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4章 助けた少女とその後
第166話 閑話 ぬーさんの巣立ち
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ぬーさんが来てから2年目の冬が来た、子供達が生まれて初めての冬だ、因みに、此方に来てから3年目で有る、本当にあっという間だ・・・。
そして、いつの間にか3人揃って4足歩行(ハイハイ)を開始した、ぬーさんの近くに寝かせて置けば動かなかった今まで以上に目が離せなくなったが、相変わらずぬーさんは餌の代金分なのか、子供達には鉄壁の防衛線を発揮、危険地帯である火の入った暖炉の前や、台所の入り口等には一歩も近づかせない、尚且つ、子供達がしがみ付いてもビクともしないので、安心しきって任せて居た、子供達も安全な相手だと懐ききって居るので、ぬーさんは子育て担当と言うか、子供達の主状態でこの家の育児が回って居た。
この時期は冬毛に成るのか、ぬーさんは夏場よりもこもこに成って居て、子供達は気持ち良さそうに抱き着いて、もふもふの冬毛に埋まって寝て居た。
のだが・・・・
冬が終わり、春に成って寒さも無くなったなと思っていたら、ぬーさんが何処かに消えてしまった、今回は子供達のしがみ付き作戦も発動しなかったと言うか、寝ている間で反応できなかった上、寒さも緩んで来たので抱き枕状態の拘束が緩んでいたらしい。
ぬーさん抜きの子供達はと言うと、一時恐慌状態に陥り、泣く喚く眠らない、目が離せないと言う戦争状態に陥ってしまった。
お気に入りの毛布とヌイグルミ、遊び相手が居なくなったと考えれば、ライナス症候群として、当然の反応では有るが、想像以上の大騒ぎとなった。
結果として、食糧庫の肉の消費が半分以下に減り、子供達が落ち着かなくなり、皆の睡眠時間が半分ぐらいに成ってしまった、居なくなって判るぬーさんのお仕事、遊び相手と眠らせ担当は大事である・・・・
そしてどうなったのかと言うと、それからしばらく経ったある日、ぬーさんが居る時より幾分機嫌の悪い子供達の相手をしていると、突然揃ってピクリと反応して、一方向を見て、楽しそうに奇声を発声始めた。
「だあ!」
「ぬー!」
「きー!」
ん?何かあったか?
と思って子供達の見て居る先を見ると、誰も手を出して居ないのに勝手に戸が開き、当然と言った様子でぬーさんが帰って来た。
久しぶりに帰って来たぬーさんは、冬毛から夏毛に生え変わり、幾分痩せて、身体中に枯草と謎の返り血を張り付かせていた。
子供達は、先程のむずがる様な不機嫌顔から喜色満面に変わり、床に居た組は真っ先にぬーさんに突撃し、抱かれて居た組は、良いから放せと言わんばかりに掴んで居る手を叩き、解放されると一目散にぬーさんにしがみ付いた。
「おかえり」
「なあお(ただいま)」
「居ない間大変だったんだぞ」
「なあああお(頼り過ぎだ)」
「先ずは風呂行くぞ、汚れが凄い」
「にゃあ?(えさは?)」
「風呂の後だな」
「にゃああ?(後には?)」
「出来ません」
声の調子から主観で勝手に翻訳して、返事を返し、誘導する。
「なああああ(しょうがないなあ)」
「ほら行くぞ」
「クリス、掃除頼んだ」
「はい!」
そう言い、クリスの返事を聞きながら、ぬーさんの背中を軽くポンポンと叩くと、渋々と言った様子で風呂まで付いて来た。
そう言えば、このぬーさん、最初から大人しく風呂で与える猫だったなと感心する。
浴場で全身を濡らし、無香料の石鹸で全身を洗うと、抜け毛と、毛に絡まって居た枯草や泥、毛の中に居た蚤(のみ)やら壁蝨(ダニ)やら虱(シラミ)が一緒に茶色の泡まみれに成り、流れて行く、一回では不安なので、もう一度洗うと、やっと奇麗に成った。
石鹸や香油の成分が残ると、猫の類は腎臓や肝臓を壊すので、念入りに濯いだ。
しかし、この様子だと子供達を先に触らせたのは早まったなと後悔して、まとめて掃除洗濯と、お風呂コースだなと諦める。
洗い終え、乾燥の魔道具で濡れた毛皮を乾かし、ブラシを入れる、このブラシは、昔狩って居たデカイイノシシの毛である、先の部分を切り落とすと、まるっきりタワシの様なブラシが出来上がるのだ、ぬーさんは相変わらず、されるがままだが、目を細めてリラックスした様子で居るのを見る限り、まんざらでもない様子だ。
「何処まで行ってたんだ?」
「なあお(ひみつ)」
相変わらず何を言って居るのかは、分からないのだが、此方が話しかけると、律儀に返事と言うか、相打ちのような物を返してくれるので、すっかり話が通じて居る様な気に成るので不思議だ。
「居ると居ないだと、あの子達の喜び方が違うから、これからも居てくれると助かる」
「なああお(気が向いたらな)」
気が抜けた様子で欠伸(あくび)をする、欠伸をするのは猫としてはどんな意味があったかなと考えたが、怒られて居る時の落ち付けだっけ?
と、思いつく、怒られていると認識しているのだろうか?
まあ、大人しくブラッシングされて居る時の欠伸だから眠いだけかもしれんが。
「何はともあれ、お帰り、これからもよろしくな」
「なあお(はいはい)」
余談としては、ぬーさんの帰宅から、洗い終えて乾かすまで数時間単位で掛かり、その他の防疫体制の為に、大掃除と成り、ぬーさんの餌はかなり遅れた事を記して置く。
それ以降は、居ない間の子供達の不安定な状態は鳴りを潜め、ぬーさんに懐いた子供達は、これまで以上にぬーさんと一緒に成った。
後から、順当に増えた子供の世話にも重宝されるようになるのは、また別の話。
更にその後、猛獣使いと言うか、ぬーさんを保護者状態にした冒険者姉弟が出来上がるのも、また別の話である。
追伸
昔、ヌシ視点で語って居た巣立ちの複線回収です。
ぬーさんは、迎えが来たので一時親元に帰り、狩りの方法を学び、自分でも狩れる事を証明して、独り立ちして帰って来ました。
純粋に自分で狩れるけど、こっちの方が楽だし、野生の世界で特に目的も無いし、子供達も気に成って居たので、其のまま居ついた形と成ります。
そして、いつの間にか3人揃って4足歩行(ハイハイ)を開始した、ぬーさんの近くに寝かせて置けば動かなかった今まで以上に目が離せなくなったが、相変わらずぬーさんは餌の代金分なのか、子供達には鉄壁の防衛線を発揮、危険地帯である火の入った暖炉の前や、台所の入り口等には一歩も近づかせない、尚且つ、子供達がしがみ付いてもビクともしないので、安心しきって任せて居た、子供達も安全な相手だと懐ききって居るので、ぬーさんは子育て担当と言うか、子供達の主状態でこの家の育児が回って居た。
この時期は冬毛に成るのか、ぬーさんは夏場よりもこもこに成って居て、子供達は気持ち良さそうに抱き着いて、もふもふの冬毛に埋まって寝て居た。
のだが・・・・
冬が終わり、春に成って寒さも無くなったなと思っていたら、ぬーさんが何処かに消えてしまった、今回は子供達のしがみ付き作戦も発動しなかったと言うか、寝ている間で反応できなかった上、寒さも緩んで来たので抱き枕状態の拘束が緩んでいたらしい。
ぬーさん抜きの子供達はと言うと、一時恐慌状態に陥り、泣く喚く眠らない、目が離せないと言う戦争状態に陥ってしまった。
お気に入りの毛布とヌイグルミ、遊び相手が居なくなったと考えれば、ライナス症候群として、当然の反応では有るが、想像以上の大騒ぎとなった。
結果として、食糧庫の肉の消費が半分以下に減り、子供達が落ち着かなくなり、皆の睡眠時間が半分ぐらいに成ってしまった、居なくなって判るぬーさんのお仕事、遊び相手と眠らせ担当は大事である・・・・
そしてどうなったのかと言うと、それからしばらく経ったある日、ぬーさんが居る時より幾分機嫌の悪い子供達の相手をしていると、突然揃ってピクリと反応して、一方向を見て、楽しそうに奇声を発声始めた。
「だあ!」
「ぬー!」
「きー!」
ん?何かあったか?
と思って子供達の見て居る先を見ると、誰も手を出して居ないのに勝手に戸が開き、当然と言った様子でぬーさんが帰って来た。
久しぶりに帰って来たぬーさんは、冬毛から夏毛に生え変わり、幾分痩せて、身体中に枯草と謎の返り血を張り付かせていた。
子供達は、先程のむずがる様な不機嫌顔から喜色満面に変わり、床に居た組は真っ先にぬーさんに突撃し、抱かれて居た組は、良いから放せと言わんばかりに掴んで居る手を叩き、解放されると一目散にぬーさんにしがみ付いた。
「おかえり」
「なあお(ただいま)」
「居ない間大変だったんだぞ」
「なあああお(頼り過ぎだ)」
「先ずは風呂行くぞ、汚れが凄い」
「にゃあ?(えさは?)」
「風呂の後だな」
「にゃああ?(後には?)」
「出来ません」
声の調子から主観で勝手に翻訳して、返事を返し、誘導する。
「なああああ(しょうがないなあ)」
「ほら行くぞ」
「クリス、掃除頼んだ」
「はい!」
そう言い、クリスの返事を聞きながら、ぬーさんの背中を軽くポンポンと叩くと、渋々と言った様子で風呂まで付いて来た。
そう言えば、このぬーさん、最初から大人しく風呂で与える猫だったなと感心する。
浴場で全身を濡らし、無香料の石鹸で全身を洗うと、抜け毛と、毛に絡まって居た枯草や泥、毛の中に居た蚤(のみ)やら壁蝨(ダニ)やら虱(シラミ)が一緒に茶色の泡まみれに成り、流れて行く、一回では不安なので、もう一度洗うと、やっと奇麗に成った。
石鹸や香油の成分が残ると、猫の類は腎臓や肝臓を壊すので、念入りに濯いだ。
しかし、この様子だと子供達を先に触らせたのは早まったなと後悔して、まとめて掃除洗濯と、お風呂コースだなと諦める。
洗い終え、乾燥の魔道具で濡れた毛皮を乾かし、ブラシを入れる、このブラシは、昔狩って居たデカイイノシシの毛である、先の部分を切り落とすと、まるっきりタワシの様なブラシが出来上がるのだ、ぬーさんは相変わらず、されるがままだが、目を細めてリラックスした様子で居るのを見る限り、まんざらでもない様子だ。
「何処まで行ってたんだ?」
「なあお(ひみつ)」
相変わらず何を言って居るのかは、分からないのだが、此方が話しかけると、律儀に返事と言うか、相打ちのような物を返してくれるので、すっかり話が通じて居る様な気に成るので不思議だ。
「居ると居ないだと、あの子達の喜び方が違うから、これからも居てくれると助かる」
「なああお(気が向いたらな)」
気が抜けた様子で欠伸(あくび)をする、欠伸をするのは猫としてはどんな意味があったかなと考えたが、怒られて居る時の落ち付けだっけ?
と、思いつく、怒られていると認識しているのだろうか?
まあ、大人しくブラッシングされて居る時の欠伸だから眠いだけかもしれんが。
「何はともあれ、お帰り、これからもよろしくな」
「なあお(はいはい)」
余談としては、ぬーさんの帰宅から、洗い終えて乾かすまで数時間単位で掛かり、その他の防疫体制の為に、大掃除と成り、ぬーさんの餌はかなり遅れた事を記して置く。
それ以降は、居ない間の子供達の不安定な状態は鳴りを潜め、ぬーさんに懐いた子供達は、これまで以上にぬーさんと一緒に成った。
後から、順当に増えた子供の世話にも重宝されるようになるのは、また別の話。
更にその後、猛獣使いと言うか、ぬーさんを保護者状態にした冒険者姉弟が出来上がるのも、また別の話である。
追伸
昔、ヌシ視点で語って居た巣立ちの複線回収です。
ぬーさんは、迎えが来たので一時親元に帰り、狩りの方法を学び、自分でも狩れる事を証明して、独り立ちして帰って来ました。
純粋に自分で狩れるけど、こっちの方が楽だし、野生の世界で特に目的も無いし、子供達も気に成って居たので、其のまま居ついた形と成ります。
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