。
   随分、浮島の隠しホールドセルを見て来たつもりだったがまだまだある…。

 僕は言われるがまま、小さな鞍馬のような椅子に跨がらせられ、腰をその椅子とベルトで固定された。
 アンティゴネはその後、大きな万力のような物がついたアーチ型の工作台をゴロゴロと牽引してきて、僕の両脇に設置した。
 万力の部分を僕の顔の横に来るようにハンドルを回し、位置を調整すると、有無も言わさず頭をガッシリと挟み込んだ。

 万力の内側はクッションが付いているんだけど、ギリギリと固定されると全く頭は動かせない。
 恐怖に引きつっていると、口からボールギャグが外された。
 口がだらしなく開きっぱなしになり、ヨダレが垂れ流しになっている口を、アンティゴネは覗き込んで、何かを確認しているようだった。

 アンティゴネはそばの棚からマウスピースをいくつか取り出し、僕の口に突っ込み、サイズの合う物を選びだすと、そのサイズに合ったいくつかの奇妙な形のピースを持ってきた・・・・。
 そのうちの一つ、U字型の内側にペニスの先の部分が付いたようなマウスピースを試しにくわえさせられた。

 これをくわえさせられると、外見上は全く普通の口なんだけど、口腔内はペニスで一杯になって、舌も押さえ付けられ、当然言葉もしゃべれなくなる。
 つまり外見からはわからないフェラチオ訓練器ってわけだ・・・。
 他にも、逆にU字型の外側にペニスが突き出た物もあった。
 これは装着されるとフェラ顔で、しかも口からペニスが生えているようになってしまう・・・。

 他にもいろいろな得体の知れないマウスピースがあって、僕はもうただただそれを受け入れる他無くなってしまっていた。
 幾ら訓練といえど、そこまでの屈辱を受ける謂われはないから、僕は半狂乱になって暴れたけど、もちろんガッシリ固定された頭と、拘束服で、逃げ出す事など出来なかった。
 強制フェラマウスピースも、入れ歯固定用の接着剤の用な物をたっぷりと塗った後、装着されて、自力では吐き出せず、涙を流して鼻息を荒げる事しか出来ない。

 僕は朦朧とする意識の中で、なかば諦めつつ放心状態だった。
 頭を押さえる万力のような器具がようやく外され、僕は前に倒れ込みそうになったけど、首輪に繋がれた引き綱をグっと引っ張られ、無理矢理にアンティゴネの前に立たされた。
 むき出しの下半身が、鞍馬のような椅子から離れる時、ベリっと音がした。
 あまりの苦痛と恐怖にに失禁してしまって、それが乾いて陰毛が張り付いていたのだ・・・。


 アンティゴネが何か持って部屋に入ってきた。
 それは皮のパンティの様だったけど、内側には大きく黒光りしたペニスが付いている。
「これは私のペニスを型取りした物よ・・・これを履いて、はやく私の形をその下の口で覚えることね・・・」
    "私のペニス?"僕は混乱した。
    いややはり、アンティゴネは話通り両性具有の存在なのか?

 アンティゴネは潤滑オイルの様な物を塗りたくり、僕の股間にそれを一気にねじり込んだ。
『!!!!!!!』
 僕は声にならない悲鳴をあげたが、もちろんアンティゴネ達の耳には届かない。
 それを根元まで埋め込まれ、脱げないようにコルセットの金具と繋げられてしまった。
 僕はなんとか外れないかと、腰を振るのだが、もちろん無駄な事だった。

 背中側でがっしりと腕をクロスに拘束された身体では、寝転がることができない。
 うつ伏せになろうにも、胸に付けられた巨大な偽乳房でバランスがとれない・・・仕方なく僕は部屋の隅によりかかった。
 でもお尻をペタンと床に下ろすと、バイブのお尻が床に当たって、それが一層奥までハマりこんでしまうのだ。
 仕方なく僕はウサギ跳びのような姿勢で、ひたすら時が来るまで耐えるしかなかった・・・部屋の壁の1面は全面鏡になっていて、惨めに拘束された異様にイヤラシイ体つきの性欲処理人形が映っていた。

 でもそんな思いを消し飛ばすかのように、バイブが僕を責め立てて来る。
 僕はその度に歯のないイヤラシイ口をぱくぱくとさせて、悲鳴をあげた。

 長い長い時間が終わり、アンティゴネが扉を開けて入ってきた。
 僕はヨダレと涙でグシャグシャの顔のまま、すがるようにバイブを外してくれる様に懇願した。

『おえあいッ!こえを・・はうひへ・・おえあいよぉ・・』
(おねがい、これを外して、お願いデス・・)

「よくわかっていないようだが、お前はもう奴隷以下の存在なんだよ・・・何かをお願いできる身分では無くなったんだ。良く覚えておけ・・何かをおねだりする時は、まず御奉仕しなければならないんだよ・・そうだな・・ではその惨めな口で奉仕の練習をしなさい。そうしたらそのバイブを外してやろう。」
 そう言うと、アンティゴネはパンツを下ろし、自分のペニスを僕の目の前に突き出したの。
   ディルドーじゃない!本物だ!
 しかも臭い!ワザと汚くしてる、それに度が過ぎる程の汚しよう・・・いくらアンティゴネのものでもこれでは、しゃぶる事など、できるはずがない・・僕は反射的に顔を背けた。


「ほう・・その特製パンティがよっぽど気に入ったのかい?脱ぎたく無いのか・・・」
 アンティゴネはパンツをあげ、チャックをあげようとする。
「あぁっ!!すいまひぇん!おえうぁい!ひゃぶあへて!!!」
(ああっ!!すいません!お願い!しゃぶらせて!!!)
 僕はすぐに顔を背けた事を後悔し、必死で懇願した・・・。
   勘違いするな。これはやはり訓練なのだ。
   ただのSM遊戯なんかじゃない。
   アンティゴネの描いているロールに従わなければ終わる事がない。

「ふふ・・・やっと自分の立場がわかって来たようだね・・・」
 僕は絶望的な屈辱感の中、そのアンティゴネの股間に口が届くように中腰の姿勢になった。
 目の前にぶらさがったペニスは、垢にまみれたような異臭を放っていた。
 僕が躊躇していると、アンティゴネはリモコンを取り出し、スイッチを操作した。
『ヴヴヴヴッ!!』
 バイブがうなりをあげた。


『ふうッッッ!は・・・んぐッッ・・・!!!!』
 僕は必死で締め付けたんのだが、それは止まらなかった。
『あああぁッ!!』
「・・・感圧スイッチをオフにした・・・もうこのリモコンでしか止める事はできないぞ・・・さぁ、はやくしゃぶれ・・・」
 僕はアンティゴネのペニスにむしゃぶりついた・・・そう・・僕は自分からお願いして、アンティゴネのペニスをイヤラシイ口でくわえこんだのだ・・・歯の当てられない口で、アンティゴネのペニスを必死でしごいたのだ。


『ジュポッジュブッジュポッ・・』
 すぐにアンティゴネのペニスは倍の大きさに固く膨らんで来た。
 咽に到達したが、長い間のペニスギャグ改造・調教で、咽に異物がハマりこんでも僕は嘔吐しないようにならされてしまっていた・・・バイブの刺激と戦いながら、必死でペニスをピストン運動でしごいた。

『ジュルッジュブッジュッポジュッポ・・・』
「ふふ・・・壁の鏡を見てみろ・・ククク」
 そこには一匹の性欲処理奴隷が、イヤラシイ顔でアンティゴネのペニスを根元までくわえこんで、巨大な胸をブルンブルンと揺らしながらフェラチオ奉仕している姿が映っていた。

「おまえの口はフェラチオ奉仕専用の器具にされたんだ・・・なかなか良い出来だ・・・・ん・・そろそろ出すぞ・・・』」
 そう言うと、アンティゴネは頭を激しく動かした・・・

『ンんッんんんッ・・・!!!!』
 咽の奥に大量の精液が放出されたのを感じた。
 僕は真っ赤な唇をアンティゴネの陰毛に埋まるくらい深くペニスをくわえこまされ、精液を胃袋に流し込まれた。
 僕は呼吸もままならず、ぶはっと口を放し、激しく呼吸をした。
 そして、禍々しい股間のペニスがまだ止めてもらえず、たまらず叫んだ。

『はやくうッ・・・!!はやくとめれくらしゃいぃぃ・・』
(早くッ早く止めて下さい!!!!)
「おいおい、誰が口を放して良いと言ったんだ・・・?ちゃんとその舌でこのベチョベチョのチンポを綺麗にするんだ・・・やりっぱなしはいかんだろう・・・?ククク・・・」
『そ・・・そんなぁ・・・』
 僕は顔を涙と鼻水でグシャグシャにしながら、必死でアンティゴネのペニスを舐めてきれいにした。
 僕は屈辱を感じながら、アンティゴネのペニスに付いた精液を舌を延ばして一生懸命掃除をした。

『はぁ・・はぁ・・・(れろ・・ぺちゃぺちゃ・・・)』
 アンティゴネはニヤニヤしながら僕の顔を見つめている。
    こんなアンティゴネの表情は珍しい。

「ようし・・良いだろう・・・バイブを止めてやろう・・・」
 アンティゴネはようやく僕を凶悪な責め具から解放してくれた・・・
 固定金具を外されると、ズルリとバイブが抜け落ち、床にドサリと落ちた。
 こんな大きな物が入っていたなんて・・・改めて自分自身で信じられない程それは大きなペニスだった。


      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 『出たー!ジェイソン!』……じゃない。
 悲しいかな、それは又、アンティゴネに拘束された僕の顔だった。
 またまた、責め具マニアのアンティゴネお得意の、黒い厚革・調教仮面を顔に固定されてる。
 鏡に映る我ながら恐い面相。
 でも、仮面の下には、ばっちりメイクを決めアイシャドーを強く引いた偽物美女の顔が隠されている。

 1週間分の汚れと皮脂をまとわりつかせた足を、蒸れたストレッチ・ブーツからはがし、シーム入りストッキングを脱いだあと、すぐにラバー衣装を付けさせられ、後ろ手に拘束されてはじめて、又々、アンティゴネの新しいワナに落ちた事に気付いた。
(ってかこれが毎度の訓練。これと交互に行われるフィデーニの戦闘訓練の方がましだった。)

 悪臭を放っているストッキングの片方を、つま先部が上になるよう裏返し、丸めたものを、すばやく口に押し込まれた。
 あわてて吐く間もなく、用意してあった赤布ガムテープで左右、斜めに何枚も吐き出さぬように貼られてしまった。
 自分の汚れ物で猿轡されるなんて。

 さらに身悶えする僕を押さえ、もう片方のつま先をハサミで2分し、細く丸めて両方の鼻孔に突っ込まれてしまった。
 口は塞がれてるし、空気を求めて激しく鼻呼吸するたびに、強烈な異臭が鼻を襲う。
 こんな仕打ちを受けるなんて、ほんと惨めだ。

 唯一の呼吸孔に、詰め物をされた割りには苦しくはなかったけれど、こんな屈辱はあの爺にさえ受けていない。
 (実際は、昔ツバサとそれぽい遊びもしたからホントは初めてじゃないが、こういうシチュだと意味はまったく違う)
 これは、ある意味、僕を心底ウルティメイトな心理に落し込む為の、巧妙な悪知恵でもある。

 アンティゴネとは、こういった場面以外でも、戦術訓練で時々会う事があるけど、その際には僕のチームメイトであるチュールを付け人にしている。
   今日はそのチュールを、僕の調教に同席させていた。
 アンティゴネのやる事にあれこれいうつもりはないけど、これをやられると、結構クルものがある。

 アンティゴネが耳元で、『チュールが私の奴隷1号。意味わかるだろ。猫の大好きな仔。』とささやく。
 エッ! ウッソ! 冗談だろ…。
 ほんとなのか?…信じられない。

 チュールの後ろ姿を目で追いながら、チームないでは自分の妹分だと思っていたあんなに強いチュールが、このあられもない調教の第1号だったなんて。
 ビデオは見せられてたけれど、1号は、常に目隠しと鼻責め、猿轡をされていてその正体に気がつかなかったのだ。

 チュールには妹に対するような好感持っていて、かわいい奴と思っていたのに…。
     いや特に不思議でもないのか?
   あのダッチワイフ従者の中身がWooだと知った衝撃から比べたら大した事はないのだ。

 その日以来、僕には一転して、1号、つまりチュールに対するライバル意識や嫉妬心が燃え上がっていた。
    勿論、それはアンティゴネが訓練を行うフィールド内での感情だったが。

『バラしてまずかったかな。実はチュールは私が浮島の下層ブロックで拾った仔なんだよ。珍しく売春をやらされていなかった。身体能力とガッツがずば抜けててそれで食いつないでた仔なのよ。ほらチュールって、肩幅が広くて胸が小さいだろ。』
 そんなアンティゴネの言葉を思い出した。

 パニックに陥っている僕に、その仮面は装着された。
 左右、頭部のステンレス・ベルトが、回転留め具で固定され、南京錠が掛けられる。
 鎖骨に食い込むほどの幅広の首輪がぎゅっと絞られ、シリンダー錠が下ろされた。
 仮面内部に仕込まれた目隠しを、スライドされると、まったくの闇に閉ざされる。
 鼻が麻痺したのか、イヤな臭いは気にならなくなった。
 でも、頬張っているストッキングから、舌を遠ざけようとしたけれど無駄だった。

 あご下から首はがっちり固定されてるし、鼻からあごは隙間がないくらい仮面が密着してる。
 だ液がじわじわ、僕の汚れを吸い取ったストッキングと混じり合うのがわかった。
 足はストッキングを脱いで臭いまま、ラバーストッキングを履かされ、身体中ラバーでおおわれて汗をかき、顔は耳と髪を除いて閉ざされている。
 ああ…僕が、自分のよごれと臭いでけがれていく。

「今日の調教にはこれを使う。」と恐ろしげな革仮面を出された時、内側をちらりと見て、僕は露骨にイヤな顔をしたと思う。
 プラスッチックでコーティングされ、鼻から下は、首輪まで編み上げになっているため、口にあたる部分は、取り替え可能な、三ケ月型の革マスクが貼ってあって、その表面に、たぶん、奴隷1号/チュールの調教跡とわかる化粧汚れがくっきり残っていたのだ。

「2週間前に1号とのプレイ訓練で使った。ふだんは、使用後消毒スプレーできれいにしておくんだが、わざと残しておいたよ。お前の妹分の可愛いチュールのだ。」

 仮面の目の部分は、目の下からスライドさせる目隠しまで付いてる。
 口は布ガムテープで被われているとはいえ、チュールの化粧跡が残る仮面を、付けられるのはほんとうにイヤだった。

 ギュウギュウ首輪を締められ、シリンダー錠のロックする音を聞くまで、僕は抵抗し続けた。 
「奴隷達には、プレー中、濃い化粧をさせるので、口紅やファンデーション跡が残る。1号には、穴あきプラスチック玉をほおばらせて仮面を装着した為、口紅跡から流れるシミは、よだれの跡だ。プラスチック玉のせいで、つばが飲み込めない1号は、口からあふれない様後ろ手にされた上体を、極力そらせていたが、下を向くよう命じた。私の意図を察した1号は、頭を振り振り懇願したが、むりやり頭を押さえつけると、溜まったよだれがあごまであふれ、編み上げの穴や首輪の下からしたたり、カーペットを汚したので、お仕置きを追加してやったよ。」
    いつもの言葉責だった。
    僕はまだこれに対する耐性がない。


 アンティゴネから、今日は全穴封じをしてやると言われ、耳孔に耳栓をされた。
 すでに口、鼻、目、耳が塞がれたので、あと残るは下の二穴残すのみ。
 ああ、僕は、じょじょに追い詰められていく。

 その時耳もとで「さっき見た口紅跡のシミは、奴隷1号のよがった際のよだれの跡だ。お前はガムテープ越しに1号と間接キスをしているのだ。」と言われた途端、僕はもう気が乱れて狂いそうになった。
 なぜならそのアンティゴネの側には、そのチュール自身がいるのだ。
 躰の中からカァーとした炎が燃えさかるようだった。

 チュールの歓喜にむせぶ声、アンティゴネの猥褻なせりふを発する口元、化粧跡、いやらしいよだれのシミ、口の汚れた詰め物、鼻孔の臭い栓、間接キス…そういったイメージが、頭の中に次々と飛び交っているうちに、僕のチュール対する心の変化に気付いた。
 ライバル心や嫉妬が消えた。
 ああ…僕は、この仮面越しにチュールといっしょに責められているんだ?
 …かわいいチュール、…いとしい僕。
 僕のふだんは、レズの気はないのだが、、。


 ムムゥ~ン。ウ~ン…。
 僕、いつのまにか、声にならないうめき声を発していた。
 耳栓をされているので、自分の声が、直接頭に響いて増幅されるせいか、僕のとは思えない、くぐもった官能的な声をあげるたびに、被虐の悦びが押し寄せてきた。

 …ああ、まだ穴も責められていないというのに、おびただしい偽の愛液が、閉じたももの間にしたたるのがわかった。
「正座をしてから、10分ぐらいで躰を前後、左右にくねらせ始めたね。今まで聞いたことのない、2号の官能的なうめき声だよ。私も声を聞いただけで、エレクトしたのは、初めてだ。戦闘術の方はまだまだらしいが、こちらは良い。」
 そんな声が聞こえた。

 仮面の内蔵目隠しが半開になっている。
 アンティゴネは、僕の耳が敏感な性感帯だと知ると(前回の調教時に悟られた)、耳の上にかかる、髪の毛を束ねる革バンドを、仮面の左右のベルトにスナップ留めできる細工を、追加してた。
 まったく、凝り性だった。
 今日は、弾性スポンジの耳栓をされているので、少しの触感でも躰にうずき、鼻の頭やくちびるで、上下に愛撫されただけで、さきほどの官能の波が、また押し寄せるのを感じた。

 そしてとうとう最後まで残っていた、穴が塞がれる時が来た。
 後ろ手錠のまま、ラテックス・フレアースカートが脱がされ、愛液でベトベトになっている、レオタードの股間ジッパーを、へそ下からお尻まで開かれた。

 ペニクリには、なぜか蛇腹のような黒ゴムのホールを、アヌスには、ワセリンをたっぷり塗られたピンクのアヌス・バイブが根元まで、レオタードに付属する、ゴムベルトで、割れ目に食い込むほど、強く装着された。
 下を向くことさえ出来ないほどの、幅広の革首輪は、大きなシリンダー錠でロックされてしまった。
 ペニクリとアヌスのバイブが抜かれたとき、暗い深淵から浮き上がるように意識が戻った。

 足枷、手枷とも、すでにはずされていた。
 僕は、ふらつく躰をぶつけるように、アンティゴネに抱きつくと、大声で泣いた。
 あ~ん、あ~ん、うぇ~ん…。
    プライドもなにもない。我ながら幼児のようだ。 
    ある意味、開放されている。
 革の仮面は付けられたままなので、アンティゴネには、そうは聞こえなかっただろうが。

 僕はプレイの時でも、勝ち気でプライドが高く保てる人間だと思っていたのに。
 こうしてアンティゴネにやさしく抱かれ、泣きじゃくる僕が、信じられなかった。

 ああ…、こんな奥深い被虐の悦びと、安らぎを与えて下さって、アンティゴネ様、感謝します。
 僕は、身も心もあなたの奴隷です。
 …うれしい。

 そうそう、オナニーと言えば、最近僕はプライベートの時には時々、日中でもラバーパンティーを履くことがある。
 ブリーフタイプの赤色とか白色。
 何の為に?本気でラバー調教を受けるときは、こんなパンティーじゃなくもっと凝ったのを着せられる。
 使うのは、諸々の訓練が一段落した夕方、僕の部屋で、雑誌を見ながらとか。
 そっちがメイン。

 僕は通販で取り寄せたリモコンで遠隔操作できる小さなバイブを使う。
 赤ん坊の手の平ぐらいで、イボイボの付いた白い本体から、にょきっと突き出た部分にバイブが入っているものだ。
 それを僕の中に入れて、イボイボ面をそのまま、あてがう。
 たいした厚味は無いから、上からラバーパンティーを履けば、密着して押さえられて、ちょうどいい。

 装着したまま歩けるし、トイレの問題さえなければ、訓練がなければ一日中付けていてもいい。
    半日くらい装着したままの日もある。
 振動の強さを調節できる受信部は、本体からリード線で繋がってるから、ラバーパンティーに、はさんどけばいい。
 スイッチは、これもかわいい白い卵型で、作動させると赤いランプが発光する。


 アンティゴネの訓練では、顔に仮面を固定されるのもいやだけど、後頭部で留められるスチール・ベルトのガチガチ締める音が恐かった。
 まるで鉄仮面をかぶるようだった。

「ユズキも前回の調教で、成熟した私の革人形奴隷になり、めでたし、めでたしだな。」
 ところが…その時そばにいたチュールがいきなり言い出したのだ。

「待ってください! アンティゴネ様は、卑怯です。アタシの化粧跡をあんな風にユズキの調教に使うなんて。不潔。絶対、納得いかない。」
『こんな反抗的なチュールは、いままで見たことがなかったので、仮面の件に、よほど頭に来ているのだ。』とアンティゴネは思ったらしい。
 
  所が。
「アタシだって、あんなフルコースの調教を受けてみたい…。」
 これにはアンティゴネもにが笑をした。

「アンティゴネ様を責めてはいけない。僕はチュールと違って、なかなかお合いできないんだ。短期間で、僕の奴隷度を高めるために、盛りだくさんの趣向を、凝らされてる。まぁ、おかげ様でチュールより、僕奴隷として成熟したんじゃないかな?」

 言葉使いは難しい。
 僕はチュールを取りなすつもりで、余計なことを言ってしまったようだ。
 それを聞いたチュールは、真っ赤になり、うっすら目に涙さえ浮かべていた。
 (って実はこれも計算ってかプレイの一つなのだが)

「成熟度を言われるのだったら、これは、どう?」
 と、いきなりチュールは自分が履いていた黒革のミニスカートを、僕達に向かってまくって見せた。
 色白なチュールの、白い下腹にはゴム製貞操帯が、装着されていた。
 てらてら光る、黒い5センチ幅のT字帯が、まだ幼い茂みに食い込んでいる。

 僕達に見せる覚悟で、きつく締めて来たんだろう。
 くびれたウエスト、絞り込まれた1.5センチ幅の太もも帯が柔肌に埋没してる。
 その妖しい白と黒のコントラストが、僕達の目に飛び込んで来た。
 場違いなエロティシズムに、僕とアンティゴネは息を止めた。

 結局、この日の調教訓練の勝者はチュールだったのかも知れない。




























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