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4 結婚するって本当? ん? 本当に決まってりゅ!【残酷描写あり】
しおりを挟むソフィたんが泊まってたのは『黒猫亭』という宿屋だった。中に入ると即女将がやってきたので話をする。
「この子の荷物をお前さんが奪ったと聞いたが?」
「あら、人聞きの悪い事言わないで頂戴? 昨日の宿賃として頂いただけよ?」
「それでこの子は無一文で放り出されちまって、あんたは悪魔かい?」
「こっちは最初っから宿賃を貰えれば返すつもりでいたわよ! あんたが払ってくれんの?」
「いくらだよ?」
「5000ギルよ」
空間収納から財布を取り出して5000ギルくれてやった。
「あんた、空間収納持ちなのね!」
「なんだぁ? 私を運び屋にでもしたいって目をしてやがんな? 取り敢えず金は払った、早く荷物を寄越せ」
女将はフロントの奥の部屋に入って荷物を取ってきた。男2人と一緒に。
「あんた、いい身体してるじゃない、空間収納だけじゃなく、身体も売れちゃうわね、さぁ、捕まえて頂戴!」
「おおっとぉ」
襲って来た二人の男をひょいっと除けながら呪文を唱えた。
『ここの3人バラライズ!』
途端にばたばたと倒れた女将と男達。
「悪りぃ、女将、私凄く腹が立っちゃった。だからさぁ、お礼してあげるよ」
背中に背負ってた大剣を、寝転がってる女将の足の上に振り下ろした。
ゴキッという鈍い音と共に血飛沫がブシャアアアアっと飛び散った。寝転がった男達も女将もびっくりしている。身体から切り離された両足を蹴っ飛ばして遠くに遣ると、暫く女将の様子をしゃがんで見ていた。
「人間てさ? あんまり血が流れると死んじまうらしいよ? どれくらい流れたら死ぬんだか、お前で調べようか?」
女将の目は恐怖で震えていた。
「私の名前はね、ペトロネラってんだ。ギレス帝国で商売やってるヤツは大抵私の事、知ってるんだけどねぇ……女将さんが知らなかったんなら、私もまだまだだねぇ?」
一部始終を見ていたソフィたんが私に聞いた。
「助けないの?」
「いや、助けるよ」
『ヒール!』
女将の太ももの半分から先が無くなった。無くなった部分は丸くなっている。
ヒールの回復魔法は欠損を治せない。怪我した部分の傷口を治すだけだ。だから傷付いた太もも部分が丸くなって修復されている。
「そんな足じゃ宿屋なんて出来ないだろうね?」
転げ落ちていた荷物を、ソフィたんに渡した。
「この荷物で合ってる?」
「うん、これ」
「じゃ、私の泊まってる宿屋に行こうか」
私はソフィたんと手を繋いだ。
私が泊まってる宿屋はここの道の角にある『金麦亭』だ。
ここの宿はちょっと立派で一泊が高いが、風呂が付いてるのと、もう一人誰か泊めても一部屋分での料金なので宿泊料が変わらない。まぁ、飲食代は別だが。
なので、ソフィたんが私の部屋に泊まっても全然大丈夫だ。
ただ、宿屋の親父の娘がうざい。
宿屋の扉を開くとカランカランと乾いた鐘の音がした。
「いらっしゃいませ~!」
「ああ、ただいま」
「ペトロネラさん、その子は?」
宿屋の親父の娘のアリエルが訝しげにソフィたんを見る。
アリエルはギレス帝国の人間で肌の色が浅黒い、髪もこげ茶で瞳も鳶色だ。
髪をツインテールにしていてそこそこ可愛いとは思うが、私の好みの顔じゃ無いんだよなぁ……。
「今日から暫く私と一緒に泊まる子だよ」
「それってもしかして……」
「今一番お気に入りの子だよ、結婚すっぜ!」
「えっ!? 嘘でしょひどい! 私って子がいながらっ!」
「アリエルはとっくに月の物が来てるだろうが! 私の範囲外だって言ってんだろ!」
「ペトロネラさん、酷いよ! 私の初めてを捧げたのに!」
「貰ってくれって言ったから貰っただけで、私が欲しいと言ったわけじゃないだろうが! これだから女ってのは、嫌いなんだよ」
面倒臭そうに頭を掻いてると、フロントにアリエルの親父がいて鬼みたいな形相で睨んでた。
「ほ~? てめぇは、うちの大事な娘の初めてを奪ったってのかぁ?」
「いや~奪ったなんて、とんでもない、アリエルが貰ってくれって、裸で私の部屋に来たんだぜ? どこの幼女娼館だよって思ったさ? そりゃ据え膳食わぬは女の恥じだからな、食っといた。それだけだぜ?」
親父はつかつかと私の前に歩いてきて胸倉を掴んだ。
「止めてよお父さん! 私が悪いの! ペトロネラさんを好きになったから……」
「こんなクズ女のどこがいいんだ!」
「そんなの分かんないよ」
「もう部屋に行ってもいいか? ソフィたんがそわそわしてる」
親父はソフィたんに視線を移してから私の頬を殴った。結構いいパンチで床に吹っ飛んだ。筋肉だるまめ!
「ってぇ」
「ペトロネラさん!」
ソフィたんが私に駆け寄って顔を覗く。親父が近づくと私の前に立ちはだかって通せんぼした。その姿は怖いせいか、足ががくがくに震えていた。
ソフィたんが私を守ってくれてる! 何これ? 私すっごく強いのに!
守られてりゅううう! めちゃくちゃ萌えた。
親父はソフィたんと睨み合ったが、それ以上私に何かするのは止めたようだ。フロントに行ってしまった。
残されたアリエルが聞いてきた。
「結婚するって本当?」
「ん? 本当に決まってりゅ! ソフィたん、守ってくれてありがとう!」
ぎゅっとして、ぶっちゅーと舌を入れるキスをした。
「んっ、んっ!!」
「ペトロネラさんの馬鹿っ!!」
私とソフィたんのラブラブな様子を見たアリエルは、捨て台詞を吐いて何処かへ行ってしまった。
ソフィたんから唇を離すと涙目だった。
「息できないよっ、苦しいことしないで?」
「そういう時は、鼻で息するんだよ~」
「……そっかぁ!」
ソフィたんはにっこり笑った。うう、まじ天使!
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