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第140話 閑話 お客でネット組の3人(彩羽視点)時系列123話後
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「でもこれ、夢かな?」
私、彩羽は役所で入籍手続きを終え、各種証明書をもらいつつ、思わずそんな事を言いつつ、横に居る記者娘改め、土井加奈子の頬を右手で軽く抓む。
「私のじゃなく、自分のを抓めっての」
そんな事を言いつつ、お返しとコチラの頬を抓んでくる、以心伝心と言うか、内心は同じなのだろう。
むにっ
むにっ
一人増えた、倉井夜空さんだった。
「すいません自分でやるのもアレ何で」
「了解」
「遠慮しないでやっちゃおう」
「爪は立てない方向で」
お互い気持ちは分かる感じなのだろう、改めて3人でお互いの頬を抓んで円陣を組む。
切羽詰まった感じに、無言で深刻そうに頷き。
「じゃあ」
「せーの!」
ぱちっ
掛け声をかけて全員でお互いの頬を引っ張って指を離した。頬肉を引きちぎる直前で指が滑り、空を切った指がパチンと小さな音を立てる。
「あたたた………」
「千切れる……」
「う………」
3人揃って遠慮無く、目いっぱい引っ張られた頬の痛みに悶絶して、頬を押さえて蹲る。
どいつもこいつも、もうちょっと遠慮しても良いじゃないか。
「まったく、何やっとんだか……」
揃って行った夢確認と、痛みに悶絶する様子を見ていた、正妻上位な少女と言うか幼女、海野ヤタに呆れ顔で見られていた、しゃべり方に独特の老性感が有るが、本気で何者なのやら。
しょうがないじゃないか、トントン拍子過ぎて、夢とか妄想と見分けがつかなくなったと思うじゃないか。
「夢とか詐欺とかの類じゃ無いぞ?」
「いや、どう見てもそっちですよ」
「ま、夜這いに種付けに添い寝で既成事実でってのも、しばらく先じゃからな? 現実感が無いのもしょうがないな?」
「蜜月期間ありですよね?」
ちょっと恨めし気に聞いてみる。
「素直に一人三日、固定でな?」
思わず書類に書かれている順番を指さし確認する。
12345……
乙女の夢な蜜月期間だけど、当然だが、一か月位は先に成るわけだ。
「そこらは順番じゃからな?」
公平に順番通りらしい、追加でお金を積めとか言われない辺り、良心的なのだろう。
「一先ず今はハグでもしてもらっとけ」
一旦抱き収めと、客組の私達三人は翡翠さんに抱き締めてもらい、別れた。
キスまでついてた、男性とのファーストキスだ、女同士なら若さとか、酔った勢いとかで何度かあるのだが、こっちは初めてだ。
心臓が破裂するかと思った。
「「「はあ……」」」
チェックアウトで一連の流れを終え、駅で電車待ちしつつ、思わずため息をつく。
「これ、ネットで報告出来る?」
特定班としては、それこそが至上命題だったが、失敗した時に笑いに変換してダメージコントロールする為のが、手段と目的入れ替わって居るだけだ、本来のアレ的には報告はおまけなのだが、無いのは寂しくも有る。
『駄目でした! 何の成果も!』
『ぷぎゃああ!』
ってやる何時もの流れだったのになあ。
当たりが出ると、それはそれで困ると言うのが判明してしまった。
「出来る訳無い」
加奈子が呟く。
「別の特定班がIPアドレスから個人情報ぶっこ抜きに来るよ?」
夜空が続く。
「だよねえ……」
抜け駆けで籍入れなんて、どんな炎上するか分かったもんじゃない。
ネット組は味方にしても当てに成らないけど、敵に回すと鬱陶しい。
「ネットは兎も角、職場に届け出する?」
籍入れ時に、男性相手の仕送りは多少の税金の優遇と、会社からの補助金が有ったり無かったりするので、大きい企業とか公務員だと届け出しないのは金銭的に勿体無い。
そして同時に、おこぼれを狙う同僚とか上司にバレかねないので、独占的に勿体無い。
「様子見かな、プライバシー保障出来てるっぽければ届け出するけど」
「私の方はブラック気味何で、黙って置く方向で」
夜空さんは大変そうだった。
「まあ、金額少ないから、あんまり変わらないか、私も様子見」
加奈子が続ける。
「本気でタダ同然だと思わなかった」
仕送り月2万とか、働いている組としてはかなり安い、雑誌やネットの情報では月2桁万円とか当たり前なので、それと比べたら実質無料である。
「しかも嫁特典で、宿泊料金永久割引で、独占日にはさらに予約が詰まって居ても泊まれて、さらに安いと……」
「価格破壊にも程がある」
「ふつう逆じゃないかと」
「万一気に入られて、尚且つ告白出来たらの当たりくじにしても、バレたらえらいことに成る」
嫁入り前に、諸々微妙に濁していたのも納得だった。
「これだったら会えない男性アイドルの追っかけとかより近くの何とやらな感じだね」
「近いかどうかをさておいて」
新幹線は通って居るが、何だかんだ翡翠さんの件が無ければ足が遠い地域だ。
こっちに来て帰ってで、一回につき移動費諸々で何万円は普通に飛んでいくが、下手なのに種付け料とか払うよりよっぽど良い。
そもそも男性に対するパイプが無い私は。ここの翡翠さん以外、出くわした事無いし。
そんな感じに3人で意見やら何やらをすり合わせつつ、帰路についた。
そして後日、と言うか翌日『休み取ったんだろう? 今回はどうだった?』と言った同僚達の追及によって、秒でバレ、根掘り葉掘りの後に、社員旅行の行き先が例の”鳥小屋”に成ったのは、もはや笑い話であった。
追申
この三人はまるっきり部外者なので、かなり苦労するのです。
私、彩羽は役所で入籍手続きを終え、各種証明書をもらいつつ、思わずそんな事を言いつつ、横に居る記者娘改め、土井加奈子の頬を右手で軽く抓む。
「私のじゃなく、自分のを抓めっての」
そんな事を言いつつ、お返しとコチラの頬を抓んでくる、以心伝心と言うか、内心は同じなのだろう。
むにっ
むにっ
一人増えた、倉井夜空さんだった。
「すいません自分でやるのもアレ何で」
「了解」
「遠慮しないでやっちゃおう」
「爪は立てない方向で」
お互い気持ちは分かる感じなのだろう、改めて3人でお互いの頬を抓んで円陣を組む。
切羽詰まった感じに、無言で深刻そうに頷き。
「じゃあ」
「せーの!」
ぱちっ
掛け声をかけて全員でお互いの頬を引っ張って指を離した。頬肉を引きちぎる直前で指が滑り、空を切った指がパチンと小さな音を立てる。
「あたたた………」
「千切れる……」
「う………」
3人揃って遠慮無く、目いっぱい引っ張られた頬の痛みに悶絶して、頬を押さえて蹲る。
どいつもこいつも、もうちょっと遠慮しても良いじゃないか。
「まったく、何やっとんだか……」
揃って行った夢確認と、痛みに悶絶する様子を見ていた、正妻上位な少女と言うか幼女、海野ヤタに呆れ顔で見られていた、しゃべり方に独特の老性感が有るが、本気で何者なのやら。
しょうがないじゃないか、トントン拍子過ぎて、夢とか妄想と見分けがつかなくなったと思うじゃないか。
「夢とか詐欺とかの類じゃ無いぞ?」
「いや、どう見てもそっちですよ」
「ま、夜這いに種付けに添い寝で既成事実でってのも、しばらく先じゃからな? 現実感が無いのもしょうがないな?」
「蜜月期間ありですよね?」
ちょっと恨めし気に聞いてみる。
「素直に一人三日、固定でな?」
思わず書類に書かれている順番を指さし確認する。
12345……
乙女の夢な蜜月期間だけど、当然だが、一か月位は先に成るわけだ。
「そこらは順番じゃからな?」
公平に順番通りらしい、追加でお金を積めとか言われない辺り、良心的なのだろう。
「一先ず今はハグでもしてもらっとけ」
一旦抱き収めと、客組の私達三人は翡翠さんに抱き締めてもらい、別れた。
キスまでついてた、男性とのファーストキスだ、女同士なら若さとか、酔った勢いとかで何度かあるのだが、こっちは初めてだ。
心臓が破裂するかと思った。
「「「はあ……」」」
チェックアウトで一連の流れを終え、駅で電車待ちしつつ、思わずため息をつく。
「これ、ネットで報告出来る?」
特定班としては、それこそが至上命題だったが、失敗した時に笑いに変換してダメージコントロールする為のが、手段と目的入れ替わって居るだけだ、本来のアレ的には報告はおまけなのだが、無いのは寂しくも有る。
『駄目でした! 何の成果も!』
『ぷぎゃああ!』
ってやる何時もの流れだったのになあ。
当たりが出ると、それはそれで困ると言うのが判明してしまった。
「出来る訳無い」
加奈子が呟く。
「別の特定班がIPアドレスから個人情報ぶっこ抜きに来るよ?」
夜空が続く。
「だよねえ……」
抜け駆けで籍入れなんて、どんな炎上するか分かったもんじゃない。
ネット組は味方にしても当てに成らないけど、敵に回すと鬱陶しい。
「ネットは兎も角、職場に届け出する?」
籍入れ時に、男性相手の仕送りは多少の税金の優遇と、会社からの補助金が有ったり無かったりするので、大きい企業とか公務員だと届け出しないのは金銭的に勿体無い。
そして同時に、おこぼれを狙う同僚とか上司にバレかねないので、独占的に勿体無い。
「様子見かな、プライバシー保障出来てるっぽければ届け出するけど」
「私の方はブラック気味何で、黙って置く方向で」
夜空さんは大変そうだった。
「まあ、金額少ないから、あんまり変わらないか、私も様子見」
加奈子が続ける。
「本気でタダ同然だと思わなかった」
仕送り月2万とか、働いている組としてはかなり安い、雑誌やネットの情報では月2桁万円とか当たり前なので、それと比べたら実質無料である。
「しかも嫁特典で、宿泊料金永久割引で、独占日にはさらに予約が詰まって居ても泊まれて、さらに安いと……」
「価格破壊にも程がある」
「ふつう逆じゃないかと」
「万一気に入られて、尚且つ告白出来たらの当たりくじにしても、バレたらえらいことに成る」
嫁入り前に、諸々微妙に濁していたのも納得だった。
「これだったら会えない男性アイドルの追っかけとかより近くの何とやらな感じだね」
「近いかどうかをさておいて」
新幹線は通って居るが、何だかんだ翡翠さんの件が無ければ足が遠い地域だ。
こっちに来て帰ってで、一回につき移動費諸々で何万円は普通に飛んでいくが、下手なのに種付け料とか払うよりよっぽど良い。
そもそも男性に対するパイプが無い私は。ここの翡翠さん以外、出くわした事無いし。
そんな感じに3人で意見やら何やらをすり合わせつつ、帰路についた。
そして後日、と言うか翌日『休み取ったんだろう? 今回はどうだった?』と言った同僚達の追及によって、秒でバレ、根掘り葉掘りの後に、社員旅行の行き先が例の”鳥小屋”に成ったのは、もはや笑い話であった。
追申
この三人はまるっきり部外者なので、かなり苦労するのです。
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