魔術師長様はご機嫌ななめ

鷹月 檻

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第二章

24 レイジェス様の一日 レイジェス視点 

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 私はレイジェス=アルフォード公爵、24歳である。
天界に里帰りしていた婚約者がやっと戻ってきた。
彼女には色々と驚かせられる事ばかりだ。

 彼女が天界に行った理由。確かに色々知るのが怖かったようだが、そればかりではなくて彼女は極みを【気持ちいい】と感じてしまい、それに戸惑ったようだ。
もっと欲しくなると私が困るとか、私を犯罪者にしてしまう、と私の事を気にしていた。そして自分がふしだらな女になるのではと無駄な心配をしていた。

 その事は彼女の中で天界にいる間に色々昇華されたようで、だから下界に戻って来る事にしたようだ。その考えを手助けしていただけたアズライル神様には感謝するしかない。

 しかし、驚く事に彼女は帰ってきた時に両性体になっていた。
神の恵みの仕事をし、自分を裏切ってしまったと言う。
それに関しては嫉妬心が消えないが、話を聞くと彼女は仕事として真面目にこなしていたようなので、それを私がとやかく言うのはどうかと思った。

 しかもその事で私に、罵って一生恨んで別れるか、今すぐ永遠の愛を誓うか、どちらか好きな方を選べという。私を放って置いて行ったくせに勝手な事を言ってくれる。
私は悩んだ。
彼女が一生両性体でいるのか元に戻れるのか分からなかったからだ。

 しかし、そう考えてみて気付いた。
私には彼女を罵ることも一生恨むことも出来ない。だとしたら答えは一つしかない。橘が付いていようがいまいが彼女自身に代わりはないのだ。そう考えると私は自然に彼女に跪いて永遠の愛を誓っていた。

 その後元の体に戻れると教えてくれ、戻る前に橘で致したが、橘がある彼女は大胆だった。そして前よりも開放的に極みを楽しむようになっていた。
私はこれに驚いた。
だが、彼女が喜びを知って私を求める姿は私に至福の時をもたらす。
彼女も私も良いなら何も問題もない。

 ……そして、そのあとリュークの事件が起きた。
私が知っているリュークの印象はぶっきら棒で逞しい男、女に優しいというイメージはないが、9歳の幼女を監禁拘束、蜜花を散らし鞭で打つような人間には見えなかった。
しかし、同じ騎士団の団員は薄々加虐嗜好がある人間だと知っていたようだ。やはりな。という言葉が多かったのに驚く。

 取調べをした番所の役人によるとその幼女をなんと、アリアの代用品として利用していたようである。その幼女の蜜花を散らして私のリアとしているような感覚に陥っていたと証言したそうな。私は寒気がした。表ではあんな風に私やリアと接触しておいて、裏ではその実生活の中で幼女を犯し、アリアの代用品として使うなど悪魔かと思う所業だ。

 しかも奴は悪しき者になっていず、良き者のままだったにも関わらず犯罪を犯していた。
どういうことだ? 犯罪を犯していたなら悪しき者になってもいいはずだが……。
振り返るとあの愚王もリアとキスをするまで良き人であった。後宮の女達を何人も殺していたのにも関わらず。

 はっと気付く。【キス】だ。あの時愚王とリアはキスをした。しかし、今回リュークとはキスをしていない……。もしリュークとリアがキスしていたら……もしかして悪しき者になっていたかも知れない。
実験してみたいと思ったが、リュークはもう処刑されてこの世にいない。

 事件の幼女はどうなったのか気になって番所の者に聞いたら、城の幼児福祉課の課長が孤児院長として兼任している孤児院にいるという。
なんでも、元はと言えば親が娼婦街にその幼女を立たせ金を持ってこいと言ったらしい。
幼女は仕方なくそこに立ち、買うと言ってリュークが屋敷に連れて行った。
だが、金は払われることなく彼女はそのまま屋敷に監禁されることになった。

 リュークの罪が暴かれ、男爵家は廃爵。幼女の親は娘の被害を男爵が犯した罪なら、廃爵した国に罪滅ぼしをする義務があると金をよこせと言い出した。
もちろんそんな義務はない。
今までも面倒を見ていなかったことにも腹を立てた幼児福祉課の課長が、怒って処刑にしてしまった。なので彼女は孤児院にいる。

 私はアリアの身代わりになってしまった子が気になってその孤児院に行ってみたが……酷い有様だった。
どこも見ていない死んだ魚のような目。なんの表情もなく、ぼうっと壁にもたれて座っている。見てられなかった。私は幼児福祉課の課長に1000万ギルほど寄付し、あの子を助けて欲しいとお願いした。

 リュークを含めて、アリアに関わって処刑されたのは7名になってしまった。
彼女がリュークに対して冷たい言い方をした時かなり驚いたが、この結果を見ると彼女はリュークが悪い人間だと感でわかっていたのかも知れない。
いつもは穏やかで優しい彼女が、皆が言った処刑を止めなかったのだ。あの時私は彼女が止めると思っていた。

 しかし、彼女は止めず冷たい言葉を言い放っていた。
私は凄く驚いた。彼女はとても優しくて、私がリュークに処刑と言った時、反対すると思ったからだ。何回も襲われてやっと学習してくれたのか? と少し安堵した。
執務室で考え事をしているとノックの音がした。セバスだった。

「旦那様、諜報の者から情報が入り、少し確認したい事がございます」
「ん? なんだ?」
「諜報の者のうちの一人、ルイス=オレットの事なのですが、彼は魔術の痕跡を辿って情報を得るのがやり方なのですが……」
「うむ、して?」
「このお屋敷の門、鉄柱近辺にプレイスマークの後を発見しました」
「なんだと!?」

プレイスマークというのはゲートの魔法で着地地点に使う印だ。
そのマークをつけた所に出られる。なので私も屋敷のいくつかの場所にプレイスマークを付けているが……。門や鉄柱の近くになど付けていない。
ゲートを使える者が屋敷の周りをうろついていたということになる。

「して? そこから何か解析できたのか?」
「それが、2重3重にロックを掛けられているらしく彼では辿りつけないようで、ルイスが言うには旦那様であればできるのでは? と言ってたのですが……」
「見てみないとなんとも言えぬな」
「今ルイスを応接室に待たせているので現場に確認に行きましょう」
「ああ、わかった」

 私はセバスに付いて応接室に行き、そのままルイスの案内で現場に行った。
ルイスは見目の美しい、承和色と紺碧の瞳の少女のような少年だった。
現場に着くと確かに三箇所のプレイスマークがあり、ロックが掛かっている。
ひとつ気になったのは、リアが外にでたらよく座るベンチが見える位置にそのプレイスマークがあった。これはもしかして、リアが狙われていた!?

 私は跪きその地面に手を翳した。
マークの薄れ具合からすると結構時間が経っている。
痕跡を追えるだろうか? まぁ、やってみる。
すぐ分かったのはロックが3つかかっている。1つ目を外す。簡単だった。2つ目を外す。少し難しかった。3つ目を外す。パシンと衝撃があり、私の頬が少し切れた。

 解析すると反撃魔法が反応するようになっていた。このプレイスマークを付けた者は只者ではない。魔力の操作にも長けている……。

 私は自分にヒールをかけ、開いた最後の痕跡を辿る。
目を瞑ると海と白い宮殿が見えてきた。そして、国名の魔方陣がくるくると廻りながらくっきり文字が浮かぶ。
それは……神聖大国ワイアット皇国と表示された。
私は目を開けた。

「何かわかりましたか?」とルイスとセバス。
「解析できた……移動先は神聖大国ワイアット皇国」
「何故あんな大国がっ!?」

 そうルイスが言ったあとに、セバスが何かを思い出したように言った。

「そういえば、戴冠式で姫様を突き落としたエメラダを逮捕させたのは、招待客で来ていたワイアット皇国の皇王らしいですよ。あの時、貴族達が話しているのを聞きましたから」
「ということは、あの事件の時にワイアット皇国の皇王もリアを見ているということか」

 私が言うと二人とも頷いた。
その後ルイスは別件を調べに闇に消え、セバスと私でまた執務室に戻った。

「何故ワイアットが……」

 私が言うとセバスは顎に手をやり言った。

「あの国はそもそもが神が降臨して作られた国ということで、万世一系の皇王がツアーリとして治めている国です。この万世一系というのは神の血を受け継いでいると言うことなのですが、初代の神が降臨してから何年も経ち神の血は薄れ、もう人とたいして変わらないでしょう」

 私はセバスの言いたいことがなんとなく分かった。

「神の血を再び取り入れる為に、アリア様を花嫁にしたがっているのかも知れません。あの国の皇王はまだ若く、妃を娶ってませんからね」

 私は机の上で頬杖をつき、指をかたかたとピレーネを弾く様に鳴らした。
大体セバスの予想であっているだろう。
何故こんなに私から彼女を奪おうとする者が多いのか、まったく、うんざりだ。

「話しは変りますが、護衛騎士が決まりました。明日から着任させます。アランの妹です」
「ああ、やっと決まったか。少し安心した」
「工事になりますと職人が入れ替わり立ち替わり入ってきます。十分注意をしないと最悪攫われてしまう可能性もあります。なんとかしたいものです」
「うむ」

 話しが終わったので私は執務室を出た。出た所でセバスに袖を引かれた。
振り向くと執務室のドアの隣で壁に背を預けてリアが座ったまま寝ている。
セバスがフッと笑う。

「旦那様を待っていて眠ってしまったようですね」
「中に入ってくればいいのに」
「仕事の邪魔をしてはいけないと思ったのでしょう」

 セバスはそれだけいうと2階に降りて行った。私は彼女をそっと抱き上げた。
まだすぅすぅと寝ている。こんな状況で攫われたらどうするつもりだ……まったく。
顔を見るとあどけない。力なくこてんと私の肩にその顔が乗せられる。

 私はそのまま彼女を部屋に連れて行って寝台に寝かせた。
眠っている彼女を見ると色々致したくなるが少し我慢する。そして長椅子に座り、屋敷の警備の強化を考える。
相手はゲート持ちだ。ということは私と同じ全属性持ち。魔術師系だ。
騎士なら対応としていくらでもあるが、魔術師となるとそうは行かない。
私もそうだが大体魔法を防ぐ術や防具で身を固めている。魔法が効かない事を考えた方がいいかも知れない。

 久しぶりに剣でも振るか……。くそっ。
最近剣の鍛錬などしていなかったと後悔する。
屋敷に防犯ブザーと監視鏡を取り付けるか……。あとは何ができるか……?
あとは結界を張る位か。
ゲート不可の結界を張ろうか、いやそれでは私までゲートが使えなくなる。
いや、待てよ? プレイスマークをちょっと弄ってどうにかならないか。
と考えてると視線を感じ、見ると長椅子の隣にリアがいた。

「わっ!」

 私は声を出した。

「あ、びっくりさせて申し訳ございません!」
「よいよい」
「何か真剣に考え事をしてらっしゃったので、お声を掛けれなかったのです」

 と、しょんぼりする。
私は彼女を抱き上げ膝に乗せた。

「ちょっと考え事をしていてな。君に気付かなかった」
「良いのです」

 私は彼女の頭を撫でてその頬に頬ずりする。すべすべしていて気持ちいい。
この存在が誰かに奪われるなど考えたくも無い。




 それから夕食を食べ風呂に入り今寝台で彼女を愛撫している。
私は彼女が天界から帰ってきてから毎日閨事をしている。それも1回で終了ではなく何回も。付き合わされる彼女も大変だろう。
よく致しながら眠っていることもある。

 私はそんな時でも気にせず致す。彼女が以前寝ていても良いと言ったからだ。
そして寝ている彼女も致されていても文句を言わない。
本当に私にそれを許しているからだ。

 ただ、私は最近自分を抑えるのが辛くもある。
彼女に一緒に寝ないほうがいいかもと言われて、私も分かってはいるが……。
離れたくない。

 この前も結構先の方が肉に埋もれていたように感じたが、彼女が言うにはあれは花びらに埋もれただけ、と言った。
あれは花びらで肉ではなかったのか。少しがっかりした。

 いや、肉に埋もれていたら私は罪人になってしまう。これでいいのだ。
始終こんな感じで正気と狂気の間を彷徨って現実に帰っている。
今日も彼女は2回目くらいまではまだ起きていた。が、もう何回目だろう?
彼女がどろどろすぎる。私の白濁の液を掛け過ぎたからだ。妊娠などできる体ではないのは分かっているが彼女の蜜花に私の白濁の液を塗り込む。
このまま中に入って孕めばいいのに、と妄想に耽る。

 蜜花にぬらぬらした亀頭を擦り付けていると彼女が眠りながら反応していた。
はぁ、はぁ、と息が荒い。ん、眠りが浅いのか。
まぁどろどろでも彼女は気にしないし怒らない。私のすることは全て許す。
このまま彼女を愛し続けるだけだ。

 私はそのまま亀頭の先で蜜花をぐりぐりと責め、肉を少し掻き分けた。そして彼女の顔を見る。微笑むように眠っている。我慢だ我慢。
これ以上はいけない。ダメだ。

 深呼吸をしてミドルキュアを唱える。あちこちどろどろな彼女の太ももに自分の肉棒を挟み腰を動かす。私が腰を動かすとゆっさゆっさと揺れる小さな体。
ああ、可愛い。私の物だ。私の可愛いリア。私の亀頭の先からでた迸りはまたリアの顔にかかった。その美しい顔は私の液が掛かりすぎてぬらぬらと光っていた。




 仕事の15分休憩で事務所の応接室でブラウンティを飲んでいるとヒューイットとユリウスが入ってきた。ここは普段職員の休憩室になっている。セルフお茶セットもあり、自分でお茶を注いで飲める。事務所の者は誰でもここを利用する。

 ユリウス=レーヴェン23歳は、ザイードの後任で来た。
王都からずっと北東の辺境にある領地の辺境伯爵である。父君が亡くなり、今年爵位を継いだそうだ。辺境伯爵の爵位は伯爵より上で侯爵より下だ。

「ユリウス君は何にします?」
「自分でやりますよ?」
「あら、この先輩のわたくしにまかせてくださいませ?」
「ヒューイットさんの方が私より年下なのですがね?」
「仕事ではわたくしの方が先輩ですからね?」

 とやっている。結局ヒューイットがブラウンティ2つを持って来て席に着いた。

「おじゃまします」

 とユリウスが言った。見目もよいが礼儀も正しく言葉遣いもよい。とても辺境で育ったようには見えない。肩より少し長い銀色の髪、瞳は薄い水色。色白なのは北育ちだからか?

「そういえば、またアリア様のコンサートをやるのですって?」

 とヒューイットが目を輝かす。

「うむ、今曲を作っている。なんだか趣向を凝らした事をやるので、受けいられぬかも知れないと言って心配していた」
「わたくし絶対また行きたいです。もちろん招待してくださいますよね?」

 と私に迫る。

「ああ、前回と同じで職員はみな呼ぶつもりだ」

 ユリウスが目をぱちぱちする。

「私も呼んでいただけるのですか?」
「うむ、そのつもりだ。しかし、心配ではあるがな……」
「心配と申しますと?」
「リアの魅了にかかってしまうんじゃないかとな……。はぁ~」

 とため息をするとヒューイットが慰めの言葉を言う。

「まぁ、ザイード、リューク様とお二人も魅了にかかってしまいましたからね」
「けれど、仕方ないですよ。アリア様が悪いわけではないのですから」
「ユリウス、私のリアと会うときは心を保て。でないと、お前まで……」
「魅了? 心を保つ?」

 ヒューイットが説明する。

「アリア様には自動発動する魅了スキルがあって、結構強力でその魅了に誑かされると我を失ってしまうのです。犯罪者になったり、スティグマ持ちとかにもなったりする可能性もあるわけです」

 ユリウスは驚いていた。

「それは本当なのですか?」
「もう今まで7人処刑されてますからね~。ユリウス君も気をつけたほうがいいですよ」

 ヒューイットが軽いノリで言う。

「7人処刑!?」

 私は頷いた。

「処刑者の7人目はリュークだ。……リュークの事件でアリアの代わりに被害に遭った幼女が孤児院にいると聞いて行ってみたが悲惨だった。あいつがあんな酷い事をできる人間だとは思わなかった」
「アリア様じゃなくて良かったとしか言えませんよ。恐ろしい」
「ああ、新聞で読みました。9歳の幼女を拉致監禁したのですよね。有り得ませんね」

とユリウスが言う。私は頷いた。
暗い雰囲気に突入した所で15分が経った。私達は事務所に戻った。




 屋敷に戻るとアランがいた。アーリンの兄で諜報の者だ。

「公爵様、お久しぶりです」
「ああ、久しぶりだな? お前は何を調べていたんだ?」
「ヘンドリックス公園近辺の館を所持している者20名の書類を調べていましたが、不審な者はいませんでした。あの辺りで黒装束の者を見かけたという話でしたので、引き続き聞き込みを続けています」
「20名……結構な数だな」
「その中にはコモン様やユリウス様など、公爵様と交流のある方の館もいます。ちなみにユリウス様の屋敷は現在使われていますが、コモン様のお屋敷は、コモン様が個人で購入されたそうで、まだ誰も住んでいませんね」
「ふむ、そうか」

 そう言えばシエラ様との婚約が正式な物となったと喜んでいた。まさか新居か?
いや、気が早すぎるだろ、結婚できるのは成人してからになるんだぞ……?

「あと、以前追えと言われていた家庭教師の面接に来た男ですが、痴情のもつれで女に刺されて殺されていたようです。年末の話しだったみたいです」
「死んでしまっては実験には使えないな……」
「牢屋から出所後は目は赤黒くなかったんだろう?」
「ええ、身近な者によると普通だったと申しておりました」
「あ、そうだ、これから毎日5の刻過ぎに屋敷に寄ってくれぬか?」
「何かありましたか?」
「いや、剣の鍛錬をしたい。相手を頼む」
「公爵様が剣ですか?」

 とアランが驚く。私はその態度に眉間に皺が寄った。

「私は剣もそこそこ出来るぞ? せいぜい恥をかかぬよう私を打ってみるのだな」

 アランがフッと笑った。





 とうとう工事が始まった。先に屋敷内をなんとかしないと、リアが不便だと思うので一番先に屋敷内の工事をさせた。次に温室の解体。花や葉はどうします? と言われたので売りに出してくれと言った。そして、今まで屋敷の右庭にあった温室を壊してそこには礼拝室を建てるが、屋敷の左庭に新しく温室を建てることにした。

 リアが食物を育てたいと言っていたのを思い出したからだ。以前のような円形の温室ではなくて長方形に長い温室でイメージもかなり変えたものをデザインしたので場所も違うし大丈夫かと思うが……これは私の勝手でやったことなので彼女が喜ぶかどうかは分からない。

 工事が始まって忙しいセバスにさらに注文をつける。
防犯ブザーを屋敷と外を繋ぐ扉全部に付けろと言った。あと監視鏡を表門、裏門、左門、右門に付けろという。
セバスは了解しました。と職人に発注しに行った。

 そのあと私は表門の方に行き、前回解析したプレイスマークをさらに解析する。地面を杖で叩くとふわんと使われた魔術式が浮かび上がる。それを杖で書き直す。
そしてまた杖でその魔術式をトンと叩くとカシャンと割れたように魔術式は崩れた。
ふむ。

 少し特殊なゲート不可の結界を張る事ができる魔法陣を完成させた。
何が言いたいかと言うと、外から入り込めないゲート不可の結界を張り、その中でさらに自分だけゲートを使えるように登録できる様な魔方陣を作ることに成功した。
ただ、範囲が狭く屋敷全体を覆える物ではない。実用するには改良が必要だ。
このゲート不可の結界は使用しない事にした。

 私は執務室に戻り晩餐会で会った幼女達にお茶会への招待状を書いた。リアが屋敷に戻ったら招待状を出すと言っていたのに遅くなってしまった。それをオーティスに出させた。
リアには当日お茶会を知らせて驚かせるか。
お友達が屋敷に来るなどなかったからな。きっと喜ぶだろう。彼女の笑顔を想像して嬉しくなって笑ってる自分に気が付いた。

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