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第17話 おあずけと、葛藤
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「さてと、諸々すっ飛ばして約束を果たすために書類上は結婚した訳じゃが・・・」
役所に書類を出し、ついでな食材の買い出しを終え。部屋に帰ると、開口一番、葛様が困り気味に首を傾げた。
「じゃが?」
促して見る。
「お主が未だ男らしく無いから諸々お預けじゃな?」
お預けらしい。
「具体的には?」
「まぐわい禁止じゃな」
残念そうに言う。
「まぐわい?」
余り聞いた事の無い単語だ。
「ん? 最近は通じんのか? コレじゃよコレ」
葛様が左手で人差し指と親指で輪っかを作り、右手の人差し指で出し入れする動作をする、えっと・・・
「交尾じゃな」
何の事は無いと言う調子できっぱりと言う。
余りにもあけすけで何も気にする事も無いと言う様子で言う物だから、一瞬意味が解らずぽかんとしたが、少し遅れて意味が解り、照れが来て顔が熱くなる。
「な・・・」
「おー、赤くなった赤くなった」
葛様が悪戯成功と言った調子でニヤニヤと顔を覗き込んで来る。
「残念じゃろう?」
正直、内心真っ赤に成って無駄に熱いこの顔を誤魔化すのが精一杯で何か言う所じゃない。
「やっぱり未だ早そうじゃな?」
呆れたと言う様子で、苦笑を浮かべて居た。
「其れはそうと、一緒に風呂にでも入るか? 昨日は入っておらんじゃろう?」
交尾禁止なのに其れは良いのだろうか?
だが、昨日はお風呂に入って居ないのは確かなので、お風呂に入りたい感も確かにある。
因みに、葛様が帰って来て早々ゴソゴソやって居たので、諸々予測済みらしい。
「ん? ほれ? 何か言わんか?」
葛様がニヤニヤと笑みを浮かべながら覗き込んで来る、其の裸身を思い浮かべてしまい、更に顔が熱くなる。
「ひ・・・」
「ひ?」
「一人で入ります!」
思わず叫んでお風呂に逃げ込んだ。
「ゆっくり入るが良いぞ? (ヘタレめ・・・)」
背中にぼそりと呟いたのが聞こえた気がした。
「ふう・・・・」
かけ湯をして軽く洗い、湯船に浸かる。
昨日葛様と出くわすまでは独り暮らしだった筈だが、いきなり葛様が当然と言った様子で合流してから、あれよあれよと言う間に書類提出で婚姻が成立してしまった。
確かに子供の頃、立場の違いも相手の正体も何も理解せずに。ゆびきりげんまんで結婚の約束を取り付けていた。
だが、思い出したのが本気で昨夜の今日だ、心構えも何もあった物じゃない。
せめて少しだけでも色々整理する時間が欲しい。
そんな事を思いつつ、目を閉じて考える、そもそも葛様を自体はどう思って居るのか・・・
好きか嫌いか・・・
そもそも、あの時一番大好きな人だ、だからこそあの時結婚を申し込んだのだ。
何故か忘れていたが、思い出した今、次々と一緒に居た時の事が浮かんで来る。
確か一緒にお風呂に入った事も有ったような気もする、歳の離れた遠縁の親戚のお姉さんだと思って居たので今と成っては恥ずかしい所では無い、其れこそ物心つく前からの付き合いだ、おむつを替えた事も有るぞと笑われた記憶も発掘された。
・・・・・記憶を封印して忘れた事にしたい。
一人湯に浸かりながら脳内でのた打ち回る。
今でも好きか如何か・・・
葛様はあの時、初恋の時の姿其のままだ、何故か見た目年齢で追い抜いてしまった、年上だと思っていたのだが・・・
いや、実際かなり所では無い位の年上なのだが・・・
都会に出て来た今でも葛様より奇麗で可愛らしい人(?)を知らないし、今でも一番の美人だと思うし、クルクル変わる表情もとても魅力的だと思う。因みに自分はロリコンでは無い、あくまで相手の見た目年齢が幼かっただけだと言い訳させてもらう。
そして、本当に諸々すっ飛ばして書類上結婚してしまった、そして先程の天気雨、狐の嫁入りが有った事から、天界でもこの結婚は受理されたらしいので、今更無かった事にはならないようだ。
どうやら葛様の口振りでは既に諸々の逃げ道は塞がって居る、逃げる意味も無いのだが。
不意討ちで距離が詰まったので混乱しているだけだと納得する。
其処まで考えた所で、諸々の混乱がすとんと腑に落ちる。
やっと、落ち着いた。
そして、先程のエッチ禁止はどう取るのだろう? やはり男らしくと言うと、強く成って、この女装を卒業できれば? だろうか?
この女装、呪い除けで仕方なくやって居る訳で。可愛らしくなるのは其れは其れで嬉しくも有るのだが、男としてどうなのだと言う気の迷いも切り離せない為、内心では結構扱いに困っているのが正直な所なのだ。
そもそもどうすれば卒業できるのだろう?
ガラ
不意に風呂場の扉の空いた音で、思考の海から引き戻され、びくりと目を開けて、音の方向を見る。
目の前には一糸纏わぬ姿で、堂々と仁王立ちする葛様が居た。
追伸
当然ですが、嘘つかれた分の意趣返しでからかって居るだけです、男らしくもう一回告白した上で押し倒して見せろ位の意味です。
前作の和尚辺りだと諸々考えた挙句に性欲で走るので割とノータイムで突破可能。陽希には未だ早いと言うか、逆に10年遅い感じの謎かけ。
役所に書類を出し、ついでな食材の買い出しを終え。部屋に帰ると、開口一番、葛様が困り気味に首を傾げた。
「じゃが?」
促して見る。
「お主が未だ男らしく無いから諸々お預けじゃな?」
お預けらしい。
「具体的には?」
「まぐわい禁止じゃな」
残念そうに言う。
「まぐわい?」
余り聞いた事の無い単語だ。
「ん? 最近は通じんのか? コレじゃよコレ」
葛様が左手で人差し指と親指で輪っかを作り、右手の人差し指で出し入れする動作をする、えっと・・・
「交尾じゃな」
何の事は無いと言う調子できっぱりと言う。
余りにもあけすけで何も気にする事も無いと言う様子で言う物だから、一瞬意味が解らずぽかんとしたが、少し遅れて意味が解り、照れが来て顔が熱くなる。
「な・・・」
「おー、赤くなった赤くなった」
葛様が悪戯成功と言った調子でニヤニヤと顔を覗き込んで来る。
「残念じゃろう?」
正直、内心真っ赤に成って無駄に熱いこの顔を誤魔化すのが精一杯で何か言う所じゃない。
「やっぱり未だ早そうじゃな?」
呆れたと言う様子で、苦笑を浮かべて居た。
「其れはそうと、一緒に風呂にでも入るか? 昨日は入っておらんじゃろう?」
交尾禁止なのに其れは良いのだろうか?
だが、昨日はお風呂に入って居ないのは確かなので、お風呂に入りたい感も確かにある。
因みに、葛様が帰って来て早々ゴソゴソやって居たので、諸々予測済みらしい。
「ん? ほれ? 何か言わんか?」
葛様がニヤニヤと笑みを浮かべながら覗き込んで来る、其の裸身を思い浮かべてしまい、更に顔が熱くなる。
「ひ・・・」
「ひ?」
「一人で入ります!」
思わず叫んでお風呂に逃げ込んだ。
「ゆっくり入るが良いぞ? (ヘタレめ・・・)」
背中にぼそりと呟いたのが聞こえた気がした。
「ふう・・・・」
かけ湯をして軽く洗い、湯船に浸かる。
昨日葛様と出くわすまでは独り暮らしだった筈だが、いきなり葛様が当然と言った様子で合流してから、あれよあれよと言う間に書類提出で婚姻が成立してしまった。
確かに子供の頃、立場の違いも相手の正体も何も理解せずに。ゆびきりげんまんで結婚の約束を取り付けていた。
だが、思い出したのが本気で昨夜の今日だ、心構えも何もあった物じゃない。
せめて少しだけでも色々整理する時間が欲しい。
そんな事を思いつつ、目を閉じて考える、そもそも葛様を自体はどう思って居るのか・・・
好きか嫌いか・・・
そもそも、あの時一番大好きな人だ、だからこそあの時結婚を申し込んだのだ。
何故か忘れていたが、思い出した今、次々と一緒に居た時の事が浮かんで来る。
確か一緒にお風呂に入った事も有ったような気もする、歳の離れた遠縁の親戚のお姉さんだと思って居たので今と成っては恥ずかしい所では無い、其れこそ物心つく前からの付き合いだ、おむつを替えた事も有るぞと笑われた記憶も発掘された。
・・・・・記憶を封印して忘れた事にしたい。
一人湯に浸かりながら脳内でのた打ち回る。
今でも好きか如何か・・・
葛様はあの時、初恋の時の姿其のままだ、何故か見た目年齢で追い抜いてしまった、年上だと思っていたのだが・・・
いや、実際かなり所では無い位の年上なのだが・・・
都会に出て来た今でも葛様より奇麗で可愛らしい人(?)を知らないし、今でも一番の美人だと思うし、クルクル変わる表情もとても魅力的だと思う。因みに自分はロリコンでは無い、あくまで相手の見た目年齢が幼かっただけだと言い訳させてもらう。
そして、本当に諸々すっ飛ばして書類上結婚してしまった、そして先程の天気雨、狐の嫁入りが有った事から、天界でもこの結婚は受理されたらしいので、今更無かった事にはならないようだ。
どうやら葛様の口振りでは既に諸々の逃げ道は塞がって居る、逃げる意味も無いのだが。
不意討ちで距離が詰まったので混乱しているだけだと納得する。
其処まで考えた所で、諸々の混乱がすとんと腑に落ちる。
やっと、落ち着いた。
そして、先程のエッチ禁止はどう取るのだろう? やはり男らしくと言うと、強く成って、この女装を卒業できれば? だろうか?
この女装、呪い除けで仕方なくやって居る訳で。可愛らしくなるのは其れは其れで嬉しくも有るのだが、男としてどうなのだと言う気の迷いも切り離せない為、内心では結構扱いに困っているのが正直な所なのだ。
そもそもどうすれば卒業できるのだろう?
ガラ
不意に風呂場の扉の空いた音で、思考の海から引き戻され、びくりと目を開けて、音の方向を見る。
目の前には一糸纏わぬ姿で、堂々と仁王立ちする葛様が居た。
追伸
当然ですが、嘘つかれた分の意趣返しでからかって居るだけです、男らしくもう一回告白した上で押し倒して見せろ位の意味です。
前作の和尚辺りだと諸々考えた挙句に性欲で走るので割とノータイムで突破可能。陽希には未だ早いと言うか、逆に10年遅い感じの謎かけ。
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