「ネオ・ヰタ・セクスアリス放浪記 (空蝉編)」

二市アキラ(フタツシ アキラ)

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第4章

空蝉編 4-2「胸を造りたい」2 : 拡張訓練による変化

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     この日のため、羞恥なトレーニングをしてきたのだけれど、果たして充分なアナル拡張ができているのだろうか……。

     湛(しずか)は過剰なまでの不安を覚えていた。
 ユカの肛門性器に、舘岡のペニスがずぶずぶと嵌入してゆくのを目にしたとき、あんな太いものが入ってしまうなんて……、と恐怖すら覚えたものだ。

 我慢できないほどの痛苦でも辛抱しなければいけない……、ちゃんと奥まで嵌め入れてもらって、館岡に悦んでもらいたい……、湛は自分の拍動が聞こえそうなぐらい緊張していた。

 熱くて硬いものが肛口に当たる。
 生の肉棒の触感だ。
「ああ……」
 思わず喘ぎが洩れてしまう。
 たくましい舘岡の手で腰をがっちりとつかまれて、いよいよ逃げることができない。

「しずか、ハメるぞ、」
「はい」
 亀頭部が細孔を侵蝕してくる。
 挿入される、といった生やさしいものでなく、めりこんでくる感覚だ。
「んうぅう……」
 湛(しずか)は歯を食いしばってそれに耐えた。



「ほら、しずか、口をあけて息を吐いて、ケツの穴をリラックスさせろ」
「……はい」
 肛門穴が異常なまでに敏感になっている。
 極太の巨根は肛壁を掻き分けて犯入してくる。
 身体がミシミシと軋んでいる。
 やがて、館岡の亀頭先端は直腸腔にまで達し、躰に心棒を入れられたような感じになった。

「しずか、今日はちゃんと奥まで入ったな」
「……はい。ありがとうございます。」
 異様な程大きな張形で挿入訓練を積んでいるとはいえ、生身の長大ペニスは格別の感触がある。
 痛みはそれほどでもなかった。
 拡張訓練の成果だろう。

 館岡がゆっくりと動きはじめた。
 硬い肉の責め棒で肛襞が擂り上げられる。
 快感……?
 快感なのかどうかわからない。

 湛は、肛門性器にインサートされた生の肉棒の充足感、そして、館岡の要求の最低限のところをクリアできた悦びに浸っていた。
 それは、感激であり、幸福感であった。

 しかし、先程まであれほど激烈に勃立していた湛(しずか)のペニスは力を失っていた。
 肛門性交で性感を得るには、湛はまだまだ未熟なのだろうか?
 もっと感じる事が出来るのだろうか?

 頭の中が発火し、腰の奥が灼熱している。
 張形でなく本物の巨大なペニス棒を生で入れてもらった喜びが勃起昂奮を誘発する。
 湛(しずか)は握りしめた自分の男根をしごきあげた……。


 四つん這いになった湛の背後から肛孔を串刺しにした館岡は、さらに湛の背中におおいかぶさってきた。
 まるで犬の交尾のように、大柄な体躯の館岡にのしかかられた湛は息も絶え絶えに喘ぎ続けていた……。

 昨夜の光景が湛(しずか)の脳裡に鮮明に浮かんでくる。
 同時に、湛はユカの肛門器の味わいも思い出していた。

 熟したトロ味のアナル孔は柔和な肛襞の締めつけが絶妙だった。
 ユカのような肛門性器が、好きものの男色家に悦ばれることもわかった。
 湛は、館岡に貫通されながら、はやくユカのようなアナル性器の持ち主になって、館岡に満足してもらいたい、と願っていた。

 館岡の頬が湛(しずか)の頬にこすりつけられる。
 館岡の顎の伸びはじめたヒゲのチリチリ感、煙草の匂い、ウィスキーの匂い、男盛りの体臭……、思わず湛は顔を横に向けた。
   そこには館岡の口唇があった。
   
 湛(しずか)は求めていて、館岡も望んでいた。
 ふたりは口唇を合わせ、舌をねっとりとからみ合わせて、互いの唾液を貪り啜った。
 ……男どうしのディープキス、肛門に挿し入れられた媾合、素肌に密着している男の肌、じっとり汗ばんだ館岡の躰に包み込まれている……。
 危ない男に抱かれて幸せを感じている自分……、湛の頭の中で烈しく火花が散っていた。


 ……そして、館岡は、「しずか、中で出すぞ」と湛の耳元で囁いて射精したのだった。
 腸奥に滾った粘汁の飛沫を浴びせかけられて、湛の全身に震えが走った。
 館岡に精液を注ぎ込まれた瞬間の戦慄的な法悦を思い出し、湛はいちだんと強くペニスをしごあげた。

「ああっ!」
 痛撃のような快感が走り抜けて白濁粘液が飛び散る。

 しかし……手淫のあとの虚しさはやってこなかった。
 Tシャツの胸もとはべっとりと濡れている。
 手もねちゃねちゃだ。
 濃い精液の匂いが鼻を衝く。
 実は昨夜、館岡に肛門嵌入されてから後、湛(しずか)のペニスはすっかり力を失ったままだった。

 館岡は何度と泣く湛の男根をまさぐって勃起させようと試みたが、ついに力を漲らせることはなかった。
 湛(しずか)は快感どころではなかったのだ。

 湛はようやく、ベッドから降りる気分になった。
 シャワーを浴びてから、新しいお化粧品を買いに行こう。
 今日の残りを楽しく過ごさなくっちゃ……。



     湛は数日後、『ケルベロスの首輪』に訪れ、自分の疑問を夕貴ママに打ち明けていた。
「それは人によってもちがうと思うけど、ぜんぜんヘンじゃないわよ」
「そうですか……」
 夕貴ママの答えに、湛は少しだけ安心した。

 夕貴ママは機嫌良く相手をしてくれた。
 湛を気に入ってくれているのか、それとも、湛が館岡のお気に入りだという理由なのか、そこのところは判断がつかない。
 湛は、夕貴ママに、館岡に肛門に挿入されて勃起しなかったのはおかしいのだろうか?と質問したのだ。

「だからね、チカオちゃん、女とおんなじなのよ。初めて男にハメられて処女を失ったばかりなのに、あ~気持ちいいわ、もっとはげしくやってえ、なんて悶えまくる女なんていないでしょ。初めは痛いだけ、でも、好きな男にチン×をハメてもらうのがうれしくて、痛いのをガマンして何度も入れてもらってるうちに、だんだんと気持ちよくなってくるものなのよ。そんな風に開発されてゆくのは女も男でもおんなじなのよ」
「…………」

 そんな事は判っていた。
 問題は、それが相手が館岡の時に起こるということだった。

「でも、しずかちゃんは、痛いだけ、ってことはなかったんでしょ?」
「さいしょのときは泣きそうなぐらい痛かったけど……」
 本当のところ、痛みはほとんど感じなかった。
 けれども、痛みの感触の記憶は残っている。

 思えば、張形を使って自分で拡張トレーニングをしているときは痛苦との格闘だった。
 あっ!、これは痛いっ、……でも、もうちょっと辛抱して奥まで入れてみよう。
    そんな感じで湛は館岡のペニスをちゃんと受け入れられる日を夢見て羞恥訓練に励んでいたのだった。
    
「で、少しは気持ち良かったの?」
「うーん……、どうかな……」
 肛門性交とは勃起陽根と肛壁襞膜の摩擦にすぎない。
 心理的には、男に挿入されて、肛門穴を性器代わりに女のように扱われている、という被虐めいた感覚がある。
 あの夜の翌日、思い出しのオナニーで大量に噴き上げてしまったのは、そういう昂奮だった。

 実際には館岡と肛門セックスしたとき、湛はもっとトータルな充足感があった。
 酒、煙草、とまるで亭主関白のように命じられて従う嬉しさ、ベッドに腰かけた館岡の両膝の間に侍るようにしてのフェラチオ奉仕、そして、ドッグスタイルで挿し貫かれたとき、背後から抱きかかえられた密着感……、館岡の大きな身体に抱きすくめられるときの安息……。
 肛門を貫通される性的悦びというより、館岡に従属する悦び、といったほうが正しいような気がする。

 これは自分の資質と深く関係しているのだろう、と湛は思っていた。



「それでターさんに、愛人になれ、って言われたんですって?」
「……はい」
「チカオちゃん、ターさんに見初められたのね。おめでとう。」

 あの夜、「はい」と返事したものの、数日経った今日まで、館岡からは何の連絡もない。
 館岡の愛人になるのを承諾したのは、果たして現実の出来事だったのだろうか……。
 今になって、湛は半信半疑になり始めていた。
 だから、こうして、『ケルベロスの首輪』に来ているのだ。

「館岡さんに気に入られたのかどうか、よくわからないんです……」
「でも、ターさんにちゃんと抱いてもらったんでしょ?」
「それはそうなんですけど……」

 もちろん、夕貴ママにはユカを交えた3Pから始まったことは報告してある。
 夕貴ママは驚きもしなかった。
 3Pや4Pの性の饗宴は珍しくはないのだろう。

「ターさんという人は恐ろしほど強引なところもあるけど、優しい面もあるのよ。しずかちゃんがこの世界に足を踏み入れてしまう決心が固いかどうか見守っているんじゃないの?」
「決心したつもりですけど……」
「もう、あっちに行ったり、こっちに行ったり、ふつうの男の生活には戻れないわよ。」
「……わかってます」
「そんなに簡単に決心していい事とは思えないけど」
「…………」
「だからね、ターさんは、しずかちゃんに、もっとじっくり考えてから結論を出しなさい、ってことで猶予期間を与えてくれてるんじゃないの?」
 楽観的に考えれば、夕貴ママの言うとおりかも知れない。

 湛も、しずかなりにいろいろと考えて悩んだのだ。
 答えはやはり自分で出すしかなかった。


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