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第二章
23作詞作曲とダンスの練習
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今日は寝坊せずにレイジェス様のお見送りが出来た。
今日から工事なのでお見送りが済んだらすぐ部屋に引っ込む。
その時にセバスに紙とペンが欲しいと言うと部屋に持って来ると言った。
眠気がまだあったので追加で紅茶も頼んだ。
部屋に行くとアーリンがもう来ていた。
「おはようございます! 姫様」
「ごきげんよう、アーリン」
私は長椅子に座りマスコットに使うイラストを考えていた。
多分作るのに時間がかかるから、早めにエドモンド商会に注文しようと思っていた。3頭身のかわいいキャラにして布地にバックステッチで刺繍をしてもらえばいいかなと思った。
暫くしてオーティスが紙とペン、お茶を持ってきた。
セバスは工事の対応で忙しいらしい。寝室工事だけではなく温室の解体工事も始めているし職人も大人数が入り込んでて大変かも知れない。
「オーティス、お願いがあるのですけど」
「なんでございましょう? 姫様」
「宝石商会にチョーカーの買取の連絡をして下さい。レイジェス様が帰っている時間に来ていただきたいの。あと、エドモンド商会に連絡をお願い。商会頭さんが来ていただけると嬉しいです。今日中に来れるからしら?」
「通信で連絡を取ってからでないと分かりません」
「あと、リリーにチョーカーと私のダイヤが残ってたら出しておいてと伝えて?」
「承知しました」
オーティスは部屋から出た。私は紅茶を飲んで頭に浮かんだ3頭身の私を可愛くデフォルメさせて紙に描いてみた。それをアーリンが覗き込む。
「これは姫様ですか?」
「わかります? わたくしって」
「ええ、愛らしくてすぐにわかりました」
私だと分かるならこれでいっか。
このキャラクターでマスコットを作って、ハンカチには刺繍してもらおう。
次は作詞に取り掛かる。最初と最後はやっぱアップテンポでやりたい。
乗って始まって乗って終わる的な。それだとやっぱ生バンドが欲しいなぁ~。
どこで調達するかだよ。
ピラトール侯爵様ってどこで音楽隊見つけたんだろう? あの人達は専属なのかな? あ、歌詞考えてる最中だった……いかんいかん。
ふんふん鼻歌を口ずさみながら歌詞を書いていく。
この前のシャンソン歌手さんの歌は上手いんだけど、あの大人の色気がむんむんなお姉さんが歌うなら凄くあってるけど、子供の私には無理だ。
やっぱり大人っぽくて自分には合わなかった。
もう少し子供っぽいというかピュアな感じの恋愛の歌詞を考えた方が自分には合うね。あと、神様を称える歌、賛美歌とか歌いたい。
ららら~と歌いながら地球の地球版の楽譜を書く。こちらの世界のはまだ覚えてないからね。よしよし。出来た。一曲。タイトルは【アメシストの瞳】
「アーリン、一曲出来たのだけど、聞いてもらっていいかしら?」
「ええ、ぜひ!」
私はすぅっと息を吸って歌い始めた。これはゆったりとしたスローなナンバー。
弾き語りするつもりで作った曲。タイトルを聞けばわかるように、レイジェス様に捧げる歌。いつも私のために色々してくれるから。私はなんにも持ってないから歌を贈る。
それで喜んで貰えたら、凄く嬉しい。
「どうでした?」
と聞くとアーリンは目を見開いていた。
「姫様、声が凄く綺麗です。曲も凄い良くて……聞いていて切なくなりました。感動の嵐です!」
「あら、良かった!」
この曲は合格。次の曲を作っているとノックされた。
オーティスで宝石商会は夜6の刻前後くらいに来るとのこと。
エドモンド商会は昼の1の刻位に来るという連絡だった。
思ったより早く来てくれて良かった。
ということで私はまた作詞作曲に戻る。
元気の良い曲をイメージして窓際の広い場所まで歩いてく。
そしてちょっと体を動かして振り付けしながら歌詞と曲をイメージしていく。
くるっと廻ってぴたっと止まってポーズ。う~んここで腕を伸ばすべきか。歌詞がここで伸びるなら伸ばすべきだよな~とか一人もくもく作業。
アーリンはそれをじーっと見てる。
振り付けは一日にして成らずだ。覚えるのに意外と時間が掛かりそうだなと思った。
職人が昼食を外で食べるので今のうちに昼食を。と、オーティスが呼びに来た。
アーリンは私を食堂内まで送り届けてから使用人専用の食堂へ行った。
今日の昼食はキュウリの上に茹でたピレトスフロッグが乗っていて、ごまだれがかかっている。地球名ではバンバンジーだ。
食べてみる。ごまだれに酢が入っていていい味を出している。前食べた事があるバンバンジーに近い。キュウリも水みずしい。
「懐かしい味がします。セバス」
「そうですか、姫様の褒め言葉が嬉しかったようで、料理長が神饌について文献を読んだりして色々調べているせいか、レパートリーが広くなったのですよ。そちらの料理も古い文献で見つけた料理だそうで」
「まぁ! そんな文献があったのですね」
「料理長にはいつも心遣い頂いて嬉しく思います。セバス、料理長にいつもありがとうございますと伝えて下さる?」
「承知しました」
私はにこりと笑った。食事を食べ終わると職人達が戻ってくるからとお茶は部屋で取るように言われ追い出されるように私は食堂室から部屋へ戻った。
アーリンも同じだったらしくおかわりさせて貰えなかったと言っていた。
また作詞作曲に集中しているとノックされ、オーティスがエドモンド商会の会頭を連れてきたというので通した。
「いつもなら応接間にお通しするのですけど、私は改築中でここから出てはいけませんの申し訳ありません」
「いえいえ、レイジェス様のお部屋に上がるなど有り得ない事なので少々驚いておりますが、嬉しく存じます」
会頭のアンヌが辺りをきょろきょろしながら言う。
「で、今回はどのような?」
と立ったまま言うので私は個人椅子に座るように手を招いた。
私が長椅子に座ったのを確認してからアンヌが個人椅子に座る。
午前中に描いた紙をテーブルに出してアンヌに見せる。
「あら! 随分可愛らしい絵ですね。もしかしてこれは……アリア様ですか?」
「分かってもらえて嬉しいです」
私はにこっと笑った。
「この絵を刺繍したいのです。ハンカチとかマスコットに」
「バックステッチで線を拾うようにして縫って貰う事は出来ますか?」
「ええ、下絵がちゃんと描いてあれば出来ます」
「では大丈夫ですね」
「アリア様? マスコットというのが分かりません。それは何ですか?」
とアンヌが言うので私のキャラクターを描いた紙を裏にして裏側に色々書いて説明する。
布地を小さく型取って刺繍をしてバックに付けたりすると説明。
ここで私は気付いた。板切れでもいいんじゃなかろうか? 前リバーシのあんな小さい丸を板で型取って貰えたし。盤板の線はレイジェス様が焼いて書き込んでくれた。
「あ、それなら大丈夫ですね。多分出来ると思います」
「試作品を作って持って来て貰うって出来ます?」
「もしかして大量に作る予定ですか?」
「数量的には最初はハンカチ30、マスコット30をを予定しています。追加でまた作ることになると思うのですが、多分こういうの売ってる方っていないと思うので、正直売れるかどうか分からないのです」
「新しい試みですものね」
とアンヌが笑顔で頷く。
「では、試作品をお持ちします。職人と掛け合いますが……そうですね早くても明後日になるでしょう」
「思っていたより早いですわ?感謝いたします」
私はアンヌに下絵の元としてイラストを描いた紙を渡した。
では失礼します。とアンヌは出て行った。
私はその後も作詞作曲を続けもう一曲が出来上がった。最初に歌うアップテンポの歌。
またアーリンに聞いてもらう。適当な振り付けと共に。
「なっ、なんですかっ! そのけしからん可愛さの歌は!!」
「え?」
「どきっとか、いぇい、って言って飛び上がる所が可愛ゆすぎます!」
「あ、ありがとう?」
なんか知らないけど、アーリンの壷に嵌ったようだ。この歌も合格だ。振り付けはアーリンの意見を参考にあざといくらい可愛くしたほうがいいのかも知れない。
グッズを売るために私は頑張る!!
気合を入れていたせいか眠くなってきた。テーブルには書き掛けの歌詞や楽譜がわちゃわちゃしてて片付けないと、と思うのだけど瞼が重い。
「アーリン、わたくし、眠くなってきてしまいました」
「長椅子ではなく、寝台があるのですからそちらで眠られた方がよろしいかと」
いつもは談話室の長椅子で寝ているけど、今は部屋だった。その方がいいか。
「レイジェス様が帰ってきたら起こしてくださる?」
「では、そのようにお伝えしましょう。公爵様が起こしてくださいますよ」
私は微笑んで寝台に入った。瞬間すぅっと眠りに入った。
キスされて目が覚めると目の前にレイジェス様がいた。
「お帰りなさいませ!!」
抱きしめると背中をぽんぽんされた。
「今日は何やら活動的だったようだな? アーリンが申してた。歌や踊りを見せてもらったと」
「ええ、新しい曲を作ってました」
「私も見たいのだが?」
と眉を上げられた。アップテンポの曲の方は大丈夫だけど【アメシストの瞳】は聞かせるのは恥ずかしい物があるなぁ……。
と考えてるとノックの音が。セバスが入ってきて宝石商が来たという。
「ん? 宝石商を呼んだのか?」
「チョーカーを売っても良いとおっしゃったので、売ってしまおうかと。でも、お高い物だと思うので、子供のわたくしだと誤魔化されてしまうかもと、レイジェス様のいる時間に来て貰ったのです」
「ふむ、そうかそうか」
頭をなでなでされた。機嫌良い?
「では行くか」
セバスがチョーカーはリリーに運ばせましたと言っているのが聞こえる。
職人達はもう仕事が終わっていないので、宝石商が来てるのは応接室だ。
私もレイジェス様に付いて応接室に行く。
「ごきげんよう、トリスターノ」
「ごきげんよう、アルフォード公爵様」
「急ぎだったのでこの時間ですまぬな」
「いえいえ、身に余るお言葉、恐悦至極にございます」
とトリスターノはお辞儀した。なんかレイジェス様が偉い人みたく見える。
実際偉い人なのだろうけど、私の前ではいつも情けない大人なのでちょっとギャップを感じる。
「で、買い取って欲しいのはこれだ」
とテーブルに用意された木箱を開けるとチョーカーが出てきた。
「これは先日私共の商会で作らせたチョーカーですが、何か不備が?」
「いや、そちらにはなんの瑕疵もない。こちらの事情だ」
「そうですか。しかし……是程の物を買い取る余力がうちの商会にあるかどうか……」
私は気になって聞いた。
「そんなにお高いのですか?」
と聞くとレイジェス様がこめかみを押さえた。
私をひょいと抱き上げて膝に乗せる。
「君の涙は曇りも濁りもない。かなり高品質だ」
「そういえば父神様もそのようなことを言っておりました」
「で、買取はいくらぐらいになる?」
とレイジェス様は宝石商に聞いた。
「私が出せる金額は10億ギルまでです……。申し訳ございません」
とぺこりと頭を下げる。
「ふむ」
レイジェス様が頷いた。
ってか、10億ギル!? ええええ!? そんなにするの?
ちなみにパン1個100ギルで買える世界だと思って欲しい。
私が目をぱちぱちしているとレイジェス様が私のおでこをちょんと指でつっついた。
「トリスターノは10億までしか出せないが、余力のある商会なら20億くらい出すと思われる」
「はっ!? そんなに??」
「だから君は金の卵を産むガチョウで危ないと私が言っただろうが……。意味を分かってなかったのか?」
「……全然分かってませんでした。このチョーカーも100万ギルくらいになれば【ラッキー】って思ってました」
「それはいくらなんでも安すぎますね」
とトリスターノが呆れている。
「まぁ、今日私を呼んで正解だったな」
と、レイジェス様が機嫌がいい。
「え、じゃ、無駄足を運ばせちゃった? わたくし」
「まだ他のダイヤがあったはずだ」
木箱の隣に小さな皮袋があってそれをレイジェス様はひっくり返した。
ぽろぽろと3つのダイヤが出てきた。
「もう3つしか無かったんですね」
レイジェス様は魔石灯に3つのダイヤを翳して見てから
「この3つだけでも結構な値段になると思うがなぁ」
と言った。
トリスターノは早速小さなジュエリールーペを出してその宝石を吟味した。
3つを鑑定し終えた彼は言った。
「全部で5000万ギルですね」
「はっ!?」
私は驚いた。
「こちらの少し大きめの物が3000万ギルであとは1つ1000万ギルです」
「まぁ、そんなものだな」
とレイジェス様も言う。
唯一人私だけが呆然としている。もしかして、私って働かなくても泣くだけで生活できちゃう? 泣いて暮らせば大金持ち? とか、わけのわからないことを考えてしまう。
ダイヤ3つで5000万ギルもするなら、小さなダイヤが沢山ついている私の装飾下着は上下一着でいくらするのか? 考えるだけで恐ろしい。
「では、こちらのダイヤだけ買取にしますか?」
「そうしよう」
とレイジェス様が言う。
「トリスターノ、これを買い取れる商会はあるか?」
「はぁ……王国銀行なら買い取れるかと思います」
はっ? 国じゃないと買い取れないってこと?
「まぁ、そうなるよなぁ……」
とレイジェス様が言う。
ダイヤはその場で白金大金貨50枚と交換されて、レイジェス様がその白金大金貨50枚が入った袋を私に渡したけど、重くて持ち上がらなかった……。
白金大金貨50枚は大金貨500枚と同じ重さだそうだ。どうりで重い。
それを見てトリスターノが笑いを止めようと必死になっている。
笑ったら不敬だものね。
「大儀であった、またよろしく頼むぞ」
「はっ、では失礼いたします」
トリスターノは帰った。
私は重い袋をどうにかして持てないかな? と格闘していた。
「だから言ったではないか。君は働く必要など無いって」
「毎日泣いて暮らせば食べていけますね」
私が笑うとレイジェス様が私のほっぺをぷにぷにして
「君には笑って暮らして欲しい」
とキスをしてきた。
夕食を終えてお風呂で体を洗われていると、レイジェス様は思い出したように言った。
「そういえばまだ君の歌を聴いてない」
あ、そうだ、忘れてた。体を洗われて髪も洗われた私はお風呂に先に入った。
「じゃぁ、歌いますね」
すぅっと息を吸い。Ah~と歌いだす。歌いながらレイジェス様を見つめて微笑む。
この歌はあなたへの歌なんですよ? 気付いてますか?
歌い終わって私はお湯をすくって顔をばしゃばしゃ洗った。なんだか照れくさかったから。
レイジェス様はお風呂に入ってきて私を抱きしめた。
「今のは私への歌なのだな?」
私はこくりと頷いた。
「いつも貰ってばっかりで、わたくしは何も持ってませんから。お歌が好きなレイジェス様が喜んで下さるなら、わたくしが出来ることは歌うだけです。あなたに沢山の歌を贈ります」
私はふにゃりと笑った。レイジェス様は私を抱きしめた。苦しいくらい。
「君に貰ってばかりいるのは私の方だ」
そう言われたけど、私が上げたのって手袋くらいだ。あ、ピレトスフロッグも?でも、そんなに上げてはいない。レイジェス様は私から何を貰ったのだろう?
それの他にまったく上げた記憶がない。
「して、もう一曲は? どのようなものだ?」
と聞かれたので、浴槽からでる。
「振り付きなのでこちらで歌いますね」
と裸のままお辞儀する。
歌い始める。【君に】でレイジェス様を指差し、【今日会えた】で片腕を上に振り上げ
【どきっ】で指でハートマークを作ってジャンプ!
こんな感じで歌いながら踊って終了。
浴槽の中でそれを見終えたレイジェス様がこめかみを押さえていた。
「こ、このような歌を人前で歌うのか!?」
「え? ……良くなかったですか?」
しょぼんとするとする私。アーリンは可愛い歌だって言ってくれたんだけどなぁ。
「い、いや良かった! 凄く良かった!」
「良かったの?」
「ああ」
と照れて顔が赤い。
良かったのに、人前で歌うの~? ってちょっと反対気味なのは何故だ?
私が首を傾げているとレイジェス様が複雑な顔をしていた。
「ヒューイットが君の事を天然と言ってた意味が分かった気がする……」
え? 歌で? 私はさっぱりわからないのですが。
「ん?」
「……可愛過ぎてけしからんのだ!!」
「へ? え、じゃ…ぁ…コンサートでは歌っちゃダメですか?」
「い、いや、いい曲なんだ……歌詞も……」
何やらレイジェス様が葛藤しておられる。レイジェス様は顔面を風呂の湯にしばらくつけてぶくぶくしていた。そしてばっと顔を上げて凄い顰めっ面で言った。
「許可する」
なんでそんなに渋い顔してるのかわかんないけど許可は下りた。
私は思わず笑顔になった。
今日から工事なのでお見送りが済んだらすぐ部屋に引っ込む。
その時にセバスに紙とペンが欲しいと言うと部屋に持って来ると言った。
眠気がまだあったので追加で紅茶も頼んだ。
部屋に行くとアーリンがもう来ていた。
「おはようございます! 姫様」
「ごきげんよう、アーリン」
私は長椅子に座りマスコットに使うイラストを考えていた。
多分作るのに時間がかかるから、早めにエドモンド商会に注文しようと思っていた。3頭身のかわいいキャラにして布地にバックステッチで刺繍をしてもらえばいいかなと思った。
暫くしてオーティスが紙とペン、お茶を持ってきた。
セバスは工事の対応で忙しいらしい。寝室工事だけではなく温室の解体工事も始めているし職人も大人数が入り込んでて大変かも知れない。
「オーティス、お願いがあるのですけど」
「なんでございましょう? 姫様」
「宝石商会にチョーカーの買取の連絡をして下さい。レイジェス様が帰っている時間に来ていただきたいの。あと、エドモンド商会に連絡をお願い。商会頭さんが来ていただけると嬉しいです。今日中に来れるからしら?」
「通信で連絡を取ってからでないと分かりません」
「あと、リリーにチョーカーと私のダイヤが残ってたら出しておいてと伝えて?」
「承知しました」
オーティスは部屋から出た。私は紅茶を飲んで頭に浮かんだ3頭身の私を可愛くデフォルメさせて紙に描いてみた。それをアーリンが覗き込む。
「これは姫様ですか?」
「わかります? わたくしって」
「ええ、愛らしくてすぐにわかりました」
私だと分かるならこれでいっか。
このキャラクターでマスコットを作って、ハンカチには刺繍してもらおう。
次は作詞に取り掛かる。最初と最後はやっぱアップテンポでやりたい。
乗って始まって乗って終わる的な。それだとやっぱ生バンドが欲しいなぁ~。
どこで調達するかだよ。
ピラトール侯爵様ってどこで音楽隊見つけたんだろう? あの人達は専属なのかな? あ、歌詞考えてる最中だった……いかんいかん。
ふんふん鼻歌を口ずさみながら歌詞を書いていく。
この前のシャンソン歌手さんの歌は上手いんだけど、あの大人の色気がむんむんなお姉さんが歌うなら凄くあってるけど、子供の私には無理だ。
やっぱり大人っぽくて自分には合わなかった。
もう少し子供っぽいというかピュアな感じの恋愛の歌詞を考えた方が自分には合うね。あと、神様を称える歌、賛美歌とか歌いたい。
ららら~と歌いながら地球の地球版の楽譜を書く。こちらの世界のはまだ覚えてないからね。よしよし。出来た。一曲。タイトルは【アメシストの瞳】
「アーリン、一曲出来たのだけど、聞いてもらっていいかしら?」
「ええ、ぜひ!」
私はすぅっと息を吸って歌い始めた。これはゆったりとしたスローなナンバー。
弾き語りするつもりで作った曲。タイトルを聞けばわかるように、レイジェス様に捧げる歌。いつも私のために色々してくれるから。私はなんにも持ってないから歌を贈る。
それで喜んで貰えたら、凄く嬉しい。
「どうでした?」
と聞くとアーリンは目を見開いていた。
「姫様、声が凄く綺麗です。曲も凄い良くて……聞いていて切なくなりました。感動の嵐です!」
「あら、良かった!」
この曲は合格。次の曲を作っているとノックされた。
オーティスで宝石商会は夜6の刻前後くらいに来るとのこと。
エドモンド商会は昼の1の刻位に来るという連絡だった。
思ったより早く来てくれて良かった。
ということで私はまた作詞作曲に戻る。
元気の良い曲をイメージして窓際の広い場所まで歩いてく。
そしてちょっと体を動かして振り付けしながら歌詞と曲をイメージしていく。
くるっと廻ってぴたっと止まってポーズ。う~んここで腕を伸ばすべきか。歌詞がここで伸びるなら伸ばすべきだよな~とか一人もくもく作業。
アーリンはそれをじーっと見てる。
振り付けは一日にして成らずだ。覚えるのに意外と時間が掛かりそうだなと思った。
職人が昼食を外で食べるので今のうちに昼食を。と、オーティスが呼びに来た。
アーリンは私を食堂内まで送り届けてから使用人専用の食堂へ行った。
今日の昼食はキュウリの上に茹でたピレトスフロッグが乗っていて、ごまだれがかかっている。地球名ではバンバンジーだ。
食べてみる。ごまだれに酢が入っていていい味を出している。前食べた事があるバンバンジーに近い。キュウリも水みずしい。
「懐かしい味がします。セバス」
「そうですか、姫様の褒め言葉が嬉しかったようで、料理長が神饌について文献を読んだりして色々調べているせいか、レパートリーが広くなったのですよ。そちらの料理も古い文献で見つけた料理だそうで」
「まぁ! そんな文献があったのですね」
「料理長にはいつも心遣い頂いて嬉しく思います。セバス、料理長にいつもありがとうございますと伝えて下さる?」
「承知しました」
私はにこりと笑った。食事を食べ終わると職人達が戻ってくるからとお茶は部屋で取るように言われ追い出されるように私は食堂室から部屋へ戻った。
アーリンも同じだったらしくおかわりさせて貰えなかったと言っていた。
また作詞作曲に集中しているとノックされ、オーティスがエドモンド商会の会頭を連れてきたというので通した。
「いつもなら応接間にお通しするのですけど、私は改築中でここから出てはいけませんの申し訳ありません」
「いえいえ、レイジェス様のお部屋に上がるなど有り得ない事なので少々驚いておりますが、嬉しく存じます」
会頭のアンヌが辺りをきょろきょろしながら言う。
「で、今回はどのような?」
と立ったまま言うので私は個人椅子に座るように手を招いた。
私が長椅子に座ったのを確認してからアンヌが個人椅子に座る。
午前中に描いた紙をテーブルに出してアンヌに見せる。
「あら! 随分可愛らしい絵ですね。もしかしてこれは……アリア様ですか?」
「分かってもらえて嬉しいです」
私はにこっと笑った。
「この絵を刺繍したいのです。ハンカチとかマスコットに」
「バックステッチで線を拾うようにして縫って貰う事は出来ますか?」
「ええ、下絵がちゃんと描いてあれば出来ます」
「では大丈夫ですね」
「アリア様? マスコットというのが分かりません。それは何ですか?」
とアンヌが言うので私のキャラクターを描いた紙を裏にして裏側に色々書いて説明する。
布地を小さく型取って刺繍をしてバックに付けたりすると説明。
ここで私は気付いた。板切れでもいいんじゃなかろうか? 前リバーシのあんな小さい丸を板で型取って貰えたし。盤板の線はレイジェス様が焼いて書き込んでくれた。
「あ、それなら大丈夫ですね。多分出来ると思います」
「試作品を作って持って来て貰うって出来ます?」
「もしかして大量に作る予定ですか?」
「数量的には最初はハンカチ30、マスコット30をを予定しています。追加でまた作ることになると思うのですが、多分こういうの売ってる方っていないと思うので、正直売れるかどうか分からないのです」
「新しい試みですものね」
とアンヌが笑顔で頷く。
「では、試作品をお持ちします。職人と掛け合いますが……そうですね早くても明後日になるでしょう」
「思っていたより早いですわ?感謝いたします」
私はアンヌに下絵の元としてイラストを描いた紙を渡した。
では失礼します。とアンヌは出て行った。
私はその後も作詞作曲を続けもう一曲が出来上がった。最初に歌うアップテンポの歌。
またアーリンに聞いてもらう。適当な振り付けと共に。
「なっ、なんですかっ! そのけしからん可愛さの歌は!!」
「え?」
「どきっとか、いぇい、って言って飛び上がる所が可愛ゆすぎます!」
「あ、ありがとう?」
なんか知らないけど、アーリンの壷に嵌ったようだ。この歌も合格だ。振り付けはアーリンの意見を参考にあざといくらい可愛くしたほうがいいのかも知れない。
グッズを売るために私は頑張る!!
気合を入れていたせいか眠くなってきた。テーブルには書き掛けの歌詞や楽譜がわちゃわちゃしてて片付けないと、と思うのだけど瞼が重い。
「アーリン、わたくし、眠くなってきてしまいました」
「長椅子ではなく、寝台があるのですからそちらで眠られた方がよろしいかと」
いつもは談話室の長椅子で寝ているけど、今は部屋だった。その方がいいか。
「レイジェス様が帰ってきたら起こしてくださる?」
「では、そのようにお伝えしましょう。公爵様が起こしてくださいますよ」
私は微笑んで寝台に入った。瞬間すぅっと眠りに入った。
キスされて目が覚めると目の前にレイジェス様がいた。
「お帰りなさいませ!!」
抱きしめると背中をぽんぽんされた。
「今日は何やら活動的だったようだな? アーリンが申してた。歌や踊りを見せてもらったと」
「ええ、新しい曲を作ってました」
「私も見たいのだが?」
と眉を上げられた。アップテンポの曲の方は大丈夫だけど【アメシストの瞳】は聞かせるのは恥ずかしい物があるなぁ……。
と考えてるとノックの音が。セバスが入ってきて宝石商が来たという。
「ん? 宝石商を呼んだのか?」
「チョーカーを売っても良いとおっしゃったので、売ってしまおうかと。でも、お高い物だと思うので、子供のわたくしだと誤魔化されてしまうかもと、レイジェス様のいる時間に来て貰ったのです」
「ふむ、そうかそうか」
頭をなでなでされた。機嫌良い?
「では行くか」
セバスがチョーカーはリリーに運ばせましたと言っているのが聞こえる。
職人達はもう仕事が終わっていないので、宝石商が来てるのは応接室だ。
私もレイジェス様に付いて応接室に行く。
「ごきげんよう、トリスターノ」
「ごきげんよう、アルフォード公爵様」
「急ぎだったのでこの時間ですまぬな」
「いえいえ、身に余るお言葉、恐悦至極にございます」
とトリスターノはお辞儀した。なんかレイジェス様が偉い人みたく見える。
実際偉い人なのだろうけど、私の前ではいつも情けない大人なのでちょっとギャップを感じる。
「で、買い取って欲しいのはこれだ」
とテーブルに用意された木箱を開けるとチョーカーが出てきた。
「これは先日私共の商会で作らせたチョーカーですが、何か不備が?」
「いや、そちらにはなんの瑕疵もない。こちらの事情だ」
「そうですか。しかし……是程の物を買い取る余力がうちの商会にあるかどうか……」
私は気になって聞いた。
「そんなにお高いのですか?」
と聞くとレイジェス様がこめかみを押さえた。
私をひょいと抱き上げて膝に乗せる。
「君の涙は曇りも濁りもない。かなり高品質だ」
「そういえば父神様もそのようなことを言っておりました」
「で、買取はいくらぐらいになる?」
とレイジェス様は宝石商に聞いた。
「私が出せる金額は10億ギルまでです……。申し訳ございません」
とぺこりと頭を下げる。
「ふむ」
レイジェス様が頷いた。
ってか、10億ギル!? ええええ!? そんなにするの?
ちなみにパン1個100ギルで買える世界だと思って欲しい。
私が目をぱちぱちしているとレイジェス様が私のおでこをちょんと指でつっついた。
「トリスターノは10億までしか出せないが、余力のある商会なら20億くらい出すと思われる」
「はっ!? そんなに??」
「だから君は金の卵を産むガチョウで危ないと私が言っただろうが……。意味を分かってなかったのか?」
「……全然分かってませんでした。このチョーカーも100万ギルくらいになれば【ラッキー】って思ってました」
「それはいくらなんでも安すぎますね」
とトリスターノが呆れている。
「まぁ、今日私を呼んで正解だったな」
と、レイジェス様が機嫌がいい。
「え、じゃ、無駄足を運ばせちゃった? わたくし」
「まだ他のダイヤがあったはずだ」
木箱の隣に小さな皮袋があってそれをレイジェス様はひっくり返した。
ぽろぽろと3つのダイヤが出てきた。
「もう3つしか無かったんですね」
レイジェス様は魔石灯に3つのダイヤを翳して見てから
「この3つだけでも結構な値段になると思うがなぁ」
と言った。
トリスターノは早速小さなジュエリールーペを出してその宝石を吟味した。
3つを鑑定し終えた彼は言った。
「全部で5000万ギルですね」
「はっ!?」
私は驚いた。
「こちらの少し大きめの物が3000万ギルであとは1つ1000万ギルです」
「まぁ、そんなものだな」
とレイジェス様も言う。
唯一人私だけが呆然としている。もしかして、私って働かなくても泣くだけで生活できちゃう? 泣いて暮らせば大金持ち? とか、わけのわからないことを考えてしまう。
ダイヤ3つで5000万ギルもするなら、小さなダイヤが沢山ついている私の装飾下着は上下一着でいくらするのか? 考えるだけで恐ろしい。
「では、こちらのダイヤだけ買取にしますか?」
「そうしよう」
とレイジェス様が言う。
「トリスターノ、これを買い取れる商会はあるか?」
「はぁ……王国銀行なら買い取れるかと思います」
はっ? 国じゃないと買い取れないってこと?
「まぁ、そうなるよなぁ……」
とレイジェス様が言う。
ダイヤはその場で白金大金貨50枚と交換されて、レイジェス様がその白金大金貨50枚が入った袋を私に渡したけど、重くて持ち上がらなかった……。
白金大金貨50枚は大金貨500枚と同じ重さだそうだ。どうりで重い。
それを見てトリスターノが笑いを止めようと必死になっている。
笑ったら不敬だものね。
「大儀であった、またよろしく頼むぞ」
「はっ、では失礼いたします」
トリスターノは帰った。
私は重い袋をどうにかして持てないかな? と格闘していた。
「だから言ったではないか。君は働く必要など無いって」
「毎日泣いて暮らせば食べていけますね」
私が笑うとレイジェス様が私のほっぺをぷにぷにして
「君には笑って暮らして欲しい」
とキスをしてきた。
夕食を終えてお風呂で体を洗われていると、レイジェス様は思い出したように言った。
「そういえばまだ君の歌を聴いてない」
あ、そうだ、忘れてた。体を洗われて髪も洗われた私はお風呂に先に入った。
「じゃぁ、歌いますね」
すぅっと息を吸い。Ah~と歌いだす。歌いながらレイジェス様を見つめて微笑む。
この歌はあなたへの歌なんですよ? 気付いてますか?
歌い終わって私はお湯をすくって顔をばしゃばしゃ洗った。なんだか照れくさかったから。
レイジェス様はお風呂に入ってきて私を抱きしめた。
「今のは私への歌なのだな?」
私はこくりと頷いた。
「いつも貰ってばっかりで、わたくしは何も持ってませんから。お歌が好きなレイジェス様が喜んで下さるなら、わたくしが出来ることは歌うだけです。あなたに沢山の歌を贈ります」
私はふにゃりと笑った。レイジェス様は私を抱きしめた。苦しいくらい。
「君に貰ってばかりいるのは私の方だ」
そう言われたけど、私が上げたのって手袋くらいだ。あ、ピレトスフロッグも?でも、そんなに上げてはいない。レイジェス様は私から何を貰ったのだろう?
それの他にまったく上げた記憶がない。
「して、もう一曲は? どのようなものだ?」
と聞かれたので、浴槽からでる。
「振り付きなのでこちらで歌いますね」
と裸のままお辞儀する。
歌い始める。【君に】でレイジェス様を指差し、【今日会えた】で片腕を上に振り上げ
【どきっ】で指でハートマークを作ってジャンプ!
こんな感じで歌いながら踊って終了。
浴槽の中でそれを見終えたレイジェス様がこめかみを押さえていた。
「こ、このような歌を人前で歌うのか!?」
「え? ……良くなかったですか?」
しょぼんとするとする私。アーリンは可愛い歌だって言ってくれたんだけどなぁ。
「い、いや良かった! 凄く良かった!」
「良かったの?」
「ああ」
と照れて顔が赤い。
良かったのに、人前で歌うの~? ってちょっと反対気味なのは何故だ?
私が首を傾げているとレイジェス様が複雑な顔をしていた。
「ヒューイットが君の事を天然と言ってた意味が分かった気がする……」
え? 歌で? 私はさっぱりわからないのですが。
「ん?」
「……可愛過ぎてけしからんのだ!!」
「へ? え、じゃ…ぁ…コンサートでは歌っちゃダメですか?」
「い、いや、いい曲なんだ……歌詞も……」
何やらレイジェス様が葛藤しておられる。レイジェス様は顔面を風呂の湯にしばらくつけてぶくぶくしていた。そしてばっと顔を上げて凄い顰めっ面で言った。
「許可する」
なんでそんなに渋い顔してるのかわかんないけど許可は下りた。
私は思わず笑顔になった。
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