146 / 274
4章 助けた少女とその後
第145話 倒れている神父と、ゴリ押しのこじ付け
しおりを挟む
教会に到着、大扉を開けて礼拝堂に入ると、目の前で神父さんが大の字で俯せに倒れていた。
一瞬何かあったのかと周囲を見るが、特に何もない、横に居るエリスが驚く様子も無いので、通常の風景なのだろう。
「お祈り中ですね、急ぎでは無いので、少し待ちましょう。」
エリスが説明する、やっぱりお祈りなのか。
「あの体勢が祈りなんですか?」
灯が驚いた様子で呟く、五体投地はメジャーじゃないしな。
「五体投地、この身を大地に投げだします、だっけ?」
一応元の世界にも無い事も無い範囲の祈り方だ。まるっきり倒れるのは珍しいが・・・
仏教では土下座しながらにじり寄るのが五体投地と呼ばれるのだ。
「この世界の神様は、破壊と再生を司る、大いなる大地神です、其の大地に其の身を投げ出して大地と一体になり、大地の声を聴き、祈りの声を届けるんです。」
「成程・・・」
灯も納得した様子だ。
「もっとしっかりした正式な祈りは、こうした教会の床、祭壇前の石畳では無く、自然の地面や砂、石や岩の上でやるものですがね。」
神父さんが祈りを終えたのか、起き上がってエリスの言葉を補足する。
「中央の偉い方々は、其れで服が汚れるのを嫌がって、特注で専用の豪華な台座と敷物を作って、念入りに掃除させていたりしますので、神の声は遠そうです。」
何気に愚痴る神父さん、中央のお偉いさん方に思う事は有るらしい。中央の権力持ちが腐るのはお約束なのだろうか?
前回鬼子母神の木仏を贈ったが、大地として横に成って居るのなら、シヴァ神関係の仏でも贈ろうか?
息子のガネーシャの首を斬られ、キレて暴れる嫁のパールヴァディに踏まれて大地を守るシヴァ神のイメージと被ってしまったのだ。
因みに、仏教的に純粋な大地の仏は、地天(ちてん)もしくは堅牢地天(けんろうちてん)が有るのだが、やはりマイナーである・・・
仏教的にシヴァ神は破壊と再生を司る大自在天(だいじざいてん)。何故か仏教の仏だが、仏敵と言う反逆属性が付いて居たりする。敵であっても取り込む辺り仏教は強い、因みに天部の仏は結構仏敵付きが居たりするので、中々複雑である。
他の有名所では七福神の大黒天、シヴァと大国主が融合して出来上がった仏である、土地の豊饒と富を象徴する仏だ。
自分達には戦闘神として馴染み深い不動明王もシヴァ神の戦闘モードなので、意外と身近である。
もっとも、大自在天を取り込む際に大日如来の指示で不動明王にシヴァ神が殴られたと言う小ネタが有ったりもするのだが、其処等辺は各宗教のガバガバ設定のたまものである。
大日如来の戦闘モードが不動明王なのにシヴァの戦闘モードも不動明王だったりする謎矛盾は置いて置く。
流石に大自在天は無いので、先ずは不動明王を贈ろう、いっその事混ぜよう。
「これも納めさせてください、私の世界での大地の神の化身です。」
不動明王の木仏を取り出す。
「貴方の世界でも、私達の世界の神が居るのですか?」
少々納得がいかない様子だが、補足しよう。
「神や仏と言う物は、全知全能で変幻自在、人とは理が違うので、姿形はその時に合わせて変わります、其のまま大地の姿では動き難いので、人に近いこの姿を取るのです、これを変化と言います、姿形は飾りなのです。」
因みに、現地の神の同一化は日本神道でも太陽神、天照大神(あまてらすおおかみ)と大日如来(だいにちにょらい)が混ざり、密教系では大日如来が最高位なのは其のせいである。
此方で勝手に混ぜた事によって、此方の神の権能が増えたりしたら、それはそれで大笑いなのだが、どうなる事やら。
因みにこの宗教侵略システム、仏教等の多神教が優れている点は、神を神のまま取り込める点にある、権能が同一だったり性質が被った場合、此方の神が同一なので、御仲間ですと言い張れるのだ。
一神教ではその神は偽物だ、うちの神こそ本物、異教徒は死ねと言う展開に成るので、争いの元である。
改変禁止だった場合は怖いが、中央に反発しているのであれば多少擦れているのであろう。
「では、有難く頂きましょう。」
神父さんが恭しく不動明王の木仏を受け取ってくれた。宗教侵略第二段階、神と仏の同一化がこうして完了した。
因みに、前回の鬼子母神(きしもじん)の木仏は教会の端っこだが、しっかりと祭壇付きで納められている、納めて安心である。
「所で、あの娘の目が覚めたそうですが。」
やっと本題である、忘れて居た訳では無い。
「はい、先程目を覚まされました、喋れるので、意識もはっきりしているようです。食欲もあるようですので、今子供たちにお願いして、食事の準備をしてもらって居ます、私はその間に、こうして大地の神に感謝の祈りを捧げて居たのです。」
「おじいちゃ・・・神父様、食事の準備が出来ました。」
子供達が食事の準備が出来たと呼びに来てくれた、来客が有ったので言い直したようだ。そうか、おじいちゃんなのか。
「はい、有り難うございます、では、私達も食事にしましょう。」
そう言って、食事、野菜のスープとパンがお盆に乗せて渡された。
「これを届けてあげて下さい、一番奥の部屋です、私や子供達が届けるより、貴方たちが届けてあげた方が喜ぶと思いますので、お願いします。」
色々気を使ってくれているらしい。
「はい、任されました。」
さてと、どんなリアクションを取られるかな?
一瞬何かあったのかと周囲を見るが、特に何もない、横に居るエリスが驚く様子も無いので、通常の風景なのだろう。
「お祈り中ですね、急ぎでは無いので、少し待ちましょう。」
エリスが説明する、やっぱりお祈りなのか。
「あの体勢が祈りなんですか?」
灯が驚いた様子で呟く、五体投地はメジャーじゃないしな。
「五体投地、この身を大地に投げだします、だっけ?」
一応元の世界にも無い事も無い範囲の祈り方だ。まるっきり倒れるのは珍しいが・・・
仏教では土下座しながらにじり寄るのが五体投地と呼ばれるのだ。
「この世界の神様は、破壊と再生を司る、大いなる大地神です、其の大地に其の身を投げ出して大地と一体になり、大地の声を聴き、祈りの声を届けるんです。」
「成程・・・」
灯も納得した様子だ。
「もっとしっかりした正式な祈りは、こうした教会の床、祭壇前の石畳では無く、自然の地面や砂、石や岩の上でやるものですがね。」
神父さんが祈りを終えたのか、起き上がってエリスの言葉を補足する。
「中央の偉い方々は、其れで服が汚れるのを嫌がって、特注で専用の豪華な台座と敷物を作って、念入りに掃除させていたりしますので、神の声は遠そうです。」
何気に愚痴る神父さん、中央のお偉いさん方に思う事は有るらしい。中央の権力持ちが腐るのはお約束なのだろうか?
前回鬼子母神の木仏を贈ったが、大地として横に成って居るのなら、シヴァ神関係の仏でも贈ろうか?
息子のガネーシャの首を斬られ、キレて暴れる嫁のパールヴァディに踏まれて大地を守るシヴァ神のイメージと被ってしまったのだ。
因みに、仏教的に純粋な大地の仏は、地天(ちてん)もしくは堅牢地天(けんろうちてん)が有るのだが、やはりマイナーである・・・
仏教的にシヴァ神は破壊と再生を司る大自在天(だいじざいてん)。何故か仏教の仏だが、仏敵と言う反逆属性が付いて居たりする。敵であっても取り込む辺り仏教は強い、因みに天部の仏は結構仏敵付きが居たりするので、中々複雑である。
他の有名所では七福神の大黒天、シヴァと大国主が融合して出来上がった仏である、土地の豊饒と富を象徴する仏だ。
自分達には戦闘神として馴染み深い不動明王もシヴァ神の戦闘モードなので、意外と身近である。
もっとも、大自在天を取り込む際に大日如来の指示で不動明王にシヴァ神が殴られたと言う小ネタが有ったりもするのだが、其処等辺は各宗教のガバガバ設定のたまものである。
大日如来の戦闘モードが不動明王なのにシヴァの戦闘モードも不動明王だったりする謎矛盾は置いて置く。
流石に大自在天は無いので、先ずは不動明王を贈ろう、いっその事混ぜよう。
「これも納めさせてください、私の世界での大地の神の化身です。」
不動明王の木仏を取り出す。
「貴方の世界でも、私達の世界の神が居るのですか?」
少々納得がいかない様子だが、補足しよう。
「神や仏と言う物は、全知全能で変幻自在、人とは理が違うので、姿形はその時に合わせて変わります、其のまま大地の姿では動き難いので、人に近いこの姿を取るのです、これを変化と言います、姿形は飾りなのです。」
因みに、現地の神の同一化は日本神道でも太陽神、天照大神(あまてらすおおかみ)と大日如来(だいにちにょらい)が混ざり、密教系では大日如来が最高位なのは其のせいである。
此方で勝手に混ぜた事によって、此方の神の権能が増えたりしたら、それはそれで大笑いなのだが、どうなる事やら。
因みにこの宗教侵略システム、仏教等の多神教が優れている点は、神を神のまま取り込める点にある、権能が同一だったり性質が被った場合、此方の神が同一なので、御仲間ですと言い張れるのだ。
一神教ではその神は偽物だ、うちの神こそ本物、異教徒は死ねと言う展開に成るので、争いの元である。
改変禁止だった場合は怖いが、中央に反発しているのであれば多少擦れているのであろう。
「では、有難く頂きましょう。」
神父さんが恭しく不動明王の木仏を受け取ってくれた。宗教侵略第二段階、神と仏の同一化がこうして完了した。
因みに、前回の鬼子母神(きしもじん)の木仏は教会の端っこだが、しっかりと祭壇付きで納められている、納めて安心である。
「所で、あの娘の目が覚めたそうですが。」
やっと本題である、忘れて居た訳では無い。
「はい、先程目を覚まされました、喋れるので、意識もはっきりしているようです。食欲もあるようですので、今子供たちにお願いして、食事の準備をしてもらって居ます、私はその間に、こうして大地の神に感謝の祈りを捧げて居たのです。」
「おじいちゃ・・・神父様、食事の準備が出来ました。」
子供達が食事の準備が出来たと呼びに来てくれた、来客が有ったので言い直したようだ。そうか、おじいちゃんなのか。
「はい、有り難うございます、では、私達も食事にしましょう。」
そう言って、食事、野菜のスープとパンがお盆に乗せて渡された。
「これを届けてあげて下さい、一番奥の部屋です、私や子供達が届けるより、貴方たちが届けてあげた方が喜ぶと思いますので、お願いします。」
色々気を使ってくれているらしい。
「はい、任されました。」
さてと、どんなリアクションを取られるかな?
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】
kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。
※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。
『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。
※表紙は生成AIで作ってみたイメージです。(シャルルが難しい…)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
構造理解で始めるゼロからの文明開拓
TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。
適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。
だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――!
――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる