貞操逆転世界の温泉で、三助やることに成りました

峯松めだか(旧かぐつち)

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第206話 作戦会議

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 思わず口から魂が抜けるようなリアクションで、立ったまま虚空を見上げ、小さくため息をついて、向き直る。
  大人として、ある程度向き合ってあげたいと思うのだ。
「私、こう見えても三十路で、大分年上なので、あなた方にはもっと年齢に見合うお相手がと言いたいところですが……」
 しどろもどろに言い訳を口にする、視察の際、学校全体を一通り、クラスの授業風景とか見て回ったが、普通は居るだろうと思われる男性の姿がまったく目に入って無い。
 男女比1/100と言うが、あくまで公称値で、実測値は1/1000、いや、1/10000ぐらいじゃあるまいな?
 こちらを見る女子中学生達の目線には、何とも言えない不安げな祈りとか、そんなものが浮かんでいて、先ほどの爆弾を投げ込んだ当人すら、笑ってはいない、真面目にこちらの言葉を聞いて吟味する構えに見える。
 騙されているならそこまでなのだが……
「今、貴女方に、お相手の男性は居ない?」
 皆が神妙に肯く。
「これを逃すと、後が無いと思う?」
 頷く。
「本気で?」
 頷く……
「ふはぁ…………………………」
 思わずため息が漏れた。
「後で、アンケートでも出しましょう、一旦持って帰って考えさせていただきます!」
 捨て台詞にそんな事を言って、一時撤退を決め込んだ。
 流石に即決の一括でこの体育館に居る在校生と教職員含めて300人超を受け入れ表明何て、色々準備が足りていない。


 舞台裏に引っ込んだ瞬間、力が抜けてがくりと、心情的には布団とかにバターンと倒れたい気分で脱力した。
「おっと危ない」
 ハクトとオジロが両側で受け止めてくれる。 耳には、締めの挨拶とかをしている声が聞こえる。 ぱちぱちと妙に大きい拍手とかも聞こえているが、いったい何に対する拍手なのやら。
「あれだけの人数相手に、アレはきついですよねえ……」
 あの人数にくそでか感情をぶち込まれて対峙すると考えると、流石に重い。
「ええ、流石に……」
「ですよね……」
「でも、断る気自体はあんまり無いんですよね?」
「バレましたか」
 この世界の常識的には断っても良いんでしょうけど……

「多分、ヤタ婆的に、最終的には地域婚とかも許すつもりだろうから、平気ではあると思われますけど……」
「段階は踏めってヤツですし」
「順番ってヤツが有りますし」
「スジは通してもらわないと」
 ハクト、オジロ、ハチクマと、順にアレコレと不満を口にする、何処となくやくざ的な雰囲気とか感じられる。
「間に嫁会議は欲しいと思うのです」
「地域婚って、範囲何処までです?」
 きよらが首をひねる。
「あの口ぶりだと、近場の学区ぐらいは含めるんじゃない?」
 琴理が呟く。
「と成ると……」
「最終的に受け入れ自体はOKに成ると?」
 恐らくの結論を口にすると、皆が大きくため息をついた。


「このまま受け入れると、アレが英雄に成っちゃうんだよねぇ……」
 にがにがと言う感じにハクトがため息交じりに言う。
「狙ってやがったなアレ」
 オジロが続く。
 皆が渋い顔を作った。
「白いの注意って書いてありましたけど、カツラかぶってるとは……」
 思わずそう返す、カンペに有った注意書き通りでは有ったけど。
 見事にやられてしまったので、注意が無駄になってしまった感はある。
「結局、あの白いのって何者です?」
 きよらが誰ともなく質問する。
「シラ、イサギ総理の孫だよ」
 ハクトが言った一言に、公務員チームの血縁無い組なきよらと琴理が、げ・・・・・と言う顔を浮かべた。
 総理大臣系なら公務員系には上司と言うか社長みたいなもんである、扱いに困るのは納得であった。
「液体窒素で保存されてた琥珀お爺様の精子で人工授精した組だから、扱い的には、腹違いな私等の妹には成る……」
 オジロがにがにがと続ける。
「思春期と反抗期と、年相応の性欲真っ盛りな……」
 ハチクマも何だかなあと言う感じに続く。
「外面的に、品行方正で成績優秀で、容姿端麗だけど、法律には触れないけど、許されるギリギリな変な所を全力疾走していく系」 
 ハクトが身も蓋も無い感じの分類で説明を〆る、法律には触れない辺りが安心点ではある。
「それって、最終的に苦笑いして許すしか無いヤツでは?」
 思わず、そんな事を呟くと、皆の思いは一つと言う感じに溜息をついた。


「後々で、程よく焼きを入れたい所では有るんですけどねえ・・・・・・」
「法律は兎も角、先ほどのアレは、マナー的に最悪ですから」
「因みに、男性保護の法律の関係上、あの場で返事しちゃったとしても、やっぱりやめたとかは通じます」
「そもそも、未だ言質とかは取られてないですから」
「それもそれでどうかと思うのですが」
 男が軽々と前言撤回を振りかざすのは、言葉の重さとして最悪だと思うのだ。 
 向こうでのAV新法みたいな、一方的な権利保護規定のえぐいヤツ感が有る。
「そもそも、まだ口約束もしていなくて、お金も籍入れの書類も介在してませんから、 そんなに重く考えなくて良いんです」
 結婚詐欺したわけじゃあるまいしと言う感じの受け取り方らしい。
「そりゃそうですけど」
 こちらの内心に、全員俺のモノだひゃっほうと言う、割と酷い本心が有るので、全員断ります何て拒否は出来ないだけである。

「後で、書類選考と面接と、その他諸々って感じに、ふるいにかけるとしましょうか?」
 そんな事を琴理さんが提案する、向こうの女側だと当然なアレなのだろうけど、いざ選ぶ側に成ってみると、やたらとえぐい世界であった。


 追伸
 感覚的にはこっち世界でのマッチングアプリ男女比、女からすると100人誘えば90人釣れるから、好き勝手選べるけど、男から見ると、どれだけ誘っても反応してくれる相手がみつからない的な、そんな感覚。7割の男性はどれだけ頑張ってもお相手見つからないとかなんとか。
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