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20 あっという間に100階層!
しおりを挟む飛ばされて着いた先は階段のすぐ近くだった。
例の如く階段上には古代語で文字が書かれている。
『おめでとうございます! ついに100階へ到着です!』
ってな事が書いてあった。親切やな。
さっきの二人組みがまだ来ていない所を見ると、一番乗りはどう見ても私だ!
なんて思ってたら、広場の中央にシュンという機械音がして青白い光の柱が立った。
そしてそこに現れたのは、100階層のボスモンスター『メドゥーサ』だった。
メドゥーサの体は6メートル程あり、ちょっと私よりでかい。
しかし……がーん、石化耐性0%だ私……。
あの目からの石化ビームを受けたら、即試合終了だ。
個人スキルの『滅』で即死させるか? MPMAXスクロールは2枚持って来てる。
1枚をソフィたんに渡して、自分が動けなかったら使ってもらおうか……?
……いや、それは危険だ。
この『メドゥーサ』が本当にボスモンスターなのかどうかも分からない。
もしかして、こいつを殺したあとに真のボスモンスターが現れる、なんて設定だったら、自分が動けない上、ソフィたんまで危険に晒す。
やっぱりここは普通に戦わないとダメだ! 最善を尽くして戦う!
……それでダメなら『滅』だ! でもソフィたんにスクロールは使わせない。
使うなら、自分で使う。
戦う決心を決めた私は、階段にもどって3段下でソフィたんに言った。
「階段部分にはモンスターは来れないみたいだから、ソフィたんはそこに隠れてて。絶対私が呼ぶまで出て来ないでね。約束だよ?」
「……ペトラさん、死んじゃやだよ?」
「死なないよ、だって、まだソフィたんのまんこにチンポ突っ込んでないもん! 死ぬに死ねない!」
「……」
「あ~~~~! 引いた? ごめん! 引いた?」
「……ちゃんと生きて二人で帰れたら、ソフィのここに入れていいよ? ちょっとくらい痛いの我慢してあげる」
「まじでっ!? 死ぬ気で頑張ります!」
「死なないでって言ってるでしょ!」
「はいっ! 普通に頑張るでありますっ! 行って来ます!」
行こうとしてこれが最後かもと思ったら、くっ付きたくなった。
「死ぬかもしんないから、ちゅっちゅしてくらさい」
ソフィたんが唇を押し当ててきて舌を突っ込んできた。いつの間にかキスが上手くなってる。小っちゃな舌が絡み付いて、ちゅうちゅうと私の舌を吸う。
よっしゃ、勇気貰った。ペトラ頑張りゅっ!
「ありがと、行くね」
「絶対死んじゃいやだからね?」
「分かってる! これでも私、強いんだよ!」
そう言って階段から離れた。
広場の中央にいるメドゥーサ、こいつは敵を認知する範囲が広い。でも、今私がいる所は認識出来ていないようだった。こっちに寄ってこない所を見るとね。
背にしょった大剣を取ってぎゅっと握る。
それをぶんぶん振り回して、そのままメドゥーサに向かって投げ飛ばした。
「大剣ブーメランだぁっ!!」
空間収納から魔剣を取り出して握る。
メドゥーサは大剣を除けずに目力ビームで石化した。
その隙を狙って駆け寄る。
『ウォーターリフレクトシールド!』
シールドを張ってジグザクに石化ビームを除けながらメドゥーサに近づいた。
「はぁあああっ!」
横腹を切りつけようとした魔剣を指で摘まれた。驚いて一瞬で後ろに飛んだ。
思ったよりも動きが早い。しかも指先で剣を止めるなんて……力もある。
さっき飛ばした大剣は、石になって床に転がり落ちていた。
すぅーっと空中を浮遊してメドゥーサは近寄ってきた。
何こいつ、飛ぶの!? 想定してなかったぞ!? 以前別のダンジョンで遭遇したメドゥーサは飛ばなかった!
私は円形の広場の壁に沿って走った。ソフィたんがいる階段とは反対側だ。
「おら! こいよ! 蛇頭!」
挑発して引き付ける。
『サークルリングブレイド!』
光の輪の檻にメドゥーサを閉じ込めたっ! やった! と思ったら、メドゥーサはそこを突き抜けて来た。
サークルリングブレイドで傷付けれたのは、メドゥーサの腕と頭についてる蛇を3匹ほど切り落とした位だった。全然ダメージになってない!
クソッ!
そう思ってると、メドゥーサは何やら呪文を詠唱しだした。
「何だとっ!? 空を飛ぶ上に魔法まで使いやがるのかっ!?」
これはどう考えても、私が以前ダンジョンで遭遇したメドゥーサの上位種だった。
あの時のメドゥーサでさえ、仕留めるのは大変だったのに。
『ダブルエアカッター!』
風属性の魔法で攻撃をして詠唱を邪魔するが、顔や腕、足を軽く切っただけで深く切る事が出来なかった。表面の皮膚が凄く硬いようだ。
呪文は完成し、電撃が広場にドスン! ドスン! と落ちて、床に電気の絨毯が出来る。これを踏んだら感電死しそうだ。パチパチと光って弾ける床、足の踏み場が無いっ! そこをジャンプしながら歩けそうな足場を探す。
次の足場を探してる最中に石化ビームが飛んできた。
「うげっ!」
それを除けるのに背中を反って、身体はブリッジした体勢になってしまった。
早く体勢を戻さないと!
クソッ! 反撃してぇえええっ! なんか良い手がないか必死に考えた。
ふと見ると、メドゥーサの目が三つあった。前に討伐したやつは二つ目だったのに。
しかも額にある目は瞬きをしていない。
そうだ!
体勢を整えて歩く隙間のない地面を飛びながら駆けた。
そして、空間収納から閃光弾を取り出して奴に投げつけた。瞬間カッ! と広場が光に包まれる。私は魔剣を握り締めて走った。
『ヘルフレイムソード!』
魔剣が黒い炎を纏った。
閃光弾で目を潰せるのは一瞬だ。この際電気を浴びるのは仕方が無い、スピード重視でメドゥーサまで一気に駆け抜けた。
足に雷撃絨毯の電気が絡み、ジュッと肉の焼ける匂いがした。
ちきしょうっ! めちゃめちゃ痛てぇっ!
「はぁああああっ!」
魔剣でメドゥーサの心臓をブッ刺した。反撃で石化ビームを受けたがシールドを張ってたから1度位のビームなら平気だった。シールドはパリンと割れて消えた。
刺した心臓から黒い炎が燃え広がった。
また石化ビームされちゃやばい、剣を抜いて、後ろに飛び退いた。
「ギャアアアアアアッ!!」
メドゥーサは黒焦げになって燃え尽きた。そのあとには私の拳大位の魔石と深紅の宝石の乗った銀色の指輪が残っていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、レアアイテムゲットだぜっ!」
めちゃめちゃ息が切れていた。
「ソフィたん! 来ていいよーっ!」
叫んだらソフィたんが走ってきた。
「良かった! 良かった……っ!」
ソフィたんは泣きながら私に抱きついていた。
「足、怪我してる!」
『ミドルヒール!』
「治した」
「……うん!」
メドゥーサを倒したあと、奥の壁に扉が現れて、ゴゴゴゴッと開いた。
たぶん、あそこがダンジョンマスターの部屋だ。
私はソフィたんと手を繋いでその部屋に入った。
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