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3章 活躍する坊主
第62話 現状の説明と石鹸
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「良いの?貸しちゃって?むしろこの辺そんなに危なかったの?」
灯が改めてエリスに質問する。先ほど納得したような動きだったが、やはり納得は行かなかったようだ。
「其処らは俺も聞きたい。」
エリスの様子も真面目に切羽詰まっていたようだが。
「此処で話すと聞かれた時怖いので、これ終わったら帰って話します。」
運ばれてきた酒と果実水をそれぞれ飲み干す。
「ご馳走様でした、私たちは先に帰ってます。」
エリスが先ほどのPTのリーダーに断りを入れる。
「ああ、さっきので問題無い様だったらサイン入れてギルドに届けてくれ、明日の朝から討伐任務あるから、大丈夫だったら参加頼む。」
特に気にした様子もなく明日の予定を告げて来る、どうやら俺は参加という事でこの人の中で固まっているらしい。
「はい。お願いします。」
こうして、珍しくエリスは俺の意見も聞かず、レンタルされることとなった。
「で、結局何で?」
家に帰っていたので灯が改めてエリスに詰め寄る。
「お義父さんが最近忙しそうにしてます、魔物の生息域がズレて、大量発生の予兆じゃないかって。」
「それってそんなに危ないの?」
「前回は10数年前です、ゴブリンが大量発生して、この村、当時は町だったらしいけど、殆どの人が死んで、村に格下げされたんです、領主も其の時死んで、ギルドの責任者も何も居なくなったから、それの後釜って言う事で、お義父さんにギルマスと領主代行の権限を中央に押し付けられて、今に至ります。聞いた話ですが。」
「あの時は酷かったわね・・」
義母上が憂鬱そうな様子で呟く。
「あの門の外ゴブリンで埋まった挙句に、あの死体が山になって、文字通り仲間の死体を踏みしめて登って来るの・・・」
段々と目が座ってきた。
「最終的に門と外壁がただの坂扱いになって、残りの分がまとめて・・・あそこ埋まる分で何百何千って殺してるはずなのに、全然減る気配が無くて・・・、戦列が延々と後退した挙句に、私たちが取り残されて・・・」
義母上のトラウマスイッチを踏んでしまったらしく、遠い目で話し続ける。
「・・・最終的に群れの中央が私たちを迂回したからまだ生きてるだけで、あの時にキングとチャンピオンなんて出くわしたら、何も残ってなかった。」
やっと話し終わったらしく、昔語りが止まった。
「チャンピオンって実際居たんですか?」
エリスが思わず問いただした。
「皆、見間違いだって、遠目だから大きさ間違えたんだろうなんて言ってたけど、明らかにキングよりでかいのが居た、ただそれだけ。何もわからないから居ない事にしてるだけ。」
酒でも飲まないとやってられないという様子で、酒瓶を引っ張り出したので、流石に止める、妊婦に酒は厳禁だ。何時もは飲まないのに、よっぽどらしい。代わりに大量にあるオレンジで果実水を作って飲ませて落ち着かせる。
例のオレンジの香り付き石鹸はある程度出来上がったので試した所、とても好評で、出来上がる前から既に量産モードになっている為、皮だけ削ったオレンジやらの柑橘系が大量に余ると言う事態になっている。
前回塩を入れ忘れたので、固まり切らないソフトソープになってしまったのだが、運びにくいが、溶けやすくて使いやすいとむしろ好評だった。おすそ分けと言う名目処か、義母上はそのまま商業ラインに乗せてしまう気の様で、ギルド経由で卸して売る気で作っている、流通経費が掛からなくなるので、かなり安く卸せるが、行商人が運んで来た固形石鹸の相場の兼ね合いもあって、格安とは行かず、かなりの儲けを見込んでいるらしい。
下手するとこれだけで生活出来そうだと試算しているようですが、それは狸の皮算用では?
出来れば段階追って安くして普及させてくださいよ?
何はともあれ、衛生状態はかなり改善しそうで何よりだ。
念の為、専売法とかあるのかと聞いたところ、利権がちがちの中央と比べて、辺境の開拓村はそんな規制は実質無いから、何も気にする事は無いらしい。ひとまず安心。
ついでに、灯がリンスやトリートメントを欲しがったので、オリーブオイルで代用している、日本人としては椿油が最上だが、ギリシャ等ではオリーブオイルなので、何も間違っていない。
下手な保存料も何も入って居ないので、カブレにくい、酸化する前の新鮮な油である必要はあるが、酸化したら石鹸にするだけなので、特に問題は無い。灯もエリスも義母上も髪はつやつやで、ご近所の井戸端会議でも良く褒められるらしく、髪を褒めるとご機嫌だ。
「そんなわけで、現状和尚さん休ませると、この村処か色々滅びかねません。すいませんがお願いします。」
余計な方向に思考が脱線したが、レンタルされる話は継続中だ。
「それは大げさじゃないか?」
流石にそんな数万単位の群れを一人でどうにかできると思えない。
「和尚さんは自分の価値がわかってないんです。一緒に居られないのは心苦しいですが、その分は帰って来てからと、お休みの日に可愛がって下さい。」
「そっちは要求するんだな、飽きられたとかじゃなくて良かった。」
「当然です、飽きるなんてありえません。」
売り言葉に買い言葉でエリスがのろけ始める、灯と義母上がにやにやと見物している、いや、灯も当事者だろうに。とりあえず抱きしめておけばいいだろうか?手を回すと抵抗もなくそのまま張り付いて来るので、問題無いらしい。
「わかったわかった、そんなわけで、明日から、他のPTと出かけて来ますので、お願いします。」
「はいはい、いってらっしゃい。気を付けてね。」
義母上に改めて言っておく。
「それじゃあ、可愛がってきます。」
「あ、私もお願いします。」
頑張ってね~と言う様子で手を振る義母上に見送られて部屋に引っ込んだ。
灯が改めてエリスに質問する。先ほど納得したような動きだったが、やはり納得は行かなかったようだ。
「其処らは俺も聞きたい。」
エリスの様子も真面目に切羽詰まっていたようだが。
「此処で話すと聞かれた時怖いので、これ終わったら帰って話します。」
運ばれてきた酒と果実水をそれぞれ飲み干す。
「ご馳走様でした、私たちは先に帰ってます。」
エリスが先ほどのPTのリーダーに断りを入れる。
「ああ、さっきので問題無い様だったらサイン入れてギルドに届けてくれ、明日の朝から討伐任務あるから、大丈夫だったら参加頼む。」
特に気にした様子もなく明日の予定を告げて来る、どうやら俺は参加という事でこの人の中で固まっているらしい。
「はい。お願いします。」
こうして、珍しくエリスは俺の意見も聞かず、レンタルされることとなった。
「で、結局何で?」
家に帰っていたので灯が改めてエリスに詰め寄る。
「お義父さんが最近忙しそうにしてます、魔物の生息域がズレて、大量発生の予兆じゃないかって。」
「それってそんなに危ないの?」
「前回は10数年前です、ゴブリンが大量発生して、この村、当時は町だったらしいけど、殆どの人が死んで、村に格下げされたんです、領主も其の時死んで、ギルドの責任者も何も居なくなったから、それの後釜って言う事で、お義父さんにギルマスと領主代行の権限を中央に押し付けられて、今に至ります。聞いた話ですが。」
「あの時は酷かったわね・・」
義母上が憂鬱そうな様子で呟く。
「あの門の外ゴブリンで埋まった挙句に、あの死体が山になって、文字通り仲間の死体を踏みしめて登って来るの・・・」
段々と目が座ってきた。
「最終的に門と外壁がただの坂扱いになって、残りの分がまとめて・・・あそこ埋まる分で何百何千って殺してるはずなのに、全然減る気配が無くて・・・、戦列が延々と後退した挙句に、私たちが取り残されて・・・」
義母上のトラウマスイッチを踏んでしまったらしく、遠い目で話し続ける。
「・・・最終的に群れの中央が私たちを迂回したからまだ生きてるだけで、あの時にキングとチャンピオンなんて出くわしたら、何も残ってなかった。」
やっと話し終わったらしく、昔語りが止まった。
「チャンピオンって実際居たんですか?」
エリスが思わず問いただした。
「皆、見間違いだって、遠目だから大きさ間違えたんだろうなんて言ってたけど、明らかにキングよりでかいのが居た、ただそれだけ。何もわからないから居ない事にしてるだけ。」
酒でも飲まないとやってられないという様子で、酒瓶を引っ張り出したので、流石に止める、妊婦に酒は厳禁だ。何時もは飲まないのに、よっぽどらしい。代わりに大量にあるオレンジで果実水を作って飲ませて落ち着かせる。
例のオレンジの香り付き石鹸はある程度出来上がったので試した所、とても好評で、出来上がる前から既に量産モードになっている為、皮だけ削ったオレンジやらの柑橘系が大量に余ると言う事態になっている。
前回塩を入れ忘れたので、固まり切らないソフトソープになってしまったのだが、運びにくいが、溶けやすくて使いやすいとむしろ好評だった。おすそ分けと言う名目処か、義母上はそのまま商業ラインに乗せてしまう気の様で、ギルド経由で卸して売る気で作っている、流通経費が掛からなくなるので、かなり安く卸せるが、行商人が運んで来た固形石鹸の相場の兼ね合いもあって、格安とは行かず、かなりの儲けを見込んでいるらしい。
下手するとこれだけで生活出来そうだと試算しているようですが、それは狸の皮算用では?
出来れば段階追って安くして普及させてくださいよ?
何はともあれ、衛生状態はかなり改善しそうで何よりだ。
念の為、専売法とかあるのかと聞いたところ、利権がちがちの中央と比べて、辺境の開拓村はそんな規制は実質無いから、何も気にする事は無いらしい。ひとまず安心。
ついでに、灯がリンスやトリートメントを欲しがったので、オリーブオイルで代用している、日本人としては椿油が最上だが、ギリシャ等ではオリーブオイルなので、何も間違っていない。
下手な保存料も何も入って居ないので、カブレにくい、酸化する前の新鮮な油である必要はあるが、酸化したら石鹸にするだけなので、特に問題は無い。灯もエリスも義母上も髪はつやつやで、ご近所の井戸端会議でも良く褒められるらしく、髪を褒めるとご機嫌だ。
「そんなわけで、現状和尚さん休ませると、この村処か色々滅びかねません。すいませんがお願いします。」
余計な方向に思考が脱線したが、レンタルされる話は継続中だ。
「それは大げさじゃないか?」
流石にそんな数万単位の群れを一人でどうにかできると思えない。
「和尚さんは自分の価値がわかってないんです。一緒に居られないのは心苦しいですが、その分は帰って来てからと、お休みの日に可愛がって下さい。」
「そっちは要求するんだな、飽きられたとかじゃなくて良かった。」
「当然です、飽きるなんてありえません。」
売り言葉に買い言葉でエリスがのろけ始める、灯と義母上がにやにやと見物している、いや、灯も当事者だろうに。とりあえず抱きしめておけばいいだろうか?手を回すと抵抗もなくそのまま張り付いて来るので、問題無いらしい。
「わかったわかった、そんなわけで、明日から、他のPTと出かけて来ますので、お願いします。」
「はいはい、いってらっしゃい。気を付けてね。」
義母上に改めて言っておく。
「それじゃあ、可愛がってきます。」
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頑張ってね~と言う様子で手を振る義母上に見送られて部屋に引っ込んだ。
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