65 / 274
3章 活躍する坊主
討伐任務
しおりを挟む
次の日、指定通りギルドに来ると、既にレンタル先、深紅の翼のメンバーは集まっていた。
「お待たせしましたか?」
一言かけて合流する。
「いや、俺たちが速いだけだ、他の奴らも付けて、20人ほどに成る予定だ。」
「大分人数が多いんですね、どんな仕事の予定なんですか?」
大人数での仕事は初めてだ、何をするのだろう?
「ゴブリンの巣、殲滅任務だ、逃がすと困るからこうして人数を集める。」
「ゴブリンですか・・・」
「気が進まないのは判るが、魔の森ならともかく、他の土地に居るとまずいんだ、生態系が崩れると言うより、ゴブリンより強い生き物がほぼ居ない、増殖力がヤバい事に成る。魔の森なら意外とゴブリンを狩れる奴もいるから其処まで増える事も少ないんだが・・・」
外来魚、ブラックバスみたいなもんだろうか?
「それは判りましたが、巣の規模は?」
「俺らが偵察任務で確認したんだが、100匹規模だ、下手に刺激すると巣を移動しちまうから、偵察のみで引き揚げて来た。」
「捕まっていた人とかは?」
「見た限りでは居ない、恐らく他の動物を苗床にした類だろう。」
「攻め方は?」
「素直に囲んで持ち場を守る、残りは遊撃だ。」
「何でそんな効率悪い事を・・・」
思わず突っ込む。
「効率悪いか?」
「素直に燃やして逃げ道だけ塞いだ方が楽です。火攻めできない理由でもあります?」
「いや、火攻めなんかしたら・・そうか、やらない理由もないんだな。」
「山火事と逃がす事、薄い所を抜けられる事、一人で守ってるのが負けたらを考えて。山火事になったら迎え火や切り倒して消化すれば良いと思いますが。」
それで如何にかなる規模の火事で収まれば理想だが、火の広がり方勝負だ。
「んー、出来ない事も無いし、この時期の雨は・・・」
「この時期はこの辺乾期ですか雨期ですか?」
正直此処で一年過ごした訳では無いので、気候の事も正直分からない。
「そろそろ雨期になるな、最悪天の恵みに任せるか。」
雨の降る時期なら大規模に燃えた影響での雨乞い効果も期待できる。
仏教的に水担当は、水天が居た、「天之水分神・国之水分神」(あめのみくまりのかみ・くにのみくまりのかみ)と「天御中主神」(あめのみなかぬしのかみ)の習合で、竜の化身、ん?竜か。
「ちょっと持って行きたい物があるんで、ギルマスに合って来ます。」
「ああ、装備は調えて置いてくれ、二日がかりの強行軍になる予定だ、こっちも油調達して置く。」
どうやら火計も選択肢に入ったらしい。
職員を捕まえてギルマスを呼び、前回の竜の鱗を一枚もらっておく。骨と牙は復元の関係で大事なので枚数の多い鱗になった。大規模に影響する雨乞いだとするのならば触媒は必要だろう。
急いで朝市に行き、食料を調達して置く、二人に一食分の食料はもらっているが、2日だと足りない。
「よし、集まったな、新顔も居るから、紹介して置く。「深紅の翼」の期待の臨時メンバー、和尚だ。よろしく頼む。下手な詮索はするな、ギルマスに睨まれるぞ。」
ハハハ、と乾いた笑いが一同に浮かぶ、成るほど、義父上の仕込みもありか。視線がこちらに集中したので。
「よろしくお願いします。」
と、頭を下げて置く。
どうやら今回の大規模PTの全体リーダー扱いらしい、深紅の翼のリーダーが仕切っている。
「んで、今回は俺、ヒゲクマが全体を仕切らせてもらう。異論はないな?」
名前がそのまんまだ、覚えやすくて良い。
「「「「オウ!」」」」
結構ノリが良いらしく、反対者も居ない様だ。
「それじゃあ行って来る、無事を祈っててくれ。」
「はい、行ってらっしゃいませ。」
職員一同に見送られて出発した。
「現在地がこの辺で、予定地はここだ、この辺に集落があるから、実際何処に放火するかは現地に着いてからだな。」
沼のほとりで休憩しながら、地図を広げて、改めて場所を確認する。
「今日は早いがこの辺で一泊、夜明けきる前の早朝に出発して、朝のうちに到着だな、下手に大人数で近づくと、気づかれて警戒される上に寝込み襲われるからな。」
「なるほど。」
「夜警は2人ずつ、1時間交代だ、くじで決めるが、飯炊きした奴は免除だ、どっちにする?」
「じゃあ料理で。何作ります?」
「汁物で一品作ってくれれば良い。不味いの作るんじゃないぞ?」
「りょーかい。」
大鍋いっぱいに保存用の干し肉と適当な野菜を放り込んでスープを作った、どうやら好評だったので全て無くなった。
器はそれぞれ自前らしく、終わってからの洗い物は大鍋だけで済んだ。
一部で酒を飲んではしゃいでいるのが居るが、明日の朝は早いらしいので、ツエルトを設置して寝ることにした。考えてみると、一人で寝るのはこの世界に来て初日以来の二回目か、ずーっと灯とエリスが付いて居てくれたな、助かったのは俺なのか、それとも二人か、肉体的には俺が助けた訳だが、精神的には助けられた側か。生前、向こうの世界でここまで受け入れられた事も無かったしな、俺にとってこの世界は救いそのものだが、灯とエリスにとっては如何なのだろう?そんな益体も無い事を考えながら眠りについた。
「お待たせしましたか?」
一言かけて合流する。
「いや、俺たちが速いだけだ、他の奴らも付けて、20人ほどに成る予定だ。」
「大分人数が多いんですね、どんな仕事の予定なんですか?」
大人数での仕事は初めてだ、何をするのだろう?
「ゴブリンの巣、殲滅任務だ、逃がすと困るからこうして人数を集める。」
「ゴブリンですか・・・」
「気が進まないのは判るが、魔の森ならともかく、他の土地に居るとまずいんだ、生態系が崩れると言うより、ゴブリンより強い生き物がほぼ居ない、増殖力がヤバい事に成る。魔の森なら意外とゴブリンを狩れる奴もいるから其処まで増える事も少ないんだが・・・」
外来魚、ブラックバスみたいなもんだろうか?
「それは判りましたが、巣の規模は?」
「俺らが偵察任務で確認したんだが、100匹規模だ、下手に刺激すると巣を移動しちまうから、偵察のみで引き揚げて来た。」
「捕まっていた人とかは?」
「見た限りでは居ない、恐らく他の動物を苗床にした類だろう。」
「攻め方は?」
「素直に囲んで持ち場を守る、残りは遊撃だ。」
「何でそんな効率悪い事を・・・」
思わず突っ込む。
「効率悪いか?」
「素直に燃やして逃げ道だけ塞いだ方が楽です。火攻めできない理由でもあります?」
「いや、火攻めなんかしたら・・そうか、やらない理由もないんだな。」
「山火事と逃がす事、薄い所を抜けられる事、一人で守ってるのが負けたらを考えて。山火事になったら迎え火や切り倒して消化すれば良いと思いますが。」
それで如何にかなる規模の火事で収まれば理想だが、火の広がり方勝負だ。
「んー、出来ない事も無いし、この時期の雨は・・・」
「この時期はこの辺乾期ですか雨期ですか?」
正直此処で一年過ごした訳では無いので、気候の事も正直分からない。
「そろそろ雨期になるな、最悪天の恵みに任せるか。」
雨の降る時期なら大規模に燃えた影響での雨乞い効果も期待できる。
仏教的に水担当は、水天が居た、「天之水分神・国之水分神」(あめのみくまりのかみ・くにのみくまりのかみ)と「天御中主神」(あめのみなかぬしのかみ)の習合で、竜の化身、ん?竜か。
「ちょっと持って行きたい物があるんで、ギルマスに合って来ます。」
「ああ、装備は調えて置いてくれ、二日がかりの強行軍になる予定だ、こっちも油調達して置く。」
どうやら火計も選択肢に入ったらしい。
職員を捕まえてギルマスを呼び、前回の竜の鱗を一枚もらっておく。骨と牙は復元の関係で大事なので枚数の多い鱗になった。大規模に影響する雨乞いだとするのならば触媒は必要だろう。
急いで朝市に行き、食料を調達して置く、二人に一食分の食料はもらっているが、2日だと足りない。
「よし、集まったな、新顔も居るから、紹介して置く。「深紅の翼」の期待の臨時メンバー、和尚だ。よろしく頼む。下手な詮索はするな、ギルマスに睨まれるぞ。」
ハハハ、と乾いた笑いが一同に浮かぶ、成るほど、義父上の仕込みもありか。視線がこちらに集中したので。
「よろしくお願いします。」
と、頭を下げて置く。
どうやら今回の大規模PTの全体リーダー扱いらしい、深紅の翼のリーダーが仕切っている。
「んで、今回は俺、ヒゲクマが全体を仕切らせてもらう。異論はないな?」
名前がそのまんまだ、覚えやすくて良い。
「「「「オウ!」」」」
結構ノリが良いらしく、反対者も居ない様だ。
「それじゃあ行って来る、無事を祈っててくれ。」
「はい、行ってらっしゃいませ。」
職員一同に見送られて出発した。
「現在地がこの辺で、予定地はここだ、この辺に集落があるから、実際何処に放火するかは現地に着いてからだな。」
沼のほとりで休憩しながら、地図を広げて、改めて場所を確認する。
「今日は早いがこの辺で一泊、夜明けきる前の早朝に出発して、朝のうちに到着だな、下手に大人数で近づくと、気づかれて警戒される上に寝込み襲われるからな。」
「なるほど。」
「夜警は2人ずつ、1時間交代だ、くじで決めるが、飯炊きした奴は免除だ、どっちにする?」
「じゃあ料理で。何作ります?」
「汁物で一品作ってくれれば良い。不味いの作るんじゃないぞ?」
「りょーかい。」
大鍋いっぱいに保存用の干し肉と適当な野菜を放り込んでスープを作った、どうやら好評だったので全て無くなった。
器はそれぞれ自前らしく、終わってからの洗い物は大鍋だけで済んだ。
一部で酒を飲んではしゃいでいるのが居るが、明日の朝は早いらしいので、ツエルトを設置して寝ることにした。考えてみると、一人で寝るのはこの世界に来て初日以来の二回目か、ずーっと灯とエリスが付いて居てくれたな、助かったのは俺なのか、それとも二人か、肉体的には俺が助けた訳だが、精神的には助けられた側か。生前、向こうの世界でここまで受け入れられた事も無かったしな、俺にとってこの世界は救いそのものだが、灯とエリスにとっては如何なのだろう?そんな益体も無い事を考えながら眠りについた。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】
kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。
※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。
『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。
※表紙は生成AIで作ってみたイメージです。(シャルルが難しい…)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
構造理解で始めるゼロからの文明開拓
TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。
適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。
だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――!
――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
恋愛
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる