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第36話 男性保護局、問答
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「んで、コレはついでじゃな?」
ちゅっ
もはや違和感が無い位の勢いでキスされた。
触れるだけの軽い奴だが、十分刺激的だった。
「口説いてくれるの、期待しとるぞ?」
そんな事を言ってくる、先程から居る男性保護局の職員なんか気にして居ない様子の上機嫌だった。
「良いなあ……」
職員さん側から、そんな一言が聞こえて来た。
声に釣られてそちらを見る、うっとりと言うか、もの悲しくて寂しそうな感情が見える。
いやいや、そうじゃないと言う感じにかぶりを振って真面目な顔に戻るのが見えた。
確かに心情的にはちょろそうだった。
「改めて紹介させていただきます、男性保護局の職員で、南澤きよらと申します」
先程から一番口数が多い人だ、一番背が小さく、ついでに胸が平たい感がある、美人さんなので需要はありそうだが。
「同じく、職員で明田琴里です」
こちらは幾分おっとりとした感がある美人さん、のんびりとした目つきと、やたらと大きい胸が目立っていた、腰回りは結構細いので、太って居る訳では無いのだろう。
「私は男性護衛官で、山野ハチクマと申します、よろしくお願いします」
一人だけ役職が違う、ボディーガード的なものなのだろうか?
スーツを着ていても筋肉や骨格が見て分かる、かなりしっかり鍛えているのだろう。
3人とも、タイプは違うが、かなりの美人さん揃いだった。
言った通りにヤタちゃんが席を外し、席に座り直した。こちらの席は3人掛けのソファーに、ミサゴ、自分、ツグミさんの順に、挟まれる様に座っている。これ幸いと二人はこちらに体重を預けるようにして来た。
二人とも柔らかいし、良い匂いするし、暖かいので、色々臨戦態勢になりそうなのを必死の理性で押しとどめる。
「では、質問させていただきますが……本当にその距離感で良いんですか?」
どうやら先ほどと同じように、南澤きよらが先頭で話を進めるらしい。
「問題無いですよ?」
この距離感は心地よく感じるぐらいだ。
「この一連の会話は録音されていますので、ご注意を……」
そう言いつつ、テーブルの上にレコーダーアプリが起動して録音状態のスマートフォンが置かれる、いつから録音状態だったのやら。
「まずはお名前をお願いします」
「今現在は海野翡翠と名乗っています」
適当に付けてもらい、雑に名乗っている名前だが、あっという間に馴染んで来た感がある。
「本名が在りますか?」
「記憶が曖昧なので、本来の名前が出てきません。、このミサゴさんにつけて貰いました」
「なる程………ところで、本当に無理矢理じゃないんですね?」
深刻そうに問われる。
「無理矢理では無いですね?」
積極的に求められてはいるが、自由意思はあると思う。
「年齢は?」
「30だったと記憶してます」
一瞬ギョッとされた、この年齢で驚かれるのは昔からだったと記憶しているので、お約束だ。
「誕生日は?」
「覚えてないので、ご自由に?」
「ご自由にと言われましても」
「こちらで目が覚めた昨日って事で良いですか?」
適当に提案する。
「じゃあ、そんな感じで」
カシャカシャとキーボードをタイプする音が聞こえる。明田琴里はログ担当らしい。
「この人達との関係は?」
「命の恩人になりますかね?」
「具体的には?」
「親不知海岸の辺りで倒れていたのを、このミサゴさんに助けてもらいました」
「何故そんな所に?」
「こちら側の記憶はそこからなので、謎です……」
本当に謎だった。
「では、稀人特記が必要という事ですが、生まれた年代と、記憶にある年代を教えてください、元号やその他、何でも言ってくれて構いません」
「1990年生まれで、こちらに来る前の年代は、2020年だったと記憶してます」
「元号は?」
「西暦ですね、イスキリさんの誕生年だったと思います、和暦の方だと平成か令和の境目だったかな?」
正直この辺は馴染む前だったのでうろ覚えだ。
「近くで歴史的に一番影響のあった出来事は?」
「伝染病、新型ウイルスと、隣国が昔の領土を取り戻せって戦争を始めた事ですかね?」
「住んで居た国の名前は?」
「日ノ本の国です」
「男女比は?」
「数字的には5:5だけど、体感的には6:4」
「男が多い世界だったのですね?」
「ええ、男が余る世界です」
「羨ましい……」
ボソッと言われた、隣の芝生は青いのだろう。
いや、女性にはひたすら甘い世界だった気もするので、実際かなり青そうだ。
「行ったり来たりする技術は無いんですね?」
思わず聞いた。
「有ったら私達も苦労してません」
しみじみと言われた。そりゃそうだ。
「所で、肉体関係は有ったのですか?」
「……昨日はこのミサゴさんと?」
こういったモノは、照れずに誤魔化さずに包み隠さずに答えるのが一番早い。
横でミサゴが真っ赤になった。
「しつこい様ですが無理矢理は?」
「ありませんね?」
「婚姻届に署名が有りますが、コレに強制されたとかは?」
「ありませんね?」
「良いなあ........」
質問とかの問答とは別な、心の底から滲み出した様な、そんなしみじみとした羨望の言葉が聞こえた。
追申
ヤタちゃん、程よく性欲貯めさせた方が雄は優しくなるし、扱いやすくなる。そんな理由で下ごしらえ。
口説かれるのは純粋に楽しみだし、ここら一帯で100人娶ってくれるなら一族繁栄で万々歳、どっちに転んでも損は無い。
そんな打算と損得勘定、全部含めての好き。
基本的に感想は全部承認します、スマホだとボタンが密に並んでいるので、時々ミスります。。
削除なんてしません、大事な感想ですから。
良かったら感想とかハート連打とかお気に入り登録とか、ご協力お願いします。
ちゅっ
もはや違和感が無い位の勢いでキスされた。
触れるだけの軽い奴だが、十分刺激的だった。
「口説いてくれるの、期待しとるぞ?」
そんな事を言ってくる、先程から居る男性保護局の職員なんか気にして居ない様子の上機嫌だった。
「良いなあ……」
職員さん側から、そんな一言が聞こえて来た。
声に釣られてそちらを見る、うっとりと言うか、もの悲しくて寂しそうな感情が見える。
いやいや、そうじゃないと言う感じにかぶりを振って真面目な顔に戻るのが見えた。
確かに心情的にはちょろそうだった。
「改めて紹介させていただきます、男性保護局の職員で、南澤きよらと申します」
先程から一番口数が多い人だ、一番背が小さく、ついでに胸が平たい感がある、美人さんなので需要はありそうだが。
「同じく、職員で明田琴里です」
こちらは幾分おっとりとした感がある美人さん、のんびりとした目つきと、やたらと大きい胸が目立っていた、腰回りは結構細いので、太って居る訳では無いのだろう。
「私は男性護衛官で、山野ハチクマと申します、よろしくお願いします」
一人だけ役職が違う、ボディーガード的なものなのだろうか?
スーツを着ていても筋肉や骨格が見て分かる、かなりしっかり鍛えているのだろう。
3人とも、タイプは違うが、かなりの美人さん揃いだった。
言った通りにヤタちゃんが席を外し、席に座り直した。こちらの席は3人掛けのソファーに、ミサゴ、自分、ツグミさんの順に、挟まれる様に座っている。これ幸いと二人はこちらに体重を預けるようにして来た。
二人とも柔らかいし、良い匂いするし、暖かいので、色々臨戦態勢になりそうなのを必死の理性で押しとどめる。
「では、質問させていただきますが……本当にその距離感で良いんですか?」
どうやら先ほどと同じように、南澤きよらが先頭で話を進めるらしい。
「問題無いですよ?」
この距離感は心地よく感じるぐらいだ。
「この一連の会話は録音されていますので、ご注意を……」
そう言いつつ、テーブルの上にレコーダーアプリが起動して録音状態のスマートフォンが置かれる、いつから録音状態だったのやら。
「まずはお名前をお願いします」
「今現在は海野翡翠と名乗っています」
適当に付けてもらい、雑に名乗っている名前だが、あっという間に馴染んで来た感がある。
「本名が在りますか?」
「記憶が曖昧なので、本来の名前が出てきません。、このミサゴさんにつけて貰いました」
「なる程………ところで、本当に無理矢理じゃないんですね?」
深刻そうに問われる。
「無理矢理では無いですね?」
積極的に求められてはいるが、自由意思はあると思う。
「年齢は?」
「30だったと記憶してます」
一瞬ギョッとされた、この年齢で驚かれるのは昔からだったと記憶しているので、お約束だ。
「誕生日は?」
「覚えてないので、ご自由に?」
「ご自由にと言われましても」
「こちらで目が覚めた昨日って事で良いですか?」
適当に提案する。
「じゃあ、そんな感じで」
カシャカシャとキーボードをタイプする音が聞こえる。明田琴里はログ担当らしい。
「この人達との関係は?」
「命の恩人になりますかね?」
「具体的には?」
「親不知海岸の辺りで倒れていたのを、このミサゴさんに助けてもらいました」
「何故そんな所に?」
「こちら側の記憶はそこからなので、謎です……」
本当に謎だった。
「では、稀人特記が必要という事ですが、生まれた年代と、記憶にある年代を教えてください、元号やその他、何でも言ってくれて構いません」
「1990年生まれで、こちらに来る前の年代は、2020年だったと記憶してます」
「元号は?」
「西暦ですね、イスキリさんの誕生年だったと思います、和暦の方だと平成か令和の境目だったかな?」
正直この辺は馴染む前だったのでうろ覚えだ。
「近くで歴史的に一番影響のあった出来事は?」
「伝染病、新型ウイルスと、隣国が昔の領土を取り戻せって戦争を始めた事ですかね?」
「住んで居た国の名前は?」
「日ノ本の国です」
「男女比は?」
「数字的には5:5だけど、体感的には6:4」
「男が多い世界だったのですね?」
「ええ、男が余る世界です」
「羨ましい……」
ボソッと言われた、隣の芝生は青いのだろう。
いや、女性にはひたすら甘い世界だった気もするので、実際かなり青そうだ。
「行ったり来たりする技術は無いんですね?」
思わず聞いた。
「有ったら私達も苦労してません」
しみじみと言われた。そりゃそうだ。
「所で、肉体関係は有ったのですか?」
「……昨日はこのミサゴさんと?」
こういったモノは、照れずに誤魔化さずに包み隠さずに答えるのが一番早い。
横でミサゴが真っ赤になった。
「しつこい様ですが無理矢理は?」
「ありませんね?」
「婚姻届に署名が有りますが、コレに強制されたとかは?」
「ありませんね?」
「良いなあ........」
質問とかの問答とは別な、心の底から滲み出した様な、そんなしみじみとした羨望の言葉が聞こえた。
追申
ヤタちゃん、程よく性欲貯めさせた方が雄は優しくなるし、扱いやすくなる。そんな理由で下ごしらえ。
口説かれるのは純粋に楽しみだし、ここら一帯で100人娶ってくれるなら一族繁栄で万々歳、どっちに転んでも損は無い。
そんな打算と損得勘定、全部含めての好き。
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