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4章 助けた少女とその後

第167話 外伝 子供達とぬーさんの関係(本編のかなり後)

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 子供達が何時の間にか独り立ちと言うか、この世界での成人年齢に成った、何だかんだで、義父上や、義母上、エリスや灯、自分も冒険者として活躍していたので、そんな冒険譚を色々聞かせて育てた関係上、子供達の将来の目標が、強い冒険者に成る事に成ってしまったのは仕方が無い事だろう、領主として駆け回る話よりも、冒険者としての生活にあこがれを抱いたらしい。
 世間を知らずに其のまま領主行を継がせると碌な事に成らないと言う意見は何だかんだで一致し、一度普通に働かせようと言う事で決着した。
 当然、何も教育しない筈も無く、あらゆる生存戦略やら魔物の生態、戦闘方法を叩き込んだ、全ての真言が使える迄は行かなかったが、其れなりの物には成ったと思う、まあ、親のひいき目の類なのだが。
 身体能力的には歳の関係で当然と言うか、光が一番高く、知識はイリスが、立場的には一番強い筈のウルザは姉?達の尻に敷かれる状態と成って居た。尤も、其処等辺の地位やら何やらを区別せずに育てたのだから当然なのだが、泣いたりする訳では無く、楽しそうにして居るので大丈夫なのだろう。
 因みに、クリスと俺の子である男の子、リーオは安定志向が強く、冒険者に成るよりはギルド職員に成りたいと言う事で決めているようだが。
 其処等辺は子供の自由意思で決めて欲しい所ではある。
 尤も、上の姉兄より少し年下なので、上の背中がどう見えるかの問題だが。

 戦闘訓練、俺を相手にすると只あしらわれ、灯やエリスが相手すると、無意識に力押しで弾かれるので、義母上や義父上にも教育して貰ったり、ぬーさんに挑んだりもしている、当然だが、動物としての地力が違い過ぎるので、対人戦以上にあしらわれて居たりもするが、冒険者は盗賊退治やら以外では魔物や獣を相手にする方が多いのでその方が良いらしいのだが。

 因みに子供達のぬーさん相手の模擬戦は、当然の様に攻撃のことごとくが当たらず、気が付くと背後を取られ、そのまま体当たりで押しつぶされたり、背後を取ったと思ったら尻尾で横っ面を叩かれ、上から飛び掛かれば、一瞬のうちに対空の構えを取られて捕まると言う図がお約束である、ぬーさんとしてもじゃれている程度の認識らしく、爪を立てずに怪我をさせずに制圧されている。
 あ、子供達が又負けてる。

 因みに、自分が本気で挑んでも、現在成体、体長で2mを越えるぬーさんには手を焼くと言うか、下手すると勝てなかったりする。
 人間相手のフェイントは、あくまで人間相手の物なので通じなかったりもするのだ。
 反射神経と動体視力の関係で、ほぼ此方の攻撃を見てから避けるのだ。
 あくまで経験による予測で軌道計算している人間とは其処が違う。
 ゴブリンの様に浄化やらの補正が乗らないせいも有るのだろうが、前回にぞわっとしたブラッディベアの突撃以上に速いし、避けるしで真言のサポート無しに捕まえるのは難儀である。
 入ったと突いた棒を当然の様に足場としてジャンプした挙句に、其のまま突撃する様な生き物に人間が勝てるかどうかは、はなただ疑問だ。

 ジャンプした状態、人間なら空中では姿勢変更も出来ない、所謂(いわゆる)死に体と成るのだが、ぬーさんを代表する猫の類は空中で当然の様に姿勢を入れ替えるのだ、跳んだ状態で空中から突撃して来た物を真正面から迎撃しようとした所で、当然の様に起動が変わるのだ、空が飛べない人間からすると最早訳が分からない。
 うちの猫はそんな動きしないと言われそうだが、現実世界でも背中から落下させても絶対に足から着地したり、高層マンションから落下してもムササビ滑空で無傷で生還したりするので、あの時点で敵に回るとヤバい生き物である。

 結局攻略法は、槍や棒、長剣等の大型武器では速度で敵わないのでまず当たらない為、なりふり構わずに短剣系統で手数を増やしてどうにかの世界である。当然、当たれば勝ちの模擬戦なら兎も角、実践では獣毛が固すぎて攻撃が通らず、普通に蹴散らされる。
 若しくは、盾持ちにして防御した所を攻撃する位だが、初めてやった時は兎も角、直ぐに覚えられ、突き出した盾を足場に一瞬で方向転換するのであまり有効な手段では無かったりする。

 野生動物として狩るつもりで有るのなら、軽く傷を入れた後で、追い返し、ひたすら追跡するのがセオリーだし、ファーストアタックでアウトレンジから投擲槍や弓を当てるか、罠にかけるなら兎も角、真正面から戦うのは無理である。
 敵対生物で無かった事が本気で助かったと思える生き物だったりする、何だこの最強生物・・・

 そんなぬーさんに散々狩られた子供達が冒険者となり、其れなりに戦果を上げて来るようになった、ぬーさんは気に成るのか、気づかれないように距離を取り、着かず離れずで毎度監視しているようだ。
 何でバレたのかと言うと、気に成ってちゃっかり尾行した所、当然の様に追いかけるぬーさんを見つけた次第だ。
 子供達が危なくなると、何処からともなく現れるらしい。
 近くを歩いて居た冒険者達がぬーさんを見つけてぎょっとした等の報告が上がって居る、追跡対象以外にはバレバレらしい。
 ぬーさんに手を出す馬鹿は居ないと言うか、猫族の類に手を出すと酷い目に合うと言うのは、この辺の冒険者の間では半ば常識と成って居るので、ぬーさんの身も意外と安全である。
 何気に子煩悩と言うか、ぬーさん的には一人前にはまだ早いので監視して居ると言う事なのだろう。

 ぬーさん基準の一人前はどれ位かと考えると、恐らく一人でぬーさんから一本取る程度? 若しくはハイエナや狼、ゴブリンの群れを蹴散らす程度だろうか?
 多分無理だと言う事をツッコミたいが、あくまでぬーさん独自の基準であるだろうし、安心して子供達を送り出せるので助かって居たりもするので、其処は任せてしまおう。



追伸
時系列としては本編の10数年後です、此処から先に進んだりはしません。
そもそも本編はほぼ終えて居るので蛇足シリーズです。

食べて居る餌の関係も有って、其処まで巨大化しませんでした。
力尽きると、子供達もぬーさんも揃って木陰で昼寝をしています。
巨大生物の宿命として、意外と長命ですので、最低でも30~40年は生きる予定です。
故に、未だ老齢期には入りません。
まあ、其処まで書きませんが。

次回作的な物も準備中です、どっかの投稿分では只寝てたあの子の話と、無駄に喋る石と少女の話 (それぞれ別)です、余り展開しませんが良かったら読んでやってください。
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