リア充なお父さんがダンジョンに潜ったきり帰ってこないです

鷹月 檻

文字の大きさ
5 / 25

4 結婚するって本当? ん? 本当に決まってりゅ!【残酷描写あり】

しおりを挟む


 ソフィたんが泊まってたのは『黒猫亭』という宿屋だった。中に入ると即女将がやってきたので話をする。

「この子の荷物をお前さんが奪ったと聞いたが?」
「あら、人聞きの悪い事言わないで頂戴? 昨日の宿賃として頂いただけよ?」
「それでこの子は無一文で放り出されちまって、あんたは悪魔かい?」
「こっちは最初っから宿賃を貰えれば返すつもりでいたわよ! あんたが払ってくれんの?」
「いくらだよ?」
「5000ギルよ」

 空間収納から財布を取り出して5000ギルくれてやった。

「あんた、空間収納持ちなのね!」
「なんだぁ? 私を運び屋にでもしたいって目をしてやがんな? 取り敢えず金は払った、早く荷物を寄越せ」

 女将はフロントの奥の部屋に入って荷物を取ってきた。男2人と一緒に。

「あんた、いい身体してるじゃない、空間収納だけじゃなく、身体も売れちゃうわね、さぁ、捕まえて頂戴!」
「おおっとぉ」

 襲って来た二人の男をひょいっと除けながら呪文を唱えた。

『ここの3人バラライズ麻痺!』

 途端にばたばたと倒れた女将と男達。

「悪りぃ、女将、私凄く腹が立っちゃった。だからさぁ、お礼してあげるよ」

 背中に背負ってた大剣を、寝転がってる女将の足の上に振り下ろした。
ゴキッという鈍い音と共に血飛沫ちしぶきがブシャアアアアっと飛び散った。寝転がった男達も女将もびっくりしている。身体から切り離された両足を蹴っ飛ばして遠くに遣ると、暫く女将の様子をしゃがんで見ていた。

「人間てさ? あんまり血が流れると死んじまうらしいよ? どれくらい流れたら死ぬんだか、お前で調べようか?」

 女将の目は恐怖で震えていた。

「私の名前はね、ペトロネラってんだ。ギレス帝国で商売やってるヤツは大抵私の事、知ってるんだけどねぇ……女将さんが知らなかったんなら、私もまだまだだねぇ?」

 一部始終を見ていたソフィたんが私に聞いた。

「助けないの?」
「いや、助けるよ」

『ヒール!』

 女将の太ももの半分から先が無くなった。無くなった部分は丸くなっている。
ヒールの回復魔法は欠損を治せない。怪我した部分の傷口を治すだけだ。だから傷付いた太もも部分が丸くなって修復されている。

「そんな足じゃ宿屋なんて出来ないだろうね?」

 転げ落ちていた荷物を、ソフィたんに渡した。

「この荷物で合ってる?」
「うん、これ」
「じゃ、私の泊まってる宿屋に行こうか」

 私はソフィたんと手を繋いだ。
私が泊まってる宿屋はここの道の角にある『金麦亭』だ。
ここの宿はちょっと立派で一泊が高いが、風呂が付いてるのと、もう一人誰か泊めても一部屋分での料金なので宿泊料が変わらない。まぁ、飲食代は別だが。
なので、ソフィたんが私の部屋に泊まっても全然大丈夫だ。
ただ、宿屋の親父の娘がうざい。
宿屋の扉を開くとカランカランと乾いた鐘の音がした。

「いらっしゃいませ~!」
「ああ、ただいま」
「ペトロネラさん、その子は?」

 宿屋の親父の娘のアリエルがいぶかしげにソフィたんを見る。
アリエルはギレス帝国の人間で肌の色が浅黒い、髪もこげ茶で瞳も鳶色だ。
髪をツインテールにしていてそこそこ可愛いとは思うが、私の好みの顔じゃ無いんだよなぁ……。

「今日から暫く私と一緒に泊まる子だよ」
「それってもしかして……」
「今一番お気に入りの子だよ、結婚すっぜ!」
「えっ!? 嘘でしょひどい! 私って子がいながらっ!」
「アリエルはとっくに月の物が来てるだろうが! 私の範囲外だって言ってんだろ!」
「ペトロネラさん、酷いよ! 私の初めてを捧げたのに!」
「貰ってくれって言ったから貰っただけで、私が欲しいと言ったわけじゃないだろうが! これだから女ってのは、嫌いなんだよ」

 面倒臭そうに頭を掻いてると、フロントにアリエルの親父がいて鬼みたいな形相で睨んでた。

「ほ~? てめぇは、うちの大事な娘の初めてを奪ったってのかぁ?」
「いや~奪ったなんて、とんでもない、アリエルが貰ってくれって、裸で私の部屋に来たんだぜ? どこの幼女娼館だよって思ったさ? そりゃ据え膳食わぬは女の恥じだからな、食っといた。それだけだぜ?」

 親父はつかつかと私の前に歩いてきて胸倉を掴んだ。

「止めてよお父さん! 私が悪いの! ペトロネラさんを好きになったから……」
「こんなクズ女のどこがいいんだ!」
「そんなの分かんないよ」
「もう部屋に行ってもいいか? ソフィたんがそわそわしてる」

 親父はソフィたんに視線を移してから私の頬を殴った。結構いいパンチで床に吹っ飛んだ。筋肉だるまめ!

「ってぇ」
「ペトロネラさん!」

 ソフィたんが私に駆け寄って顔を覗く。親父が近づくと私の前に立ちはだかって通せんぼした。その姿は怖いせいか、足ががくがくに震えていた。
ソフィたんが私を守ってくれてる! 何これ? 私すっごく強いのに!
守られてりゅううう! めちゃくちゃ萌えた。

 親父はソフィたんと睨み合ったが、それ以上私に何かするのは止めたようだ。フロントに行ってしまった。
残されたアリエルが聞いてきた。

「結婚するって本当?」
「ん? 本当に決まってりゅ! ソフィたん、守ってくれてありがとう!」

 ぎゅっとして、ぶっちゅーと舌を入れるキスをした。

「んっ、んっ!!」
「ペトロネラさんの馬鹿っ!!」

 私とソフィたんのラブラブな様子を見たアリエルは、捨て台詞を吐いて何処かへ行ってしまった。
ソフィたんから唇を離すと涙目だった。

「息できないよっ、苦しいことしないで?」
「そういう時は、鼻で息するんだよ~」
「……そっかぁ!」

 ソフィたんはにっこり笑った。うう、まじ天使!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...