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第一章
26女神マティオンの祝福
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レイジェス様と私とセバス、皆呆然としている。
「何だったんだ? 今の大きな光は?」
とレイジェス様が聞いてきたので
「姉神様のマティオン様でした。音楽に誘われて来ちゃった! って言ってました」
レイジェス様もセバスもこめかみを押さえている。
「君、空を飛んでいたぞ? 落ちるかと思って冷や冷やして見ていた」
「あれは足元にキントーンがあったので落ちません」
「キントーン?」
「神様が乗る雲のようなもの? かしら」
何故か二人とも目を見開いている。
「あ、そういえばレイジェス様から音が聞こえたような気がしたのですが?」
「今確認している、ん!?」
「どうされました?」
レイジェス様が口元を押さえて険しい顔をしている。
「無属性空間魔法が使えるようになっている……」
「へ~良かった? ですね」
二人とも私を見る。
「これは大変なことなんですよ? 姫様」
なんかセバスが興奮している。
「え、そうなんですか?」
と私が言うとレイジェス様がこめかみを押さえてしまった。
「神の降臨など奇跡だ、君には自然の事でもな? ましてや祝福を受け魔法を授かってしまった……外部の者に知られれば、色々面倒に巻き込まれることになるやも知れん」
「じゃあ、今の事は三人だけの秘密ってことにしましょう!」
能天気に言ったら、はぁ~と大きいため息をつかれた。
お風呂に二人で入り、上がった後、寝室で閨事をした。
レイジェス様は明日仕事なので長い間はだめですよ。
って言ったら仕事に行きたくないと言い出した。ダメな大人だ。
「さっきは怒って行ってしまったのかと思った」
「ちょぴっと怒りました」
「申し訳ない許してくれ」
本当に悪かったって顔してくるからほっぺたを差し出す。
「ご機嫌とってくれるんでしょ?」
レイジェス様が私のほっぺにキスをした。
「ああ! もう!」
とか言ってぎゅっと抱きしめてくる。
私はレイジェス様の上に乗り、そっと陰茎を両手で持った。
最初は恥ずかしかったけど、レイジェス様が喜ぶので私はレイジェス様ご自身をこうして弄るのに抵抗がない。
「あっ……」
とレイジェス様が恥らって顔を逸らす。
私は深呼吸をしてからそそり立った陰茎の先にある亀頭をぺろぺろと舐めた。
レイジェス様の液はとろっとして、苦くて、ちょっとしょっぱい。
舐めているとレイジェス様の液が溢れてくる。
陰茎の太い部分が波打ってどくどくというのを感じる。
私は口いっぱいに入るだけ吸い込んだ。亀頭の先でさえ全部口に入らない。
これ以上入れたら歯に当たって痛いかも?
舐めて吸ってちゅぱちゅぱして、両手で擦っていたら
「君に触れたい」
と言われ抱きしめられた。
今度は私の蕾をレイジェス様が指で弄ったり舌で舐めて転がしたり匂いを嗅いだりしてる。
ぴちゃぴちゃとレイジェス様の舌の出すいやらしい音が聞こえて恥ずかしくなってくる。
「君のここは毛が無くて、つるつるですべすべしているなぁ……いつまでも触っていたい気分だ」
言葉に出されると顔が熱くなった。
レイジェス様は私を四つん這いにして足を閉じさせて、閉じた太ももの間に太くて大きい肉棒を挿入する。私は四つん這いを崩して臀部だけ上げた。股を擦るレイジェス様の陰茎の先、亀頭が私のおへその孔を刺激する。もう私の股はレイジェス様の液だらけでべちょべちょだった。私が横を向くとそちらにレイジェス様が顔を寄せてきて。
「君の股は気持ちがいい」
と言った。満足してもらって嬉しい。
私はおへそに当たるレイジェス様の亀頭をなでなでした。
「うっ……はぁ、はぁ、」
レイジェス様の色っぽい声が聞こえる。
レイジェス様はまた顔を寄せてきてキスをした。
そのあとレイジェス様は私の太ももと手のひらの中で果てた。
私はそこに残ったレイジェス様の濃い白濁の液を舐めてみた。
「やめなさい、汚い」
「え、これから子ができるんでしょ? 汚くないでしょ?」
私がそう言うと、レイジェス様がこめかみを押さえた。
すぐにアクアウォッシュされた。
閨事をしたあとは裸のまま抱き合って眠った。
「愛してる……」
レイジェス様の声がかすかに聞こえて眠りに落ちた。
目覚めるとレイジェス様はいなかった。
どうやらちゃんとお城に出仕したらしい。良かった良かった。
ってか、8歳でこんなエロエロ生活……爛れてないか?
結婚するって言ってもまだ婚約もしてないのに、こんなに許しちゃっていいのだろうか?
私こそ順番間違ってない? でも女の子のあれなところに挿入してるわけじゃないから私まだ清いよね?? と自分が裸な事に気づいて悶える。
そして下着を着なきゃ……と思って床を見ると昨日床に脱ぎ捨てた下着や寝巻きやらが片付けられていてそこには無かった……。
仕方が無いので寝台脇のサイドテーブルにある呼び鈴を押す。これは魔道具になっていて使用人控え室にこの呼び出し音が鳴り響く設定になっている。押してすぐノックがした。
どうぞと言ったら入って来たのはセバスだった。
うわぁ、言いにくい。布団から顔だけ出して私は言った。
「着替えをしたいのでドレスを持って来て欲しいです。……あと……下着も」
「承知しました。ではリリーに持ってこさせますね」
セバスは何も聞かずに部屋から出て行った。
暫くしてリリーが着替えを持ってきてくれた。
私が裸で寝台から降りるとリリーは少し驚いていたけれど普通に挨拶してくれた。
「おはようございます、姫様。ドレスはこちらでよろしかったですか?」
若草色のエンパイアドレスを見せる。私が頷くとリリーは私にショーツを履かせて横の紐を結び始めた。そしてシュミーズ、ドレスを順番に着せていく。
「ありがとう」
「今日お部屋を掃除したのは下働きの使用人ですから、要る物まで片付けてしまったのでしょう」
とリリーが言う。うわ~下着を脱ぎ散らかしていたのがリリーにばれていてなんだか恥ずかしかった。リリーの顔を覗くと満面の笑みでこう言われた。
「大丈夫ですよ? 使用人は皆この事を知っていますから」
はっ!?
皆知ってるって……どういうこと? 思わず言葉に出てしまっていたらしい。
「姫様が旦那様に愛されていることですよ?」
普通にリリーが言った。私は思わず床に突っ伏してしまった。力が入らない。
でも一応誤解のないように言っておく。
「……み、蜜花は失ってないですから……」
「わかってます、旦那様はそんな方ではありませんから。さぁ、椅子に座って下さい。御髪を直します」
部屋のドレッサーの丸椅子に座って下さいと言われ、私はおとなしく座った。
リリーがささっと手際良くハーフアップにして、若草色のりぼんの髪飾りをそこにピンで留める。
「朝食はどうされますか?」
「ん~お腹が空いていないので紅茶だけでよいです」
「承知しました。では失礼いたします」
リリーはお茶の準備をしに食堂へ向かった。
私は胸がどきどきしていた。使用人皆が知っているって、でも皆そんなことおくびにも出さないんですけど……ある意味プロなんでしょうけど、知られていることに恥ずかしさで頭が一杯になる。……うううぅ。
紅茶を飲んで精神的に立ち直ってから、私は中庭に来ていた。
昨日マティオン様に会ってから自分の能力が少し開放された気がして実験したいと思ったからだ。
まず、上から花が降ってくる現象とは別に花が出せたことに注目する。出せた花が見た目薔薇みたいだった事を思い出す。ちなみにピレーネを弾いたら降って来る花はプルメリアに似ている。昨日は意識しないで出していたけど、今日は意識して薔薇を出してみる。
空中に出るように腕をバッ! と伸ばして手のひらを広げた。ぽん! と空気の弾けるような小さな音がして空中に赤い薔薇が現れてぽとりと芝生の上に落ちた。その赤い薔薇を拾う。感触も重さも匂いも普通の薔薇だった。なのに時間が経つと光の泡になって消えてしまった。質量があるのに消えるとはこれいかに? 法則が謎すぎる。
「ふむぅ……」
薔薇じゃない花も出せるのかな? と考えてピンク色のガーベラを想像してバッと腕を伸ばして手のひらを広げる。さっきと同じように乾いた空気の弾ける音がしてピンク色のガーベラがぽとりと芝生の上に落ちた。それを拾って確かめる。やはり感触も重さも匂いも普通のガーベラだった。なのにそのまま持っていると光の泡になって消えた。
そのあとも花の種類をいくつか変えてやってみたけど、花は自由に出せるということが分かった。
次に腕を振って光の粒を出してみる、出ない。なので手のひらを開いて念じてみる。手のひらと腕からじわりと光の粒が出てきた。ふんわりゆらゆらと上に昇って行く光の粒。
「なんだこれ……?」
光の粒を捕まえようとしてもすかすかして捕まえれなかった。何回か光の粒を出す練習をしていたら自由自在に出せるようになった。
そして最後に一番気になっていた雲について検証する。
神様が乗る雲って言ったら筋斗雲で決まりでしょ。
あれ? あれって仙人が乗ってるんだっけ? まぁ、よくわかんないけどお釈迦様とか仏様も雲に乗ってた気がするから一緒か。雷神、風神も雲に乗ってるし。
昨日出てきた雲はそれと一緒だと思うんだけどなぁ。どうやれば出てくるんだ?
そういえば某アニメでは叫んで呼んでいた気がする。なので私も呼んでみる。
「キントーン!」
自分の足元を見ると白っぽいもやのような物が見えたけど、すぐ霧散してしまった。
頭の中できちんとイメージ出来なかったのが原因かな? もう一度昨日乗ってた雲をイメージして唱えてみる。
「キントーン」
さっきより分厚い雲が私の足元に集まって畳一枚位の大きさになった。なのでそこにダイブしてみる。ぽよんといい感じの弾力で全然痛くなかった。よし!
これでちょっと浮いてみよう。操作ってどうやってするんだ??
頭の中で浮け~浮け~と念じる。急激にひゅ~っと浮いて今、お屋敷の屋根位の位置にいる。
これやばくない? 今落ちちゃったら私、絶対死んじゃうよね? 頭の中で移動移動移動と念じてたら雲がお屋敷の屋根の上まで行ってしまった。そして霧散した。
空中で霧散しなくて良かった! ほっ。
なんだか凄く精神力? を消耗したようで疲れてしまった私は大の字になって屋根の上で寝転がっていた。
中庭で私を呼ぶセバスの声が聞こえる。
「姫様~!! どちらにいらっしゃるのです!?」
私は屋根の端まで行って中庭を見た。セバスがいたので声をかける。
「セバス~わたくしここにいますよ~~!」
手を振ったらセバスが気付いた。
「はっ!? なんでそんな所にいらっしゃるんですか!?」
「キントーンに乗ったらここに来ちゃったのです」
「危ないですから早く降りてきてください!」
「は~い」
私はさっきと同じようにイメージして唱えた。
「キントーン」
ふわっと足元に集まる雲。さっきより小さい。畳一枚の半分位の大きさになっている。足で踏んで弾力を確かめるさっきよりも丈夫そうだ。私はそのままゆっくりセバスの所へ飛べ! と念じる。
キントーンはすうっとセバスの所に降りて行った。そして目の前で着陸した。
「あ~良かった、降りられて!」
「もしかして、降りられなくなる可能性も有ったという事ですか?」
とセバスがじろりと睨む。
私がえへへへと笑って誤魔化すと、セバスが眼鏡の端を指でくいっと直して言った。
「この件は旦那様に報告致しますね」
あちゃ~レイジェス様に怒られちゃう。しょんぼりした私だった。
私はセバスに1階の応接室の隣にある学習室に連れて行かれた。
さっきの件でまだ説教されるのかと思ったら違った。
私は学校の机のような学習席に座って、セバスは私の前に立ったまま話しをする。
「姫様は下界では10歳から学校に入る決まりがあると知っていますよね?」
「ええ、だからゼフィエルが家庭教師が必要だと言って面接をしたのですけど、面接に来た方達がダメダメ過ぎて、レイジェス様が怒ってしまいましたの」
「それは私も旦那様から聞いております。余剰定理の問題を課したのも聞いております」
「あら」
「姫様には数学の先生は必要ないと思いますが、姫様はどう思われますか?」
きりっとした顔で眼鏡のブリッジをクイッと上げた。
「……正直に言っても良いのでしょうか?」
私はちらりと上目遣いでセバスを見た。
「正直に言って頂けないと対応に困ります」
「数学の先生はセバスの言う通り必要ないと思います。国語も本が読めますから普通に分かると思います。歴史は本を読めば覚えちゃうので、私が知りたい事はマナーの事や魔法の事でしょうか? 音楽の先生はレイジェス様が雇ってくれると言ってました」
「ええ、音楽教師を雇うのは決定事項です。では姫様のご希望通りマナー教養の先生を雇いましょう。魔法の講師は……」
セバスは暫く考えてからため息をしてだるそうに言った。
「魔法の講師は……旦那様に任せましょう」
「え! レイジェス様?」
「魔術師は男が多いので他の講師を探すより旦那様がいいでしょう。旦那様は魔術指導の免許である魔導師資格を持っていますからね。講師を探す手間も省けますし、魅了の問題も無く適任です」
「忙しくないのかしら?」
「姫様といる時間の少しを魔術指導に費やすだけです。問題ないでしょう」
「ならいいですけど」
「では音楽教師とマナー教養教師を探すということで宜しいですね?」
「はい」
お話しが終わるとセバスにもういいですよ、と言われて二人で学習室から出た。
さて、これから何をしようか? キントーン作りも怒られちゃったし……。
大人しく本でも読もうか。
いつも実用書みたいな物ばかり読んでいるので、たまに物語が読みたくなった。
私は図書室で物語の本を探した。そして見つけた本が【勇者対魔王イニアス】
本の扉を捲った1ページ目には、この物語が実話で千年ほど昔の話だという事が書いてあった。
「何だったんだ? 今の大きな光は?」
とレイジェス様が聞いてきたので
「姉神様のマティオン様でした。音楽に誘われて来ちゃった! って言ってました」
レイジェス様もセバスもこめかみを押さえている。
「君、空を飛んでいたぞ? 落ちるかと思って冷や冷やして見ていた」
「あれは足元にキントーンがあったので落ちません」
「キントーン?」
「神様が乗る雲のようなもの? かしら」
何故か二人とも目を見開いている。
「あ、そういえばレイジェス様から音が聞こえたような気がしたのですが?」
「今確認している、ん!?」
「どうされました?」
レイジェス様が口元を押さえて険しい顔をしている。
「無属性空間魔法が使えるようになっている……」
「へ~良かった? ですね」
二人とも私を見る。
「これは大変なことなんですよ? 姫様」
なんかセバスが興奮している。
「え、そうなんですか?」
と私が言うとレイジェス様がこめかみを押さえてしまった。
「神の降臨など奇跡だ、君には自然の事でもな? ましてや祝福を受け魔法を授かってしまった……外部の者に知られれば、色々面倒に巻き込まれることになるやも知れん」
「じゃあ、今の事は三人だけの秘密ってことにしましょう!」
能天気に言ったら、はぁ~と大きいため息をつかれた。
お風呂に二人で入り、上がった後、寝室で閨事をした。
レイジェス様は明日仕事なので長い間はだめですよ。
って言ったら仕事に行きたくないと言い出した。ダメな大人だ。
「さっきは怒って行ってしまったのかと思った」
「ちょぴっと怒りました」
「申し訳ない許してくれ」
本当に悪かったって顔してくるからほっぺたを差し出す。
「ご機嫌とってくれるんでしょ?」
レイジェス様が私のほっぺにキスをした。
「ああ! もう!」
とか言ってぎゅっと抱きしめてくる。
私はレイジェス様の上に乗り、そっと陰茎を両手で持った。
最初は恥ずかしかったけど、レイジェス様が喜ぶので私はレイジェス様ご自身をこうして弄るのに抵抗がない。
「あっ……」
とレイジェス様が恥らって顔を逸らす。
私は深呼吸をしてからそそり立った陰茎の先にある亀頭をぺろぺろと舐めた。
レイジェス様の液はとろっとして、苦くて、ちょっとしょっぱい。
舐めているとレイジェス様の液が溢れてくる。
陰茎の太い部分が波打ってどくどくというのを感じる。
私は口いっぱいに入るだけ吸い込んだ。亀頭の先でさえ全部口に入らない。
これ以上入れたら歯に当たって痛いかも?
舐めて吸ってちゅぱちゅぱして、両手で擦っていたら
「君に触れたい」
と言われ抱きしめられた。
今度は私の蕾をレイジェス様が指で弄ったり舌で舐めて転がしたり匂いを嗅いだりしてる。
ぴちゃぴちゃとレイジェス様の舌の出すいやらしい音が聞こえて恥ずかしくなってくる。
「君のここは毛が無くて、つるつるですべすべしているなぁ……いつまでも触っていたい気分だ」
言葉に出されると顔が熱くなった。
レイジェス様は私を四つん這いにして足を閉じさせて、閉じた太ももの間に太くて大きい肉棒を挿入する。私は四つん這いを崩して臀部だけ上げた。股を擦るレイジェス様の陰茎の先、亀頭が私のおへその孔を刺激する。もう私の股はレイジェス様の液だらけでべちょべちょだった。私が横を向くとそちらにレイジェス様が顔を寄せてきて。
「君の股は気持ちがいい」
と言った。満足してもらって嬉しい。
私はおへそに当たるレイジェス様の亀頭をなでなでした。
「うっ……はぁ、はぁ、」
レイジェス様の色っぽい声が聞こえる。
レイジェス様はまた顔を寄せてきてキスをした。
そのあとレイジェス様は私の太ももと手のひらの中で果てた。
私はそこに残ったレイジェス様の濃い白濁の液を舐めてみた。
「やめなさい、汚い」
「え、これから子ができるんでしょ? 汚くないでしょ?」
私がそう言うと、レイジェス様がこめかみを押さえた。
すぐにアクアウォッシュされた。
閨事をしたあとは裸のまま抱き合って眠った。
「愛してる……」
レイジェス様の声がかすかに聞こえて眠りに落ちた。
目覚めるとレイジェス様はいなかった。
どうやらちゃんとお城に出仕したらしい。良かった良かった。
ってか、8歳でこんなエロエロ生活……爛れてないか?
結婚するって言ってもまだ婚約もしてないのに、こんなに許しちゃっていいのだろうか?
私こそ順番間違ってない? でも女の子のあれなところに挿入してるわけじゃないから私まだ清いよね?? と自分が裸な事に気づいて悶える。
そして下着を着なきゃ……と思って床を見ると昨日床に脱ぎ捨てた下着や寝巻きやらが片付けられていてそこには無かった……。
仕方が無いので寝台脇のサイドテーブルにある呼び鈴を押す。これは魔道具になっていて使用人控え室にこの呼び出し音が鳴り響く設定になっている。押してすぐノックがした。
どうぞと言ったら入って来たのはセバスだった。
うわぁ、言いにくい。布団から顔だけ出して私は言った。
「着替えをしたいのでドレスを持って来て欲しいです。……あと……下着も」
「承知しました。ではリリーに持ってこさせますね」
セバスは何も聞かずに部屋から出て行った。
暫くしてリリーが着替えを持ってきてくれた。
私が裸で寝台から降りるとリリーは少し驚いていたけれど普通に挨拶してくれた。
「おはようございます、姫様。ドレスはこちらでよろしかったですか?」
若草色のエンパイアドレスを見せる。私が頷くとリリーは私にショーツを履かせて横の紐を結び始めた。そしてシュミーズ、ドレスを順番に着せていく。
「ありがとう」
「今日お部屋を掃除したのは下働きの使用人ですから、要る物まで片付けてしまったのでしょう」
とリリーが言う。うわ~下着を脱ぎ散らかしていたのがリリーにばれていてなんだか恥ずかしかった。リリーの顔を覗くと満面の笑みでこう言われた。
「大丈夫ですよ? 使用人は皆この事を知っていますから」
はっ!?
皆知ってるって……どういうこと? 思わず言葉に出てしまっていたらしい。
「姫様が旦那様に愛されていることですよ?」
普通にリリーが言った。私は思わず床に突っ伏してしまった。力が入らない。
でも一応誤解のないように言っておく。
「……み、蜜花は失ってないですから……」
「わかってます、旦那様はそんな方ではありませんから。さぁ、椅子に座って下さい。御髪を直します」
部屋のドレッサーの丸椅子に座って下さいと言われ、私はおとなしく座った。
リリーがささっと手際良くハーフアップにして、若草色のりぼんの髪飾りをそこにピンで留める。
「朝食はどうされますか?」
「ん~お腹が空いていないので紅茶だけでよいです」
「承知しました。では失礼いたします」
リリーはお茶の準備をしに食堂へ向かった。
私は胸がどきどきしていた。使用人皆が知っているって、でも皆そんなことおくびにも出さないんですけど……ある意味プロなんでしょうけど、知られていることに恥ずかしさで頭が一杯になる。……うううぅ。
紅茶を飲んで精神的に立ち直ってから、私は中庭に来ていた。
昨日マティオン様に会ってから自分の能力が少し開放された気がして実験したいと思ったからだ。
まず、上から花が降ってくる現象とは別に花が出せたことに注目する。出せた花が見た目薔薇みたいだった事を思い出す。ちなみにピレーネを弾いたら降って来る花はプルメリアに似ている。昨日は意識しないで出していたけど、今日は意識して薔薇を出してみる。
空中に出るように腕をバッ! と伸ばして手のひらを広げた。ぽん! と空気の弾けるような小さな音がして空中に赤い薔薇が現れてぽとりと芝生の上に落ちた。その赤い薔薇を拾う。感触も重さも匂いも普通の薔薇だった。なのに時間が経つと光の泡になって消えてしまった。質量があるのに消えるとはこれいかに? 法則が謎すぎる。
「ふむぅ……」
薔薇じゃない花も出せるのかな? と考えてピンク色のガーベラを想像してバッと腕を伸ばして手のひらを広げる。さっきと同じように乾いた空気の弾ける音がしてピンク色のガーベラがぽとりと芝生の上に落ちた。それを拾って確かめる。やはり感触も重さも匂いも普通のガーベラだった。なのにそのまま持っていると光の泡になって消えた。
そのあとも花の種類をいくつか変えてやってみたけど、花は自由に出せるということが分かった。
次に腕を振って光の粒を出してみる、出ない。なので手のひらを開いて念じてみる。手のひらと腕からじわりと光の粒が出てきた。ふんわりゆらゆらと上に昇って行く光の粒。
「なんだこれ……?」
光の粒を捕まえようとしてもすかすかして捕まえれなかった。何回か光の粒を出す練習をしていたら自由自在に出せるようになった。
そして最後に一番気になっていた雲について検証する。
神様が乗る雲って言ったら筋斗雲で決まりでしょ。
あれ? あれって仙人が乗ってるんだっけ? まぁ、よくわかんないけどお釈迦様とか仏様も雲に乗ってた気がするから一緒か。雷神、風神も雲に乗ってるし。
昨日出てきた雲はそれと一緒だと思うんだけどなぁ。どうやれば出てくるんだ?
そういえば某アニメでは叫んで呼んでいた気がする。なので私も呼んでみる。
「キントーン!」
自分の足元を見ると白っぽいもやのような物が見えたけど、すぐ霧散してしまった。
頭の中できちんとイメージ出来なかったのが原因かな? もう一度昨日乗ってた雲をイメージして唱えてみる。
「キントーン」
さっきより分厚い雲が私の足元に集まって畳一枚位の大きさになった。なのでそこにダイブしてみる。ぽよんといい感じの弾力で全然痛くなかった。よし!
これでちょっと浮いてみよう。操作ってどうやってするんだ??
頭の中で浮け~浮け~と念じる。急激にひゅ~っと浮いて今、お屋敷の屋根位の位置にいる。
これやばくない? 今落ちちゃったら私、絶対死んじゃうよね? 頭の中で移動移動移動と念じてたら雲がお屋敷の屋根の上まで行ってしまった。そして霧散した。
空中で霧散しなくて良かった! ほっ。
なんだか凄く精神力? を消耗したようで疲れてしまった私は大の字になって屋根の上で寝転がっていた。
中庭で私を呼ぶセバスの声が聞こえる。
「姫様~!! どちらにいらっしゃるのです!?」
私は屋根の端まで行って中庭を見た。セバスがいたので声をかける。
「セバス~わたくしここにいますよ~~!」
手を振ったらセバスが気付いた。
「はっ!? なんでそんな所にいらっしゃるんですか!?」
「キントーンに乗ったらここに来ちゃったのです」
「危ないですから早く降りてきてください!」
「は~い」
私はさっきと同じようにイメージして唱えた。
「キントーン」
ふわっと足元に集まる雲。さっきより小さい。畳一枚の半分位の大きさになっている。足で踏んで弾力を確かめるさっきよりも丈夫そうだ。私はそのままゆっくりセバスの所へ飛べ! と念じる。
キントーンはすうっとセバスの所に降りて行った。そして目の前で着陸した。
「あ~良かった、降りられて!」
「もしかして、降りられなくなる可能性も有ったという事ですか?」
とセバスがじろりと睨む。
私がえへへへと笑って誤魔化すと、セバスが眼鏡の端を指でくいっと直して言った。
「この件は旦那様に報告致しますね」
あちゃ~レイジェス様に怒られちゃう。しょんぼりした私だった。
私はセバスに1階の応接室の隣にある学習室に連れて行かれた。
さっきの件でまだ説教されるのかと思ったら違った。
私は学校の机のような学習席に座って、セバスは私の前に立ったまま話しをする。
「姫様は下界では10歳から学校に入る決まりがあると知っていますよね?」
「ええ、だからゼフィエルが家庭教師が必要だと言って面接をしたのですけど、面接に来た方達がダメダメ過ぎて、レイジェス様が怒ってしまいましたの」
「それは私も旦那様から聞いております。余剰定理の問題を課したのも聞いております」
「あら」
「姫様には数学の先生は必要ないと思いますが、姫様はどう思われますか?」
きりっとした顔で眼鏡のブリッジをクイッと上げた。
「……正直に言っても良いのでしょうか?」
私はちらりと上目遣いでセバスを見た。
「正直に言って頂けないと対応に困ります」
「数学の先生はセバスの言う通り必要ないと思います。国語も本が読めますから普通に分かると思います。歴史は本を読めば覚えちゃうので、私が知りたい事はマナーの事や魔法の事でしょうか? 音楽の先生はレイジェス様が雇ってくれると言ってました」
「ええ、音楽教師を雇うのは決定事項です。では姫様のご希望通りマナー教養の先生を雇いましょう。魔法の講師は……」
セバスは暫く考えてからため息をしてだるそうに言った。
「魔法の講師は……旦那様に任せましょう」
「え! レイジェス様?」
「魔術師は男が多いので他の講師を探すより旦那様がいいでしょう。旦那様は魔術指導の免許である魔導師資格を持っていますからね。講師を探す手間も省けますし、魅了の問題も無く適任です」
「忙しくないのかしら?」
「姫様といる時間の少しを魔術指導に費やすだけです。問題ないでしょう」
「ならいいですけど」
「では音楽教師とマナー教養教師を探すということで宜しいですね?」
「はい」
お話しが終わるとセバスにもういいですよ、と言われて二人で学習室から出た。
さて、これから何をしようか? キントーン作りも怒られちゃったし……。
大人しく本でも読もうか。
いつも実用書みたいな物ばかり読んでいるので、たまに物語が読みたくなった。
私は図書室で物語の本を探した。そして見つけた本が【勇者対魔王イニアス】
本の扉を捲った1ページ目には、この物語が実話で千年ほど昔の話だという事が書いてあった。
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王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
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