魔術師長様はご機嫌ななめ

鷹月 檻

文字の大きさ
17 / 190
第一章

16家庭教師の面接と乗り物

しおりを挟む

 昼食を食べていると、ゼフィエルが今日は面接がありますと言った。

「面接?」
「ああ、すっかり忘れていたが君の家庭教師を募集してたんだ」

 とレイジェス様。
そういえば学校は10歳から始まるけど、みんなその前に家庭教師とお勉強をして学校に備えると聞いていた。なので家庭教師を雇うぞ、と言っていたような。

「書類選考を経て3名にしぼっております。書類を拝見した所中々優秀な方達だと思われます」
「書類などいくらでも誤魔化すことができる。何の役にも立たん」
「だから面接するのでしょ? で、女性はいらっしゃるの?」
「申し訳ありませんが、どなたも男性でございます。女性の方のご応募はありませんでした」
「女性は結婚すると家庭へ入る方が多いですからね」

 セレネが諦めた様な顔で言った。

「ふむ…男なら全員不採用でいいだろう?」

 レイジェス様は面倒臭そうで眉間に皺を寄せていた。

「男性だからと言って、必ずしもアリア様の魅了に掛かるわけではございませんでしょう? 私自身アリア様の魅了に掛かってませんし」
「う~む……ゼフィエル、そなた誰か愛する者がいるのか?」

 とレイジェス様がゼフィエルを見つめる。

「……い、いえ、私にはそんな者はおりません。未だに独り身でございます」

 え! 私はこのやり取りでわかってしまった!!
私の腐女子の血が騒ぐ……!!
ゼフィエルってもしかしてレイジェス様が好きなんじゃ!?
うおおおおおおおおおおおお!!
生BLだあああああ! と思ってると私の背後からぐふぅ! ごちそうです!
と言う小さな声が聞こえた。

 今日の給仕の仕事をしているサーシャだった。
もしかして…サーシャ、あなたも腐女子!? ナカーマ?
私がサーシャを見ると速攻で涎を拭いて取り繕っていたので小声で私も言った。

「サーシャ、私も同志です!」と。

サーシャは目をぱちぱちして冷や汗を拭いていた。




 結局面接は、やることになって、魅了が掛かるか掛からないか調べるために私も面接官をすることになった。

 面接官は私、レイジェス様、ゼフィエル、セレネですることになった。
まず、一番目の人が来る。速攻でレイジェス様が聞く。

「私は男が好きな者を雇いたいと思っている。君は男が好きか?」
「「「ぶっ!」」」

 その質問で私とゼフィエル、セレネが噴いた。
何言っちゃってくれてんですか? この人!

「……いえ、男ではなく女性が好きです」

 1番目さん、ハンカチを取り出して顔汗を拭き始める。
次にゼフィエルが質問する。

「幼女の体に性的魅力を感じたことはありますか?」
「「ぶっ!」」

 私とセレネが噴く。何言ってんだ!! ゼフィエル!! 1番目さんが目を白黒させている。
次にセレネが聞く。

「あなたには今付き合っている方もしくは、恋人などいますか?」
「え? ……い、いません……あ、あなた様にはいるのでしょうかっ!?」
「わたくし? わたくしのことはどうでも良いのです。あなたの事を聞いているのです!」
「い、いません!!」

 だめだこれ……面接になってないよ。
セレネの質問で1番目さんはセレネに思いを寄せたっぽい。
1番目さん、顔が真っ赤だ。めっちゃ顔汗拭いてる。
そして私は簡単な余剰定理の問題を書いた黒板を見せた。

「じゃ、最後にこの問題を解いてください」

 しばらく待ったけど1番目さんは解けなかった。
面接は終了し、後日結果を送付することになっている。




「幼女に興味がないのはいいのだが、女が好きというのがなぁ……」

 レイジェス様はそう言うけど、それが普通ですから!!

「好きな女性がいないというのも問題です! アリア様に変な気を起こすかもしれません! 不採用でいいでしょう」

 セレネは好意を寄せられたことに全く気づいてない。

「不採用だな」
「不採用ですね」
「不採用ですわ」と私も言う。

 3人の答えが一致した。

「高学歴って聞いていたのに嘘をおっしゃったのかしら?」

 と私が一人愚痴っていると隣のレイジェス様が

「君の出した問題は学校ではやっていない。普通の者は解けないであろう」
「レイジェス様ならできます?」
「うむ」

 ささっと、目の前にあったメモに答えを書いた。はやっ、合ってるし。

「合ってます、さすがですレイジェス様」
「でも、わたくしの先生をなさるなら、これ位の問題をさらっと解いてくださる方でないと話になりませんわ」

 というと、ゼフィエルにそれでは皆さん不採用になってしまいます。と言われた。
あと二人だし一応面接しようということになった。




2番目さんが来て、レイジェス様が質問をする。

「私は男が好きな者を雇いたいと思っている。君は男が好きか?」
「え? ……公爵様みたいな素敵な方にそんな質問していただけるなんて! はい私は衆道でございます!」

と言ったので、レイジェス様が目をきらきらさせて
「この者にしよう!」と言い出した。
ちょ、とんでもない! レイジェス様、あなた狙われてますってば!
私とゼフィエルが全力で反対してレイジェス様が折れてくれたので2番目さんにはお帰りいただいた。




 なんだか疲れてきたよ、まったく。
3番目さんが入ってきた。椅子に座って私を見つめた辺りからおかしい。なんか、はぁはぁしてる。

 ガタンと音を立てて3番目さんの椅子が倒れた。
瞬間ダダっと私の方にダッシュしてきたので、私はとっさに自分の椅子を飛び降りてレイジェス様の後ろに隠れた。
ボン!と激しい爆発音がして、3番目さんが吹っ飛んだ。レイジェス様が魔法で吹き飛ばしたみたいだ。壁に頭を打ったのか失神してるっぽい。

「問題外でございます!」とセレネが怒ってる。
「ゼフィエルには配置転換が必要だな。今回の面接は時間の無駄であった。この場の後始末はゼフィエル、お前がやれ」

 レイジェス様がむっとしている。
レイジェス様の後ろでぷるぷる縮こまっていると抱き上げられてぎゅっと抱きしめられた。

「怖かったぁ」
「あれは驚くな。魅了が掛かりすぎだ。近くで見たら確かに目の色が赤黒かったな。あのような状態になるのか」

 そのまま抱っこされて談話室に行くと、レイジェス様は長椅子に座って、私は膝に乗せられた。

「レイジェス様、ゼフィエルを辞めさせちゃうのですか?」
「いや、領地の城での仕事を任そうかと思う。あちらにいる家令のセバスにこちらの方に来てもらおうかと思っている。セバスは有能だからな。ゼフィエルが決して無能と思ってるわけではない」

 レイジェス様は私に言い聞かせるように頭を優しく撫でて言った。

「だが、多分君に嫉妬しているのもあるのか、無意識に君を危険に追い込むようなことをしているように感じる。ドレッサーの件にしても、やっていて当たり前の事をしていなかった。失念していたとか言うが、セバスなら有り得ん」
「レイジェス様はゼフィエルがご自分のことをお好きなのを知ってらっしゃったんですか?」
「なんとなく? 気に入られているか? ぐらいには。私に害があったなら即解雇だが、別に何かされるわけでもないし。放置していた」

 ゼフィエルって、たまにレイジェス様のお背中流したり髪洗ったりしてたよね? ってことは…。

「裸を見られているではないですかっ!」

 レイジェス様はキョトンとした顔をした。

「……そうだな? なにか問題か?」
「問題ですよ! わたくしだって見たことないのに!!」

 レイジェス様は目をぱちぱちさせてから暫くして笑った。

「先程、領地にお城って言ってましたけど、ここは領地ではないのですか?」
「ああ、ここは違う。ここはタウンハウスだ」
「タウンハウス?」
「ここは貴族だけの家の街、貴族街だ。領地を持ってる貴族達が冬から夏にかけて貴族会議や社交界へ行くために利用する家で、その家の事をタウンハウスと呼ぶ。領地を持つ貴族は自分の領地にいるのは秋ぐらいか? その貴族の財政状況にもよるがな。私は城に勤めているからここにいる事が多い。上位貴族は城の近くにタウンハウスがある。だから私も運動がてら徒歩で出仕してるだろう? 歩いて5分程の所に城がある」

 私は驚いた。だってこのお屋敷すっごく広いのだ。
私やレイジェス様の他に使用人の部屋もある本館、その他に分館があって、分館の中は大広間と小広間に分かれている。先日のピレーネは小広間の方でやった。大広間は舞踏会用らしい。

 他にも下働きが生活する為の寮みたいな分館があるし、馬小屋とか馬車小屋とか温室もあるし、前庭にはどでかい噴水もある。中庭にも中くらいの噴水がある。中くらいと言っても私の背よりはるかに大きい。
ここの他に更に領地とお城まで持ってるなんて、凄い!

「レイジェス様ってお金持ちだったんですね」
「欲しい物があるなら言ってみなさい。買ってあげよう」

 なんだか機嫌がいいレイジェス様が私の頬に軽くキスをした。

「う~ん……考えたけど、今欲しい物ないです」
「そうか? 何でも買ってやるぞ?」

 と言うレイジェス様、私に甘すぎませんか?

「領地に帰るときは馬車で帰るのですか?」
「いや、一人だからなぁ、フェンリルを使ってる」
「フェンリル?」
「ああ、君にはまだ見せてなかったか」

 レイジェス様が自分の足を軽く2回パンパンと叩くとレイジェス様の影からにゅっと銀色の大きな狼が現れた。談話室の半分位の大きさだ。
私はびびってレイジェス様の影に隠れた。

「私の召喚獣で、フェンリルのシリルだ」

 そっと覗くと目が合った。

『食さぬからこっちへこい、ちっこいの』
「喋った!」

 私は恐る恐る近くに行く。

「触ってもいいですか?」

 フェンリルに聞くと頷いたので両腕でぎゅっとしてみる。もふっとしてる。
手で、もみもみわちゃわちゃしてみる。

「もふもふの宝箱やぁ!!」
『何だかわからんが…そなた歌は歌わないのか?』とシリル。
「歌?」
「フェンリルは歌や音楽が好きなのだ」

 レイジェス様がシリルの頭を撫でながら言った。

『そなたのピレーネはとても良い。歌もさぞかし良かろうぞ?』
「え、歌? 恥ずかしい!」
「そういえば、君の歌を私も聴いたことがない。歌いなさい」

 レイジェス様までシリルと一緒になって私に歌えと言う。
恥ずかしいじゃない。ここカラオケ店とかじゃないんだよ?

「え~! 今ここで!? いやですよ」
「君はピレーネの時も最初恥ずかしがっていたな? 何故だ?」
「何故って、だってそんなに上手くないですから…恥ずかしいじゃないですか」
「神話現象が起こるくらい上手だと思うのだが、私と君の認識は違うようだな」
「褒めていただけてうれしく存じます。でも、まだまだなのです。わたくしの中では…」
「あれでまだまだなのか?」

 シリルは驚いて尻尾で私の顔をふさふさした。
ちょっとくすぐったい。

「嫌がった割にはそのあとピレーネを何回か弾いてるじゃないか」

 レイジェス様は納得行かないようでむすっとしている。

「あれは大勢の前で弾いて一度恥ずかしい思いをしたから慣れちゃったのです」
「ふむ、では歌も慣れなさい」
「もぅ…わかりました! 歌えばいんでしょ! でも、音楽あったほうがいいので小広間に行きましょう」
「弾きながら歌うのか?」

 とレイジェス様が言う。何故かちょっと驚いてる。
それを見て私は不思議に思う。
一人でいるときは弾きながら歌ったりしますよ? と言った。


 談話室を移動する時に、シリルはまたレイジェス様の影に潜り込んだ。そして広間につくとにゅっと出てきた。
私は何を弾こうかな? と考える。
好きだったミュージシャンの歌を歌うことにした。

「私はバラードが好きなのでバラードを歌いますね」
「バラード?」

 レイジェス様が聞くので説明した。

「スローテンポでストーリー性があって感傷的な感じの曲のことです。じゃ、恋のバラードを歌いますね」

とととっとピレーネに向かう。

 最初アカペラのハミングから始まって、ピレーネの音がどんどん重なって歌詞がはじまる。語りかけるように優しく歌う。
吐息がまじるようにそっと、そっと声を出す。
だんだん、盛り上がって行って叫ぶように響くように心を込めて歌う。
そしてまたそっと囁くように。

 歌って不思議だ。声なのに音を奏でて音楽にする事ができる。
歌っている私の心の中で何かがぞわっと動き出した。
ぶわっと鳥肌がたつ。
歌っている私の声は転生前の私の声より断然綺麗で普通に歌っているだけなのに自分の声が聞き心地が良すぎた。

 一瞬ピレーネを弾く指が止まりそうになった。
ピレーネを弾く指にも注意する。集中して音を大事に鳴らす。高音部のきらきらした箇所を綺麗に出して、そこに声が重なる。

静かに開いた心の壁。恥ずかしさ。
それがどんどん何処かに行ってしまう。歌ってこんなに気持ち良かったんだ……。
夢の中にいるみたいにハミングをして、ピレーネの音がきらめく中で曲は終わる。

 今日の花は白の他にうすい桃色の花も混じっている。
へぇ~歌を歌うとピンクの花が散るのか。
しーんとなってたのでちょっとどうしよう? 良くなかった? と思ったんだけど、レイジェス様が涙をぽろりと流してた。それにびっくりです。

「何だ今の歌は? あれが恋の歌? 私は感動した! こんなの初めてだ! 君には歌の才能もある! みんなにこの歌を聞かせるべきだ!」

 めっちゃ熱くなってるレイジェス様。
普段の落ち着いた冷静なレイジェス様はどこへ?
シリルもうんうんと頷いている。

「え~……」

一人やる気のない私だった。

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...