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6 お父さんを探しに行く前に結婚しよっ?
しおりを挟む「お父さんを探しに行く前に結婚しよっ!?」
「えっ、ペトロネラさん、まじめに言ってるの? 結婚は好きな人とするんだよ?」
「じゃ、私、もうソフィたん、大好きだし! 権利ある! 結婚出来る! ソフィたんは私の事嫌い?」
「え……嫌いじゃないけど……」
「じゃあ、好きってことだ! 結婚出来るじゃん! 神殿行こう!」
「結婚したら、本当にお父さん探してくれる?」
「もちっ! 探す、探す!」
「じゃあ、する~」
「よし、神殿に行くぞ~~~!」
このギレス帝国では男同士でも、女同士でも、相手が若くても、親子でも結婚が出来る。結婚に制限が無い自由な国と言われている。
但し、いくら結婚に制限が無くて自由でも、相手が嫌がってる場合は出来ない。
私とソフィたんは服を着て神殿に向かった。
神殿に着くと入り口で結婚書類を貰い、奥の礼拝室に行く。すると礼拝室の聖書台の前に神官が一人突っ立っていた。
私はとっとと神官に自分達がサインした結婚書類を出して、誓いの言葉を言った。
ソフィたんも私を真似して誓いの言葉を言った。
この書類に神官のサインがされて、ギレス城にある戸籍課に届けられれば入籍完了だ。
「じゃあ、神官さん、くれぐれも書類をよろしくお願いしますよ?」
「はい、分かってますよ。お二人に祝福を!」
「ありがとです」
ソフィたんはぺこりとお辞儀して私の手を握ってきた。
宿に向かって、二人手を繋いで歩いていた。
ううう、今からソフィたんは私の嫁! 今日は初夜! むはぁー!
一人エロい妄想でむんむんしてたら、ソフィたんがぽつりと言った。
「ペトロネラさん、もうそろそろ私のお父さん、探してくれる?」
そうだった! お父さんを探さないと……。
「じゃあ、市場に寄ってくかな」
「市場?」
「何日もダンジョンに篭るなら食べ物とか薬とか必要な物用意しないとだからさ」
「でも、ソフィお金無いよぅ……?」
「ソフィたんはお金の事気にしないでいいよ、私のお嫁さんなんだから。お金は私が払うし」
ソフィたんの顔がぱあああっと明るくなった。にっこりして笑った。
「ありがとう! ペトロネラさん!」
「ソフィたんは、私のお嫁さんなんだから、ペトラって呼んで?」
「えっ、ぺ、ペトラ……さん」
「さん、いらないのにぃ~」
「だって、私より凄いお姉さんだもん、さん付けないとでしょ?」
「ソフィたんは賢い子だなぁ」
頭をぽふっとして、なでなでした。
うう、ソフィたんに触るとムラムラしてしまうがな。
暫く歩いて市場に着くと、店を色々見回って、日持ちのしそうな乾燥肉とか乾燥野菜を買った。ダンジョン内で食べるのは米にする事にした。出来立て美味いし。パンはすぐ硬くなるからな。
色々買って宿屋に戻ると、寝台に座った。ぽんぽんと隣を叩いてソフィたんを呼ぶ。
「ちょっとソフィたんに聞きたいんだけど、どういう状態でお父さんはいなくなったの?」
「お父さんはCランクの冒険者なの、仕事は出来ないけど、女の人には凄くモテモテで、いつも『俺はリア充だ~!』言ってた。その日も女の人の所に泊まってて朝帰りしてきたのね」
「ふんふん」
「で、私が、ちゃんとお仕事しないと女の人にまた振られちゃうよ? って言ったら、『じゃあダンジョンで稼いでくる、指輪とかレア出ねぇかなぁ?』なんて言ってて、今付き合ってる女の人って本気なのかな? とか思ってたの。でも、朝私がそう言ってお父さんがダンジョンに行ってから、夜になっても帰ってこなくて、次の日の朝になっても帰ってこなくて、で、今までこんな事なかったから、冒険者ギルドの受付のお姉さんに相談してたらペトラさんが来たの」
「そうかー。じゃ、お父さんがいなくなったのは昨日ってことか」
「うん」
「お父さんが付き合ってた女の人って、誰だか分かる?」
「んと、『夢酔い酒場』の踊り子さんのアクサナさんて人」
「ちょっと『夢酔い酒場』まで行ってくるわ」
「えっ、じゃあ私も!」
「ダメダメ、あそこは子供が行くような場所じゃないから、ちょっとこのお部屋で待ってて?」
「……じゃあ待ってる……」
「大丈夫だよ、ちょっと話聞いたらすぐ戻ってくるから」
「お父さんみたいにいなくならない?」
「いなくなるわけないじゃんっ! こんなにソフィたん好きなのに! 今日は結婚したし、初夜だからね! 楽しみにしてるんだからっ!」
「初夜?」
「さっきみたいなエッチな事することを言います」
ソフィたんは顔を真っ赤にしてた。『エッチ』って言葉は分かるのかっ。
初々しいわ。
「んじゃ行ってくるね」
『ゲート! 12番街!』
私は無属性空間魔法の移動魔法『ゲート』を使って移動した。
12番街のど真ん中に着くとすぐに2本先の道を曲がった。そこが『夢酔い酒場』のある場所だった。中に入ると店主の男がいた。
店主の男は昔からの知り合いでグレゴリーと言う、頭のハゲた男だ。
「お? ロリペド? どうした? お前がここに来るなんて珍しいな」
「てめぇ、その呼び方で呼ぶんじゃねぇ! 失礼なっ!」
「悪りぃ悪りぃ、ついな? 何だ? 俺に用か?」
「いや、踊り子のアクサナって女知らないか?」
「アクサナなら夕方からしかこねぇぞ?」
「そっか、アクサナってどんな女?」
「見た目は派手な美人だが、田舎育ちで気は優しいぜ? だから遊ばれて、すぐ捨てられてる」
「へぇ、悪女ってわけじゃないんだ?」
「悪女? アクサナとは無縁な言葉だと思うがなぁ? 誰か騙されたってか?」
「いやいや、どういう女なのか知りたかっただけさ」
「最近はCランクの冒険者の男と良い仲になってたな、……確かアルバンとか言ったか」
「アクサナはアルバンの事を何か言ってたか?」
「仕事は出来ないが、いいやつだと言ってたよ? 結婚したいとも言ってた」
「アクサナは本気だったのか……。ありがとよ、じゃあ行くわ」
帰りは考え事をしながら、てくてく歩いて宿屋に向かった。
ソフィたんの父親はまじで『リア充』だった。たかがCランクの冒険者なのに女にモテモテで、美人に結婚したいとまで言われていた。
正直羨ましい。これがただの美人じゃなく美幼女様にモテモテだったなら、嫉妬の炎がメラメラだったろう。
こんなに『リア充』だと言う事は、絶対ソフィたんを捨てて何処かに行ったという可能性は低い。
ただ単にダンジョンに入ってトラブルに遭った、と考える方が納得が行く。
じゃあ、早く助けた方がいいか……。
取り敢えず今日はソフィたんと初夜をして、明日から親父捜索に取り掛かるか。
私は宿屋に戻った。
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