異世界坊主の成り上がり

峯松めだか(旧かぐつち)

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1章 山男のサバイバル

供養

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「ヒャッハー!タネモミヲヨコシナー」

「私以外通じないネタで私が拾わなかったらどうするんですか。」

「拾ってくれたんだから問題無い。」

 灯がジト目でちゃんと拾ってくれたのが嬉しい、水気が多かったのかそれほど集落周辺の木も燃え広がっては居ないようだ、もしくはあいつらが消火活動したのか、物陰からゴブリン村を観察する、どうやらもはやもぬけの殻のようだ、小鬼スレイヤーさんからは怒られそうな打ち漏らしであるが、初回なので大目に見てほしい、逃げた奴らが問題無く討伐されることを祈ろうか。

「ゴブリンは夜行性?」

「夜目が効くので夜は怖いですが奴ら交代で眠るので昼夜関係無いです。」

「そりゃまた怖いな。」

「此処に居たあのでかいのはキングで良いのか?」

「はい、あれがキングでちょっと大きいのがホブ、小さいのが通常種です。」

「俺でも勝てたが強さの扱いは?」

「囲まれなければ小さいのはそこまで怖くはありません、1:1なら普通は負けませんが・・」

「負けたんだな?」

「はい・・」

「囲まれたか?」

「罠張られて囲まれました。」

「そりゃまた怖いな。」

「ホブだと1:1でそこそこの冒険者が互角です。」

「大分強いんだな、このキングだと?」

 キングの死体を確認する、野生の獣に持ってかれたりはしていなかったようだ。不味いのだろうか?

「普通1:1では戦いません、チーム組んで囲まないと死人が出ます。」

「そりゃまた」

「貴方がそこいらの冒険者より強いということです、ギルドにこれを持っていけば懸賞金が出るはずです、この耳を切り落としてください、両耳で1セットです」

「はいよ」

 返事しつつナイフを取り出して切り落とす、

「穴開けて紐通してぶら下げて歩きます、この状態ならそんなに腐りません」

「なるほど」

 故郷だと蛮族扱いされたスタイルだなと要らんことを考えながら耳に穴をあけて紐に通す、「めぼしいもの有るか?」

 物陰から飛び出したりすると怖いので固まって移動する、

「あいつらは私たちの荷物を奪って使うので大抵荷物も運んできてるはずなんです。」

「なるほど、やたらと良いもの使ってるわけだ、自分では作らないんだな?」

「簡単な工作、こういう縄を結ぶとか穴を掘るとかはよくやってます」

「弓矢やら槍も自前か?」

「精度悪いけど自分たちで作ってますね」

「皮鎧とかは?」

「奪った装備で良いのがあったら使う感じで自分では作ってないと言われてます。」

「言われてるだけじゃないだろうな?」

「専門家じゃないのでそこまでは。」

「そんなもんか。」

 家探ししながら質問攻めにする。

「んで、その冒険者証の形状は?」

 そもそも見たことがなかった

「えっと、こう言う薄い金属板です、チェーンや革紐で首からぶら下がってます、二枚組で一枚は死体側に、一枚は持ち帰る用になってます。」

 手で四角を作って大きさを示す、見落として見つから無くなるような大きさではないか。

「うちの故郷でも似たようなもんあるわな。」

 自衛隊も使っているドックタグと同じらしい、死亡率高そうだしな。

 だがこいつらゴブリン相手だと体が無いから二枚組で持ち帰る羽目になりそうだ、とさつ場らしき場所で何枚か見つけた、さらに回っているとゴミ捨て場らしいところに辿り着く、人骨と糞が穴の底に積まれていた、奴らにとってはただの食料の食べ残しらしい、なるほど、これなら殺そうと何だろうとただの生存競争だ、胸を痛める必要は一切無いな。

 ふと灯が蒼い顔でふらふらと。

「って、あぶねえ。」

 咄嗟に腕をつかんで抱き寄せる、若いから耐性無いのか、酷い光景で貧血おこしたらしい。

「どうする?埋めるか?」

 灯をわきに抱えて穴を埋めるかエリスに問う、こういう時この世界での作法が分からない以上俺が手を出す事ではない。

「余裕があったら骨を持って帰ってあげたいですけど、今は町に戻って場所の報告するのが精々です、浄化しないと私たちが病気になりますし。」

「取り乱すかと思ったが冷静で何よりだ。」

「この世界ではよくあることですから・・・」

 エリスが空虚に笑う、諦めた目だ。

「放っておくと他の生き物にも荒らされますからできれば焼却して土をかけてから離れましょう。」

「はいよ。」

 集落の中にはスコップのような物もあったから苦労することは無いだろう、どうにか復帰した灯にも手伝ってもらい近くの茂みから枯葉を集めて火をつける。

「こっちの世界ではこういう時の祈りの言葉とかあるのか?」

「この世界の教会はこういうことには触れませんから、貴方の国では?」

「南無阿弥陀仏」

 手を合わせて唱える、仏教では一番短いお経だ。南無法蓮華経でも良いがこっちの方がなじみがある。

「それは?」

「うちの故郷で偉い仏、阿弥陀様、こっちでの神様にお願いしますと、それだけの意味だ」

「南無阿弥陀仏?」

「南無阿弥陀仏」

 言葉の確認をするように帰ってくるので何度も唱えて見せる、ふと周囲の空気が清浄な感じになってた、薄く光ってるし。

「もしかしてこれ効果出てる?」

 これで効果が出たら近所の寺が聖域になってしまう、こっちの世界はちょろいのか?邪神に対抗する手段が般若心経だったりする世界なのか、心の中の無明の闇を晴らす名目がリアル世界の闇を晴らすのか、

「高位の浄化魔法が発動してます」

「これで救われるなら何よりだが」

 塩とか散米で退散されるゴブリンだったりしたら個人的に笑うが、あれの対象も小鬼とか餓鬼に魑魅魍魎だから字的には合ってるか?現状無いから試しようがないが。何なら般若心経でも唱えるか?まあ丁度良いか。

「じゃあ念入りに供養しておこう」

居住まいを正して燃える火に向きあう。



摩訶般若波羅蜜多心経

まかはんにゃはらみったしんぎょう

観自在菩薩行深般若波羅蜜多時

かんじざいぼさつぎょうじんはんにゃはらみったじ

照見五蘊皆空

しょうけんごうんかいくう

度一切苦厄

どいっさいくやく

舎利子。

しゃりし

色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。

しきふいくう くうふいしき しきそくぜくう くうそくぜしき

受・想・行・識・亦復如是。

じゅそうぎょうしきやくぶにょぜ

舎利子。

しゃりし

是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。

ぜしょほうくうそう、ふしょうふめつ、ふくふじょう、ふぞうふげん

是故空中、無色、無受・想・行・識、

ぜこくうちゅう、むしき、むじゅそうぎょうしき

無眼・耳・鼻・舌・身・意、

むげんにびぜっしんに

無色・声・香・味・触・法。

むしきしょうこうみそくほう

無眼界、乃至、無意識界。

むげんかい、ないし、むいしきかい

無無明・亦無無明尽、乃至、無老死、亦無老死尽。

むむみょう、やくむむみょうじん、ないし、むろうし、やくむろうしじん

無苦・集・滅・道。無智、亦無得。

むくしゅうめつどう、むちやくむとく

以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、

いむしょとっこ、ぼだいさった、えはんにゃはらみったこ

心無罣礙、無罣礙故、無有恐怖

しんむけげ、むけげこ、むうくふ、

遠離・一切・顛倒夢想、究竟涅槃。

おんりいっさい、てんどうむそう、くきょうねはん

三世諸仏、依般若波羅蜜多故、得阿耨多羅三藐三菩提。

さんぜしょうぶつ、えはんにゃはらみったこ、とくあのくたらさんみゃくさんぼだい

故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、

こち、はんにゃはらみった、ぜだいじんしゅ、ぜだいみょうしゅ、ぜむじょうしゅ

是無等等呪、能除一切苦、真実不虚。

ぜむとうどうしゅ、のうじょいっさいく、しんじつふこ

故説、般若波羅蜜多呪。

こせつ、はんにゃはらみったしゅ

即説呪曰、

そくせつしゅわつ

羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶。

ぎゃていぎゃてい、はらぎゃてい、はらそうぎゃてい、ぼじそわか

般若心経

はんにゃしんぎょう



 ゆっくり目を開けて周囲を見渡す、何だか変なものを見るような眼をしてないか?

「寺生まれのTさん?」

 灯が古いネタを出してきた

「寺生まれじゃねえよ。」

「あれよりは若干弱いと?」

「あれ出来たらだれも苦労しねえ」

 仏の教えをあの世でも広めるのが坊主の仕事だが、この世界での布教活動が命題だと言うオチになっていないことを祈ろうか。

「故郷よりは仏の加護強そうだからもしかすると安心かもしれん」

「神様仏様?」

「あっちよりも祈りがいがありそうだな・・」

 浄化すると消えてなくなったりしなければいいが、収入源が消える、気になってさっき切り落とした耳を見る、どうやら無事だ、一安心。

「これからは尚さんじゃなくておしょうさんですね」

 学生時代のあだ名が復活した、喋ってないのに・・・

「好きに呼べ・・・」



「余計なことを聞くかもしれんが、あいつらって繁殖形態どうなってる?」

「親のキングがメスで攫った女の子宮に卵を産みます、次にホブがオスで精子をかけて受精して、通常ゴブリンの精子を餌にして腹の中で育って一週間で生まれます」

 一週間廻されるのか・・・、キングがクイーンだったのかまあ、実質はあんまり変わらんか。

「・・・・・また酷い生態だな。人類に対して悪意しか感じない」

 どっかにいる自分の兄弟で共食いして出てくるサメより酷い。

「最終的に腹を食い破って出てきます・・・」

「・・・よく落ち着いてるな?」

「2匹目のホブにやられなければうまれることは無いの・・・で・・・・」

 よく見ると震えていた、手を握ってみる。

「一つの群れにキングが必ず一体居ます、居なくなるとその群れの一番大きいゴブリンが成長してキングになります。」

「大きさによって性転換か、都合良く出来てるな、人間以外では托卵対象にはならないのか?」

 元の世界でもナポレオンフィッシュ辺りが採用しているシステムだ。

「人間以外だと大き目の家畜とかなら対象です、穴が開いてればいいので。」

 増殖システムが悪意有りすぎる、途中に他の動物が入ってないと機能しない点が余計に酷い。

「何でそんな危険物が野放しなんだ?」

 元の世界だったら念入りに絶滅させている。

「純粋に強いのです・・・」

「そりゃあ真理だ・・・」

「小さい群れのキングはそこまで大きくありませんが、群れの規模に合わせて大きくなります、そして大きくなると手が付けられません。」

「これだからファンタジー世界のモンスターは・・・」

 むしろ人類が残っていることに驚きだが、世の中よくわからん生態系でも意外と生き残っているもんだからそんなものなのだろうと思考を中断した。



 着るものと荷物は見つかったのでほぼ裸でツエルトと言う透けてエロイ状態は解消された、少し残念。



「じゃあ村に案内します、」

 こっちは行く先がない話をしたら案内してくれる流れになった、

「所で気になってたんですけど、膨らんでません?

「なにが?」

 灯が近くによって背比べをして見せる、胸のあたりをこんこんと自分の頭の上から水平チョップが飛ぶ、ん?

「最初の時は首のあたりだったはずです。」

「きのせいじゃないか?」

「服きつくありません?」

 言われてみるとパツパツである、山用装備は動きやすいようにある程度余裕を持たせてあるので気が付かなかったらしい。

「今更背が伸びるか?」

「この世界だと強いモンスター倒せば身体能力上がります、多分昨日キング倒した分が入ったんだと思います」

「なるほどゲームだ・・」

「そう言っても普通はそんなに極端に上がらないんですけど・・・」

「よそ者得点ってやつかな?」

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