68 / 190
第二章
31コンサートの練習
しおりを挟む私は大ホールでバンドの子達と音あわせをしていた。
音楽隊は結局、登録本から通信連絡し、女の子だけのバンドにお願いした。
女子のみのバンドが1つしかなくて即決まった。バンド名はCute。4人姉妹でやっている。彼女達も私が雇い主で良かったみたいだ。
私の前の雇い主がセクハラしまくりのデブ親父だったからだ。
4人の楽器と担当は長女のラン20歳がドラム、次女のリン18歳がギター、三女のルン16歳がベース、四女のレン14歳がヴィオラ。レンだけが未成年だ。ちなみにヴィオラと言っても地球のヴィオラではない。どちらかと言うとバイオリンに近くて音も形状もバイオリンそのものだった。なのに名前がヴィオラと言う。
みんな平民だけれど、元は貴族だったらしい。本家の主が罪を犯し連座で廃爵したらしく平民なのに楽器が弾けるのはそういう理由だった。
ちなみに、メンバーみんな今担当している楽器以外の楽器も弾ける。さすが元貴族。
普通の平民は楽器が弾けない。楽器を習うのにも買うにもお金が凄くかかるからだ。
「じゃ、もう一度最初っから~!」
ランが言う。みんなヘッドマイクを付けている。ドドン、ズンチャ、チャとドラムが鳴り響いて音楽が始まる。私は息を吸い歌いだす。これはアップテンポの歌で踊りながら歌う、飛び跳ねてジャンプ!
歩いて歌って忙しい曲。でも笑顔で歌いきる! 曲が終わった。
「姫様、そこ、曲の終わりに投げキッスしましょう」
とランが言う。
「あ、いいね! 可愛らしさがぐっとでる」
とリン。
「いきなりお客の心鷲掴みですね!」
とルン。
「えっと、こんな感じ?」
私がやるとレンが首を振る。
「そんな恥ずかしがってちゃお客様の心を鷲掴みなんて無理です」
とレン。
「そうですねぇ、姫様、恥ずかしさを捨ててビジネスライクでいってみましょう。もう一度投げキッスしてください」
とラン。
「は、はい」
私が考えた振り付けを皆に見せたら、皆でこうしたらいい、いやこうだ! となって、色々追加された動作がいくつもあった。あざとい位可愛らしくするのよ? とバンドのメンバー全員が言う…。
私は深呼吸して片手で投げキッスをしたら、上手くいかなくて目まで閉じてしまった。
「姫様!? それめちゃくちゃご褒美になってます! 最高です!」
とリンが言う。
「ウィンク付き投げキッス…お客様は萌え死に決定ですね」
とレンが言った。
「じゃ、他の曲も合わせて行きましょう~~!」
ランが言ってまた歌う。スピカーから重低音がずんずんと響いてくる。
大広間の片隅にはエドモンド商会から納品されたリアグッズの箱が山積みになっている。その横にはベルネーリ商会から納品されたリンスのガラス瓶にもう中身を詰め込んだ物がやはり箱に入れて山積みになっている。CDも50枚、レイジェス様に作って貰った。これで物販の準備は出来ている。あとは練習あるのみ!
コンサートは三日後に迫っていた。
夕食の時だった。レイジェス様が言った。
「ひとつ気になる事がある」
「なんでしょう?」
「私は以前面接の時に突進してきた悪しき者を払ったが…もしコンサートでそのような者が出たときの対応は考えているのか?」
「え?」
私はまったく考えてなかった。だってピレーネの夕べの時はなんともなかったし。大丈夫じゃない? と思っていたから。
「あの可愛らしい、けしからん歌を歌うのだろう? 護衛は必須だろう。なぁ? セバス、お前も練習を見たりしているんだろう?」
「昨日、練習を拝見致しました。私も護衛は必須だと思います」
セバスまでそう言う。
「わたくし、何も考えていませんでした。どうしましょう?」
というと二人でステージを紙に書いてここに護衛を置いて、とか話合っている。
結局、ステージに立つ私の下に4人の護衛が付く事になった。リリー、アーリン、アラン、セバスが付く。
コンサートが終わった後の握手会は、セバスとレイジェス様の間に私が入って二人が護衛すると言う。
ちなみに物販販売はリリーとアーリンがやってくれる事になった。
「あ、姫様、本日商会頭の認可が下りましたよ。アズライル商会発足、そして会頭就任おめでとうございます」
「ありがとう、セバス。苦労かけました」
「レイジェス様もわたくしのお手伝いありがとうございます。」
私は夕食を全部食べ終えた。ここの所歌ったり踊ったり、剣の稽古とかで動きまくっている。以前より少し体が強くなったかも知れない。
「あ、そういえばピラトール侯爵様に招待状は出したのですか? セバス」
「レイジェス様に確認してから出しました」
「姫様のお友達お二人にも出しましたよ」
と言われてびっくりする。
「え! お友達に見られてしまうんですか!? なんだか恥ずかしいです……」
それを見ていてレイジェス様が呆れている。
「リアは変なところで恥ずかしがるな? ポイントが分からぬ」
私はレイジェス様を薄い目で見た。
「乙女心が分からないレイジェス様には分からないですよぅだ」
レイジェス様にはツンとしておいた。
その後はレイジェス様と一緒にお風呂に入り一緒に寝る。
寝台に入るとうとうとしてきた。
「一週間後には寝室の工事も終わる。日中は屋敷内を行き来できなくて不便だったろう。苦労かけたな」
レイジェス様が言う。
「最初は窮屈でしたけど、だいぶ慣れました。お部屋が広くなって、わたくしとレイジェス様のお部屋が繋がるのですから、楽しみです。うふふ」
微笑むとレイジェス様が私に口付けをしてきた。口の中をぬるぬるした感触が蠢く中で私はうつらうつらと眠りに入る。レイジェス様は構わず私の体を弄って舐める。
「疲れているのだろうが、最近のリアは眠りすぎだな」
ぼそりと呟いた声が聞こえた。
私はとっくに夢の中で凄く気持ち良くなっていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。
「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」
私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる