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第96話 番外脱線 釣りとか
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ゴゴゴゴゴゴゴゴ
海面が物騒な音を立てて渦巻いていた。
水しぶきどころか、湯気まで立って見える。
「凄いと言うか、怖いと言うか…………………」
これ着といてくださいとフローティングベスト着せられたのも納得の荒れ模様であった。 船の上ではなく、陸の、防波堤の上からでも呑み込まれそうな、そんな異様な風景だった。
「近くに海があるんだから、釣りとかしてみたい」
海を眺めてそんな事を言ったところ。
「まだ水温低くて、この辺じゃ釣れませんので、確実に釣れる所に行きましょう」
ミサゴが思ったより乗り気でそんな話になり。
車に乗ってレッツゴーとした所、、こんな所に案内された次第だ。
【火力発電 熱水排出 釣り公園】
中々に不思議な文字列の看板が掲げられていた。
「あのこれって?」
思わず聞いてみる。。
「火力発電のシステムは分かりますよね?」
「石油なりなんなりの燃料を燃やしてタービンを……………?」
「その通りです」
話が早くて良いなあという感じにパチパチされる。
「タービンを回す分の沸かされる真水の外側に、冷却用の2次3次冷却水とかは海水使ってまして、一部有効活用と銭湯的にお風呂と温水プールが解放されてますけど、 余った分をこう、そのまま海に流してるわけです」
確かに途中の看板にそれ系。プールと謎温泉があった。
「環境的に?」
負荷は高そうだ。
「多少冷えてるのと、冷たい海水に混ざる事によってプラスマイナスゼロと言う感じで」
「良いんだ?」
「直接的にお亡くなりの温度って訳じゃ無いので、そこまで目くじら立てないと言う事で」
「なるほど」
「でも、周囲より海水温が露骨に高いので、うっかり流れてきてる回遊魚なんかも居ついてまして」
少し区切って、入り口受付の壁面を指さす。
「あんな感じに……愉快なことに……
何だか生息域が熱帯の方じゃないかと思われる名前が今までの戦果と、魚拓と写真セットでずらずらと表示されていた。
少なくともGT、ロウニンアジはこの辺じゃないな? 小笠原とかそっちじゃなかったっけ? うろ覚え知識でも何だかおかしなことになっているらしかった。
「大物とか珍し気なのはこんな扱いです」
「確かに楽しそうだ」
受付を終えて、指定の釣り場に移動する、足元に区画整理の白線と番号が振られていた。
「んで、あの辺、足元から熱水が流れてきて、この辺は、こう対流で渦を巻いてるんで、渦のギリギリ向こうを狙う感じです、普通の防波堤だと足元とかですけど」
「確かに」
足元の海水がごうごうと渦を巻いていた。小物狙いの足元では根掛かりしそうだ。
「泳ぎが派手なの多いので、エサもコレです」
ミサゴがキラキラと光る金属板状のモノを取り出す。スプーンじゃなくて、バイブじゃなくて、海モノだから。
「メタルジグ?」
「正解です、本気で大物が多いので、虫餌のイソメとか使うより楽なのです」
「確かに釣れるなら楽ですわな」
釣れるならだ、本物の餌でない場合、最後の一押しは完全に釣り人の腕の問題なので、地味に大変だったりする。
「ってことで、付けられますか?」
「大丈夫です」
その言葉と共に、セット仕上げ前の装備を受け取る。
「メインラインはリールに巻いてあるPE2号で、ショックリーダーに目隠しフロロ2号を1m位って事で、ラウンドスナップ付けてですね?」
知らん人には、深刻に分からん感じの呪文を唱えるミサゴ、水鳥な名前の面目躍如であった。
「大丈夫です」
本気の初心者だと餌がつけられない、糸が結べない、釣った魚が触れないと、もう連れてくるのやめようの、ないないないの3拍子揃っているものだが、自分はあっちの男の子なので、こういった遊びこそ本懐だ。
そんなわけで、竿を接続して伸ばして、ベイトリールのロックをかちりと外し、糸をガイドに根元から順番に通す、先端まで通ったらワイヤーノットで縛って、編み込みで太くて目立つPEラインを、半透明でピンク色のフロロラインに切り替える、んで、フロロラインを1mほど伸ばして、ラウンドスナップをクリンチノットで縛って取り付けて、後はスナップでメタルジグのアイに接続すると。
「思ったより手際良いですね?」
ミサゴが感心した様子で呟く。
「昔やった記憶があったので」
外来魚釣りとかむやみに流行った世代である。
「なら安心ですね?」
ミサゴがうんうんとうなずく。
「後はドラグだっけ?」
糸引っ張って竿曲げて確認だっけ?
「はい、どうぞ」
ミサゴがぶら下がったメタルジグを無造作に掴む、ドラグは限界の緩々状態で保管されていたらしく、ロック状態でもするすると糸が出て行った。
ハンドル横の調節ねじをある程度締めていくと、ロッドがギリギリまで曲がった状態でやっと糸が出ていく程度になった。
「OKですね?」
最後は割と雑な方の調整だった。ミサゴが手を滑らせてケガしないかと内心そわそわした。
「この辺の水深は?」
「10mってとこで、そのメタルジグだと10秒カウントで着底って感じなんで、底行きたいなら弓角で行きます?」
「5秒で行きましょう?」
ルアーロストとか悲しいので安全ルートで行こうと思う。弓角だと重心バランス的に針の向きが必ず上を向いて沈むのだが、底にひかっかるのは針とは限らないので、言うほど安全ではないのだ、学生時代のなけなしのおこずかいで買った直後にロストなんて日常過ぎて辛かった記憶が掘り起こされる。今回他人の道具で借りものだが、だからといって粗末には出来ない。
貧乏性なのだ。
「そんな訳で、お先です」
ビュン
じぃー
ミサゴが先に仕掛けを投げ込んだ。ロッドのしなりで風を切る音と、リールから糸の出る音が響く。
ちゃぽん
指先で糸の出るペースを調整して、着水の音を調節していた。
「1・2・3・4・5・6.....ん! ひっと!」
着水からのカウントダウン途中でカチンとリールのロックをかけ、大きく合わせた。
「6m、フォール中で行けたんで、活性は良さそうです」
どこか得意気にヒットしたタナ、水深を報告するミサゴ、流石の水鳥だった。
落とし込み、沈む途中で糸の出方からアタリを探る高等テクニックだった。
阿吽の呼吸でハチクマさんがたも網を伸ばしてかかった獲物を回収する、40cm位、大き目の鯖だった。
「ていっ!」
上がってきた暴れる鯖の頭部に、狙いすましたようにアイスピックのような刃物が刺さった。 一瞬で動きを止める鯖。
「流石ぁ」
ミサゴが感心したような声を上げた、活〆と言うか、血があまり出て居ないので、神経〆らしい。
やったのはスズメさんだった。
「折っても良いんですけど、こっちの方がちょっと味が良いので」
得意気に言いつつ、刃物にこびりついた血を拭う。
「そんな訳で、どんどん上げてくださいね?」
釣れるのを前提で話している、このメンバーはかなり上手いらしかった。
結果、
ミサゴがエグイ釣果を上げた、阿吽の呼吸で流れる様に作業するので、ミサゴを休ませない方式らしい。
自分のはどうだって?
ギリギリ丸坊主ではなかったとだけ。
いつの間にか見物人が増えて、結構な騒ぎになり、どこからともなく混ざったツブリさんが、スズキさんやら高級魚のキジハタさんやらを献上しますとクーラーボックスに投げ込んだので、戦果にかかわらず山盛りになった、流石の水鳥組であった。
更にいつの間にか写真を撮られていて、釣り大使扱いされたのは、また別の話であった。
追申
火力発電所の温排水釣り場、実在します。
昔は福一の原子力発電所の温排水でも結構な人数が釣っていたようです。
やたらデカいのが居たとか何とか。
良かったら「感想」とか「いいね」10連打とか「お気に入り登録」とか、ご協力お願いします。
こんなんいくらあっても良いので。
海面が物騒な音を立てて渦巻いていた。
水しぶきどころか、湯気まで立って見える。
「凄いと言うか、怖いと言うか…………………」
これ着といてくださいとフローティングベスト着せられたのも納得の荒れ模様であった。 船の上ではなく、陸の、防波堤の上からでも呑み込まれそうな、そんな異様な風景だった。
「近くに海があるんだから、釣りとかしてみたい」
海を眺めてそんな事を言ったところ。
「まだ水温低くて、この辺じゃ釣れませんので、確実に釣れる所に行きましょう」
ミサゴが思ったより乗り気でそんな話になり。
車に乗ってレッツゴーとした所、、こんな所に案内された次第だ。
【火力発電 熱水排出 釣り公園】
中々に不思議な文字列の看板が掲げられていた。
「あのこれって?」
思わず聞いてみる。。
「火力発電のシステムは分かりますよね?」
「石油なりなんなりの燃料を燃やしてタービンを……………?」
「その通りです」
話が早くて良いなあという感じにパチパチされる。
「タービンを回す分の沸かされる真水の外側に、冷却用の2次3次冷却水とかは海水使ってまして、一部有効活用と銭湯的にお風呂と温水プールが解放されてますけど、 余った分をこう、そのまま海に流してるわけです」
確かに途中の看板にそれ系。プールと謎温泉があった。
「環境的に?」
負荷は高そうだ。
「多少冷えてるのと、冷たい海水に混ざる事によってプラスマイナスゼロと言う感じで」
「良いんだ?」
「直接的にお亡くなりの温度って訳じゃ無いので、そこまで目くじら立てないと言う事で」
「なるほど」
「でも、周囲より海水温が露骨に高いので、うっかり流れてきてる回遊魚なんかも居ついてまして」
少し区切って、入り口受付の壁面を指さす。
「あんな感じに……愉快なことに……
何だか生息域が熱帯の方じゃないかと思われる名前が今までの戦果と、魚拓と写真セットでずらずらと表示されていた。
少なくともGT、ロウニンアジはこの辺じゃないな? 小笠原とかそっちじゃなかったっけ? うろ覚え知識でも何だかおかしなことになっているらしかった。
「大物とか珍し気なのはこんな扱いです」
「確かに楽しそうだ」
受付を終えて、指定の釣り場に移動する、足元に区画整理の白線と番号が振られていた。
「んで、あの辺、足元から熱水が流れてきて、この辺は、こう対流で渦を巻いてるんで、渦のギリギリ向こうを狙う感じです、普通の防波堤だと足元とかですけど」
「確かに」
足元の海水がごうごうと渦を巻いていた。小物狙いの足元では根掛かりしそうだ。
「泳ぎが派手なの多いので、エサもコレです」
ミサゴがキラキラと光る金属板状のモノを取り出す。スプーンじゃなくて、バイブじゃなくて、海モノだから。
「メタルジグ?」
「正解です、本気で大物が多いので、虫餌のイソメとか使うより楽なのです」
「確かに釣れるなら楽ですわな」
釣れるならだ、本物の餌でない場合、最後の一押しは完全に釣り人の腕の問題なので、地味に大変だったりする。
「ってことで、付けられますか?」
「大丈夫です」
その言葉と共に、セット仕上げ前の装備を受け取る。
「メインラインはリールに巻いてあるPE2号で、ショックリーダーに目隠しフロロ2号を1m位って事で、ラウンドスナップ付けてですね?」
知らん人には、深刻に分からん感じの呪文を唱えるミサゴ、水鳥な名前の面目躍如であった。
「大丈夫です」
本気の初心者だと餌がつけられない、糸が結べない、釣った魚が触れないと、もう連れてくるのやめようの、ないないないの3拍子揃っているものだが、自分はあっちの男の子なので、こういった遊びこそ本懐だ。
そんなわけで、竿を接続して伸ばして、ベイトリールのロックをかちりと外し、糸をガイドに根元から順番に通す、先端まで通ったらワイヤーノットで縛って、編み込みで太くて目立つPEラインを、半透明でピンク色のフロロラインに切り替える、んで、フロロラインを1mほど伸ばして、ラウンドスナップをクリンチノットで縛って取り付けて、後はスナップでメタルジグのアイに接続すると。
「思ったより手際良いですね?」
ミサゴが感心した様子で呟く。
「昔やった記憶があったので」
外来魚釣りとかむやみに流行った世代である。
「なら安心ですね?」
ミサゴがうんうんとうなずく。
「後はドラグだっけ?」
糸引っ張って竿曲げて確認だっけ?
「はい、どうぞ」
ミサゴがぶら下がったメタルジグを無造作に掴む、ドラグは限界の緩々状態で保管されていたらしく、ロック状態でもするすると糸が出て行った。
ハンドル横の調節ねじをある程度締めていくと、ロッドがギリギリまで曲がった状態でやっと糸が出ていく程度になった。
「OKですね?」
最後は割と雑な方の調整だった。ミサゴが手を滑らせてケガしないかと内心そわそわした。
「この辺の水深は?」
「10mってとこで、そのメタルジグだと10秒カウントで着底って感じなんで、底行きたいなら弓角で行きます?」
「5秒で行きましょう?」
ルアーロストとか悲しいので安全ルートで行こうと思う。弓角だと重心バランス的に針の向きが必ず上を向いて沈むのだが、底にひかっかるのは針とは限らないので、言うほど安全ではないのだ、学生時代のなけなしのおこずかいで買った直後にロストなんて日常過ぎて辛かった記憶が掘り起こされる。今回他人の道具で借りものだが、だからといって粗末には出来ない。
貧乏性なのだ。
「そんな訳で、お先です」
ビュン
じぃー
ミサゴが先に仕掛けを投げ込んだ。ロッドのしなりで風を切る音と、リールから糸の出る音が響く。
ちゃぽん
指先で糸の出るペースを調整して、着水の音を調節していた。
「1・2・3・4・5・6.....ん! ひっと!」
着水からのカウントダウン途中でカチンとリールのロックをかけ、大きく合わせた。
「6m、フォール中で行けたんで、活性は良さそうです」
どこか得意気にヒットしたタナ、水深を報告するミサゴ、流石の水鳥だった。
落とし込み、沈む途中で糸の出方からアタリを探る高等テクニックだった。
阿吽の呼吸でハチクマさんがたも網を伸ばしてかかった獲物を回収する、40cm位、大き目の鯖だった。
「ていっ!」
上がってきた暴れる鯖の頭部に、狙いすましたようにアイスピックのような刃物が刺さった。 一瞬で動きを止める鯖。
「流石ぁ」
ミサゴが感心したような声を上げた、活〆と言うか、血があまり出て居ないので、神経〆らしい。
やったのはスズメさんだった。
「折っても良いんですけど、こっちの方がちょっと味が良いので」
得意気に言いつつ、刃物にこびりついた血を拭う。
「そんな訳で、どんどん上げてくださいね?」
釣れるのを前提で話している、このメンバーはかなり上手いらしかった。
結果、
ミサゴがエグイ釣果を上げた、阿吽の呼吸で流れる様に作業するので、ミサゴを休ませない方式らしい。
自分のはどうだって?
ギリギリ丸坊主ではなかったとだけ。
いつの間にか見物人が増えて、結構な騒ぎになり、どこからともなく混ざったツブリさんが、スズキさんやら高級魚のキジハタさんやらを献上しますとクーラーボックスに投げ込んだので、戦果にかかわらず山盛りになった、流石の水鳥組であった。
更にいつの間にか写真を撮られていて、釣り大使扱いされたのは、また別の話であった。
追申
火力発電所の温排水釣り場、実在します。
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こんなんいくらあっても良いので。
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