貞操逆転世界の温泉で、三助やることに成りました

峯松めだか(旧かぐつち)

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第198話 番外 ルリの下準備、ぐちゃぐちゃな女子会(ルリ視点) 第190話の後

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「えーっと、コレはコレで、アレはコレで……」
 案内されたカラオケルームで、PCと楽器と、カラオケセット等のオーディオ系とカメラ系を片っ端から繋げて行く、ある程度は無線化して居るのだが、どうしても有線に敵わないのだ。
「何とも、大変そうだ?」
 オジロが苦笑を浮かべて見物しつつ、そんな事を言う。
 因みに、ハクトは早くもコレを肴に酒を飲み始めている、非番の時間だから良いんだよと言う事らしい、何とも適当な……
「大した事無いよ、繋げりゃ動くだけだし」
 実際、大した事は無い、こう言った時に困るのは、本当に初回起動と微調整とかなアレコレであって、一度まともに動いたら、ばらしてもう一回程度は迷う事もない。
 正直面倒くさくて、移動どころか、掃除もアレで、今回ばらしたら裏側とか埃まみれだったりしたけど!
 今回はそれどころじゃないし!
「手伝おうかって言いたい所だけど」
「手順説明するより、自分でやっちゃった方が早いんだもん」
 そんな訳で、私の事務所はほぼほぼ私のスタンドプレーのみで成り立っている、人を使うの面倒過ぎた結果な、寂しい生き物である。
 対人恐怖症とかそんな訳じゃない、面倒くさがるといつの間にか人が減って居るだけだ。
 そんな訳で、私の事務所はついでに居たりする妹なコルリだけである、最近はお互い単独行動メインで、丁度ツアーとか他の仕事が立て込んでたので、これ幸いと置き去りの軌跡な訳だが。
 あいつは私と違ってノリと勢いで要領良く世渡りするヤツだから、その内相乗りして来るんだろうなあ。
 まあ、ソレを含めても、私が長女なので、先陣を切るのはいつも私だ。

「所で、ハクトとオジロはあの人、翡翠さんの事はどう見てるの?」
 接続確認のアプリやら何やらを、走らせつつ、雑談に移る、接続を弄った際は、エイジングと言うか、慣らしと言うか、ノイズキャンセルとかの平準化まで色々と弄るのがプロのお仕事なので。
 今更この時代、備え付けの自動フィルタで良いだろうと言われるが、結構違うのだ!
 分かるやつだけの拘りだとしても!
 まあ、大体終わったので、私もちょっともらおう。
 オジロもしょうがないなあって感じにお酒に混ざる。
 乾杯っと。

「質問の意図が分かりませんなあ?」
 ハクトにニヤニヤと返された。
「うわ、鬱陶しい返し……」
 思わず声に出す。
「でも質問が悪い」
 オジロもあきれ顔だった。
「あーもう! 男として!」
 そういえば、遠まわしとか、空気とか、そう言ったアレコレは全無視するタイプの奴だったなこいつ等。
 好き勝手、天上天下唯我独尊で走っていけるタイプの二人である。
「今居る中、少なくとも国内、知る限りでは、一番だと思うよ?」
 ハクトが相変わらず軽い調子で答える。
「そりゃそうだろうさ」
 ソレはもう、来て早々分からされたと言うか何と言うか。
「それ以外言いよう無いし?」
 オジロも同意見なのだろう。
「人当たり……」
「めっちゃ柔らかいと言うか、優しいと言うか?」
 オジロが普通に返す。
「めっちゃ堅いよ、アレとか」
「ぶ……」
 酷い下ネタを出すハクトに思わず吹き出しそうになる。
 と言うか確認済みかい?!
 いや、気に成るけどさ!
 めっちゃ気に成るけどさ!
「あの抱き締められ方で、今更何言ってんのさ?」
「魅力……」
「男性で、私等デカイゴツイ組な自衛隊要員に、物怖じしないで相手してくれる時点で、確定じゃない?」
 オジロが言う、確かにそれは長身組には死活問題。
 女から見ると、格好良いし人気なのにねえ。
「私とか、初対面で真正面に立って、普通に目を逸らさずに見惚れてくれて、私としてもテンション上がっちゃって、思いっきり抱き上げて抱きしめたら、普通に赤くなって興奮してくれたり、思わず楽しくなって、そのまま愛の逃避行のノリで小脇に抱えて走り出すぐらいに?」
 楽しそうに語るハクト、妄想にしては具体的な、まさか実話じゃあるまいな? 何やってんのさコイツ?
 と言うか、お巡りさんコイツです!
 って感じに、警察官のモズ辺り呼んだ方がよさそうな。
「そのまま私に投げ渡すのはどうかと思う」
 オジロも呆れ気味だ。
 当然だが、この二人は知らんところでわちゃわちゃしているらしかった。
 と言うか、この距離で護衛として残って居る辺り、大した問題では無いのだろう。
 他の男性の所だと、一連の行動がどんなアレか、とても怪しいが。
 ソレを含めて、とても寛容?
「婚姻……結婚的には?」
 意を決して切り出す、コレが本題だ。
「私は出会って30分待たずに求婚したね?」
 ハクトがあっけらかんと言う。
「もっと短い? 長い? トータルで一時間はかかって無いしなあ?」
 そんな事をぶつぶつ続けている、割と酔ってるなコイツ。
「嫁ならいっぱい居るけど、旦那は初だね?」
「は?」
 何の事は無いと言う感じに、オジロが続けて、こっちとしては変な声しか出て来なかった。
 口はもうパクパクと無駄に動いて、次の言葉が出て来ない。
「うち等の隊は、僻地の最前線でさ? ファンクラブとかはいっぱい居たけど、それでも惚れたのでついて行きますって言って、有言実行で私等の所まで到着出来たら、全員娶る事にしてるのさ」
「んで、気が付いたら、30人ほどね?」
 後はもうわかるね?
 という感じに、指三本でアレなジェスチャーを入れている。
「お盛ん……」
 どう返していいのか分からんかった。
 女同士なら、男相手よりは法的に軽いのだろうけど、この人望と陽キャ加減は結構驚きだ。
「鍛えてますから~♪」
「わはははは~♪」
 割とぐちゃぐちゃな女子会に成ってしまった。


 追申
 こんな下ごしらえが有ったり無かったり。
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